2008年08月23日(土) 17時09分18秒

「銀河不動産の超越」 森博嗣 2008-090

テーマ:--森博嗣
森博嗣氏「銀河不動産の超越」読了しました。

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銀河不動産の超越/森 博嗣
¥1,450
Amazon.co.jp
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2008/05
著者/編者
森博嗣
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
毎日がなんとなく気怠い“省電力”青年・高橋は、惨敗続きの就職活動の果てに「ここだけはやめておけ」と言われた銀河不動産に入社した。「いろいろ見せてもらううちに住みたい家が見えてくる」という曖昧な資産家夫人や、「寝ている間に日光浴したい」というミュージシャン、「スウィングしている部屋に住みたい」という芸術家等々に部屋を斡旋しているうちに、彼自身がとんでもない家に暮らす羽目に……。無気力青年・高橋はサラリーマン生活をまっとうできるのか?極上のユーモア・エンターテインメント!



別冊文藝春秋で連載されていたものの単行本化のようです。全部で8話所収。
すべての題名は「銀河不動産の○○」に統一されていて、省エネ青年・高橋を主人公とした物語です。

ちなみに題名の「銀河不動産」から一瞬想像されるようなSFものでは決してなく、極々普通の不動産屋に勤めるちょっと普通じゃない登場人物が織り成す8編です。

銀河不動産の勉強
銀河不動産の煩悩
銀河不動産の危惧
銀河不動産の忌避
銀河不動産の柔軟
銀河不動産の捕捉
銀河不動産の羅針

「事なかれ」キャラである主人公に、次々のドラマが降りかかるという流れであって、しかも一話完結でありながら、きっちり時系列で物語も進行してくれます。
この辺りは良いです。

なんといっても「どうにかして面倒なことを避けようとするあまり、トラブルが返って降りかかってくる」主人公の姿にはほほえましい限りです。

連続ドラマものになりそうですね。
主人公・高橋には草なぎ剛さんあたりが良いでしょう。

ただ、最終話である「銀河不動産の羅針」は、やや出来すぎてしまった感がありました。
あそこまで終わりに拘らなくても良かったのにと思いました。

読んでいる最中に、続編があっても(シリーズ化されても)良いのになと思っていただけに残念です。

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2008年06月01日(日) 14時22分55秒

「タカイ×タカイ」 森博嗣 2008-061

テーマ:--森博嗣
森博嗣氏×シリーズ第3段「タカイ×タカイ」読了しました。

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タカイ×タカイ (講談社ノベルス モF- 41)/森 博嗣
¥998
Amazon.co.jp
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2008/01
著者/編者
森博嗣
総評
18点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
「あんな高いところに、どうやって死体を上げたのでしょう?」有名マジシャン・牧村亜佐美の自宅敷地内で発見された他殺死体は、奇妙なことに、地上約十五メートルのポールの上に掲げられていた。被害者は、前夜ファンと牧村の会食中に消えたマネージャだった。事件関係者の調査依頼を受けた“探偵”鷹知祐一朗は、複雑に絡み合う人間関係の糸を解きほぐし、犯人の意図と事件の意外な真相に迫る。ますます好調Xシリーズ第三弾。


この×シリーズの読み方ってのは、お読みいただいている方であればご存知であると思います。

あえて触れさせてもらえれば、「これはミステリ」ではないということ。

大いなる「森大河(これもせっかくなのでこれも説明させてもらえれば、講談社ノベルズ系の森博嗣氏作品がすべて同じ世界観にあることから、勝手に作られた造語)」の一部のテキストであると考えてもらえればよいわけです。

小休止中のGシリーズといい、この×シリーズといい、四季シリーズの後に刊行されている事をうまく利用した、「大いなるテクストの一部」と考えると、読み続けなければならないという魂胆なわけです。

さて、せっかくなのでミステリ部分にも触れますが、今回は「物理トリック」。

×シリーズは、「古典的な本格ミステリ」の要素を多分に含めておりますので、このシチュエーションは、なんとも懐かしい感じがしました。

物語は、その謎を追っていく探偵以下3名の謎解きが中心にそえられますが、前述したとおりこれは「ミステリではない」ので、そこに期待をしてしまうと、肩透かしをくらいます。

でも、良いんです。
森大河は脈々と続いていくのです。
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2008年02月25日(月) 20時47分27秒

