2007年04月12日(木) 00時27分17秒

「水の時計」 初野晴 2007-044

テーマ:★読後感想:作家別【な・は行】
この書評立ち上げ直後に「漆黒の王子」 で感想をアップさせていただいた初野氏の「水の時計」読了しました。
これまでたくさんの感想をアップしましたが、立ち上げ直後の「漆黒の王子」は、不思議と覚えておりました。

・・・今も昔もつたない書評でございます。

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初野 晴
水の時計
出版元
角川書店
初版刊行年月
2002/05
著者/編者
初野晴
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
医学的には脳死と診断されながら、月明かりの夜に限り、特殊な装置を使って言葉を話すことのできる少女・葉月。生きることも死ぬこともできない、残酷すぎる運命に囚われた葉月が望んだのは、自らの臓器を、移植を必要としている人々に分け与えることだった―。透明感あふれる筆致で生と死の狭間を描いた、ファンタジックな寓話ミステリ。<<Amazonより抜粋>>



ここ最近、短中編怪奇譚モノが3つ続いたので、お腹一杯感があった(3作品とも相当良い作品なのですけどね)ところに、王道の「物語」ということで、総評は、いつもより甘いかも知れません。

「物語」を欲していたというタイミングが有利に動いた結果であり、運の強さもあるのですが、運も実力のうちということです。

さて・・・

第1章と終幕は、主人公「昴」の「おれ」の一人称。
その間の章(メイン部分)は、それぞれの物語牽引者目線となります。

構成は、暴走族のルートゼロ幹部の昴が、脳死でありながら言葉を話すことができる葉月の臓器移植提供の仕事を引き受けるまでを1章とし、以降は臓器移植される側の目線で、あくまでも昴自身は、「あしながおじさん」のような役割をもって、それぞれの物語に介在します。
作品全体に横たわる謎は、「なぜ、葉月は、昴に臓器移植の提供をさせたのか?」というものがありますが、その謎は、臓器提供をしていく昴自身が、その展開の中でヒントを得ることが出来るといった趣向です。
この辺りの牽引力は、非常によかったです。

また、医師芥(あくた)の役割、ルートゼロという組織、昴の兄の存在など、ちりばめられたサブストーリが、微妙にちょっとずつ関わりがあり、先の謎と共に、この物語以前の世界が徐々に見え隠れしてくるといった展開です。
これまた、いわゆる「物語」に飢えている人にはたまらない展開ですね。
私自身、物語で語られる事以上の世界観が見えてくると、個人的にぐっときてしまう傾向があるので、このあたりはツボといえば、ツボなのです。

ラストは、これまた王道らしく、つらく切ない感じなのですが、それほど感情移入することもなく、さらっと読めてしまいます。
たぶん、葉月と昴の最後の会話が、ちょっと作りすぎちゃっていたかと思ったりして、このあたりが残念といえば残念です。

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