2009年02月21日(土) 17時33分57秒

「Story Seller」 新潮社ストーリーセラー編集部編 2009-017

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
読前感想なき読後感想
購入本です。

新潮社ストーリーセラー編集部編「Story Seller」読了しました。

所収している作家さんは以下の方々です。
伊坂幸太郎、近藤史恵、有川浩、米澤穂信、佐藤友哉、道尾秀介、本多孝好。

amazonリンク
Story Seller (新潮文庫)
¥860
Amazon.co.jp
出版元
新潮文庫
初版刊行年月
2009/02
著者/編者
新潮社ストーリーセラー編集部編
総評
24点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:5点 
読了感:4点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
これぞ「物語」のドリームチーム。日本のエンターテインメント界を代表する7人が、読み切り小説で競演!短編並の長さで読み応えは長編並、という作品がズラリと並びました。まさに永久保存版アンソロジー。どこから読んでも、極上の読書体験が待つことをお約束します。お気に入りの作家から読むも良し、新しい出会いを探すも良し。著作リストも完備して、新規開拓の入門書としても最適。 <<Amazonより抜粋>>



個人的な感覚も、あらすじのとおり、この作家陣、現代における「物語」のドリームチームではないかと思いました。
もともと、雑誌(小説新潮の別冊)だったのですが、たまたま本屋で文庫化されているのを知り、即購入させてもらいました。

実は購入したそもそもの目的は、「空いた時間にちょこちょこ読む用」だったわけで、一気に読むつもりもなかったのですが、読み始めてしまうと、その短編が終わるまでは止まらないといった具合で、結果7回に分けて、かなりのスピードで読破してしまったわけです。

そして大満足。
物語の途中で差し込まれている挿絵(?)も、ちょうど場面展開のところで用いられていて、とても良かった
です。あれは新しいやり方かもしれません。

以下の作品が所収されています。
長くなりますが、せっかくなのでそれぞれをちょっとずつご紹介と感想を。

◆「首折り男の周辺」伊坂幸太郎
伊坂氏の得意とする時系列トリックもある短編。こう書くとネタバレになってしまいますが、実はそれだけでは分かりません。登場人物の視点を変えながら、同一線上にある物語を並行して語るところは、ラッシュライフと同じ手法です。ただ、やっぱり伊坂氏は上手です。そして、うまくなりました。
それぞれの物語の繋ぎの部分に並々ならぬ注意を払っているように思いました。
個人的にはここに登場する大藪の過去の物語が長編あたりになると面白いなと思いました。

◆「プロントンの中の孤独」近藤史恵
同氏の作品「サクリファイス 」の外伝のようです。それを知らずに読み始めて、なんとなく似ているなと思っていましたが、まさか「サクリファイス」のあの人の物語と分かったときは、ちょっとうれしくなってしまいました。
「サクリファイス」同様、キャラクターの立ち位置が良いのですよね。プロになってからあまり芽がでない主人公がいて、その主人公と同じ時期にチームに入ってきた実力のある若手がいて、チームの顔となっているスターがいる。
あれだけのフォーメーションならどんな展開でも面白くなるんじゃないかとか思うわけです。で、やっぱり面白かった。

◆「ストーリー・セラー」有川浩
有川氏というと、「図書館戦争」やその他中短編でいわゆる「恋愛モノ」を得意とする作家さんという認識でしたが、この作品でもっと深い思いを綺麗に描けるなと感じました。純粋に良い話です。そして切ない話です。
感想が他より短いのですが、一番感動した作品でした。

◆「玉野五十鈴の誉れ」米澤穂信
物語り全体を包み込む設定。この設定は秀逸でした。
読んでいただきたいので、これ以上触れませんが、いわゆる「昼ドラ」の要素もありつつ、「土曜サスペンス」の要素も織り交ぜつつといった感じです。たまらない人にはたまらない。また、このたまらなさに拍車を掛けて、文章そのものも非常に人にやさしい印象をうけました。

◆「333のテッペン」佐藤友哉
佐藤氏ここにありといった感じの作品です。「鏡サーガ」の頃に比べて、やっぱりうまくなりました。東京タワーという象徴的なシチュエーションも非常に興味深いですね。333とは東京タワーの高さなのですが、あえてこのタイミングで「東京タワー」ってのが良いわけです。また個人的にはコンビニのバイトの子がいい味出していて好きです。

