2008年06月25日(水) 22時59分06秒

「優しい子よ」 大崎善生 2008-070

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「優しい子よ」読了しました。

amazonリンク
優しい子よ/大崎 善生
¥1,365
Amazon.co.jp
出版元
講談社
初版刊行年月
2006/06
著者/編者
大崎善生
総評
24点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:5点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
人の生と死を真摯に見つめた感動の私小説。不治の病に冒されながらも、自らのことより作家の妻の健康を気づかう「優しい子よ」、名プロデューサーとの交流とその死を見つめた「故郷」他、全4編の感動作。 <<Amazonより抜粋>>



作者の身の回りで起きたノンフィクションの4編が所収されています。
まさに奇跡の物語。
事実は小説より奇なりです。
そしてこの構成(正しくは中編の掲載順序)がとても綺麗です。

あとがきに詳しく記載されているのでここではあまり触れませんが、書いている時点では「次」があるわけではないはずなので、この順序自体も奇跡と呼べるのでしょう。

表題作である「優しい子よ」は感動しました。

10歳の少年が死を前にして、大崎氏の妻に投げかける言葉は、本当にぐっと来ます。
これだけの出会いがあって、これだけの奇跡があれば、物語は語れる。

そう思った作品でした。

良書です。

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2008年06月07日(土) 23時51分32秒

「タペストリーホワイト」 大崎善生 2008-064

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「タペストリーホワイト」読了しました。
今までの大崎作品とは一線を画した作品となっています。

amazonリンク
タペストリーホワイト/大崎 善生
¥1,350
Amazon.co.jp
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2006/10
著者/編者
大崎善生
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
「明日もあなたは私を愛してくれているのでしょうか?」盗み見た姉の手紙に記された一文―宛名の男を求めて、妹は混沌へと足を踏み入れた。愛する者たちを奪い去っていった狂熱の季節を彩るキャロル・キングの調べ。脆く、澄み切った時間を描いた青春小説。 <<Amazonより抜粋>>



いわゆる70年代の学生運動に、人生を翻弄された「とある女性」の物語です。

学生運動ってのはピンときませんが、そのころの若者達の躍動みたいなものは、それこそ本とかで知ることもありました。

で、ものすごく本書を読んで、その「学生運動が確実にあった時代に「怒り」を感じました。

何に怒りを覚えたかといえば学生達の日和見な「転向」。

この物語で、取り上げられているようなことが、現実に起きえていたことであるとすれば、今、会社役員になっているような方々の中にも、そういう「転向」を経験した人がいたりして、極々単純に(あーこういう人にはついていけないな)と思ったのです。

なので、物語終盤の「姉の恋人(?)のその後」を知ったとき、ちょっと違和感を覚えつつも、全体としてはなるほどと思ったのでした。

物語自体は、前述のとおり、そういった混沌とした社会に姉と恋人を奪われた一人の女性がの半生を描いていて、いつもの氏の綺麗な文体は残しつつも、いつもと違った印象も持ちました。

著者が、この小説で伝えたかったことが何なのか、はっきりは分かりませんが、少なくとも私の上記のような感想を持ってもらうことも一つの目的であったと思います。


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2008年05月11日(日) 21時41分08秒

「ロックンロール」 大崎善生 2008-055

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「ロックンロール」読了しました。

amazonリンク
ロックンロール/大崎 善生
¥1,575
Amazon.co.jp
出版元
マガジンハウス
初版刊行年月
2003/11
著者/編者
大崎善生
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
デビュー第二作執筆のためパリのホテルに篭もる作家のもとに、突然ひとりの新米女性編集者が訪ねてきた。東京に届いていた謎のCD、去っていった恋人たち、目の前の恋。人生が揺らいでいく。岩となれ、そして転がるな。ツェッペリンの名曲をバックに、パリで展開する恋と人生。 <<Amazonより抜粋>>



ここ最近、大崎氏の作品を読んでいますが、読み続けられる理由がようやく分かったような気がしてきました。

それは「会話が綺麗である」ということ。
「登場人物が好人物である」ということ。

本書は今までとは違って、軽い感じの物語(展開)です。
胸を掻き毟るような「悲しみ」があるわけでもなく、はっと驚くような展開があるわけでもありません。

簡単に言ってしまえば、「作家がそれなりに生きてみました」という話です。

ただ、主人公をはじめ登場人物が、「それほど依存しあっていないものの、関係しあう間柄」を守りつつ、それでいてゆっくりと物語が進んでいくといった「空気感」のようなものは、好印象でした。

また、第四章では、主人公の植村が「小説を書くこと」を編集者の高井と久美子に説明するシーンは、何故かちょっとだけ感動したりもしました。
大崎氏が、物語の登場人物を使って、自らの「小説論」を述べているという感覚を受けました。

