2009年06月24日(水) 22時21分03秒

「萩原重化学工業連続殺人事件」 浦賀和宏 2009-049

テーマ:--浦賀和宏
浦賀和宏氏「萩原重化学工業連続殺人事件」読了しました。

amazonリンク
萩原重化学工業連続殺人事件 (講談社ノベルス)/浦賀 和宏
¥1,575
Amazon.co.jp
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2009/06
著者/編者
浦賀和宏
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
「脳」を失った死体が語る、密室の不可能犯罪!双子の兄弟、零と一の前に現れた、不死身の少女・祥子と、何もかもを見通す謎の家政婦。彼らが信じていた世界は、事件に巻き込まれる内に音を立てて崩壊していき…。脳のない死体の意味とは!?世界を俯瞰する謎の男女と、すべての事件の鍵を握る“萩原重化学工業”の正体とは!?浦賀和宏の最高傑作ミステリが世界の常識を打ち破る。<<Amazonより抜粋>>


知らずに読んでいましたが、安藤シリーズなのですね。
安藤シリーズ好きでした。
それにしても、時間が経ちすぎで、どんな感じが忘れてしまいました。

とにもかくにも安藤シリーズです。
厳密には安藤は出てませんが、安藤シリーズの世界観の中の物語ですね。

で、本作。


相変わらずです。
氏の作品としては、がっつり雰囲気のある物語です。
八木剛士シリーズが、どちらかと言えば「内面」の世界=独り言の世界であるに比して、こちらは、ちゃんと外世界とコミットメントしています。
ただ、発想が「セカイ系」なのですね。
だから、読み手の深層の部分をちょっと抉ってきます。

このあたりの微妙なところが良いですね。


萩原重化学工業というとてつもない背景の中で、それこそ「とんでもない世界」の中で、語られるのは「母子の愛」だったりするのですね。

今後があるとしたら、それはそれで面白そうです。
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2009年01月19日(月) 20時41分39秒

「生まれて来る子供たちのために」 浦賀和宏 2009-006

テーマ:--浦賀和宏
浦賀和宏氏「生まれて来る子供たちのために」読了しました。
「八木剛士シリーズ(と勝手に命名)」、遂に終了です!! 

amazonリンク
生まれ来る子供たちのために (講談社ノベルス)/浦賀 和宏
¥924
Amazon.co.jp


出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2008/11
著者/編者
浦賀和宏
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:2点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:5点 
意外性:5点 
装丁:3点

あらすじ
世界で一番醜く、孤独な男―八木剛士。剛士を唯一支えてきた少女―松浦純菜。だが、剛士の非道な行いにより二人の関係は崩壊し、彼の最後の拠り所であった、最愛の妹にまで悲劇が!!運命に翻弄される剛士は、最後の復讐を開始する…。すべての絶望が向かう先には一体何が―!?ついに明かされる、剛士の出生の秘密!松浦純菜シリーズ、堂々の最終巻。<<Amazonより抜粋>>


シリーズ当初にこんな結末になるとは思っていませんでした。
もっともこんなに長くシリーズ化されるとも思っていませんでした。

ある意味で大きく裏切られた作品であり、
ある意味で一番楽しみにしてたシリーズでした。

八木剛士の成長物語なのかと思って読み始めたのに、この終わり方は凄いですね。

もう脱力感を通り越して、非常にうれしく思ったりするわけです。

やや鼻につく「イデオロギー論」も、許しちゃいます。
本書は、今までのシリーズにはまったく関係ない姉弟の物語からはじまります。
冒頭から、とんでもない感じになっていますが、それももう許しちゃいます。
そして、あの結末だって、もうどんなことにも驚きません。

だから、

許してあげるから、もう少し楽しませて欲しかったのです。

八木剛士シリーズは終わりました。
とても良い終わり方でした。

これ以上にないどこにも「救い」のないこの終わり方が
このシリーズを読み続けた読者の願い
だったのかもしれません。



【おまけ】
完結を記念して、今までのシリーズの読後感想をご紹介。
それにしても長いシリーズでした。約4年ですって。

「松浦純菜の静かな世界」
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10001623595.html

「火事と密室と、雨男のものがたり」
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10003626804.html

「上手なミステリの書き方教えます」
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10015420121.html

「八木剛士 史上最大の事件」
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10017743245.html

「さよなら純菜 そして、不死の怪物」
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10023461050.html