◆「光の箱」道尾秀介
道尾氏らしい作品。こちらもミステリー仕立てになっているのですが「赤鼻のトナカイ」と「ママがサンタにキスをした」をモチーフに男女の関係を描いています。これは途中でやめられないのです。

◆「ここじゃない場所」本多孝好
意外でした。でも面白かった。「普通が嫌い」と感じている女子学生を主人公にし、彼女が身の回りで起こってしまう、望んでいた「非日常」に対峙したとき、どういう風に思うか?
普通であることの素晴らしさみたいなものを私達に教えてくれる作品です。物語は収束しますが、いくつかの謎も残っています、特に「非日常担当」の3兄弟の別作品(あとアゲハとか)とか読みたいですね。


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2008年11月08日(土) 00時58分04秒

「文学賞メッタ斬り たいへんよくできました編」 大森望豊崎由美 2008-127

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
「文学賞メッタ斬り たいへんよくできました編」読了(斜め読み)しました。

amazonリンク
文学賞メッタ斬り! 2008年版 たいへんよくできました編 (2008)/大森 望
¥1,470
Amazon.co.jp
出版元
株式会社パルコ
初版刊行年月
2008/05
著者/編者
大森望 豊崎由美
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:1点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
まさかのメッタ褒め?やっと的中した受賞予想、芥川賞・直木賞授賞式レポート、新たに誕生「メッタ斬り!」新人賞などなど今回も斬り込みます。1 メッタ斬り!トークショー 受賞作家の逆襲上―長嶋有×大森望×豊崎由美2 メッタ斬り!トークショー 受賞作家の逆襲下―石田衣良×大森望×豊崎由美3 定点観測、芥川賞・直木賞4 もはや定番、選評、選考委員メッタ斬り!5 誕生!「文学賞メッタ斬り!」新人賞6 決定!第三回「文学賞メッタ斬り!」大賞<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>


お馴染み「メッタ斬り」シリーズの最新刊です。
いつも役立たせていただいております。

前述したように今回も斜め読み。

知りたいのは巻末にあるお二人の「受賞作品への採点」なわけです。

ま、一通り読みました。
猛スピードで母は 」の著者長嶋氏は面白い方だな~とか、相変わらず選考委員は好き勝手なこと言っているな~とか思いました。

とはいえ、なんのために借り出しているかといえば、なんといっても、”巻末にあるお二人の「受賞作品への採点」”なのです。

お二人の感性に近いものがあって、大抵良いと評されているものは、実際に良いわけです。


ということで、以下「今後借りてみようと思っています覚書」です。


「乳と卵」川上未映子
「犬身」松浦理英子
「オフ・ザ・ベースボール」円城塔
「肝心の子供」磯崎憲一郎
「私の男」桜庭一樹
「中庭の出来事」恩田陸
「夕子ちゃんの近道」長嶋有




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2008年11月01日(土) 22時19分01秒

「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所」 作家アンソロジー 2008-124

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
「小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所」読了しました。

amazonリンク
小説こちら葛飾区亀有公園前派出所/大沢 在昌
¥1,050
Amazon.co.jp
出版元
集英社
初版刊行年月
2007/05
著者/編者
作家アンソロジー
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
超人気作家7人が『こち亀』を小説化!『新宿鮫』の鮫島&晶が浅草初詣で両さんと遭遇。『池袋ウエストゲートパーク』のマコトは両さんと一緒に結婚詐欺師退治。大原部長と悪ガキ両さんの知られざる出会いなど、両津勘吉大活躍の短編が7本!<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>


あらすじにあるとおり、日本作家推理協会の人気作家7名の「こち亀」を題材にしたアンソロジーです。
短編が7編所収されております。

「幼な馴染み」大沢在昌
「池袋⇔亀有エクスプレス」石田衣良
「キング・タイガー」今野敏
「一杯の賭け蕎麦-花咲慎一郎、両津勘吉に遭遇す-」柴田よしき
「ぬらりひょんの褌」京極夏彦
「決闘、二対三!の巻」逢坂剛
「目指せ乱歩賞!」東野圭吾