「キラレ×キラレ」 森博嗣 2008-028

テーマ:--森博嗣
森博嗣氏Xシリーズ第2段「キラレ×キラレ」読了しました。

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森 博嗣
キラレ×キラレ (講談社ノベルス (モF-39))
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2007/09
著者/編者
森博嗣
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
満員電車の車内で、30代の女性がナイフのようなもので襲われる事件が連続する。「探偵」鷹知祐一朗と小川令子は被害者が同じクリニックに通う事実をつきとめるが、その矢先、新たな事件が発生し、殺人事件へと発展する-。 <<Amazonより抜粋>>


まぁミステリとして読んでしまうと、ちょっと期待外れですかね。

あらすじにある通り、切り裂き事件ってのがあって、事件の真相を追っていくと、殺人事件になるという話です。
とりあえず、容疑者ってのがおりますが、別段伏線もなく、それといって推理をしないまま、物語が終わります。

もちろん、終盤、それなりに盛り上がったりしますが、まぁそれはそれとして、普通に盛り上がる程度なのですね。
いわゆる犯人の心理ってあたりが、本書の「ミソ」だったりするのでしょうけど、許容範囲だったりするので、それほど驚きません。

で、この本書で唯一共感したのが、登場人物の語る「満員電車の異常性」です。
個人的に「満員電車」って嫌いなのですね(好きな人っているのかしらん)。
なので、あるある・そうそうと、妙に共感しちゃいました。

で、それ以上でもそれ以下でもありません。

とりあえずシリーズですので、相変わらず終盤に「森大河」と繋がる物語となっております、何故かそこまでくると「ホッと」してしまいました。何故だろう??
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2008年02月16日(土) 20時23分24秒

「もえない―Incombustibles」 森博嗣 2008-022

テーマ:--森博嗣
森博嗣氏「もえない―Incombustibles」読了しました。

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森 博嗣
もえない―Incombustibles
出版元
角川書店
初版刊行年月
2007/12
著者/編者
森博嗣
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
クラスメイトが死に、僕の名前を彫り込んだ金属片と手紙を遺していった。不可解な事件に否応なく巻き込まれていく僕は、自分の記憶がひどく曖昧なことに気づき--記憶と罪の在処を探る、絶対零度の青春ミステリ!! <<Amazonより抜粋>>



in・combustible
━━ a., n. 不燃性の; 不燃物.

ということで、「萌えない」ではなく「燃えない」。

僕「淵田」の一人称で語られる物語です。
ここ最近の森氏作品とは、ちょっと違う雰囲気の作品ではないでしょうか。

それほど親しくない同級生の死から始まる物語は、その同級生の父親から渡される「淵田のネームプレート」によって展開していきます。

全体として「冷めた印象」を持つのは、氏の文体によるところも大きいのでしょうけど、やっぱり主人公のキャラクターが一番大きいのでは、と思います。

リーダビリティーという点では、相変わらず優れています。
また、「冷めた印象」ってのは氏の得意とするところだと思います。

結局のところ、この主人公自身の過去に秘密があって、それをどのタイミングでどのように思い出すか?思い出した内容はどんな内容で、現実とリンクしていくかが、ポイントとなります。


ミステリの要素もありますが、それを期待しすぎるとやや期待はずれなところもあるでしょう。

最近の森作品との比較という意味においては、このような「一見するとミステリのようだが、本質はそこにない」という点は共通していますが、それでも、ちょっと違う。

なんというか、本書のほうが、「本質が分かりやすい」といった印象。

たぶん、本書が単独の物語であるからこそ、その世界にクローズした中での模索なので「分かりやすい」という印象を受けたのだと思います。(どちらかといえば、Gシリーズのような、「集合としての結論」がないから「分かりやすい」のかとも思いますが)

ちょっと残念だったのは、前半にはられた「伏線のようなもの」が大して機能しなかった点。
例えば山岸小夜子の死は、本書をそのまま読むと、そんなもんなのね~とか思いました。

ま、まさか、この作品も別作品とリンクしていたりするんでしょうかね?
だとしたら、ある意味で「衝撃的な作品」かも知れません。

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2007年12月27日(木) 21時41分34秒

「ゾラ・一撃・さようなら」 森博嗣 2007-151

テーマ:--森博嗣
森博嗣氏「ゾラ・一撃・さようなら」読了しました。

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森 博嗣
ゾラ・一撃・さようなら
出版元
集英社
初版刊行年月
2007/08
著者/編者
森博嗣
総評
18点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:2点 
装丁:3点

