――目標は女流雀王になることだった。
今年のはじめ、目標を達成した私は燃え尽きていた。
なにを頑張ればいいのか。次に何をすればいいかわからなかった。
女流日本シリーズが始まった時、気持ちがふわふわして、こんなすごい人たち(画面越しでしか見たことのないプロの方々)と対局してていいのか……と不安に思っていた。
……女流雀王としてこんなこと言っちゃいけないかもしれないけど、でも、あの時はほんとにそう思ったんだもの。
半荘を重ねる毎に、新しい景色や世界を見る度に、燃え尽きた火が少しずつ灯ってきた。
女流日本シリーズでプレーオフに進出できなかった時、チャレンジマッチで親番を大事にできなかった時、最強戦で和了きれなかった時、段々と気持ちが大きくなってきた。
こういう場所で勝ちたい。
勝たなきゃ意味がない。
タイムシフトを見返す。
どこがダメだった。どうすれば勝てた。
なんで押せなかった。なんで押した。
なにを想いそれを切った。どうしてこの選択が思いつかなかった。分岐点はどこだ。
見始めると止まらなくなり、考えがごちゃごちゃになって、興奮して眠れなくなった。
雀王が言った。
「俺たちには、この一年しかないからな。この1年でなにか結果を残さないとな……」
先輩が言った。
「この1年が勝負所だぞ」
「今以上に真摯に頑張っていくしかないよ。真っ直ぐ前を向いて歩いてこ」
「悔しいなら結果で示すしかないんじゃないの?」
一度切った牌は戻せない。
あそこであーしてれば……
時間も打牌も巻き戻しは効かない。
責任を持って選択する。
じぶんの選択を後悔をしない。
選ぶことも、決めることも苦手だし、優柔不断で、おっちょこちょいでケアレスミスも多い。我慢は苦手だし、目立ちたいし、かっこよく見られたいし、みんなと同じくせにみんなと違うって思われたい。
嫌われてもいいやなんて思いながら、ほんとは誰がどう思ってるか気にしてビクビクしてた。えぇかっこしぃで、プライド高くて…
エゴだらけ笑
みんな、みんな勝ちたいのは知ってる。
みんな強いのも上手いのも知ってる。
私は勝ったその先を、その続きを、景色をみたい。
この一年、結果を残せてないから。
本番は本番で、ゴールじゃない。
女流雀王になって342日目
たくさんのことを学んだこの1年に感謝しながら…
いつも通りに、いつもよりちょっと丁寧に。
一回戦
まずは、緊張をほぐすために!なんでもいいから……
声、出してこよー!笑
テンポよく。私のリズムになりますように。
女流雀王決定戦、1日目。
今からすたーと。
集中!!
頑張るから、見守ってて下さい。
2016/12/3 11:22(予約投稿です)