子供の頃にリアルタイムに「こち亀」を読んでいたので懐かしい感じを受けました。
あの漫画の面白いところは、主人公・両津の破天荒ぶり。

今回の短編もその辺りの特徴をうまく活かした作品ばかりでした。

ただ、残念ながら大物作家さんのシリーズものとのコラボレーションのはずなのに、その出典元のシリーズをあまり読んでいないという点

こればっかりは、私の読書暦の問題ですので、普段より手にとっている方にとってはとてもとても面白い作品なんだろうなと思うのです。

ということで、個人的に気に入ったのは知っているシリーズで描かれた京極夏彦氏の「ぬらりひょんの褌」。
上司である大原の過去の不思議な話を「謎の老人」が謎解きしていく物語です。
真犯人の意外性やそもそもこの「謎の老人」の出自に非常にそそられました。

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2008年08月19日(火) 22時01分45秒

「Re-born」 作家アンソロジー 2008-088

テーマ:★読後感想:作家別【その他】


amazonリンク
Re-born はじまりの一歩/伊坂 幸太郎
¥1,470
Amazon.co.jp
出版元
実業之日本社
初版刊行年月
2008/03
著者/編者
作家アンソロジー
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
迷い、揺れ、苦しみながら選びとった、これがわたしの生きる道──。時代を鮮やかに切り取りつづける7人の人気作家が描く、新たな出会いと出発の物語。ール書き下ろし&オリジナルの珠玉アンソロジー。◆宮下奈都「よろこびの歌」音大附属高校の受験に失敗した私は◆福田栄一「あの日の二十メートル」人から水泳指導を請われて(書き下ろし)◆瀬尾まいこ「ゴーストライター」兄貴へのラブレター代筆を頼まれた俺◆中島京子「コワリョーフの鼻」数百年後、人類から鼻がとれる!?◆平山瑞穂「会ったことがない女」50年前の奇妙なできごと◆豊島ミホ「瞬間、金色」親友の子どもがこの世界に生まれた日◆伊坂幸太郎「残り全部バケーション」家族解散の日、秘密の暴露を行なう父・母・娘(書き下ろし)


タイトルの通り「はじまりの物語」です。
こういうアンソロジーは良いですね。
前向きです。

どれも良い物語ですが、せっかくなので個人的に5つ星でご紹介します。


◆宮下奈都「よろこびの歌」 ★★★☆☆
音大附属高校の受験に失敗した私は

◆福田栄一「あの日の二十メートル」 ★★★☆☆
人から水泳指導を請われて(書き下ろし)

◆瀬尾まいこ「ゴーストライター」 ★★★★☆
兄貴へのラブレター代筆を頼まれた俺

◆中島京子「コワリョーフの鼻」 ★★★★☆
数百年後、人類から鼻がとれる!?

◆平山瑞穂「会ったことがない女」 ★★★★☆
50年前の奇妙なできごと

◆豊島ミホ「瞬間、金色」 ★★★★☆
親友の子どもがこの世界に生まれた日

◆伊坂幸太郎「残り全部バケーション」 ★★★★★
家族解散の日、秘密の暴露を行なう父・母・娘(書き下ろし)


やっぱり伊坂さんのが良いです。

なんだか家族が解散するって感じがまるでないところと、最後の岡田の言葉「レバーをドライブに入れれば勝手に前に進む」という言葉にぐっときましたね。

まさにおっしゃるとおり。

前を向きたい人にオススメです。
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2008年08月14日(木) 23時22分01秒

「赤に捧げる殺意」 作家アンソロジー 2008-086

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
「赤に捧げる殺意」読了しました。

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赤に捧げる殺意/有栖川 有栖
¥1,575
Amazon.co.jp
出版元
角川書店
初版刊行年月
2005/04
著者/編者
作家アンソロジー
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
豪華著者によるミステリーアンソロジー決定版!火村&有栖が、メルカトル鮎が、狩野俊介が! なだたる名探偵たちが不可解な謎に挑む!! 豪華執筆陣が贈る、緻密かつ精密な論理の迷宮への招待状。超絶アンソロジー第2弾登場!<<Amazonより抜粋>>