あらすじ
孤独で気儘な探偵・頸城悦夫のもとに、ある日、謎の美女・志木真智子が現れ、元都知事で大物タレントの法話の館にある美術品「天使の演習」を取り戻して欲しいと依頼する。しかも、彼は世界的な殺し屋ゾラの標的になっているらしい・・・。<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>


やさしいハードボイルドといった感じです。
奇をてらった感じではなく「森風・ハードボイルド」なのですね。

ストーリー展開も、台詞まわしも、登場人物のキャラクターも、最後の方の盛り上げ方も、ある意味で形として定石なハードボイルド小説なのですが、一方で森氏の作品に対するこだわりのようなものも感じました。(なんとなく)

ただ、個人的には合わなかったのが事実です。

ある意味で「パスティーシュ」であれば、その筋を徹底的に攻めてもらいたかったし、そうでなければ、この形をとらなくても良かったんじゃないかなと思ったわけです。

なんだか「商業的な作品」とまで思ってしまって、途端に、自暴自棄に陥りました。

ちなみに森大河の一つ流れ(要するに他の作品とリンクしている)のようでして、その辺りを気がつきながら読めれば、またちょっと違う感想もあったかもしれません。悔やまれます。

重ねて自暴自棄です。
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2007年10月14日(日) 00時54分17秒

「イナイ×イナイ」 森博嗣 2007-113

テーマ:--森博嗣
ものすごいペースで作品を提供していただいてる森博嗣氏の最新シリーズ第1段「イナイ×イナイ」読了しました。
もはや、”どこまで続くの?森大河”といった感じです。

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森 博嗣
イナイ×イナイ (講談社ノベルス モF- 38)
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2007/05
著者/編者
森博嗣
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
「私の兄を捜していただきたいのです」美術品鑑定を生業とする椙田事務所を訪れた黒衣の美人・佐竹千鶴はこう切り出した。都心の一等地に佇立する広大な佐竹屋敷、美しき双子、数十年来、地下牢に閉じ込められているという行方不明の兄・鎮夫。そして自ら“探偵”を名乗る男が登場する。旧家で渦巻く凄惨な事件の香り…。<<Amazonより抜粋>>


作者HPでもさらっと書いてありましたが、なんとも「ノスタルジックな作品」です。
館モノであり、そこに住むのは非協力的である種異様な家族であり、裏側には遺産相続がからんでいる。

このあたりの要素が盛りだくさんで、加えて、ちゃんと探偵が出て、謎を解いたりします。

綾辻氏の「館シリーズ」をドキドキしながら読んでいたころに、この本を読んでいたら、また違った感想があったのでしょうけど、今はただ「懐かしい」という気持ちが先に来ちゃいます。

ただ、ただですね。
どうにも作品として短すぎるという印象をもってしまうのです。
四季シリーズから、通常2段枠のノベルズサイズで1段枠。
加えて、改行も多いことから、あっという間に読み終わってしまいます。

読み終わってしまうこと自体は問題ないのですが、ストーリーもそれにあわせて、とても表面的な感じを受けました。
プロットがしっかりしているわりに、それを十分に表現できないまま終わってしまったという印象を受けました。

Gシリーズが、「長い物語の一部ずつ」をひとつの作品にしているのに比べ、当シリーズは今のところ完全に一話完結という点も、良い部分もありながら、先に述べた「短いが故の表面なぞり」な感じを受けた要因かも知れません。

といいつつ、このXシリーズも大いなる森大河の一部の作品であり、メインストリームの殺人事件の犯人解明時点よりも、エピローグに差し込まれた、とある重要人物の登場にびっくりしてしていました。
ま、予想していたといえば予想はしていたのですがね。
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2007年07月12日(木) 22時46分25秒

「カクレカラクリ」 森博嗣 2007-079

テーマ:--森博嗣
森大河でない森博嗣氏の作品です。
去年の夏に刊行したらしいですが、全然しりませんでした。

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森 博嗣
カクレカラクリ—An Automaton in Long Sleep
出版元
メディアファクトリー
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
森博嗣
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
廃墟マニアの郡司朋成と栗城洋輔は、同じ大学に通う真知花梨に招かれて鈴鳴村にやって来た。その地にある廃墟施設を探検するためだ。だが彼らを待ち受けていたのは奇妙な伝説だった。鈴鳴村にはかつて天才絡繰り師が住んでいたが、120年後に作動するという絡繰りを遺してこの世を去った。今年はまさに絡繰りが作動するその年にあたるというのだ!2人は花梨と妹の玲奈の協力を得て、隠された絡繰りを探し始めるのだが…。<<Amazonより抜粋>>