「世界でいちばん醜い子供」 
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10035667762.html

「堕ちた天使と金色の悪魔」 
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10068685748.html

「地球人類最後の事件」
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10144884064.html

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2008年10月01日(水) 23時15分35秒

「地球人類最後の事件」 浦賀和宏 2008-107

テーマ:--浦賀和宏
浦賀和宏氏「八木剛士シリーズ」の8冊目にして、ラスト(遂に)前の「地球人類最後の事件」読了しました。

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地球人類最後の事件 (講談社ノベルス ウF- 17)/浦賀 和宏
¥998
Amazon.co.jp
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2008/07
著者/編者
浦賀和宏
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:2点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
世界中から見捨てられ、愛してくれる人などいない。孤独な高校生・八木剛士が持つ唯一の武器――それは敵弾にも倒れない不死身の力だった。この力をきっかけに出会った謎の美少女・松浦純菜へ抱いた初めての恋心。しかし彼の激しい被害妄想によって2人の絆は修復不可能に……。不幸のどん底に落とされた剛士を襲う、さらなる事件とは!? <<Amazonより抜粋>>


浦賀和宏氏のカテゴリ を見ていただければお分かりの通り、この書評がはじまってから追い続けているシリーズです。

何度も何度も「読むのをやめよう」と思いつつ、刊行されると必ず借りて読んでしまっているシリーズです。

最初の「松浦純菜の静かな世界」が2005年4月に読了していますから、3年と5ヶ月なんですね~。
うーん、感慨深い。

当時は、まさかこんな展開になるとは思いもよりませんでした。

さて、本書。

「力」を利用して、いわゆる「いじめ」の対象ではなくなった八木剛士。
ですが、実はもっともっと(彼すらも理解しがたい)大きな世界において重要な役割を持っているわけです。

そういう事実を突きつけられば、それなりに成長するのも常套なのですが、この主人公・八木剛士は、まったく「成長しない」。

今までは、それでも「青さ」みたいなもので許容できたのですが、本作はもう「だめ」ですね。
救われないところまで来てしまったという印象です。
妄想の世界であれば、許されたものが、すでに「許されないもの」となってしまいました。

成長ではなく、退化してしまった男。
八木剛士。
次回の最終作に向けて、読み手にすら同情の余地を奪ってしまいました。

ということで、次回最終作、非常に楽しみなのです。
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2008年01月28日(月) 22時16分50秒

「堕ちた天使と金色の悪魔」 浦賀和宏 2008-011

テーマ:--浦賀和宏

浦賀和宏氏「堕ちた天使と金色の悪魔」読了しました。

amazonリンク

浦賀 和宏
堕ちた天使と金色の悪魔 (講談社ノベルス ウF- 16)
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2007/09
著者/編者
浦賀和宏
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
銃撃されても死なない、怪我もしない、傷つかない。この不死身の力を武器に、自分を虐めてきた人間への復讐を果たした“奇跡の男”八木剛士に訪れる、これまでと一変した日常。彼はもう、昔の姿には戻れない…。自分に好意を寄せる、金髪の美少女・マリアと唯一の理解者である松浦純菜の間で揺れ動く剛士。彼が選んだ道は、新たなる悪夢へと繋がっていた。<<紀伊国屋Bookweb>>


前々作の「さよなら純菜 そして、不死の怪物 」からの正統な続編で、松浦純菜目線の前作「世界でいちばん醜い子 」と同一の時系列の物語です。

とにかく前々作の「劇的な始動」から、どのように物語が展開していくかが気になるところだったのですが、八木剛士、そんなに変わりません。

2週間の停学って、・・・・ゆるすぎますね。

で、本作は、その後の物語なのですが、どちらかといえば、周囲の反応が変わり、当然それに関連して八木目線の世界も変わります。
が、前々作はある意味で「最終話」に近いクライマックスだったので、ちょっとすごい展開を期待しちゃったのですね。

相変わらず「悶々」としていて、相変わらず「妄想」が多い。
ま、今回ある程度いろんなことを経験し、八木剛士もそれなりに成長したんですけど、これはま、10代の若者の成長とそんなに変わらないのですね。

そういった意味では「ちゃんと裏切ることを前提とした作品」なのでしょうね。

留学生エル・ビアンノ(マリア・マールベルク)と松浦純菜の間で、悶々とする八木剛士が延々と語られる物語なので、以前の悶々とは種類は違いますが、悶々は悶々なのです。(なんじゃそりゃ)

