クラブチームはセレクションにより自チームのスタイルや考え方に
近い選手やコーチを選べる為、ある程度、画一化した考え方のコーチでも
それなりにチーム運営はできるしチームの中の一員として選手の育成はできる。
しかし学校チームは色々なスタイルや考え方を持った選手で構成されており
チームの育成という部分ではかなり難しい、だからこそ選手個人の育成や
スタイル、考え方等と真摯に向き合い考えていかなければ育成という言葉は
形骸化してしまう。
学校チームは指導者が先生である事でアドバンテージはどこにあるのか?
それは選手の生活と密接しており選手一人一人の性格や考え方が学校生活で
理解しやすい事が一番だと思う。その強みを生かした育成方法を考えていくと
おのずと個人に密接した育成(個の育成)という答えが出てくるのではないか。
最近の学校チームの指導者はクラブチームのコーチのようにチーム戦術に
重きを置き、自分の戦術の為に、選手のポジションを考える先生が増えて
きたように感じます。
育成の基本は個々のレベルアップである以上、育成年代の指導者の役割は
道を間違えないようにナビゲートする事ではなく交通整理ではないのか?
右に行きたい車には右に行かせる、左に行きたい車には左に行かせる、
真っ直ぐ進みたい車には真っ直ぐ行かせる、Uターンしたくても禁止場所では
Uターンをさせない、スピード違反はさせない、そういうルールの上でも
極力スムーズに進めるように交通整理をするのが先生コーチの役割ではないか。
クラブチームは人材確保のため、大なり小なり勝って、名を挙げなければならない、
どのチームも個の育成を掲げるが実際に個の育成に力を入れているチームが
どのくらいあるだろう?だから今こそ、学校チームが個の育成に力を入れる事で
クラブチームと差別化を図り選手に「サッカーを上手になるのに道は一つではない」と
示せるかどうかが学校チームの新しい存在意に変わるのではないかと思う。