「ミーナの行進」 小川洋子 2007-097
2007年本屋大賞7位の作品「ミーナの行進」読了しました。
読みやすさは抜群ですね。
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出版元 |
中央公論新社 |
初版刊行年月 |
2006/04 |
著者/編者 |
小川洋子 |
総評 |
21点/30点満点中 |
採点の詳細 |
ストーリ性:3点 読了感:4点 ぐいぐい:5点 キャラ立ち:3点 意外性:3点 装丁:3点 |
あらすじ |
美しくてか弱くて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない――懐かしい時代に育まれた、二人の少女と、家族の物語。<<Amazonより抜粋>> |
主人公である朋子「私」の一人称の物語です。
わけあって芦屋の伯父伯母夫婦の家に預けられることとなった朋子の成長物語。
とはいえ、メインとなるのは「朋子の目に映るミーナの物語」だったりします。
伯父伯母夫婦とミーナに加え、そこにはドイツ人の祖母、使用人の小林さんと米田さん、そしてカバのポチ子が住んでいるのですが、彼らが絶妙な役割を与えられていて、物語を際立たせています。
ストーリは、それほど劇的なこともなく(もちろんそれなりにありますけど)、その1年間を淡々と過ぎていくわけですが前述した登場人物の役割というのが、明確に与えられていて、とても読みやすかったし、暖かい気持ちになれたのです。
この読みやすさには、もうひとつ理由があるのかなとも思いました。
それは、本作がもともと「土曜日の新聞連載」によって記述されていた故の特徴なのでしょうけど、章立てが細かく、ひとつひとつが丁寧に収束しているという点。
基本的に集中的に読書ができない今の状況にとって、この構造はとても助かりました。
欲を言えば、「出来すぎた物語」といったところもありますが、たまにはこういう物語もありかと思います。
楽しめました。