立ち止まれば、夢の見方を忘れてしまった。



焼けるような、夏の午後。コンクリートには遠くかげろう。

じりじりと皮膚を焼く日差しに、ハッと気づく。



“どうやって夢を見ていたんだっけ”


まだ若い緑の色をしたイチョウがさざめいてる。



いつから

いつから見えなくなった?



匂いも色も感触も、感じなければそこにないのと同じこと。


懐かしい、もの、こと、ヒト。

好きだったこと、好き、だったもの、嫌い、嫌いだったもの、その、こと。 



そう、それそれ、


“夢の見方”








佐藤寛子






Android携帯からの投稿