離れていても故郷を思っている人たちがたくさんいます。
東北の言葉と風土と人間を描き続けてきたシェイクスピアカンパニーの一員として
私たちの今とこれからのこと、皆さんと考えてみたいと思います。

※「おみょうにち」=「お明日」を語源とする仙台弁で、「また明日」の意。
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2011年10月17日(月)

大阪出張取材

テーマ:震災
 10月15日(土)、カンパニーの岩住君が在仙劇団「三角フラスコ」の大阪公演に客演するというので、出張取材してきました!

 この企画は、大阪と仙台の劇団がそれぞれの視点から311を描く合同公演でした。関西といえば、阪神大震災の記憶がまだ新しい一方で、東日本大震災に対しては距離のある土地であり、その時間的、物理的距離から何が見えてくるのか、興味がわきました。

 三角フラスコの「あと少し待って」は、地震直後の停電下、まだ災害の全体像をつかめないまま暗闇の中にいた仙台市民の状況を切り取った作品です。被災地の外にいた私たちは、その頃悪夢のような映像をテレビで見続けパニックに陥っていたわけで、舞台で描かれる不気味に静かで日常的な会話の外側に、別の情報を重ねながら見ました。

 一緒に見たのは、カンパニーの初代マネージャーの公江さん(一関出身、現在京都在住)と、私の学生時代の友人山田君(大阪在住、NHKの番組制作の仕事で震災後に石巻や福島を取材)。見終わった後に岩住君も交えて感想を話し合うと、当時仙台にいた出演者、東京で地震の恐怖体験を一部共有している私、関西で報道を通した情報だけを見ていた2人、この3層での感覚の違いが浮き彫りになりました。

 同時代性のある内容を演劇で扱う意義を改めて考えました。時間のかかる、間接的な方法ですが、表現者と観客が一緒の時間を共有するせいか、確実に議論を深めるきっかけになるように思います。今回のように日本全体を震撼させた事件についてはなおさらです。この作品を今後仙台を始め他の場所で公演する際には、それぞれの場所で反応がずいぶん違ってくるでしょう。そいうったことが楽しみなプロジェクトです。

 地震から3週間後の4月1日に岩住家を訪ねた日を思い出します。彼と奥さん2人して、インフラが停止していた間に感じた太陽の光と温度の偉大さ、最初に温かい飲み物を飲めた時、お風呂に入れた時の感動、人の親切のありがたさを、体を震わせるようにして語ってくれました。沿岸部の知り合いや取引先の受けた被害の大きさを目の前にして、ショックで何も言えないとも言っていました。

 だから今回、彼にはその体験を誠実に伝えてほしいと思いました。演劇的表現手段を持っている人間として、あの事件に立ち会ってしまったからには。シェイクスピア•カンパニーの枠を超えて、仙台市民の声にならない体験を紡ぎだしてくれるよう、今後も期待しています。


おみょうにち劇場 右から、公江さん、筆者、岩住君、山田君。

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2011年10月09日(日)

ICU同窓会にて「破無礼」デモンストレーション

テーマ:震災
10月8日、仙台のKKRホテルにて下館主宰の母校である国際基督教大学の同窓会が開かれました。春先に企画を検討された際に、東北を元気にする意図で仙台を会場に選ばれたと聞いています。

イベントのアトラクションとして、シェイクスピアカンパニーと下館ゼミ(東北学院大学)の学生による「破無礼」エッセンシャル版(超凝縮版とでもいいましょうか)を披露し、約100名のお客様にお楽しみいただきました。

今日は、「破無礼」に初めて出演した藤野君と渡辺君からの感想と写真を掲載します。

おみょうにち劇場「当日はとても天気がよく清々しさを感じながら会場入りしました。

最後に稽古を行った日から少し期間があいたので、確認の意も込めて控え室で通し稽古を行い、その後本番の会場で細部の確認などを行いました。

今回の舞台では照明や道具などは使用せず、いつもと違った形の舞台に胸を躍らせながらいざ本番を迎えました。重厚感のある洋風の間に包まれ、短時間ながらも確かに破無礼の舞台がそこに出来上がったと思います。

最後には大きな拍手を頂き、ICU同窓生の方々のとても温かいまなざしを感じました。
この芝居を通して私たち自身が何かを感じ、また観て頂いた方々にも何かを感じて頂けたと信じています。

私たちの持つエネルギーがお芝居を通して相手に伝わり、そしてそれが東北のエネルギーに繋がっていく。そのようなお芝居の力というものを改めて感じました。」  (藤野)


