2月9日(火)、
宇宙・海洋開発特別委員会が開催されました。


議題は、
平成28年度宇宙関係予算案と、
北海道大学の鈴木一人教授による講演など。


まずは、予算について。


日本の宇宙関連予算の特徴は、
各省庁にまたがっている点。


例えば、平成28年度予算案では、
H3ロケットの開発を所管する文科省には1,524億円。
人工衛星の測量分野への活用などを推進する国交省には102億円。
宇宙産業を所管する経産省には30億円の予算が計上されている。


ちなみに防衛省には、
府省庁の中では3番目に多い予算額となる
340億円が計上されており、
衛星通信中継機能の整備などを進めることになっている。


次に、北海道大学の鈴木一人教授による講演。
演題は「安全保障利用の宇宙産業化への貢献」。


冒頭、鈴木教授は、
そもそも「産業化」という言葉の定義を明確にすべきだとし、
宇宙分野の「産業化」とは、
「産業として独自に顧客を獲得し、官需依存度を減らすこと」
だと定義づけた。


また、
宇宙分野の産業化の条件として
次の3つを挙げる。


・ロケット等が軌道上で使えることを実証する。
・実証されたものと同じものを作り続ける。
・政府の利用によって軌道上実績を作る。


さらに、鈴木教授は、
安全保障分野に関する宇宙の活用こそが
宇宙分野の産業化に寄与するとする。


実際、米露などを見ても明らかにように、
政府の利用の中で最大なのは安保利用である。


そして、
宇宙産業化をもたらすプログラムとして、
防衛通信や準天頂衛星、
情報収集衛星を例示。


一方、
その産業化を阻む要素として、
技術移転への制約や
需要の絶対量などを挙げた。


その上で、
技術移転に関する制約の見直しや、
諸外国の官需の取り込みなどの必要性を提起した。


今回の講演で
特に興味深かったのは
日米宇宙産業の比較。


鈴木教授は
米国の宇宙産業は既に、
「産業化」の段階を終え、
「商業化」の段階に移行していると指摘。


日本は今後、
サービスやコストを強く意識した
「商業化」した米国などとの競争にさらされることになる、とした。


鈴木教授が
日本の宇宙産業化に寄与するとした
安全保障分野。


宇宙基本法の改正などを受け、
最近、ようやく、
進捗が見えるようになってきたのが日本の現状。


情報収集や監視など、
安全保障分野における宇宙の重要性は高まるばかり。


佐藤もこの分野の進展を加速させるべく
力を尽くしていく。


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