一段で書かれる数ページの文章が、これまでの伏線のようなものを示していますが、まだまだわかりません。

とにかく、次が出てしまえば、読んでしまう。
そんなシリーズなのでございます。
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2007年06月05日(火) 23時59分29秒

「世界でいちばん醜い子供」 浦賀和宏 2007-063

テーマ:--浦賀和宏

八木剛士シリーズの6作目です。
前作で、主人公の八木剛士がとんでもないことになってしまった後だけに、どんなストーリ展開になるものかと、ドキドキしていたのですが、(そう来ましたか)という感じです。

amazonリンク

浦賀 和宏
世界でいちばん醜い子供
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2007/04
著者/編者
浦賀和宏
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
幸せだった純菜を、孤独な日々へと突き落とした“彼”との別れ。繋がりを失い、塞ぎ込んでいた彼女のもとへ一通の手紙が届けられる。その差出人こそ、2年前に巻き込まれた呪わしき轢き逃げ事件の関係者だった!恨み続けた犯人への手掛かりを掴んだ純菜は復讐を誓うが、同時に彼女の命は何者かの存在によって脅かされる。松浦純菜、絶体絶命の大ピンチ。<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>


もう一人の主人公格である松浦純菜目線の物語でございました。
とはいっても、時系列的にはちゃんと順序をふまえていますので、その後の八木剛士も健在です。
ただ、恋違い(?)してしまった後なので、登場はほとんどなく(といいつつ、ちゃんとありますが)、サブキャラたる雨男の南部との話が中心です。

それにしてもちょっと意外だったのは、松浦純菜自身のキャラクターでした。
こんな普通の女の子だったのだろうかと、手元に過去の作品がないだけに歯がゆい思いがしますが、印象としてはもっと「ちゃんとしていた」(正しくは「陰のある」)ような気がしました。

にもかかわらず、本作の松浦純菜は、やれ南部にはハニートラップな態度(でもないけど)をとってみたり、やれお気に入りのバンドのメンバーに誘われれば、のこのことついていったり、やれ大トロのおいしさに普通以上のリアクションをしたりします。
この辺りのギャップを感じた方も多かったと思いますが、一方で、勝手に思い込んでいないかとドキドキしたります。

結局のところ、松浦純菜目線である以上、(実は心の中ではそう思っている)ということであり、妄想に妄想を重ねる八木目線からみ松浦純菜像とは違うのは当たり前だったりもするのですね。

ということは、シリーズがここまできて、改めて私が八木剛士の思いと見事にシンクロしてしまっていたという結末なのでした。

物語としてはちゃんと進行していますし、次作もちゃんとあるようなので、ちゃんと追ってみたいと思います。
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2007年01月17日(水) 01時27分20秒

「さよなら純菜 そして、不死の怪物」 浦賀和宏 2007-010

テーマ:--浦賀和宏
着々と刊行される浦賀氏の「八木剛士シリーズ」の第5作目「さよなら純菜 そして、不死の怪物」読了しました。

”5作目にして遂に始動か~”
そして
”そうきたか~”
といった感じでしょうか。

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浦賀 和宏
さよなら純菜 そして、不死の怪物
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/11
著者/編者
浦賀和宏
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
不死身の男、ついに屈辱のリベンジへ! 自らの身体に傷を負わない<力>の増大を自覚し始めた八木剛士。心の支えを得、これまでの恨みをはらすべく、遂に学校に矛先を向けた剛士に難事件が降りかかる。 <<Amazonより抜粋>>



”妄想粘着小説”(と勝手に命名)の名を欲しいままとしている(と勝手に妄想している)「八木剛士シリーズ」の第5作目です。

4作目からの純粋な続きであり、6作目へのエピローグ的作品。
ということで、中継ぎ的作品と思いがちですが、いやいや、相変わらずの妄想しまくり、粘着しまくりそして”劇的な変化あり”でございます。

ま、きっと1作目から本作品の”あらすじ”を書けと言われたら3行くらいで済んでしまうかもしれないくらいの進行の遅さ(=妄想の多さ)ですので、”中継ぎ”だろうが”先発”だろうが”抑え”だろうが、なんだろうが、”八木剛士シリーズ”には変わりありません。
非常に面倒くさい性格の八木剛士の「ぼやき」ともとれる妄想話がこれでもかというくらいに連呼されていきます。
慣れるまでが大変ですが、ここまで妄想に付き合わされると、なんだか可愛いものです。

