2007年04月29日(日) 15時30分16秒

「絶対、最強の恋のうた」 中村航 2007-052

テーマ:--中村航
「絶対、最強の恋のうた」読了しました。
こちらをもって中村航氏の既刊分を読破いたしました。

この空気感、良いですね。

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中村 航
絶対、最強の恋のうた

出版元
小学館
初版刊行年月
2006/11
著者/編者
中村航
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:5点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
社会科教師のおでこのテカリ占いをしては大受けしていた陽気でマシンガンな中学時代からクールで一目置かれる弓道部員の高校時代を経て、大学生になった私がしたことは、恋をすることだった。遠くの的を見抜く力のおかげで視力が2.0以上になっていた私はその年の秋、キャンバスで遙か遠くから歩いてくる同じ学年の男の子に「今度は的じゃなくて、別のものを射抜くことにしたんです。例えば男子とか」と笑いかけていた。怖いくらい、好きになる。それでもいいと思った。最強の恋愛小説。 <<Amazonより抜粋>>


ILOVEYOUというアンソロジーを以前読みました が、そこに所収されていたのが氏の「突き抜けろ」。

この「突き抜けろ」という短編がなんとも良くて、以来、中村氏が、借り出し常連さんとなったといういきさつがあるのですが、既刊の最後のこの作品がその「突き抜けろ」の世界であったのは、なんとも喜ばしい限りです。

ということで、がっつりした恋愛モノはあまり好きではないのですが、この本は良いですね。
どうしても美味しいと思えない素材(恋愛モノ)を、ちゃんと調理(中村航テイスト)してみたら意外においしかったといった感じです。

5つの章に分かれていて、1・2章が彼氏「大野」目線(2章が「突き抜けろ」)、3・4章が彼女目線、そして最終章が彼氏の友達である「坂本」目線。
時間軸としては1・2章と3・4章が同時間軸(若干、3・4章が広いところはありますが)、5章が後日談の体裁になっております。

全体の行き渡る空気感が良いです。
氏の作品に見られる、勢いはあるけれど、気負うことなく過ごしていく感が全面に押し出されております。
簡単に言ってしまえばそれだけなのですけれど、これはこれで相当のテクニックだったりします。
なんせ恋愛がテーマ(しかも十代)なのですから、そりゃ、本来であればじたばた・どたばたするのでしょうけど、極めて淡々とそれでいて、しっかり描ききっているのは、凄いですね。

で、これ以上に気に入ったのは、「本書最上級の脇役」である「木戸」の存在。
第1章以外のすべての章に存在し、文字数以上に存在しちゃいます。
違った見方で本作を見てみると、この物語は「木戸」のためにあるといっても過言ではないくらいです。
先の食事の例で言えば、相当美味しいソースのような存在ですね。
ソースだけでご飯が食べちゃえるくらい良いです。

この存在感は、伊坂幸太郎氏の「チルドレン」でいうところの「陣内」レベルなわけですが、比して、相当ダメでどうしようもないオトコなのです。
そのキャラクター自体が愛される存在であると同時に、ヘタをすると同性が憧れてしまう存在であると思うのです。
だから、坂本の気持ちがよく分ります。

「肉にキープはない」
「礼儀は世界三大美徳の一つ」
「どんな筋肉だろうが、棒にはかなわない」
「鍋は、最高の調理法」


数々の名言を生み出した、相当なダメオトコの木戸。
木戸に逢うことができたことだけでも、これはオススメです。

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