総じて、会話の綺麗さを堪能いただければと思います。

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2008年04月23日(水) 21時41分55秒

「パイロットフィッシュ」 大崎善生 2008-047

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「パイロットフィッシュ」読了しました。

フィクション作品としてのデビュー作。
デビュー作にして吉川英治文学新人賞受賞作なのだそうです。


amazonリンク
パイロットフィッシュ (文芸シリーズ)/大崎 善生
¥1,470
Amazon.co.jp
出版元
角川書店
初版刊行年月
2001/10
著者/編者
大崎善生
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない―。午前二時、アダルト雑誌の編集部に勤める山崎のもとにかかってきた一本の電話。受話器の向こうから聞こえてきたのは、十九年ぶりに聞く由希子の声だった…。記憶の湖の底から浮かび上がる彼女との日々、世話になったバーのマスターやかつての上司だった編集長の沢井、同僚らの印象的な姿、言葉。現在と過去を交錯させながら、出会いと別れのせつなさと、人間が生み出す感情の永遠を、透明感あふれる文体で繊細に綴った、至高のロングセラー青春小説。吉川英治文学新人賞受賞作。 <<Amazonより抜粋>>



刊行順に読んでいないのでアレですが、「アジアンタムブルー」と脇を固める登場人物や組織なんてのが一緒で、ちょっとびっくりしました。

厳密にこちらが先で「アジアンタム・・・」が後の作品なわけですが、ま~同じといってもストーリが連結しているわけでもないのであまり気になりません。
前提知識がないから、びっくりしたくらいです。

ただ、同じようなシチュエーションだっていうのが少なくとも本の印象に変化を与えているのも事実です。
その変化というのは、どうしても「アジアンタム・・・」と比較したくなっちゃうという点です。

ということで、あらすじにあるとおりの物語展開なのですが、後発の「アジアンタムブルー」と比較すると「普通の小説」なのでした。

確かに物語構成や文体などは、とても綺麗なのですね。

テーマは「孤独」。
もしくは「人の交差」。


人間の泥臭さというか悪の部分も見せてくれます(例えば、ほとんど登場することのない伊都子の存在など)が、それは象徴として必要なパーツの一つとして物語を装飾しています。
際立った部分がない分、意外とすんなり読めてしまったりもします。

ただ、ですね、やっぱり「アジアンタム・・・」と比較しちゃうと、ストーリとしての押しがイマイチ弱いんです。

たぶん、こちらを読んで、「ふむふむ、結構雰囲気良いね~」と思った後、「アジアンタムブルー」を読んで、ちょっと感動すればよかったのでしょうけど、なんせ逆の順番で読んでしまったことが仇となりました。

ということで、やっぱり刊行順で読むのが良いのです。ということを再認識しました(何回目かの)

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2008年04月12日(土) 17時00分14秒

「ドナウよ、静かに流れよ」 大崎善生 2008-043

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「ドナウよ、静かに流れよ」読了しました。

amazonリンク
ドナウよ、静かに流れよ/大崎 善生
¥1,785
Amazon.co.jp
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2003/06
著者/編者
大崎善生
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:5点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
ドナウ川で邦人男女が心中…その小さな新聞記事が頭から離れなくなった私は、二人の足跡を追ってウィーンへと向かった。もはやこの世にいない19歳の少女、日実は、異国の地でどんな恋をし、何を思い、そして何ゆえに追いつめられていったのか?悲劇的な愛の軌跡を辿る、哀切さにみちたノンフィクション。<<Amazonより抜粋>>


あらすじにもあるとおり「ノンフィクション」です。
一つの心中自殺の記事から著者がその軌跡を追っていくという物語。

なんとも切ない物語でした。

すべてを肯定できることもできませんが、彼女の生き方をすべて否定することもできないのです。

指揮者と名乗る男に想いを寄せ、それを「愛」と感じ、感じたまま生きようとする彼女にとって取り囲む世界はすべて「敵」に映っていたのかもしれません。

「死」をもって何かから開放され、同時に何かに抵抗する姿は、人間の根源を見たような気もします。

注目すべきは主人公カミが愛した指揮者と名乗る男「千葉」の存在。
著者はカミの目線から物語を構成していますが、

彼の世界は一体どのように構成されていたのでしょうか?
虚言癖な男「千葉」の人生は、幸せだったのでしょうか?

