2006年11月03日(金) 23時35分55秒

「少女には向かない職業」 桜庭一樹 2006-145

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
ミステリフロンティアレーベル第19回配本「少女には向かない職業」読了しました。
ふと、amazonリンクの表紙画像を見て思いましたが、この何気ない「空」表紙はいいですね。
あまり物語と関係ないところがなんとも味があります。

amazonリンク

桜庭 一樹
少女には向かない職業
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2005/09
著者/編者
桜庭一樹
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
中学2年生の1年間で、あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した-。これは、ふたりの少女の、血の噴き出すような闘いの記録。痛切なストーリーが胸を抉る衝撃作。 <<Amazonより抜粋>>


あらすじとしては、10代の多感な頃の少女に訪れたショッキングな話(ノワール的)のはずなのですが、意外にさらっと読めてしまいます。

さらっと感を出している要素は、2つ。

その1つは文量
基本的に会話が多く、長編というよりは、エソラあたりならそのまま掲載されるくらいの、ちょっと長い中編くらいの文量です。
もう1つは、文体
基本的に、主人公大西葵の一人称で物語が進みます(章の間に、大西葵が聞く宮乃下静香から話を、宮乃下静香自身の一人称で表現していますが、これは効果狙いですかね)が、この一人称が、いわゆる現代の中学2年生の少女の口語に近い文体ですので、それなりにさらっと感を醸し出しております。

まぁ、よくある青春ノワール小説を、やや弱くした感じです。
宮乃下静香や大西葵の継父や実母のキャラクターは、乙一”邪悪”小説を彷彿とさせますが、それほど邪悪でもありません。
また、あらすじにもあるとおり殺人を2つ犯すこととなる大西葵自身の心の奥に潜む邪悪性も、前述した「さらっと感」には打ち勝てず、やや弱い感じですね。

ということで、例えば、乙一氏や舞城氏や戸梶氏あたりのノワールとは、一線を引いてみた方が良いと思われます。
かといって陰湿な感じもないわけです。

要するに、どっちにしろ、ぶっ飛んでいない=「ライト・ノワール青春小説」ということですね。

物語のピークは、宮乃下静香にまつわる過去の”真”の真実が発覚してあたりから巨大迷路でのバトルあたりなのですが、この辺りの緊迫感は、好感触でした。
また、学校や友達の前で見せる大西葵と、(崩壊寸前の)家族の前で見せる大西葵とのギャップ感は、シチュエーションの違いはあれど、多感期の頃を思い出すと大いに共感ができるものでした。
(そうそう、大騒ぎが好きなくせに、ひとりになりたがっていたりもする年頃だったよな~)と、意味もなく目を細めてしまうのでした。

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