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2009年06月26日(金) 22時01分13秒

「ワールズ・エンド・ガーデン」 いとうせいこう 2009-050

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
いとうせいこう氏「ワールズ・エンド・ガーデン」読了しました。

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出版元
新潮社
初版刊行年月
1991/01
著者/編者
いとうせいこう
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
地上げした土地の廃ビルにペインティングを施し、アーティストやミュージシャン、編集者などオシャレな不良どもを住まわせる。なんの変哲もない町が二年後には流行の発信地となるだろう。期限付きの解放区、ムスリム・トーキョーはそんな思惑で生まれた―。ドラッグが蔓延し、フリーキーな若者たちが蠢く堕天使の楽園。幻覚のようなヴィジョンに豊かな寓意を重ねた長編小説。<<Amazonより抜粋>>


1991年の作品。
18年も前の作品ですが、色褪せてはいないですね。

なんというか、まさに「箱庭」です。
井の中の蛙みたいなところです。
そこが退廃。
思い切りジャンキーなのです。

だから物語のメインにある「自分探し」も、ある意味において汗臭くなく、それでいて泥臭いのですね。
宗教モノといえば、そうなのですが、あまりそういった印象もなく終わりました。

注目すべきは退廃した世界観

例えば、たびたびこの書評にも登場する(といって、だいぶ過去の記事ですが)、椎名誠氏の「武装島田倉庫」の雰囲気も匂わせます。
でも、あの世界観には敵わない。



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2009年06月12日(金) 22時17分29秒

「出星前夜」 飯嶋和一 2009-045

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
飯嶋和一氏「出星前夜」読了しました。 

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出版元
小学館
初版刊行年月
2008/08
著者/編者
飯嶋和一
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:2点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
『黄金旅風』で有家の子どもを救うために呼ばれた外崎恵舟。しかし、この外崎が南目の代官所に追放されてしまう。この事件に怒りを覚えた矢矩鍬之介を筆頭とする若衆が終結。折しも代官所で火災が発生し、代官所はこの火災を集結した若衆の仕業と決め討伐に向かうが、返り討ちにあってしまう。それは、これまで一切の抵抗をしてこなかった旧キリシタンの土地で起こった初めての武装蜂起だった・・・。 <<Amazonより抜粋>>


2009年の本屋大賞にノミネートされ、見事7位になりました「出星前夜」です。

物語は、歴史上の「島原の乱」を中心の物語なのですが、特徴的なのは主人公が天草四郎ではなく同地に生きる「寿安(ジュアン)」という青年であること。

この視点は新鮮でした。

この視点のみならず、本書前半は医師である外崎恵州や庄屋である鬼塚甚右衛門の目線で、その時代の理不尽さを浮き彫りにし、大きな世界を魅せてくれます。

この世界観には脱帽です。

「島原の乱」という社会科の教科書の1ページで語られる史実を1200枚の小説にすることで、ある意味で、ものすごく陰惨で儚い物語になるということを実感することができました。

ただ、意気込んで読んでみたのですが、ちょっと読みづらい印象がありました。
もっと落ち着いた時間、落ち着いた場所で読むべき物語であるとやや後悔しております。
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2009年06月05日(金) 00時12分29秒

「真夜中のフーガ」 海野碧 2009-044

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
海野碧氏「真夜中のフーガ」読了しました。

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真夜中のフーガ/海野碧
¥1,785
Amazon.co.jp
出版元
光文社
初版刊行年月
2008/10
著者/編者
海野碧
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
自分と同姓同名の人間の死亡記事を見つけた朝、「私」こと大道寺勉の運命の歯車は回り始めた。―かつて私を捨てた母との再会。逃れられぬ邂逅は、男に何をさせようというのか。<<Amazonより抜粋>>


個人的な印象は「ハードボイルドミステリー」といった感じです。

”始末屋”を副業とする大道寺勉が仲間と共に、請け負った仕事を始末(解決)していくという本筋があります。
その上で、過去の名前(本来の名前)と同姓同名の人間が死亡した事実から、大道寺勉とその母の邂逅というもう一つの物語があり、ほぼ、8:2の割合で並列に進みます。

この請け負った仕事そのものが、あまり魅力的に感じなかったことも影響してか、個人的には8:2の2の方に興味がそそられていたのですが、そちらが意外な終焉を迎えます。

とはいえ、意外性が3点なのは、「納得感のない終わり方」だったことであり、これは私自身の人としての未熟さのようなものも影響していると思います。

ただただ、「なんで、そこまでしなきゃいけないの?」と思うわけです。

ちなみに8:2の8の方は、本当に興味がなくなったので、流し読みしてしまいました。
主人公ならびに仲間達のキャラクターがしっかりしていただけに、もっと魅力的な仕事を解決してくれればいいのにとか思いました。
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2009年04月30日(木) 21時59分04秒