こちら の姉妹本(?)のようなもので、8名の有名な作家さんのアンソロジーです。

■砕けた叫び(有栖川有栖)
■トロイの密室(折原一)
■神影荘奇談(太田忠司)
■命の恩人(赤川次郎)
■時計じかけの小鳥(西沢保彦)
■タワーに死す(霞流一)
■Aは安楽椅子のA(鯨統一郎)
■氷山の一角(麻耶雄嵩)

「青に捧げる悪夢」がホラータッチだったものに比べ、こちらは「推理」が全体のテーマになっています。
これを読んでいて気がつきましたが、どうやらもう私は「ハウダニット」にはあまり興味がないようです。

なので、「推理小説」は、登場人物の関わりがはっきり判る、長編モノが良いと勝手に頭にあるようでして、しかるにこのアンソロジーは「青に捧げる悪夢」に比べて評点がマイナス1なわけです。

ホラーであれば、それなりに読むスピードが上がるのですが、こちらはどちらかと言えば「読み飛ばすこと」が多かったような気がします。

気になったのはメルカトル鮎が登場する「氷山の一角」でしたが、これもキャラクターで評価されたようなものです。

もちろん推理小説が好きな方(ハウダニット)にはとてもとても面白い、大切な一冊であることは間違いありません。
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2008年08月09日(土) 00時00分17秒

「青に捧げる悪夢」 作家アンソロジー2008-082

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
「青に捧げる悪夢」読了しました。

amazonリンク

出版元
角川書店
初版刊行年月
2005/03
著者/編者
作家アンソロジー
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
豪華著者によるミステリーアンソロジー決定版!閉ざされた全寮制の学園で起こった悪意のゲーム『笑いカワセミ』に、美貌の少年ヨハンが挑む!〈恩田陸「水晶の夜、翡翠の朝」〉ほか豪華執筆陣が贈る、せつなく、可笑しく、おぞましい傑作ミステリの饗宴! <<Amazonより抜粋>>


10名の有名な作家さんが名を連ねる作家アンソロジー本です。

■水晶の夜、翡翠の朝(恩田陸)
■みたびのサマータイム(若竹七海)
■水仙の季節(近藤史恵)
■攫われて(小林泰三)
■階段(乙一)
■ふたり遊び(篠田真由美)
■還って来た少女(新津きよみ)
■闇の羽音(岡本賢一)
■ラベンダー・サマー(瀬川ことび)
■天狗と宿題、幼なじみ(はやみねかおる)

どの作品も短編集の割には、それなりにボリューム感もあって、完成度は高く、一貫したテーマである「ホラー要素」がきっちり入っているので、中々良い作品群でした。

「水晶の夜、翡翠の朝(恩田陸)」・「みたびのサマータイム(若竹七海)」・「天狗と宿題、幼なじみ(はやみねかおる)」の3作品については、それぞれ「麦の海に沈む果実」・「クール・キャンデー」・「僕と先輩のマジカル・ライフ」の物語と同世界のようです。

こういうのうれしいですよね。

特に恩田氏の世界観は是非「麦の海に沈む果実」を読みたくなるものでした。
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2008年07月05日(土) 12時48分45秒

「七つの黒い夢」 作家アンソロジー 2008-073

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
「七つの黒い夢」読了しました。

amazonリンク
七つの黒い夢 (新潮文庫)/乙一
¥420
Amazon.co.jp
出版元
新潮文庫
初版刊行年月
2006/03
著者/編者
作家アンソロジー
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
天使のように美しい顔をした私の息子。幼稚園児の彼が無邪気に描く絵には、想像を絶するパワーがあった。そしてある日―。乙一の傑作「この子の絵は未完成」をはじめ、恩田陸、北村薫、岩井志麻子ら、新感覚小説の旗手七人によるアンソロジー。ささやかな違和感と奇妙な感触が積み重なり、遂に現実が崩壊する瞬間を描いたダーク・ファンタジー七篇。静かな恐怖を湛えたオリジナル文庫。<<Amazonより抜粋>>


タイトルの通り7つの短編が所収されています。
共通のテーマもタイトルの通り「ちょっとダークな小説」ってことです。

この子の絵は未完成(乙一)/赤い毬(恩田陸)/百物語(北村薫)/天使のレシート(誉田哲也)/桟敷がたり(西沢保彦)/10月はSPAMで満ちている(桜坂洋)/哭く姉と嘲う弟(岩井志麻子)

