2007年02月09日(金) 20時48分14秒

「フィッシュストーリー」 伊坂幸太郎 2007-018

テーマ:--伊坂幸太郎
久しぶりの更新です。
そして、久しぶり(?)の購入本
伊坂幸太郎の新作と言えば、購入本でございます。

どこかでこの本が発売されたことを知り、先週金曜日の会社の帰りに、飲み会を断わり、買ってしまいました。
そして、その夜中に読み終わっちゃいました。

(・・・ということで、読了して1週間が立ちました。)

ゆっくり堪能したいけど、ぐいぐい読んじゃう作品、「フィッシュストーリー」読了しました。

amazonリンク

伊坂 幸太郎
フィッシュストーリー
出版元
新潮社
初版刊行年月
2007/01
著者/編者
伊坂幸太郎
総評
25点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
あの作品に登場した脇役達の日常は? 人気の高い「あの人」が、今度は主役に! デビュー第1短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。<<Amazonより抜粋>>



長さの違う4つの中短編が所収されています。
巻末を見ると、初出が2001年3月から書き下ろし作品まで揃っています。

この4編、登場人物は若干重なりますが、単独の物語です。
そういった意味では、伊坂氏にとっては初(?)の「純粋な中短編集」といった感じです。

前述したとおり、おおよそ5年の間に発表もしくは書き下ろされた作品群ですので、作品のトーンとか、ちょっとしたトリックの取り込み方などがちょっとずつ違います。

で、まぁ、あらすじにもあるとおり「あの作品に登場した脇役達の日常」も描かれており、既に過去の作品を読了された方には、堪らん作品群だったりもします。

まぁ例えるならば、
”物凄く大好きなアーチストがいて、そのアーチストのまったく年代の違う過去の音源が見つかって、レコード会社がそれをかき集めてひとつのアルバムにした。”といった感じですね。

ここでのポイントは”物凄く大好きなアーチスト”ってところです。

それでは各中短編それぞれのちょっとだけ感想です。
ここから先は、意図的に伊坂本愛読の方向けに・・・

「動物園のエンジン」

「ラッシュライフ」に登場した河原崎の父親と「オーデュボン・・・」の伊藤がチョイ役で登場します。
とある動物園に狼の前に寝そべる男が居て、その男にまつわるミステリを河原崎が中心に、解いていきます。
謎解きとはいえ、それほど深刻なものでもなく、ただの会話に近いものですが、ここで交わされる会話自体がとても「伊坂」な感じがして好感触でした。
また、物語全体にもちょっとしか仕掛けがあり、この辺りも初期作品の匂いがしてきます。


「サクリファイス」

「ラッシュライフ」その他で主人公より活躍しているあの黒崎が登場です。また画廊の佐々岡もチョイ役で登場。
とある村に伝わる「生け贄」を主題に、そこに隠された謎を黒崎が解いていくといった作品。
比較的ストレートな謎解きメインの作品ですが、黒崎の徹底したクールなキャラクターと牧歌的な村の雰囲気のアンバランスさが印象的でした。
そういえば黒崎って「死神の精度」の千葉キャラとかぶっていたりしてますね。


「フィッシュストーリー」

タイトル作です。
これは良かったです。
後述します。


「ポテチ」

書き下ろし作品。
再び黒埼登場です。
とはいえ、この作品での黒崎は、どちらかといえば脇役。
主人公は陽気な泥棒の今村と、彼と同棲している大西。
陽気な今村に隠された過去は何か?といった物語であり、物語の鍵は黒崎が握っていたりします。
脇にいるくせに、美味しいところを持っていくわけです。
そんなこんなありながら、実はこの作品の特出すべきポイントは”今村の母”。
このキャラクターは良いですね。
長編ものだったら、まちがいなく助演女優賞候補でした。


ということで、タイトル作の「フィッシュストーリー」なのですが、個人的には飛び抜けて良いと思いました。
詳細はあえて伏せますが、伊坂版「風が吹けば桶屋が儲かる」的作品(ちょっと微妙に違うんですけどね)。
個人的にも「過去・現在・未来」といった時間軸を扱った作品は好きなのですが、この概念を取り入れると、これほど伊坂作品は広がるのか~と実感しました。

絶妙な偶然と、絶妙な展開。

やや大袈裟ではありますが、この物語だけで、小宇宙を創り出してしまったといった感じですね。
ちょっとだけ内容に触れちゃいますが、あの「フィッシュストーリ」の作者自身の物語は(あえて)語られないといったところも微妙にポイントだったりします。(実は、後々この作家自身の物語が作品になったりするんじゃないの~と思いつつ。)

できれば過去の作品を読了されてから手にして欲しい本ですが、こちらを先に読んでから既刊作品を読んでみてもおつかもね~などと思いつつ、そういった方がいらっしゃるのであれば、是非感想をお聞かせください。

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コメント

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5 ■TBさせていただきました

「フィッシュストーリー」がお気に入りです。
スケールの大きな、思いが繋がる、ほら話。
伊坂さんらしさがよく表れていて、気持ちよくなれた物語でした。

4 ■TBさせていただきました

「フィッシュストーリー」の作者自身の物語、確かに気になりますね。

今回はとりわけリンクが多かったんで、読んでいてニヤニヤしたくなるシーンが多かったです。
人物的には黒澤の相変らずのカッコよさや今村の愛おしさ、そんなところに惹かれてしまいました。

3 ■こんにちは♪

「動物園のエンジン」の河原崎は「ラッシュライフ」の河原崎本人だとばかり思ってました。でもイメージ違うなあ・・・と読み返してやっと父親のほうだったと気付きまして、伊坂さんにあっさり騙されてしまいました(笑)

伊坂作品のリンクには毎回唸らされますが、個人的には「サクリファイス」の柿本さんに他の作品に再登場して欲しいですw

2 ■ご無沙汰しております

「フィッシュ―」について、“風が吹けば桶屋が儲かる”と連想したのが一緒でしたね。
思わず笑ってしまいました^^
こちらからもTBさせていただきますね。ではでは。

1 ■無題

 トラックバックありがとうございます。

 さきほど読み終え改めて以前の伊坂作品を読み返そうと思う今日この頃です

 今回の中短篇集で個人的には『ポテチ』が今村、大西、今村の母とキャラが立っていて一番好きでした。では。

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