「百瀬、こっち向いて。」 中田永一 2009-036

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
中田永一氏「百瀬、こっち向いて。」読了しました。

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百瀬、こっちを向いて。/中田 永一
¥1,470
Amazon.co.jp
出版元
祥伝社
初版刊行年月
2008/05
著者/編者
中田永一
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』にて大絶賛された中田永一、満を持しての単行本デビュー!クラスの中で最も「人間レベル」が低い“僕”は、いわば教室の障害物のようなものだった。いつもできるだけひっそりと気配を消している僕は、このまま女の子と手を繋ぐこともなく、生涯を終えるのだろう…と思っていたが、とあるきっかけで日常ががらりと変わることに。僕の尊敬する先輩で、学校中の人気者である宮崎瞬先輩…かつては瞬兄ちゃんと呼んでいたが、今はとてもそんなに気安く呼べない…から、ひとつの頼み事をされる。宮崎先輩とつきあっているこれまた美人の神林先輩が、宮崎先輩に憧れている後輩の百瀬陽との仲を疑っている、ついては僕にその百瀬とつき合っているふりをしてくれないか…ということだった。女の子とろくに会話すらしたことのないこの僕が、百瀬のような美少女とつきあうふりができるのだろうか? こうして二人の擬装された学園生活が始まった。…しかしそうやってお互い徐々に距離が近づくうち、僕の中に、初めて知った息苦しい感情が芽生え出す。僕は自分にこういい聞かせる。おまえの気持ちは錯覚だ。おまえは演技にのめりこみ過ぎているんだよ。いっしょにいてたのしい、うれしい、といった気持ちを遮断するんだ。この騒動が終わったら、またおまえは一人になるんだからな…。(「百瀬、こっちを向いて」)圧倒的な叙情と奇想! 大型新人が贈る傑作恋愛小説集。 <<Amazonより抜粋>>


アンソロジーもので初出された3編と書き下ろしの1編を加えた全4編の中短編が所収されています。

で、このアンソロジーもののうち、2冊はすでに既読。
既読なのですが、まったく覚えていなかったので、それなりに楽しめました。

せっかくなので、過去の書評をご紹介しておきます。

【引用開始】

●「百瀬、こっちを向いて。」
「I love you」 伊坂 幸太郎他
「百瀬、こっちをむいて」 中田永一  △
憧れの先輩に頼まれて、先輩の浮気相手と付き合う演技をする「僕」の話。今現在の視点には、しっかりとした主人公がいて、回顧するタイプの作品です。ちゃんと微妙な心理とかも書けていて好感触でしたが、結末がやや弱いかなといった感じ。


●「なみうちぎわ」
「LOVE or LIKE」 作家アンソロジー
特に中田氏の「なみうちぎわ」、植物人間からの5年ぶりの蘇生というシチュエーションは、なかなかよかったですね。

【引用終了】


ま、せっかくなので言っておくと、今回の読後感とあっています。
ということで、残り2編の簡単な感想。

●「キャベツ畑に彼の声」
気に入っている教師が覆面小説家だったら、というシチュエーションの物語です。
オチはしっかりしていますが、主人公が女性であることからちょっと親近感はなかったりしました。

●「小梅が通る」
これも、女性目線の物語。
容姿が良すぎる事で人とのコミュニケーションができず、ブス顔に化粧をして過ごしている高校生に訪れる物語。展開は読めましたけど、それなりに爽快感はありました。


全体を通じて「恋愛小説」というカテゴリに含まれます。
が、それほど「甘くない」ので、良かったのです。

4編に共通しているテーマは「嘘」かもねと思いました。
もう少し言うと、「嘘によって得られる幸せ」とか、そんな感じです。

それにしても覚えていないんだなーと思いました。

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2009年04月16日(木) 21時40分53秒

「カラット探偵事務所の事件簿①」 乾くるみ 2009-031

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
乾くるみ氏「カラット探偵事務所の事件簿①」読了しました。

amazonリンク
カラット探偵事務所の事件簿 1/乾 くるみ
¥1,575
Amazon.co.jp
出版元
PHP研究所
初版刊行年月
2008/09
著者/編者
乾くるみ
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
あなたの頭を悩ます謎を、カラッと解決いたします!高校の同級生・古谷(ふるや)が探偵事務所を開くことになった。体調を崩していた俺は、その誘いを受け新聞記者から転職して、古谷の探偵事務所に勤めることにした。探偵事務所といっても、浮気調査や信用調査などは苦手としているようだ。出不精の所長・古谷を除けば、実質的な調査員は俺だけになってしまうので、張り込みや尾行などといった業務もろくにこなせないのだ。ではいったい何ができるのかというと――実は≪謎解き≫なのだ。作家とファンのメールのやりとりの中から、隠された真実を明らかにしていく「卵消失事件」、屋敷に打ち込まれた矢の謎を解く「三本の矢」など、技巧の限りを尽くして描いた6つの事件を収録。『イニシエーション・ラブ』『リピート』で大反響を巻き起こし、練達の愛好家を唸らせつづける著者、待望の連作短篇集。 <<Amazonより抜粋>>


