M色全開の危ないタイトルに聞こえますが、
毒虫や毒ヘビ相手というわけでもないのでまあ試してみるのも一興でしょう。
サイズからしてカマキリに挟まれるほど痛くはなさそうですし……。
というわけで、今年もこの昆虫を撮りに某所へやってまいりました。
覚えていらっしゃいますでしょうか? ウスバカゲロウの近似種 キバネツノトンボです。
GW近辺にこの昆虫を撮りにいくことは、私の年間スケジュールにしっかり組み込まれています。
(撮影日は今日(5/7)です)
さて、この昆虫がその名の通りトンボに近い機動力に秀でた肉食性であることは
恐らく昨年の記事でも紹介させていただいております。
一方でカマキリの鎌やヤブキリのトゲなど、捕獲に適した武器は少なくとも脚には見られません。
となればこれまたトンボと同様に、口に牙ないし虫を捕らえる機関があることが予想できます。
(図鑑を見れば載っている……とか野暮なことは言わんといて)
が、この昆虫は見ての通り顔が毛むくじゃらで口元の構造がわかりにくく、
過去の写真でもその辺りがハッキリ写ったものがありませんでした。
では口はどうなっているのか?
試しに昨年同様フリーハンドで捕まえてみました。
(俊敏に飛び回る昆虫ですが、止まっているところを捕まえるのは慣れると結構簡単です)
横から見る限りでは、ヒゲしか見えませんね。
しばらく指に止まったままになったので(やっぱり手汗の影響? すぐ飛んでいきましたけど)
横のアングルから何枚か撮影してみました。
やっぱヒゲ面のおっさんがジト目でこっちを睨んでいるようにしか見えず……。
横からではわかりにくいので、ちょっと持ち方を変えてみて
親指と人差し指で摘まみつつ、親指が口の前に出るようなポジションにしてみました。
当然生きた昆虫は捕獲されれば(少なくとも最初は)暴れて逃げようとしますので
口に牙があるなら高確率で噛みついてくるだろうと踏んだのです。
その結果……↓
ほ~ら、出てきた出てきた。
分厚い顔の毛からカミキリムシを思わせる鋭い牙が現れました。
キバネツノトンボは空中を飛び回りながら、この口で他の昆虫を捕らえていたのです。
で、案の定この後私は噛みつかれたわけですが
その感想としましては……やっぱ大したことありませんでしたね(汗)
サイズの関係もあり牙があまり大きくないため、噛まれてもチクッとするだけ。血も出ませんでした。
本家のトンボに比べると攻撃力は低め、かな?
(以前、オニヤンマに噛まれて流血沙汰になりかけたことがあります)
その分小柄で小回りが利くので、機動力に重点を置いていると言えるかもしれません。
また、捕食対象の昆虫のサイズが小さければ、これでも殺傷能力は十分でしょう。
小さいとはいえ、彼らが優秀なハンターであることには変わりないのです。
最後に、指の上でご開帳。
もう何度も撮っている昆虫なのに、未だに全く飽きがきません。
希少種ということもあるのでしょうが、何か不思議と惹きつけられるものがあります。
来年も、それ以降も、彼らの暮らす環境が大切に守られることを願ってやみません。