ひとつの事件を著者の視点で再構成された本書は、読むものにいろんなものを問いかけています。
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2008年04月08日(火) 21時55分29秒

「アジアンタムブルー」 大崎善生 2008-042

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「アジアンタムブルー」読了しました。
あらすじは、いつものAmazonと違って映画「アジアンタムブルー」HP から抜粋しています。

大して意味はないのですけどね。

amazonリンク
アジアンタムブルー/大崎 善生
¥1,575
Amazon.co.jp
出版元
角川書店
初版刊行年月
2002/09
著者/編者
大崎善生
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
成人男性向け雑誌「月刊エレクト」の編集者の山崎隆二は、新進カメラマン・続木葉子と出会う。サラリーマンから絶大な人気を得るSM女王ユーカのヨーロッパ撮影企画を、エロ写真の専門でない葉子に、というユーカからの紹介があったからだ。しかし、エロ雑誌に芸術は必要ないと考える編集長・沢井速雄の判断で、葉子は落選する。しかし隆二は、別の撮影で予定のカメラマンが急遽不在となったため、葉子に撮影を依頼することになる。撮影後の通り雨でできた水溜りで、葉子は隆二を被写体に写真をとる。 「ほんとの世の中よりも、水に映った世界のほうがきれいでしょう?」 その写真の透明感と葉子自身の不思議な存在感に、我知らず癒されていく隆二だった。<<映画「アジアンタムブルー」STORYより抜粋>>



さて、どうしましょう。

帯にも小説冒頭にもあるように、「恋人を亡くす」という事実が予め、そこに「ある」わけです。

その上、亡くなった恋人の影のようなものを引きずりながら生きる主人公がいて、「その死まで」の物語と「その死のあと」の物語が交互に挟み込まれている構造なのです。

読み手は、すでにある「恋人の死」を、「その死まで」の物語でなぞるのです。

心構えってのができるわけですね、ある意味で。

でもダメでした。
泣きそうでした。
あまりにも綺麗な「その死まで」の物語
だったのです。

たまたま仕事帰りの電車の中で中盤から後半にかけて読んだのですが、何度気を紛らわそうと努力したか分かりません。

感動ってわけでもない
んですね。
もっと根源的に「辛いこと」を突きつけられたような感覚です。

それでも、主人公を含む登場人物の「やさしさ」のようなものがしっかり描かれて、一人の女性の死に対して、できうるすべてを用意できたのではと、読了後は、不思議とちょっとした満足感があったりするのです。

死に行くものの辛さと生きて残されたもの辛さってのはよくあるテーマなのですが、本書はそれとも違う何かを感じることができました。

いや~、見事にやられました。
くやしい。

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2008年03月29日(土) 21時21分08秒

「九月の四分の一」 大崎善生 2008-038

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「九月の四分の一」読了しました。

amazonリンク
九月の四分の一 (新潮文庫)/大崎 善生
¥420
Amazon.co.jp
出版元
新潮文庫
初版刊行年月
2003/04
著者/編者
大崎善生
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
逃げるようにして、僕はブリュッセルへ辿り着き、世界一美しい広場で、ひとり悄然としていた。潰えた夢にただ悲しくてやる瀬なくて。そこで奈緒と出会った。互いの孤独を埋めるような数日間を過ごし、二人は恋におちるのだが、奈緒は突然、姿を消した。曖昧な約束を残して(表題作)。―出会いと別れ、喪失と再生。追憶の彼方に今も輝くあの頃、そして君。深い余韻が残る四つの青春恋愛短篇。 <<Amazonより抜粋>>


前回読んだ「孤独か、それに等しいもの 」に続く大崎氏の短編集です。

4つの短編が所収されています。

「報われざるエリシオのために」「ケンジントンに捧げる花束」「悲しくて翼もなくて」「九月の四分の一」。

全体を通じて2点。
ひとつは、『この短編集は”村上春樹”だ。』ということ。

もう少し詳しく書くと、「私の好きな”村上春樹”だ」ということですね。

4作品に共通している「喪失」というテーマへの対峙の仕方が、村上春樹氏の中期頃の作品にとても似ている印象を受けました。
例えば、「悲しく翼もなくて」では、主人公に決定的なことが起こってしまうが、しばらく経ってから、その思い出の地に訪れます。
そこで語られる回想に「喪失」を含めることで、「喪失」に対して一定の距離を置いたりするわけ
です。
なんとも、ニクイ演出というか、なんというかです。

もう一つは、『タイトルが魅力的』ということ。
前作から思っていたのですけど、音として綺麗であり、それでいて読後であれば、ストーリーを想起させやすいタイトルだと思いました。

分かりやすいのは、タイトル作の「九月の四分の一」
タイトルの音だけでも魅力的なのですが、読み終わると十分な意味を持ち、その印象でストーリーが思い起こせます。
この辺り、上手ですね。


さて、個々の短編についてですが、個人的には「ケンジントンに捧げる花束」が、やっぱり他作品を凌駕していると思いました。
異国の老夫婦の戦争体験にある物語も壮絶であり、感動的だったのですが、そこから主人公が何を得ることができたか、そして得られたことはどこに繋がっていくのかとい「つながり」が意識されていて、個人的に好きでした。


