3月8日(水)、党の外交部会・外交・経済連携本部合同会議において、現在交渉中のRCEP(東アジア地域包括経済連携)について議論を行った。

 

RCEPは合計16か国(ASEAN、日韓中、インド、オーストラリア、ニュージーランド)が参加する大型の経済連携協定だ。中国がASEAN+3(日中韓)の枠組みで協定締結を提案したのに対して、日本はインド、オーストラリア、ニュージーランドの3か国を加えるよう主張した。日本政府としては、当初からRCEPをTPP(環太平洋パートナーシップ)と並ぶ大型の経済連携協定と捉えてきた。その流れの中で、2013年5月の初会合から今日まで、閣僚会合6回と事務方の交渉会合17回が開催された。アメリカのTPP離脱により発効の見通しが立たない中、我が国としてはRCEP妥結に向けて粘り強く交渉しているところだ。

 

RCEPは、人口約34億人(世界人口の約半分)、GDP約20兆ドル(世界全体の約3割)、貿易総額約10兆ドル(世界全体の約3割)を占めるため、実現すれば非常に潜在力の高い経済圏を形成することとなる。日本企業としては、日本から輸入した自動車部品をタイで組み立てて、完成車をオーストラリアやニュージーランドに輸出するなど、ビジネスをより簡素でダイナミックに展開できるメリットが考えられる。このため、RCEPによってもたらされるグローバルなサプライチェーンは、日本企業の海外展開をさらに促進するはずだ。

 

交渉参加各国の経済力や国内体制は大きく異なるため、今後の交渉が上手くいくかどうかは現時点では不明だ。日米中の外交関係が、直接・間接に交渉に影響を与えることも考えられる。そのため、今後も交渉進展はもちろんのこと、世界情勢をしっかり見極めていきたい。

 

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j-eacepia/