2007年04月14日(土) 01時02分59秒

「遠くて浅い海」 ヒキタクニオ 2007-045

テーマ:★読後感想:作家別【な・は行】
ヒキタクニオ氏の「遠くて浅い海」読了しました。
非日常・浮世離れした土地と、登場人物と、物語展開。
個人的に、「はまる」作品でございます。

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ヒキタ クニオ
遠くて浅い海
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2005/09
著者/編者
ヒキタクニオ
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:5点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
1972年5月15日、沖縄本土復帰の夜―。やがてこの世に生を受けた男は、若くして新薬の開発に成功し、巨大な富を得る。その天才、天願圭一郎を消す依頼を受け、消し屋の将司は沖縄に乗り込む。ただし、その条件は彼を殺すのではなく、自殺するよう仕向けてほしいというもの。はたして将司は、どのように天願を追い詰めていくのか。沖縄の海で、天才と天才が対峙した。忌まわしくも哀しい、血と記憶の物語。<<Amazonより抜粋>>



本帯やあらすじには、「天才と天才が対峙した」とありますが、直感的な印象からは、「天才とプロフェッショナルが対峙した」といった感じ。
どちらのキャラクター設定も個人的には好みです。
特に、天才と呼ばれる天願圭一郎は、森氏の真賀田四季をポジティブにした感じで良かったですね。
かたや、消し屋のプロ「将司」も、徹底したプロフェッショナルであり、消し屋としてまっとうする姿は、職は違えど、憧れてしまう存在です。

物語は登場人物の視点が切り替わる形の三人称表現です。
冒頭では、消し屋としての凄惨かつ徹底した仕事ぶりをエピローグとして紹介し、そんなトーンで天才と対峙すると思いきや、メインストリームでは極めて静かな、心理戦が繰り広げられます。
また中盤、将司が天願圭一郎を知るために過去の資料(日誌)を読み解く辺りで、天願の若かりし頃の天才っぷりを紹介することで、只者ではないことを深く印象つけます。
で、後半、このプロフェッショナルと天才がとある賭けをするあたりから、物語が「対峙モード」に入り、ラストでは、虚しさを見せ付けてくれちゃいます。

脇を固める登場人物も3人(小橋川・蘭子・麻)足らずであり、ロケーションもほとんど移動することなく物語は進みますが、将司と天願の関係性だけで、物語が牽引されていきます。
お互いを認めつつ、半ばシンクロしつつ、反目し合う立場にいる2人。
別の境遇で出会えたならば、まったく違う展開になっていたであろう2人の関係性ってところも、見え隠れするあたりは、キャラクター設定の賜物
であると思いました。

次回作を匂わせるラストも、相当期待しちゃいます。

何となく借りた(「読前感想」にて)割には、とても面白い作品でした。

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