大崎氏、追います。

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2008年03月20日(木) 21時15分10秒

「孤独か、それに等しいもの」 大崎善生 2008-035

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「孤独か、それに等しいもの」読了しました。

amazonリンク
孤独か、それに等しいもの/大崎 善生
¥1,470
Amazon.co.jp
出版元
角川書店
初版刊行年月
2004/05
著者/編者
大崎善生
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
再生と恢復への祈りに満ちた珠玉の短編集。今日一日をかけて私は何を失っていくのだろう――。孤独と憂鬱にとらえられた心にそそがれる柔らかな光。「野性時代」創刊号で圧倒的な支持を集めた佳作「八月の傾斜」を含む、再生と恢復への祈りに満ちた珠玉短編集今日一日をかけて、私は何を失ってゆくのだろう―。孤独の先にあるものを指し示し、明日への小さな一歩をあと押しする珠玉作品集。憂鬱にとらえられ、傷つき、かじかんでしまった女性の心を繊細に映しだし、灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説、全五篇。 豊平川の水面に映る真っ青な空。堤防を吹き抜けるつめたい風。高校三年生の九月のある日、ピアスの穴を開けようとする私に向かって、かつての恋人は言ったのだ。「大事なものを失してしまうよ」と。<<Amazonより抜粋>>


タイトル作を含む、5つの短編が所収されています。

「八月の傾斜」「だらだらとこの坂道を下っていこう」「孤独か、それに等しいもの」「シンパシー」「ソウルゲージ」。


「八月の傾斜」と「ソウルゲージ」が良かったです。
5つの短編の共通のテーマは「喪失と再生」と思ったのですが、この2篇はそのテーマに対してストレートに向き合った作品だと思いました。

その人にとって、絶対に失ってはならないものを失うということ。
その「喪失」が、その人に、どのような影響を与え、どのような人生を描かせてしまうかということ。
そして、そこからの「再生」を試みようとする「その人」のこと。

奇跡に奇跡を重ねたような作品というと、言い過ぎかもしれませんが、読み終わって「人間って強いよな~」と思ってしまいました。

読みやすい文体で一気に読めます。
そして、決して幸せな形で終わることののない話ばかりですが、何故か、読了後は魂が救われる一冊です。

良本です。

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2008年03月14日(金) 00時01分35秒

「聖の青春」 大崎善生 2008-032

テーマ:--大崎善生
大崎善生氏「聖の青春」読了しました。

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聖(さとし)の青春 (講談社文庫)/大崎 善生
¥680
Amazon.co.jp
出版元
講談社 青い鳥文庫
初版刊行年月
2003/04
著者/編者
大崎善生
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
村山聖、A級8段。享年29。病と闘い、将棋に命を賭けた「怪童」の純真な一生を、師弟愛、家族愛を通して描くノンフィクション。新潮学芸賞受賞作。 重い腎臓病を抱え、命懸けで将棋を指す弟子のために、師匠は彼のパンツをも洗った。弟子の名前は村山聖(さとし)。享年29。将棋界の最高峰A級に在籍したままの逝去だった。名人への夢半ばで倒れた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く感動ノンフィクション。<<Amazonより抜粋>>


たぶん初のノンフィクション・ノベルの書評なのだと思います。

やっぱりノンフィクションは、違います。
当たり前ですが「真実」なのです。
だから、書評するのも苦しいのです。

ただ単純に物語を評価するってことに集中できないというかなんというか?
別段そこまでと思うかもしれませんが、なんとなく躊躇してしまうというかなんというか?

もちろん関係者や遺族の方々はこの世にいらっしゃるわけでしてね・・・


心を鬼にして「作品」についての書評をさせてもらいます

非常に切ない物語です。
同時に力をもらえる作品です。

生きるために、「将棋」を始めた村山さんは、その「将棋」に苦しめられたという印象を持ちました。
ただ、その苦しみってのも「生きるため」の一部だったと妙に納得したのも事実です。

村山さんのご親族それから師匠、みんないい人です。
誰一人として悪い人はいません。
それだけに、この悪病という「運命のいたずら」には、正直腹が立つ部分でもあります。

ただ、村山さんがネフローゼという悪病に罹っていなければ、ここまでの「愛」に包まれていたのかどうかと考えると、それもまた「運命のいたずら」に翻弄されていたりするのだろうなとも思ったりして。

作者である大崎氏も少なからず村山さんの関係者であり、その位置からの作品だったりします。

ここまでの作品にした氏の実力にも感嘆しますし、ここまでの運命を全うした村山さんにも改めて感嘆しました。

普段のつまらない悩みって小さいものだよなと読了後は思います。

おすすめです。

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