で、なんら変わらないといいつつ、5作目後半にしてようやく八木剛士自身に変化が訪れます。
ま、正直、まともに受けてしまえば、”訪れる”なんて可愛い表現ではなく、タイトルの通りの展開となってしまうわけです。

ということで、冒頭の通り
”5作目にして遂に始動か~”
そして
”そうきたか~”
ってことです。

前作から見え隠れしている小説世界全体を包む謎(こちら では「八木剛士の出生の秘密」とか「強力な敵」などと述べてましたが)に関しては、どうやらある登場人物が、その謎に関与しているといったことがわかる程度で、あまり進展はなく、次作以降の流れに大きく影響してくるであろうと思われます。

・八木剛士の出生の秘密は何か?
・怪物となってしまった八木剛士の結末は?
・謎の敵(組織)と八木剛士の関係は?
・松浦純菜と八木剛士の今後の展開は?
ところで、怪物あたりも妄想だったりしないのか?

ということで、次回作が楽しみになってまいりました。

余談:ちなみにシリーズ初期の頃は、多少ミステリー(フーダニット)もあったような気もしていましたが、「戯言シリーズ」よろしく、当シリーズで完全なエンターテイメント小説となってしまいましたね。
(本作にも、どうやってスナイパーが自宅から忽然と消えたかという謎はありますが、論理的な決着は見ないじゃないかなと想像しています。)

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2006年10月07日(土) 12時45分31秒

「八木剛士 史上最大の事件」 浦賀 和宏 2006-129

テーマ:--浦賀和宏
八木剛士シリーズ(と勝手に命名)の4作目、「八木剛士 史上最大の事件」読了しました。

ついこの間、「上手なミステリ・・・」(3作目)を読んだばかりでしたが、意欲的に作品を刊行されております。
で、今秋刊行予定の5作目もでるそうですね。
ますます、拍車のかかる妄想ワールドです。

ちなみに過去の八木剛士シリーズはこちら

「松浦純菜の静かな世界」
「火事と密室と、雨男のものがたり」
「上手なミステリの書き方教えます」 

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浦賀 和宏
八木剛士史上最大の事件
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
浦賀和宏
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:2点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:5点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
不死身の“力”を宿す奇跡の男―八木剛士の心にくすぶり続けるのは、デタラメな世界への激しい呪詛。学校では凄まじい虐めを受け、謎のスナイパーには命を狙われるという生き地獄の中で、初めて手に入れた“恋”という名の青春!唯一の救済者・松浦純菜への想いを募らせすぎた妄想は、ついに脳外へ…。そして事態は急展開!急旋回!急降下!?八木剛士に訪れた史上最大の事件とは。 <<Amazonより抜粋>>



前作の書評にて、間違った意味で浦賀作品の集大成と銘打っておりましたが、本作もなかなかにして真骨頂でございます。

現実の世界でいじめられつづける不死身の力を持つ男、八木剛史。
その八木剛士の一人称でひたすら妄想の世界が繰り広げられます。

この脳内世界からの脱却をはかるべく、松浦純菜に恋愛感情を抱き、妄想をたくましくした後、物語はそんな松浦純菜(現実)との恋物語の様子見せ始めます。

まさに、この展開自体が、タイトルにある「史上最大の事件」だったりするのかと思いきや、それに輪をかけた「事件」が起こります。
ちゃんとその「事件」までをカウントダウンする章タイトルまであって演出しまくりなのですが、ここまでくれば、ラブコメ(死後?)以上な展開で、ぐるっと一周して潔い感じですね。
妄想世界の描写が秀逸なので、どこまでが妄想で、どこからが現実かが解らなくなってきました。
ふと、その昔に流行った、ドラえもんの裏の結末(それは全部のび太の夢でしたってやつ)を思い出しました。