あの「イニシエーションラブ」の乾氏ですから、何か最後にオチがあるんだろうなと思いつつ読み始めました。

話そのものは、ワトソン役の井上が、探偵事務所で対応した事件を短編と言う形で書いています。
時系列に書かれているため、短編どおしのリンクがあったりして、それなりの工夫が見られます。

といいつつも、短編なだけに物語りそのものには厚みはなく、謎解きをメインとしているせいか、ちょっと強引な感じの謎解きだったりするわけです。

この辺りの織り交ぜ方は、流石と思いつつも、個人的には「お腹いっぱい」な感じも受けました。

ちょうど、歳をとると「脂っこい」のが食べれなくなるのと同じ感じです。(全然、同じではありませんが)

ということで、大ラスのオチに期待がかかるのですが、正直、直前に感じていたことの通りだったこともあり、そんなに驚きませんでした。
消去法で考えると、見つかってしまう感じ。

やっぱりイニシエーションラブの衝撃には敵わなかったわけですね。
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2009年03月31日(火) 21時36分10秒

「数学的にありえない(下)」 アダム・ファウアー 矢口誠訳 2009-026

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
アダム・ファウアー「数学的にありえない(下)」読了しました。
上下巻、あわせて読後感想します。

amazonリンク
数学的にありえない〈下〉/アダム ファウアー
¥2,200
Amazon.co.jp
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
アダム・ファウアー 矢口誠訳
総評
24点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
巨大な陰謀に巻き込まれた天才数学者ケイン。窮地に追い込まれた彼の唯一最大の武器、それは「確率的に絶対不可能な出来事」を実現させる能力だった----。北朝鮮に追われるスパイ、謎の人体実験を続ける科学者、宝籤を当てた男、難病の娘を持つ傭兵......随所に仕掛けられた伏線が次々に起爆、全ての物語は驚愕の真相へと収束する----。 <<Amazonより抜粋>>


良かったですね。

ハリウッド映画のようなスリリングな展開。
伏線に伏線を重ねていく手法。
拡大しつづける物語自体のダイナミックさ。
そして、収束の仕方。

ここまで「うたい文句」を並べても、それほど違和感ないのですね。

日本の小説にみられる「ワビサビ」のようなものはないのですけど、ストーリー自体の構成上、それはそれで良いわけです


全般的に主要な登場人物視点が切り替わりながら、三人称で物語が進みます。
だから、最初のうちはちょっとついていけなかったりしますが、読み進めていくと、それほど視点が変わらないことからか、それぞれのキャラクター(および役割)がはっきりしているからか、そんなに抵抗がなくなります。

ということで、個人的に外人の名前って覚えづらいのですが、こちらは問題なかったです。


また、物語の間に挟まれる数学のエピソードや、物語の鍵の握る主人公ケインの得た能力のSF的説明は、数学を苦手としている読者にも、それなりに理解できる筋書きでした。

上巻は、物語が拡大し、下巻で収束するというバランスもありでした。
氏の別作品が読みたいと思いました(まだ出ていないようではありますが)
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2009年03月30日(月) 21時19分06秒

「数学的にありえない(上)」 アダム・ファウアー 矢口誠訳 2009-025

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
アダム・ファウアー「数学的にありえない(上)」読了しました。

amazonリンク
数学的にありえない〈上〉/アダム ファウアー
¥2,200
Amazon.co.jp
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
アダム・ファウアー 矢口誠訳
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:5点 
装丁:3点

あらすじ
巨大な陰謀に巻き込まれた天才数学者ケイン。窮地に追い込まれた彼の唯一最大の武器、それは「確率的に絶対不可能な出来事」を実現させる能力だった----。北朝鮮に追われるスパイ、謎の人体実験を続ける科学者、宝籤を当てた男、難病の娘を持つ傭兵......随所に仕掛けられた伏線が次々に起爆、全ての物語は驚愕の真相へと収束する----。 <<Amazonより抜粋>>



感想は下巻読了後に。

好きなタイプの小説です。
翻訳本でここまではめずらしいのです。

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2009年02月18日(水) 21時13分46秒

「食堂かたつむり」 小川糸 2009-016

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
小川糸氏「食堂かたつむり」読了しました。

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食堂かたつむり/小川 糸
¥1,365
Amazon.co.jp
出版元
ポプラ社
初版刊行年月
2008/01
著者/編者
小川糸
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:5点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
料理の神様、お願いします――衝撃的な失恋のあと、倫子は故郷に戻り実家の離れで食堂を始める。ある噂とともに店は評判になるが。家、家財、声──全てを失って、はじめたのはメニューのない食堂。三ツ星新人作家登場!心もおなかも温まる、読んでおいしい物語。<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>