飛行機の中で読み始め、飛行機の中で読み終わりました。
たぶん1時間半くらいで読めちゃいます。

それなりの作家さんの小説ですから、非常に読みやすいし、やっぱり世界には引き込まれていきます。

この中でも、面白いとおもったのは、誉田哲也氏「天使のレシート」と桜坂洋氏(どちらも、お初の作家さんですかね)の「10月はSPAMで満ちている」。

「天使のレシート」は、淡い青春物語のような雰囲気で始まり、途中ファンタジーの世界に入り、最後にダークになるという、短い中でもいろんな要素が入った作品で、飽きさせませんでした。

「10月はSPAMで満ちている」は、雑居ビルで働く「SPAMメール」を作ることを職業した若者の話で、これはこれで文体の雰囲気が良かったです。

誉田哲也氏も桜坂洋氏もどちらもちょっと追いたくなってきました。
そういう意味では個人的には価値の在る一冊です。
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2008年05月26日(月) 22時31分16秒

「本からはじまる物語」 作家アンソロジー 2008-059

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
18人の作家アンソロジー「本からはじまる物語」読了しました。

amazonリンク
本からはじまる物語/恩田 陸
¥1,365
Amazon.co.jp
出版元
メディアパル
初版刊行年月
2007/12
著者/編者
作家アンソロジー
総評
18点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:2点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
18名の作家が「本」「本屋」をテーマに掌編小説で競演!「飛び出す、絵本」恩田陸/「十一月の約束」本多孝好/「招き猫異譚」今江祥智/「白ヒゲの紳士」二階堂黎人/「本屋の魔法使い」阿刀田高/「サラマンダー」いしいしんじ/「世界の片隅で」柴崎友香/「読書家ロップ」朱川湊人/「バックヤード」篠田節子/「閻魔堂の虹」山本一力/「気が向いたらおいでね」大道珠貴/「さよならのかわりに」市川拓司/「メッセージ」山崎洋子/「迷宮書房」有栖川有栖/「本棚にならぶ」梨木香歩/「23時のブックストア」石田衣良/「生きてきた証に」内海隆一郎/「The Book Day」三崎亜記


あらすじに一気に記載してしまいましたが、18名の作家さんが「本」「本屋」をテーマにショートストーリを書いております。

昔、星新一氏が監修した「ショートショートの広場」を思わせる、圧倒的な短さで、あっという間に読み終わります。
なんというんでしょうか、長編では感じられない小気味よさを感じられて中々の好感触でした。

「一駅で一物語」といった按配です。

プロの作家さんらしく、短い物語の中にも、「この世界の続編が読みたいな」と思ったりもして、良かったです。

この書評でもちょくちょく出てくる、恩田陸氏・本多孝好氏・三崎亜記氏などは「それらしく」、それ以外の作家さんの作品もやっぱり「プロね」と思わせる作品ばかりです。

共通しているのは、やっぱり「本」を慈しみ、「本屋」を敬愛しているということなのでしょうね。
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2008年05月09日(金) 21時11分09秒

「妖怪変化 京極堂トリビュート」 作家アンソロジー 2008-054

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
「妖怪変化 京極堂トリビュート」読了しました。

amazonリンク
妖怪変化 京極堂トリビュート/西尾 維新
¥1,260
Amazon.co.jp
出版元
講談社
初版刊行年月
2007/12
著者/編者
アンソロジー
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
西尾維新が!あさのあつこが!京極夏彦の作品世界に挑戦!!各界を代表する超豪華執筆陣。これはもう、おもしろくないはずがない。<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>


以下の作品が所収されています。
●が小説。○が漫画(挿絵)です。

●「鬼娘」 あさのあつこ
●「そっくり」 西尾維新
●「『魍魎の匣』変化抄。」 原田眞人
●「朦朧記録」 牧野修
●「粗忽の死神」 柳家喬太郎
○「或ル挿絵画家ノ所有スル魍魎ノ函」 フジワラ ヨウコウ
○「薔薇十字猫探偵社」 松苗あけみ
○「百鬼夜行イン」 諸星大二郎