おみょうにち劇場「まず一言、「新鮮」というのがありました。
それはシェイクスピアのエッセンスのみを取り出している芝居点と、カンパニーメンバーとゼミ生という経験差の中で一つの「モノ」をつくるという点の二つにおいてです。

それからもう一つ感じたことがあります。
それは「不安」です。
果たして自分が今やっていることが本当に伝わっているのかという「不安」です。
このエッセンシャルシェイクスピアは作品について既知である者に対しては非常に効果的であると思われますが、同時に情報が何もない者の初見でどこまでこのエッセンスが伝わるのかという不安も感じました。
しかしながら、この「軽さ」は新たな可能性に繋がり得るという期待もあり、この先に光が射したかなという思いもあります。」  (渡辺)

「破無礼」は初演以来、上演の度に改訂版を作ってきました。ざっと数えるだけでも6~7種類くらいあるはずです。最初の150分から、120分、90分、60分とありましたが、今回は30分とのこと。厳しい条件下の方が、クリエイティブになれるというのもまた事実です。

参加した皆さん、お疲れさまでした!


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2011年09月28日(水)

岩住浩一、強化月間

テーマ:震災
いよいよシェイクスピア・カンパニーのライオンが動き出します。
岩住浩一君からのお知らせ、そのまま掲載します。特に関西方面在住の方はぜひ応援にいらしてください。こちらの大阪公演には、おみょうにち劇場も出張取材の予定。レポートもお楽しみに!

*****************************

来月、震災後、初めて舞台に立ちます。
(所属するシェイクスピアカンパニーの公演でなく仙台の三角フラスコという劇団に客演します。)

公演地は、私が3~15歳という青春の約半分を過ごした街、大阪です。

そこに初めて役者として足を踏み入れます。凱旋公演になるのでしょうか!?

僕が大阪を離れる2ヶ月ほど前に阪神大震災がありました。
そして今年、仙台で東日本大震災を経験しました。

今回の作品は、3.11をテーマにしております。

ゆえ、私にとって、そして皆様にとっても、
様々な面で意味の深い公演になる事は間違いありません。

ご都合つく方、是非とも劇場に足をお運び下さい!

合同公演をするA級ミッシングリンクさんもとーっても魅力的な作品を
生み出す劇団です!

ご覧頂いて、絶対、損はしないはずです!

なにとぞ、宜しくお願い致します。

岩住 浩一


【ご 案 内】

―共通のキーワードは、「沈黙」
大阪と仙台、2つのカンパニーが311以後の物語に挑む―

A級MissingLink+三角フラスコ 合同公演

-ウイングフィールド提携公演
-第3回むりやり堺筋線演劇祭参加公演

A級MissingLink第18回公演
「限定解除、今は何も語れない」
作・演出:土橋淳志
出演:横田江美、松原一純、松嵜佑一、細見聡秀、新城アコ、幸野影狼/緒方晋(The Stone Age)

+

三角フラスコ#36
「あと少し待って」
作・演出:生田恵
出演:瀧原弘子、小濱昭博/山澤和幸、岩住浩一(シェイクスピア・カンパニー)

日時
2011年10月15日(土)~18日(火) *全7ステージ

開演時間
15日(土)15:00/19:30
16日(日)15:00
17日(月)15:00◆/19:30
18日(火)15:00◆/19:30
◆完全予約制(当日券は発行しません)

*受付開始(入場整理券発行)・当日券販売=各60分前
*開場=各30分前
※上演時間(予定)=120分*休憩あり

会場
ウイングフィールド
大阪市中央区東心斎橋2-1-27 周防町ウイングス6F

料金:日時指定/全席自由
前売 2,300円
当日 2,800円
◆平日マチネ 1,800円*完全予約制

※U-25割 1,000円・ペア割 4,000円(枚数限定・予約のみ)

主催:A級MissingLink+三角フラスコ
大阪市助成公演
助成:芸術文化振興基金/(財)仙台市市民文化事業団

今、考えているのは距離について。地域と地域の距離であり、人と人の距離。きっかけは僕がまず大阪でメディアを通して震災のことを知り、その後、4月に仙台・福島を訪れたことです。大阪と仙台の間にはもちろん距離がありますし、仙台市内と沿岸部にもまた距離があるようです。演劇はそもそも距離を扱うのに長けたジャンルではないかと思います。虚構と現実、演出とテキスト、役柄と俳優。なので、そういったことをふまえながら、よき隣人になるにはどうすればいいのか? 只今、稽古しながら考えている次第です。
―土橋淳志(A級 MissignLink)

