2007年01月27日(土) 01時19分45秒

「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」 伊藤たかみ 2007-015

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
つたなくとも書評ブログをやっているにもかかわらず、著者が昨年の芥川賞(「八月の路上に捨てる」)の作者であることを知りませんでした。
いかんいかん。

ちなみに本作「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」も文藝賞を獲得しているようで、それも知らなかったという事実もあります。
いかんいかん。

で、読了しました。
amazonリンク

伊藤 たかみ
助手席にて、グルグル・ダンスを踊って
出版元
河出文庫
初版刊行年月
1996/01
著者/編者
伊藤たかみ
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
僕たちは若くて子供で、間違いなく生きていた―高三の夏につきあい始めたぼくとミオ。文化祭のミスコン話で学校中が盛り上がる中、ぼくの家には父さんの新しい恋人、シーナさんがやってくる。赤いコンバーチブルに乗って青春をグルグル回りつづけたぼくたちの夏の行方は…。<<Amazonより抜粋>>



「僕」の一人称の物語(最近、「僕」が多いですね)
で、これはもう完全に、アメリカのティーンエイジャー(とあえて、死語のような雰囲気で比喩してみます)の群像を描いたとしか思えない状況です。
○○高校白書とか○○・グラフティの類ですね。

父親から借りた赤いコンバーチブルに、金持ちの家でパーティ。
ミスコン常勝の女の子との、一夜の出来事。
そして地域差別的いざこざに、それを越えた恋愛とその終焉。

なんだか、20年前のレンタルビデオ屋の映画「ポーキーズ」の横に置いてある、名もない吹き替え版のレンタルビデオのような作品で、ここまでくると、かえって心地よいストーリーラインです。

軽さも重さも、なんもかんも「どこかで見たことのあるシーン」の連続なので、安心して読めますし(なんだそりゃ?)、ラストの切なさも、そんなデジャブー現象のおかげで、(10代の頃ってこんな感じもあるよな~)と変に勘違いしちゃいます。

そんな話の中でのアクセントは、父親の恋人であるシーナさんの存在。
シーナさんは主要登場人物の中で唯一の大人であり、大人としての役割を持って登場します。
謎も多きシーナさんは、物語を牽引することは決してなく、ただ一人の大人の傍観者として「僕」と接触するわけですが、この距離感は良い感じでしたね。(といいつつ、そんな感じのキャラクターもやっぱり群像ものには定石だったりして)

それなりの経験を積まれた方は、自分の過去の思い出と意味もなくオーバーラップして勘違いし、レンタルビデオ時代に良い悪いに関わらず映画を借りまくった方には、ノスタルジックな感傷を得られる作品なのでしょうかね。

かくいう私は、どちらも当てはまったので、なんとも良い時間を過ごさせていただきました。

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