全般的に「期待しすぎだった」のでした。

西尾維新氏の作品も読めるし、なんといっても「京極堂」のトリビュートなんという「甘い言葉」に、相当の期待をかけていたのですが、それはそれやっぱり「企画モノ」ってのは難しいというのが正直なところです。

どれも、面白いのですが、どれも「京極堂」にはかなわない。当たり前ですね。
大変失礼かもしれませんが、結成間もない高校1年生のコピーバンドを、聞いている感じがしました。

例えば、「村上春樹トリビュート」なんていう企画が以前にあって、こちらの書評でも紹介したことがありましたが、あれだって「村上春樹」の作品を「古川日出男」が書くなんていって、相当盛り上がるのですが、それはそれだったのです。

ということで、京極堂は本物が良いという普通の感想に落ち着いてしまいました。はい。
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2008年02月24日(日) 00時22分44秒

「エソラ VOL4 2007.6」 作家アンソロジー 2008-027

テーマ:★読後感想:作家別【その他】
きっちり追っておりますよ、エソラ。
Vol.4です。
読了しました。

相変わらず、小説のみの書評です。

amazonリンク

伊坂 幸太郎, 舞城 王太郎
エソラ vol.4
出版元
講談社
初版刊行年月
2007/06
著者/編者
作家アンソロジー
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
14の個性が時代を変える―すべて読み切り、書き下ろしの小説・漫画。<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>



せっかくなので、今までのエソラの感想をまとめてみましたよ。

エソラ VOL1 2004.12
エソラ VOL2 2005.7
エソラ VOL3 2006.4


で、今回所収の小説はこちら。

◆夜行の冬(恒川光太郎)
◆夢王(金原ひとみ)
◆ブギ(伊坂幸太郎)
◆中間小説(中原昌也)
◆サービス!(Oka‐Chang)
◆哀愁のサンサローサ(伊藤たかみ)
◆落神賦(仁木英之)
◆自転車で(しまおまほ)
◆僕らが天王星に着くころ(レイ・ヴクサヴィッチ)
◆182(ONE EIGHT TWO)(舞城王太郎)

今回のお目当ては、伊坂氏の「ブギ」と、舞城氏の「182(ONE EIGHT TWO)」。

◆ブギ(伊坂幸太郎)

「ブギ」は、エソラVOL.3の「ギア」と同じ世界の話。
前作では「どちらかといえば佐藤哲也ワールド」などといっていますが、もうちょっと具体的な世界観を云うと「比較的アットホームな北斗の拳」です。

セミンゴという銀色の虫(?)のようなものがいたりして、それはそれは近未来なのですが、それ以上に、「これが、伊坂作品かぁぁ」という印象がとてもよいです。
単行本になるとは思いますが、このペースだと随分先になりそうですね。


◆182(ONE EIGHT TWO)(舞城王太郎)

そして、久しぶりの舞城王太郎氏の新作「182(ONE EIGHT TWO)」。
なんせ、このエソラの後半半分がこの作品なので、非常に楽しみでした。
すぐさま単行本になってしまうそうな文量です。
短編くっつけて、すぐになりそうです。

で、内容は、これまた
今までの「きわどい主人公が、きわどい世界で、きわどく生きる(そして、きわどい文体で)」といったものはなく、「小悪の庶民を多角的に切り取った地方都市小説(しかも、それなりの文体で)」でした。

ポイントとなるのは2点。
1点目は、中心にあるのが街(そして、その街に住む人々)のになっているという点。
「悪人」とか「シンセミア」とかと類似なのですが、物語の一つ一つが独立していて、かつ「同じ場所にある」というだけで、連鎖しているようにも見える形
です。

2点目は、「文体」。
今までの「きわどい文体」がなりをひそめ、比較的「物語の文体」
となっております。
個人的にその辺りは、ちょっと残念でした。
成長したってことだとしたら、ちょっとつまらないよなとか。

とはいえ、相変わらず、凡人には分からない「暗喩」「含み」がある物語でしたので、分からないなりに楽しめました。

上記2作以外で、面白かったのは
「夜行の冬(恒川光太郎)」「僕らが天王星に着くころ(レイ・ヴクサヴィッチ)」あたりでしたが、特段感想なしです。

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