新潟市に中国総領事館が設置されたのは20106月のことです。しかし敷地面積約400坪の商業ビルを借りていたため、自前の土地に移転したいと、市に紹介を要請していました。それを受け、市側が小学校の跡地を紹介。いったんは決まりかけたのですが、地元住民の反対請願が市議会で採択されたため断念しました。


 ところが11年12月、今度は市内の民有地を取得。12年1月、外務省に移転の許可と免税措置を申請しました。


 中国が買った土地は約5000坪。現在の総領事館の10倍以上にも及ぶ広大なものです。東京・南麻布の中国大使館でさえ約3300坪。

 総領事館の職員が20人弱であることを考えれば不釣り合いな広さです。中国側の説明は、「コックや運転手を含めるとかなりの数になるので、彼らとその家族を住まわせる宿舎を敷地内に造りたい」というものでした。さらに、新潟市と交流できる広い庭を造りたいとも話しています。


 しかしながら、この説明を鵜呑みにすることはできません。地方の総領事館がやることといえば、ビザの発行くらい。これほど広い土地を取得する必要性はまったくありません。中国がなぜこれほど広大な領事館と新潟という場所にこだわるのか。その理由を考えていくと、日本の外交防衛にとって深刻かつ不気味な事態が浮かび上がってきます。


 05年に中国は、北朝鮮の羅津港を租借し、悲願だった日本海進出の拠点を確保しました。羅津から新潟までは一直線ですから、中国にとっては航路で最も上陸しやすい都市となります。


 もう一つ懸念されるのは、10年に中国で制定された国防動員法との関連です。この法律は、中国が他国と戦争状態になった場合、中国国民は全て動員され、戦争に協力しなければならないとするもの。海外に住む中国人もその対象となります。

 中国が取得した土地に総領事館が建設されれば、そこはもう治外法権になります。領事館関係者と名乗る工作員や軍関係者に潜り込まれると、爆弾を作ろうが何をしようが一切手出しはできません。


 日中関係が緊迫した際に、こうして軍事要塞化された領事館が戦闘の拠点になったらどうでしょう。

 古代ギリシャにおける「トロイの木馬」の再現は、日本としては何としても避けねばなりません。


 さらに言えば、新潟は北朝鮮による日本人拉致の拠点にもなっていました。中国は北朝鮮の後ろ盾でもありますから、北朝鮮の工作員などが領事館に逃げ込む可能性も否定できません。


 自民党が国会でこの問題を追及していることもあり、現在のところ、土地の登記にまでは至っていませんが、我々としては、土地売却そのものを無効にしたい。


 幸い日本には、外国人土地法という、外国人の土地取得に制限をかける法律があります。この法律に基づいた政令を整備すれば、今回の土地取得も阻止できる。そのためにも、この問題の重要性を国民の方々に知ってもらって、世論を喚起させていきたいと思っています。


(アサヒ芸能2012.10.4号 寄稿文より)

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