で、前述のとおり、物語はすっかり「妄想青春小説」に成り果ててしまっていますが、次作への唯一の伏線が、「八木剛士の出生の秘密」。

どうやら強力な敵がいるらしく、この「妄想青春小説」内で、スナイパーを雇い八木剛士を殺害しようとたくらんだりしています。

ここまでくると、次は一体どんな展開になってしまうのか大変気になってしまうのですね。

いやいや、オタク云々に、生理的に×でなければ、意外に良いですよ、このシリーズ。

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2006年08月05日(土) 03時15分10秒

「上手なミステリの書き方教えます」 浦賀和宏 2006-099

テーマ:--浦賀和宏
このシリーズを勝手に「八木剛士シリーズ」と呼ぶのであれば、その第3作にあたる「上手なミステリの書き方教えます」を読了しました。
ある意味においては第3段にして「到達」した感じのする作品です。

amazonリンク

浦賀 和宏
上手なミステリの書き方教えます
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/06
著者/編者
浦賀和宏
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:5点 
装丁:3点

あらすじ
友だちもいない、女にもまったくもてない。唯一仲よくしてくれていた大切な妹は、暴漢に撃たれ、意識不明の重態。心和むのは、自分の部屋でガンプラを作っているときくらい……。不幸の女神に愛された男、八木剛士の前人未到なほど前途多難な恋。やっと訪れた「青春」が剛士にもたらすものは?結末圧倒的感動必読!! <<Amazonより抜粋>>


「松浦純菜の静かな世界(感想はこちら )」「火事と密室と、雨男の物語(感想はこちら )」に続く、「上手なミステリの書き方教えます」です。

第1作の「松浦純菜・・・」では
「文体そのものがねっとり系、ねばねば」と称し、
第2作の「火事と密室・・・」では、今後の展開について
「形は推理小説ですが、中身は青春小説(今後の展開如何では成長小説)(のはず)」と予想してみました。

で、本作品なのですが、
万人には決してお薦めする事は出来ない間違った意味で浦賀作品の集大成」とでも称してみましょう。

①(浦賀氏、ついにここまで来ちまったか・・・)と、
②(誰もこの「ねばねば感」にはついて来ることはできないだろうな)と、
そして、③(本書のメッセージは、なんなんだろう?)と

こんな感じなわけです。

良いですね。
ここまではっきり、ねばねばしていると、読み終わったときに返って、さっぱりした感じでした。
現実の空気もうまいもんだなと、伸びをしてしまったくらいです。

(なんだかはっきり物言わない感想だな~)と思った方は、是非ご一読をしてみてください。
ただし、過去の安藤シリーズやその他ノンシリーズもの、そしてこの「がんばれ八木剛士シリーズ」の前々作、前作をお読みいただいたくと、私が前述した①と②は共感いただけると思います。
ま、そこまでしなくても完全に③は納得いただけます。

ここまで中身にまったく触れることなく、曖昧にしたまま終わらそうとしている感想は、たぶん初めてだと思い、ニュアンスすら伝わらないのもあれなので、ジェットコースター乗車における制限事項のように、本書を読む際の制限事項を書かせてもらいます。

*本書を読む際の制限事項
【1】読む前に、題名に騙されてミステリを読もうと意気込んでしまっている方
【2】オタク・アニメ・萌えなどの言葉、もしくは描写に過剰に反応(反応する方向は肯定否定両方)してしまう方
【3】エロ小説家の独り言が、エロ小説並みにエロであることに対して、やっぱり過剰に反応(やっぱり反応する方向は肯定否定両方)してしまう方
【4】ネガティブな学生の独り言に、衝動的にいちいち突っ込みを入れたくなってしまう方
以上にあてはまる方につきましては、出来る限り読書をお控えいただいた方が良いと思います。

・・・とかいって、合致する方々には騙されたと思って、是非読んでみてもらいたい一冊だったりします。

評価点が22点だっていうのに、この感想って何でしょうね???

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2005年08月20日(土) 00時29分43秒

「火事と密室と、雨男のものがたり」 浦賀和宏

テーマ:--浦賀和宏
浦賀 和宏
火事と密室と、雨男のものがたり

浦賀氏の新シリーズ第2段。
なるほどねぇ、今度のシリーズのテーマが何となく見えてきました。
そして次作に何となく期待しちゃう自分がいたりします。
八木剛士の今後の成長に大いに期待大。

“奇跡の男”八木剛士(やぎたけし)の周辺で何故か頻発する怪事件。女子高生の首吊り死体が発見され、無差別放火事件が連続する。世の中を恨み続けて生きてきた剛士が、唯一出会った理解者・松浦純菜と事件を調べるうちに、ある1人の男に辿りつく。孤独に徹しきれない剛士の心に芽生える複雑な想いを、青春ミステリの先覚者、浦賀和宏が切なく描く!! <<本書裏表紙より>>

