コミュニケーション量増大ツール
「どこでもマーサ・ボード」で
壁のない社会をつくる! ~ 学校編 ~
社会的背景と事業への想い
家業であったオフィス家具の販売、サービスの提供に約15年携わってきて感じるのは、SOHO、ノマドワーカー、フリーアドレス等、仕事のし方や「オフィスの在り方」が急激に変化してきているということです。通信手段も多種多様になり、簡単に繋がることができて便利になりましたが、その分リアルなコミュニケーションを、意識的に増やすことの必要性も強く感じています。職場での人間関係に悩みストレスから鬱になったり、身体的にも様々な病気を発症し、就業困難となる人たちがあとを絶たない現代社会。どうしたらみんなが幸せに、楽しく働けるようになるのだろうか?オフィス家具販売を通して、そんなことを悶々と考える日々が続きました。
コミュニケーションが苦手であることが直接の原因ではないかもしれませんが、人間関係を良好な状態に保つこと、修復することに役立つ能力であることは誰もが知るところです。私は職場における人財育成を主なミッションに、この「どこでもマーサ・ボード」を社会に広めるべく活動して5年、コミュニケーションについて様々な文献を読み、専門家の意見を聞き、どうしたらこのコミュニケーション能力をつける(引き出す)ことができるのか研究してきました。
そして、3歳から5歳のもっともコミュニケーション能力がつく時期に、どのような情操教育を受ける環境にあったかによってその差が生まれることがわかってきました。それならば・・・
「どこでもマーサ・ボード」をただの「商品」として広めるだけではなく、その使い方を「コンテンツ」として専門家の意見・アイデアを一緒に提供する。潜在的にツールを必要とする人たちが、あたりまえに使える社会を夢見て、このコンテンツを充実させるために、今度は専門家ネットワークづくりに邁進してきました。
誰かが困っているときに「どうしたの?」と声をかけてあげる。自慢の絵や、アイデアを誰かに見てほしい。思っていること、考えていることを人に伝えたい、ちゃんと伝えてほしい。この想いや行動を後押ししてくれるのが、人の思いを、目に見えるように繋げてくれるのがこのコミュニケーションツール、「どこでもマーサ・ボード」なのだと。
このツールの価値を広めたい!と、2010年から、日本全国の様々な職種の企業や学校、講演会やセミナーでプレゼンさせていただき、多くの方から応援・支援をいただき少しずつ、ホワイトボードになっている壁を広めてきました。小学生や中学生高校生など子どもたちの前でプレゼンをすると、いつも目を真っ赤にしながら
「ぜひこの活動を続けていってほしい」
「もしもこのボードが身近にあったら…」
「大人になって就職する不安がなくなりました」
と、感想を伝えてくれる子どもたちとの出会いがあります。
子どもたちがいつでもどこでもあたりまえに「どこでもマーサ・ボード」を使えるシーンを想像したら、私までもがワクワクして、これは子どもたちに使ってもらいたい!と本気で思うようになりました。職場での人財育成ツールとして広めてきたつもりが、 学校に通う子供たちからの要望が増えてきたこと、情操教育に役立つツールであることを確信し、コミュニケーションの悩みがない、心の壁をつくらない「壁のない社会」を子どもたちと創ることが私の「夢」となったのです。
私自身も過去に、自分の認証欲求が原因で、会社や家庭でコミュニケーションがうまくいかず大きな挫折を経験しました。それによって環境は大きく変わり、自分ひとりではどうにも対処できなくなったとき・・・私はこのコミュニケーションツール「どこでもマーサ・ボード」のアイデアを思いつきました。大人になってからの挫折経験は、とても辛いものです。
でも、もしも・・・この「どこでもマーサ・ボード」が身近にあったら、アイデアが出なくて困ることも、認証欲求に苦しむことも、人とのコミュニケーションで悩むことも、大人になってから社会で「壁」にブチ当たっても立ち上がりやすくなるかもしれない。もしかすると「壁」なんて感じることもないかもしれない。
「できてあたりまえ」の社会人基礎力や、周りでその問題を問題として捉える勇気が足りない場合……日常で問題を解決するときにまず必要なのは「きっかけ」です。気遣いができるきっかけをつくるのが、このコミュニケーションツール、「どこでもマーサ・ボード」の役割だと、この時確信しました。
アイデア次第で無限の可能性を秘めた、コミュニケーションツール「どこでもマーサ・ボード」は、壁やテーブルをペンキで塗って、アイデアを書き、共有することができる「文房具」です。この文具の良いところは、消耗品はペンだけで紙などの資源を必要としないところ。地球にとってもエコなんです。パソコンの普及によりペーパーレス化は進んだと言っても、手を使ってアイデアを書き出すことで脳が活性化。この手法は、今も昔も変わらずです。
学校や公共の場、家庭では、自由な発想で「手で書く(描く)」ことで、子どもたちの知的能力もアップして、コミュニケーション上手になれるかも。そうして街の人たちがお互いを「気づかう」社会が創られてゆくのです。思い出してください。勉強だってそうでしたよね。私たちが字を覚えるとき、ノートに何回も何回も書いて。計算だって、たくさんの問題をノートに書きながら覚えたと思います。
その昔、テレビのドキュメンタリー番組で、発展途上国に暮らし、何時間もかけて学校に通ってくる子どもたちを見たことがあります。教室内では一生懸命に子どもたちが、先生が黒板に書かれた文字を、ノートに小さな小さな文字で書きとめていました。ノートが買えない子どもたちが世界にはたくさんいることを、そのとき知りました。
それから十数年。「どこでもマーサ・ボード」のサービスを思いついたとき、次から次へと使い方のアイデアが湧いてきました。その中に学校用机の天板をホワイトボードにして使うアイデアがあり、これって文字や計算の練習に良いのでは!?と、発展途上国の子供たちが使っていた、文字がびっしり詰まったノートの映像がフラッシュバックされたのです。
「もしもノートが、書き消し自在のホワイトボードだったら・・・」そこでひらめいたのが、下記の試みです。
日本中の家庭をはじめ、オフィスや工場、病院や学校、公共施設の壁が「どこでもマーサ・ボード」になってコミュニケーション量が増大するとともに、世界中のどこかの発展途上国の学校教室では「机ノート」が増えていき子どもたちが学ぶ楽しさを知る、笑顔の循環プロジェクトです。
オフィスだけでなく、学校や公共施設においてもこのツールは、人と人の出会いが活動の中心となる「場」をつくり、強い組織と人を育てることに繋がっていきます。
10年、20年、30年と未来を見据えての人財育成を念頭に、生活をより豊かにたくましく生き抜くために、このコミュニケーションツールを使える子どもたちを増やすこと。このミッションが子どもたちの未来のハッピーに繋がると信じて。
/「どこでもマーサ・ボード」本気の事業計画書より