主人公・倫子の一人称で物語が進みます。
あらすじのとおりの展開であり、「食堂かたつむり」で起こるエピソードを描きます。
後半は、倫子の過去にある「とある壁」について触れ、それが見事に昇華されるという展開です。

非常に興味深く読みました。
特に物語が加速する後半については、とても好印象でした。
どうしてもこの手の物語はその風景や光景が主眼にあって、結局「雰囲気で終わってしまう」ところもあって、それはそれでよいのですが、物足りなさもあります。
そのような点においては、きっちりの物語が存在するということです。

なんだか素人の勝手な想像ですが、食堂かたつむりのエピソード(中盤)あたりは、例えばこれが倫子の視点ではなく、食事をする側の視点で物語が進むと、何か面白くなったりするだろうか?とか思いながら読みました。

寡黙なシェフ。
気持ちのこもった料理。

そういうことを外側から見せることがあっても良いかもとか。

この作品のテーマは「食事」であり、「家族」であり、「家族愛」です。
そういう意味では、ありがたい作品とも言えます。
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2009年02月09日(月) 21時17分58秒

「階段途中のビッグ・ノイズ」 越谷オサム 2009-014

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
越谷オサム氏「階段途中のビッグ・ノイズ」読了しました。

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階段途中のビッグ・ノイズ/越谷 オサム
¥1,575
Amazon.co.jp
出版元
幻冬舎
初版刊行年月
2006/10
著者/編者
越谷オサム
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:5点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
暑い夏、無意味に熱かった僕たち、ビールなんて苦くて飲めなかったあの頃―。だめな先輩のせいで、伝統ある軽音楽部が廃部になってしまう。がけっぷちに立たされても、啓人は煮え切らなかった。しかし、幽霊部員だった伸太郎に引きずられ…。太ももが眩しい同級生への恋、頼りにならない顧問、不協和音ばかりの仲間たち。四面楚歌の状況で、啓人は「一発ドカンと」やれるのか!?振り返れば、すべてが懐かしく、愛しい。 <<Amazonより抜粋>>


まず、分かりやすいです。

本帯にもありましたが、「ウォーターボーイズ」であり「スイングガールズ」なのです。
それの「軽音楽部」版なわけです。

青春物語・成長物語という面が前面に出ていますが、一方で、「権力」とどう対峙していくかといったちょっと骨ばったところもあり、好印象でした。

そういうやりとりの中で、若者が持つ特有の「生き方」と、教師という役割を与えられた大人達の「生き方」の両面が見えるわけです。

いわゆる「十代の若さ故の云々」のみならず「正しい大人のあり方」を描こうとしている作品なのですね。

ラストの持って行き方も好印象でした。
それなりの「難局」がありつつ、それも強みとして持っていく常套なラスト。
なんというか、こういう「当たり前」の終わり方ってのもいいもんです。

ふと思いましたが、これを十代で読んでいたら、また印象が違うかもしれません。
同著者の他作品も気になりました。
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2009年01月29日(木) 18時50分14秒

「キャップストーン」 岩崎陽 2009-010

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
岩崎陽氏「キャップストーン」読了しました。

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キャップストーン/岩崎 陽
¥1,365
Amazon.co.jp
出版元
星雲社
初版刊行年月
2008/05
著者/編者
岩崎陽
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
それに気づいたとき、隣村はすでに全滅していた。それは次には、この村を襲いにやってくる。それは姿を変えてやって来る―。第1回世界で一番怖い小説グランプリ受賞作。<<Amazonより抜粋>>


第1回世界で一番怖い小説グランプリ受賞作。
・・・凄い賞があります。

初めて知りました。

で、本書。

そんなに怖くないです。
ま、怖い・怖くないというのは個人の嗜好だったりしますので、致し方なし。

そういう意味では「ホラー小説」というジャンルの定義そのものも怪しいです。
著者がそのつもりでなくとも、読み手がそう思えばそうであり、
著者が狙っていようとも、読み手がそう思わなければまったく違う。
残念ながら後者はまったく救いようがないわけですが、本書は、「やや前者」といった感じで好感触でした。

文中に「キャップストーン(略してキャップス)」と呼ばれることとなる謎の生き物が登場します。
このキャップスは人を食用としているのですが、この食べるまでのプロセスがなんとも空恐ろしいわけです。
人に化け、人の「決断力のなさ」につけこんで食べる。

架空の話ではありながら、人の浅ましさのようなものをついてくる作品です。

ストーリー展開も面白かったので、著者の別作品にさらに期待したいところです。





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