3月11日のことを、内陸に住んでいる私は「地震」と呼び、沿岸部に住む私の叔母は「津波」と言う。電気が復旧するまでの数日間、私は、なにも知らなかった。というより、わかっていなかった。ただ淡々と、日々を生き抜いていただけだ。その後、状況は刻々と変化していくのだけれど、あの静かな日々が、どういうわけかひっかかる。私にとっての、空白の3日間。あのとき、なにか感じていただろうか。これから、生きるための、ことを。
―生田恵(三角フラスコ)
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2011年09月19日(月)

卸町の能舞台でリハーサル

テーマ:震災
今日は仙台からの報告が入りました。
10月に開かれる下館主宰の母校の同窓会にて、「破無礼」(奥州幕末のハムレット)のデモンストレーションが行われるため、この連休に仙台ではリハーサルが行われていました。2日目の19日は、仙台市の卸町に最近移築された能舞台が会場で、お客様の見学もありで非常に盛り上がったそうです。

おみょうにち劇場

以下は、主演で今回の新バージョン(上演時間30分)の脚色を自ら行った岩住浩一さんより。

「フル稼働の2日間でした。
でも能BOX、めちゃくちゃ良い劇場です。
場の力、半端なくあります。
一歩踏み入れた瞬間、ざわっとしました。
設備も整っていますし、かなり使える良質の空間だと思います。

作品の方は、突貫で作った割に、なかなかのクオリティーです。
コロスを使った作品は初挑戦でしたが
かなり幅広い可能性を感じました。
青木がモダンだとコメントしていました(笑)
あまり意識はしてないんですけどね。
カンパニーにとっては新しい手法である事は確か。

演出、主演に、加え、現場の仕切り、ワークショップトレーナーなど、
予想通りがっつりな仕事量でした。

まー、お客さんやカンパニーメンバー、
みんな楽しんでくれたようなので
それが何より良かったです。

やっぱりシェイクスピアの台詞には力がありますね。
久々にハムレットの台詞を放ち、思いました。
そして自分が演じる時期、経験によって
同じ台詞がまるで別物になるんだなーと。

芝居の奥深さを感じました。

感じること
とても大切です。」

10月の成果に期待ですね!
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2011年09月08日(木)

まだ終わっていなかった、夏

テーマ:震災
前回、これでカンパニーメンバーの夏も一段落、と締めくくってしまいましたが、失礼しました!
星奈美さんの公演が残っていました。9月1日~4日、新宿のSPACE雑遊にて財団、江本純子の「奇形鍋」に出演。

奈美さんといえば、カンパニーではオフィーリアやロザリンドを演じてヒロイン女優のイメージが強いのですが、今回は暴挙に出ました、吠えていたのです。
福島が実家の彼女は原発事故以来本当に苦労しました。故郷の町と家族の生活を突然奪われて、その怒りはどこへ向けたらいいのか。それでも最近は、明るく元気に活動しています。彼女が近くにいるおかげで、原発問題も反対すればよいという単純なものではないことを実感します。人々が必要とした電力のために、あの事業を支えた町や人の営みが何十年分もあって、今はさらに危険な環境で事故収束のために動いている人たちがいます。家族の心配も果てしなく続きます。奈美さんは関東に避難してきている同郷の人たちを元気づける活動も、同級生と企画しているそうです。この時代を耐えて、たくましく、美しく、優しいエンターテナーになってほしいです。


おみょうにち劇場


珍しく仙台から上京した塩谷豪君も会場に見に来ていました。彼の実家も福島の南相馬、原発からちょうど30KMの位置です。本人は仙台で、行政書士として地元企業の経営を支援しています。この時期ある程度の仕事はボランティアになってしまうと言いながら、大忙しのようです。
芝居を見た後で奈美さんには、「東京で演劇を続けていく限り、君とその周辺の世界観を愛するようなお客さんを多く持つようになさい」と伝えたそうです。「日本はこの先少なくとも100年は縮小スパイラルになるから、全部が適正規模に帰っていくのは間違いない、そのときにそれぞれの分野は、特に演劇のような嗜好性のあるものは、指向性の共同体をつくっていくことでしか、続かないと感じました」とのこと。翌日届いた長ーいメールより抜粋。これは長い議論になりそうです。

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