2007年04月03日(火) 21時39分09秒

「独白するユニバーサル横メルカトル」 平山夢明 2007-041

テーマ:★読後感想:作家別【な・は行】
「このミステリーがすごい!」で堂々1位を獲得した「独白するユニバーサル横メルカトル」読了しました。
これは、凄いですね。

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平山 夢明
独白するユニバーサル横メルカトル
出版元
光文社
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
平山夢明
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:2点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:5点

あらすじ
凝視せよ。ここにあるのは宝石だ。生理的嫌悪と、終わることのない暴力の果てに、名状しがたい感動が待っている、異形の物語たち。日本推理作家協会賞を受賞した表題作を含め8編を収録した短編集。 <<Amazonより抜粋>>


8つの短編が所収されております。
300ページ弱ある1冊に8編ですから、日ごろ読む短編よりも、多少は短い短編ばかりなのでしょうけど、そこに描かれる8つの“狂気の世界”に圧倒されてしまい、非常にボリューム感を感じました。

まったくもって徹底的な“狂気の世界”を、これだけの筆致で書ける作家さんも珍しいのではないのでしょうか?

8編の中で印象的だったのは「C10H14N2(ニコチン)と少年 -乞食と老婆」と表題作の「独白するユニバーサル横メルカトル」の2編。

「C10H14N2・・・」は、寓話仕立てになっていますが、ラストにかけての少年の変貌ぶりとタイトルのセンスそのものにが良かったです。(どこにニコチンが出てくるのかと思ったら、だいぶ出ていました)

「独白するユニバーサル・・・」は、タイトルからしてどんな物語かと期待していたところ、これまたそのものでした。
いわゆる擬人化された地図が主人公の物語です。
「我輩は地図である」といったところです。

どの作品も日常の恐怖というよりは、物語の置かれた“場(シチュエーション)”からして恐怖なわけでして、じわじわ怖いというよりは、がっつり怖い作品群なのでございます。
それは一見すると(例えば印象的な上記2作品などは、顕著ですが)、安っぽいファンタジー(架空の世界)としても読み取れるのですが、といってもこの“場”は、凄い勢いでして、ファンタジーと簡単に読み捨てるには、ならない緊迫感があります。

また、本書の特徴的なところは、どの物語にも唾棄すべき恐怖と相対して確固たる快楽が存在している点
異常者が異常者の精神を語り続けることは、読み手にとっては、正直、不快なのです。
ですが、一方で、語り手との共通項を無理やりでも見出して読み続けなければならない(そうしないと、読了できない)という切迫した雰囲気
を持っております。

「このミステリーがすごい!」で堂々1位となったのはうなずけます。
ミステリー=推理と定義するとややはずれ感があるかもしれません(それなりに、結末に仕掛けはありますが、そちらがメインではないという意味)。
良い・悪いといった二元論では語ることのできない作品の一つであって、少なくとも本作を読むということは、人生における経験として通過すべきことなのではと思います。

といっても、近親の方々にはオススメできないのですよね、これって。
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コメント

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1 ■TBありがとうございます。

平山夢明は初体験でしたが、
いろいろ怖い話を書いてるらしいですね。
今度読んでみようかと。
お勧めあれば教えてくださいな(^^)

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