いじめられっ子で大強運の八木剛士に恋のライバル(極めて古い表現ですが、これ以上の表現が見つかりません・・・)が登場します。
その名もタイトルの通り雨男こと南部幸司(なんぶこうじ)。で、この南部君もいじめられっ子で引きこもり。
この男に、松浦純菜が興味を持ってしまったことが、八木君の嫉妬心を買ってしまいます。
そんなこんなで、八木VS南部の構図が生まれ、今までのいじめられ人生の不幸自慢合戦となるわけです。ここで興味深いのは、お互いが、まともに戦おうとしないという点。心の叫び(地文)で戦うわけなので、読み手の感覚としては、(いいから面と向かって口で言え)と思うわけです。

で、そんなやりとりが、(感覚的には)全編中5割を占める訳ですから、本筋であろう、連続放火事件(火事)や、自殺に見せかけた殺人(これを密室)や、雨男的物語は相当薄れてしまいます。

ということで、本書は大きな意味では青春小説であり、具体的には屈折した若者の心理(ここにはいじめる・いじめられる・そしてそれを無視するという3者のすべてを含みます)を描写した物語(のはず)なのです。

せっかくなので、本筋をさらりと総括すると、やっぱり中庸です。というか、かなり無理やり感があります

でもいいんです。
前述したように、今度のシリーズは形は推理小説ですが、中身は青春小説(今後の展開如何では成長小説)(のはず)なのですから。

で、そう思わせておいて、このシリーズの収束が、物凄い読者への裏切りだったりしたら、これこそ「浦賀節」だったりするので、どっちに転んでも期待は大きかったりする訳です。

ちなみに、まぁ間違いなく前作の「松浦純菜の静かな世界 」を読了したほうが、この世界観を堪能できると思います。

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2005年04月27日(水) 21時33分23秒

「松浦純菜の静かな世界」 浦賀和宏

テーマ:--浦賀和宏
著者: 浦賀 和宏
タイトル: 松浦純菜の静かな世界

浦賀氏の最新刊。もしかすると新シリーズの一冊目かも知れません。

大怪我を負い、療養生活をおくっていた松浦純菜(まつうらじゅんな)が2年ぶりに自宅に戻ってくると、親友の貴子が行方不明になっていた。市内では連続女子高生殺人事件が発生。被害者は身体の一部を持ち去られていた!大強運で超不幸な“奇跡の男”八木剛士(やぎたけし)と真相を追ううちに2人の心の闇が少しずつ重なり合う新ミステリ。 (Amazon出版社 / 著者からの内容紹介より)

浦賀氏の既出されている小説を読んでいる人の反応と、初めて読む人の反応はだいぶ違うような気がしました。
前者である私個人の期待は、「まったくもって意外な結末(反則技あり)」だったので、その点ではややオーソドックスな展開だったのは否めません。(もちろん楽しめたことに変わりはないのですが)
ただ後者の方々にとっては、[非常にロジカルなミステリである]と評するのではと思ったりします。
また、猟奇的・狂人的な描写など人の本質にある「どす黒い」部分を、否応なく見せられますので、やや疲れてしまうのかしらとも思います。本質には違いないのですけどね。
で、前者である私個人は、「ここが浦賀氏の真骨頂じゃん。物足りないんじゃないの~」ということになりました。

総じて「期待はずれ」のような書評になってしまっていますが、松浦純菜と八木剛士の屈折した思考であったり、二人の下手なコミュニケーションの描写については、今までの浦賀氏にはない新境地だったのではと思います。また、各プロットの時間軸のずれみたいなものは、読者を混乱させることだけを目的としている訳ではなく、小説としてのテクニックとして評価してしまいます。元々、文体そのものが「ねっとり系」なので、より「ねばねば」するといった感覚なのです。ねばねば。

このような描写・文体の効果は、仮に、この「松浦純菜(もしくは、八木剛士)」がシリーズ化されるとしたら、これからの展開に期待しちゃったりするわけです。で、本筋にはあまり関係のない登場人物が多数登場したり、やたらと過去についての説明があるところなどは、十分新シリーズ化を匂わせたりしています。

で、前者である私個人は、「また読んでしまうのだろうな~」となるわけです。
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