2006年11月22日(水) 00時15分18秒

「さくら」 西加奈子 2006-154

テーマ:★読後感想:作家別【な・は行】
個人的に信用している、2006年「本屋大賞」の10位に入賞した作品です。
「さくら」読了しました。

個人的には、「意外性」が満点です。

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西 加奈子
さくら
出版元
小学館
初版刊行年月
2005/03
著者/編者
西加奈子
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:5点 
装丁:4点

あらすじ
スーパースターのような存在だった兄は、ある事故に巻き込まれ、自殺した。誰もが振り向く超美形の妹は、兄の死後、内に籠もった。母も過食と飲酒に溺れた。僕も実家を離れ東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾に桜の花びらをつけていたことから「サクラ」となづけられた年老いた犬が一匹だけ――。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、何かに衝き動かされるように、年末年始を一緒に過ごしたいとせがむ恋人を置き去りにして、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏の余白に微弱な筆圧で書かれた家出した父からの手紙が握られていた――。<<Amazonより抜粋>>



あらすじに書いてある内容すら知らずに読み始めました。

ほのぼのとした装丁。
ひらがなで「さくら」というタイトル。
読み始めの長谷川薫の一人称文体の朴訥さ。という印象(個人的にこの抜けた感じは好きです。)

(な~んて、牧歌的な物語)なのだろうと、甘く見ていたのですね、最初の頃は。

で、見事に良い意味で裏切られました。

比較的まともな文体で書かれているのであれですが、読了してふと思ったのは、この読後感は、かの「奈津川家サーガ(BY 舞城王太郎)」に近いんではないかと。
誰にも同意は得られそうにもありませんが、読後感が猛烈にシンクロしたんです。

簡単なあらすじは、
①ある問題を抱える家族がいて、ある正月に帰省することになった主人公「長谷川薫」が、「市民の森公園」に愛犬「さくら」を散歩に連れて行っったときに、過去のことを思い出し、以降、幼少時代から上京するまでの出来事を一人称で語りつづけます。
②そこには、とても愛し合っている両親がいて、あらゆる意味で特殊な兄がいて、同じくあらゆる意味で特殊な妹が居て、そして愛すべき関係者がいます。
③この「愛されるべき家族とその仲間達」の物語が、ほのぼのと進みますが、
④破滅的出来事が起きてしまい、重ねて様々な事が起き、一家離散(とまでは行きませんが、ほぼそれ)に至ります。
⑤で、語りきった主人公「長谷川薫」とその家族のその後の物語が、最後に”もう一つ”あります。
といった具合なのです。

この③までの展開と、④以降の展開のギャップが良いです。
細かく触れませんが、
④の「重ねて様々」が、本当に”ぐいぐい”きちゃいます。
展開が意外過ぎて、怖くなる
くらいです。
起承転結の結にあたる⑤に至っては、ひっちゃかめっちゃかの中で感動すら覚えてしまいます。

それもこれも、甘く見ていたことによる(感謝すべき)誤算なわけで、この本を読み、改めて、”読書前には、あらすじは読まないほうが良い”ということに気がつきました。

そして、この意外性を差し引いても、本書は、家族というものが、”脆く”そして、”かけがえのないもの”であることを気づかせてくれました。

未読の方は、是非まったく情報もないまま、見たままの印象で読み始めてみてください

(と、ここまで読まれてしまったのであれば、それ自体で既に意外性が半減しちゃったかも・・・。すいません)

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