2006年11月24日(金) 00時24分04秒

「リアルワールド」 桐野夏生 2006-156

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
Amazonリンクにあるこの装丁の格好よさでつい借り出してしまいました。
この表紙で、本の際も赤く染まっていたりするので、そりゃ借り出しちゃいます。
ちなみに文庫本にもなっているようですが、そちらはイマイチな装丁でした。

ということで”装丁借り”の「リアルワールド」読了しました。

amazonリンク
桐野 夏生
リアルワールド
出版元
集英社
初版刊行年月
2003/02
著者/編者
桐野夏生
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:5点

あらすじ
4人の女子高生、ホリニンナ、ユウザン、テラウチ、キラリン。ホリニンナの隣家の高校生ミミズが母親を殺して逃亡した! 4人はミミズの逃亡を手助けすることに。現代の高校生の心の闇を描く、力作長編。<<Amazonより抜粋>>


8章からなる長編です。
それぞれのタイトルが、「ホリニンナ」「ユウザン」「ミミズ」「キラリン」「ミミズ2」「テラウチ」「キラリン2」「ホリニンナ2」となっており、これらカタカタは、女子高生1名と男子高生1名(ミミズ)の登場人物のあだ名です。
で、この章タイトルのあだ名の登場人物の一人称で、視点を切り替えながら物語が進みます。
(ちなみに使用する文体や漢字なども、その登場人物があたかも頭で思い描く言葉で書かれております。)

本のタイトルである「リアルワールド」とは、この各章毎に主人公となる登場人物の「それぞれの」リアルワールドであり、それは、それぞれの「内面にある世界」であったりします。

リアルワールド=内面にある世界とは、非常にパラドックスではありますが、ここがこの作品のポイントなのでしょう。

ま、現実(といっても物語上の現実)では、あらすじの通りの事件が起きるわけですが、この事件をきっかけにして、激しくそして虚しく内面を、それぞれが語り続けます。

それは、例えば事件に対する女子高生4人のそれぞれの価値観の違いであり、また、表面上仲良くはしているが、内心はちょっとギクシャクした関係性を吐露していたり、またそれぞれの家族やら周辺やら自身やらの悩みを持っていたり。
この辺りの「生きていく中で、至極当たり前のことではあるが、出来る事なら触れてはいけない部分」を表現しているのは、面白かったです。

ただ、登場人物が10代ということもあり、やや深刻度が薄いことに(またそれを大袈裟に振舞う姿に)ちょっと、”お腹一杯感”はありましたが、一方で、多感な時期だな~と妙に客観的に思ったりもしました。
(そういえば、あの頃は、すべての悩みが、大きな壁であり、人生の岐路のようであったと、恥ずかしながらふと思ったりして)

そんなこんなで、このような心の叫び合戦がありつつ、一方で物語上の現実は逃亡者ミミズを中心に進んでいくといった感じで、それなりに悲劇的なラストが待ち構えています。

このラストは賛否両論あるとは思いますが、個人的には”辛い終わり方ではありながら、きっちり収束させたな”と感じました。
曖昧に終わらせるよりは、これくらいはっきり・きっちり・ぴっちり終わらせてもらえれば、それなりに読んだ甲斐があったというものです。

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

流石奇屋ヒットさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。