2006年06月07日(水) 02時20分27秒

「ドスコイ警備保障」 室積光 2006-070

テーマ:--室積光
小森課長の優雅な日々 」「スパイ大作戦 」に続く室積氏の3冊目。
3冊目にして、自分なりの室積テイストを理解できたように思います。
ということで、「ドスコイ警備保障」の読了です。

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室積 光
ドスコイ警備保障
出版元
角川書店
初版刊行年月
2003/07
著者/編者
室積光
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
800人の力士のうち、関取になれるのは60人。残りは全部おちこぼれ? この馬鹿力集団を救うべく、相撲協会全面出資で会社を設立! その名は「ドスコイ警備保障」。涙と笑いいっぱいのコメディ。<<Amazonより抜粋>>



同級生のリストラサラリーマンとやり手のモデル事務所社長が、廃業してしまった力士の再就職先立ち上げを協力するところから物語が始まります。

物語自体は、そんな「ドスコイ警備保障」の日々の出来事やら、ちょっとした些細な問題やらが時系列に語られ、その会社が比較的成功したんだねってところで終わります。

極めて個人的に、今現在「[経営戦略]っぽい勉強」をしていることもあって、こういった成功事例を読むと、なるほどいろんなエッセンスがあることに気がつきます。
例えば、この「ドスコイ警備保障」が属する業界分析(5つの力)とか、きっと想定しているであろう競合との内部分析(3C分析)とか、そこから導き出されたKFSとか、それを実践するためのVCとか・・・・

・・・・と、なんとなくわかっているフレームワークで表現するとそういうことです。

で、そんなエッセンスを感じとるには申し訳ないほど、元力士である経営者・社員の生真面目・実直な態度だったりするので、やっぱり「欲を出したらだめなのよね」ってこともよ~く分ってしまいました。(そういえば、物語後半で、似たような引用もありましたね)

とにもかくにも室積テイストとは、「状況設定で笑わせますが、芯のある物語」ってとこでしょうか?
無理やり数式にすると・・・
(トカジ本-エロ・グロ)+(オロロ系荻原本(人情×1.5))ってとこです。(なんだそりゃ?)

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2006年05月11日(木) 22時01分17秒

スパイ大作戦 室積光 2006-059

テーマ:--室積光
本帯のあらすじには
”カネガスキーが亡命希望→CIAがそれに呼応→カネガスキーが土産を持って来日→困るKGB→CIAがカネガスキーを保護→追うKGB・・・・・・。どこに絡むんだ日本の田端!”
って書いてあって、この雰囲気、それ自体が面白かったのです。

で、内容は、この”あらすじ”を超えるドタバタさは残念ながら、なかったのですが、意外にまじめさがにじみ出ておりました。
これはこれでありです。

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室積 光
スパイ大作戦
出版元
双葉社
初版刊行年月
2006/04
著者/編者
室積光
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
来日したソ連人科学者をめぐる、CIAとKGBの熾烈な争い。日本を舞台にしたスパイ合戦に今、ひとりの日本人が立ち上がった…。「都立水商!」「小森課長の優雅な日々」の著者が放つ、新感覚のユーモア小説。<<Amazonより抜粋>>


時代背景は、今よりもちょっと昔、アメリカとソ連の冷戦状態が続く日本です。

主人公である田村明男視点で描かれる”正しい意味での”「スパイ大作戦」なのですが、CIAが仕掛ける作戦に、知らないうちに協力する田村耕二や、キャプテンブルーなどの視点も入り混じります。

そのなかでも、個人的には、植木屋の新人である田村耕二の住む人情溢れる「古き良き下町」の描写が気に入りました。

物語は冒頭の通りであって、物凄く「正しいスパイ大作戦」なのであります。
前半あたりは、主人公田端の「ズレ感」にあるような、「ドタバタの予感」が匂いっておりますが、中盤辺りからは、本格的なスパイ物語なのです。(とはいえ、要所要所に小さなおかしさはありますけどね)

特に、「月光の辰」あたりが登場し始めてからは、どちらかといえば田端の「スパイとしての哀愁」とか「生かされてしまった者の悲哀」のようなところがクローズアップされてきて、意外にまじめさがにじみ出てしまうのです

なんだか「笑わせてもらおうと思ったら、真剣に読んでしまった」といった感じ。

それどころか、いわゆるメインストリームの事件が解決し、最後の最後に田畑が語る「真の愛国心」は、ぐっとくるものがあったりしました。
いやいや、まいったまいった。

P・S
そういえば、この間読んだ同氏の「小森課長の優雅な日々 」に類似したラス前にも、思わずニヤッとしちゃいました。

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2006年04月29日(土) 22時26分58秒

「小森課長の優雅な日々」 室積光 2006-052

テーマ:--室積光
初期荻原作品(オロロあたり)テイストを期待していたら、ソフト”トカジ”でした。
これはこれで、良いのです。
良心の呵責ってのも感じつつ、爽快な感じもあり。
いやいや人って怖いものですね。

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室積 光
小森課長の優雅な日々
出版元
双葉社
初版刊行年月
2004/07
著者/編者
室積光
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
不眠不休で働いて、金はたまらずストレスたまり、行きつく先は家庭不和。こうなったのは部下のせい。だから奴らをコロしたい。「お前ら、みんな死刑!」 『小説推理』連載「シリアル・パパ」を改題して単行本化。 <<Amazonより抜粋>>

何事にも疲れきったサラリーマンの小森正一(40歳)が、通勤の電車であう「ロバ女」に嫌悪感を抱き、心のギアを入れた瞬間からその後の人生が変わります。

少しずつ人を不幸にしていくような人間(途中から「ニンゲンモドキ」と表現)を殺し続けていく。
ギリギリの表現でいえば「現代版必殺仕事人」。

読み手は大きく二つに分れるように思います。

一つは、「そうはいっても、殺しちゃまずいでしょう」という正義派と、
「いやいや、こういう奴らは殺さなきゃだめでしょう」という正義派。

そう、この二つは両方とも「正義」という枠に入ってしまうわけです。

様々なニンゲンモドキが小森課長の前に現れ、それをじゃんじゃん殺していきます。
で、このニンゲンモドキが、みんなそれぞれ徹底的に嫌な奴であり、特に同じ会社に勤める「辻」のくだりは、(ま、こういう人が近くにいたら、殺しはしないものの、近い状態までには陥れるだろうな)と思うほどで、なかなかの爽快感でした。で、そんな自分にちょっと恐怖してしまったりしちゃうわけです。

中盤以降は、意外な展開が待っています。
小森に同調する仲間達が現れ、小森自体がその中で尊敬の対象となっていきます。
そんな状態に悩み続ける小森ですが、それを救ったのは・・・

よく「この本読んで、スカッとしようぜ」的な宣伝文句がありますが、本書は、それに類するものです。
ただ、別の正義(というか一般的には臆病)が、『この本を、諸手を挙げて、簡単に推薦しても良いのだろうか・・・』と。

・・・ということで、未読の方は、是非一読いただき、本人の責任の中で、きっちり消化ください。
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