キャラクターや、言い回しは、相変わらずの森節ですが、物語は、いつもの森作品とは一線を画します。
主人公が大学生という設定ならS&Mを想像するところですが、思考のレベルはより現実的な大学生然としています。
そう言った意味では、S&Mが稀有なのでしょうけど。

「村に伝わるカラクリの秘密を暴く」というのが、物語のメインテーマなのですが、ここで描きかったのは、たぶん「青春」とか「冒険」とかの「少年(実際には大学生ですけど)の夏休み」なんだろうなと思いました。

展開そのものは「秘密を暴く」流れに従って、そりゃもう現場考察や事情聴取がありますが、やっぱり根底は「誰も困らない謎を解く」ってことで、堅苦しくなく読み進めることができます。

それなりに重要な要素でもある真知家と山添家の確執は、物語のちょっとしたアクセントになっています。
120年という月日の長さが、その村の何かを歪ませたといったところで、なかなか興味深いところでした。

ラストはちょっと物足りないところもありましたが、逆に堅苦しくないラストということで、許容範囲内です。

ただ、タイアップしている都合上どうしようもないですが、文中のコカコーラ連発には、正直辟易いたいました。
私にとっては逆サブリミナルだったようです。
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2007年06月20日(水) 22時18分27秒

「ηなのに夢のよう」 森博嗣 2007-070

テーマ:--森博嗣
Gシリーズ6作目にあたる「ηなのに夢のよう」を読了しました。
今回はなかなか(Gシリーズの中では)読み応えのある作品です。
が、相変わらずの森大河ですので、あまり気合い(期待ではない)を入れなくても良いです。

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森 博嗣
ηなのに夢のよう
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2007/01
著者/編者
森博嗣
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
地上12メートルの松の枝に首吊り死体が!遺されていたのは「ηなのに夢のよう」と書かれたメッセージ。不可思議な場所での「η」の首吊り自殺が相次ぐなか、西之園萌絵は、両親を失った10年まえの飛行機事故の原因を知らされる。「φ」「θ」「τ」「ε」「λ」と続いてきた一連の事件と天才・真賀田四季との関連は証明されるのか?Gシリーズの転換点、森ミステリィ最高潮。<<紀伊国屋BOOKWebより抜粋>>



不可思議な場所での自殺。
それを巡るいつものメンバーの考察ってのが、物語の進行そのものです。
もちろん展開上、「あんなところ」や「こんなところ」でも自殺してしまうので、ある部分などは、読み方を間違えれば、ちょっとしたホラーだったりもしますね。
この「不可思議な場所での自殺」考察とは別に、さまざまに張り巡らされた「お馴染み伏線」が徐々に(本当に徐々にですが)見えてきたりします。
例えば、「西之園の両親の飛行機事故の謎」とか。
(あ、そんな伏線なのね)と単純に楽しんでしまっている自分がいたりしました。

で、興味深かったのは、今回の主題ともなりうる「自殺」や「死」に対する登場人物(それも立場上「天才」と呼ばれるべき登場人物)のそれぞれの考察。
こちらも一歩間違えれば、「自殺幇助」な考察もあったりするので、あれですが、とても興味深かったです。
この辺りの考察も、巨大な「森大河(「S&M」とか「V」とか「四季」とか、はたまた「百年(勝手に命名)」シリーズあたりの連携そのものを勝手に命名)」にとっては重要な伏線だったりするのかも知れません。

ということで、前述の通り、Gシリーズの中では「読み応えある」作品と思います。

ちなみに、極めて個人的に気にしている”寡黙な探偵”である「海月君の沈黙度動向」については、今作品に至っては「え、出てた?」ってくらいどっぷり沈黙しており、好印象でした。
”ろくに仕事をしない高給取りの上役”のような存在ですが、相当気になっております。

諸々ありまして、次回作にも期待しちゃいます。

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2007年01月15日(月) 21時36分20秒

「スカイ・クロラ」 森博嗣 2007-009

テーマ:--森博嗣
森博嗣氏「スカイ・クロラ」読了しました。
随分と昔の刊行で、随分と前から、気にはなっていたのですがようやくの読了です。
装丁は非常に良いです。

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森 博嗣
スカイ・クロラ
出版元
中央公論社
初版刊行年月
2001/06
著者/編者
森博嗣
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:5点

あらすじ
僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。<<Amazonより抜粋>>


すでにシリーズ化されていることが分っているので、なんとなく「次作アリ」で構えて読んでしまいます。
物語は、カンナミ・ユーヒチの一人称である「僕」で語られていきます。

至ってシンプルな戦争の物語という印象です。
文体も極めてシンプルで、ある意味では「無駄のない詩」のような印象を受けます。

ついこの間、「ルー=ガルー 」を読了したばかりで、その読後感想で「近未来や異世界などの小説の持つ世界観を、登場人物に説明させてしまうと、ちょっと冷めちゃうな~」的コメントをしたのですが、本作は、これ以上なく「何も語りません」。
一体、この物語がどの世界のものなのか?どんな状況なのか?は、誰の口からも語られません。
まず「世界」があって、そこに含まれた登場人物が存在し、物語を紡いでいます。
当たり前ですが、その世界に含まれている以上、登場人物からは、第3者の我々に対して、説明はないということです。

これはこれで、読み手にとっては、ある意味ですごく不便であり、人によっては「不親切」だと感じるかもしれませんが、個人的にはとても好感触です。

このスタイルは読み手にその小説世界を勝手に想像させてしまうものであり、書き手にとっては多少なりともリスクのある手法なのでしょうけど、同時に読み手には、勝手に想像をする権利を得ることが出来るので、物語以上の広がりを感じることができるわけです。

「キル・ドレ」という単語が登場してきますが、この件についてもまったくといってほど触れることはありません。
(そりゃ、物語の流れ上、必要最低限の説明はありますが、それ以上はまったくありません)

きっとこのスカイ・クロアシリーズの全体の世界観と密接に関係するワードであると思われるので、勝手に想像を膨らませてみたいと思います。

ということで、また一つ、シリーズを追うこととなったのでした。
めでたしめでたし。
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2006年12月12日(火) 21時36分46秒

「λに歯がない」 森博嗣 2006-162

テーマ:--森博嗣
森大河、Gシリーズの第5作目。
「λに歯がない」読了いたしました。

密室ものです。

ちなみに既刊の[Gシリーズ]の書評はこちら あたりです。

amazonリンク

森 博嗣
λに歯がない
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/09
著者/編者
森博嗣
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
密室状態の研究所で発見された身元不明の4人の銃殺体。それぞれのポケットには「λに歯がない」と記されたカード。そして死体には…歯がなかった。4人の被害者の関係、「φ」からはじまる一連の事件との関連、犯人の脱出経路―すべて不明。事件を推理する西之園萌絵は、自ら封印していた過去と対峙することになる。ますます快調Gシリーズ第5弾。<<Amazonより抜粋>>

密室状態での殺人事件。
今までのGシリーズに比べれば、トリックもちゃんと解き明かされますし、なんなら動機そのものもちゃんと説明されております。

これは相当の進歩なわけですが、残念ながら、やっぱり肝心の「λに歯がない」のカードの謎は一切語られません。

文の流れ上、「残念ながら」などと申しましたが、もうこのGシリーズについては、半ば、あきらめているので、それほど残念ではなく、どちらかといえばちゃんとトリックが解き明かされている方が、(お、やるじゃん)ということなのですね。

ただ、このトリックというのが、きっとその方面の専門的な知識を持っている方限定の「ふむふむ感」であり、私を含む一般的な読者については「へ~、そういうのあるんだ~」と思うに留まります。

この際、言ってしまいますが、新規読者を確保することを断念した当シリーズで、ついに読者のスキルレベルまで要求してしまうだなんて、なんて孤高なシリーズなのかと、ある意味感動すら覚えてしまいます。

唯一の救いは、海月及介の前作に変わらぬ「寡黙ぶり」。
このキャラクターは個人的に良いです。
似たような人物が近くにいたりするので、なんだかそいつとオーバーラップするのが、個人的に良いですね。
で、この海月及介が、何かのきっかけで「暴発」することが、このシリーズのクライマックスだったりすると面白いですね。
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