2006年10月23日(月) 20時46分16秒

「予告探偵 西郷家の謎」 太田忠司 2006-139

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
たぶんお初にお目にかかる太田氏の「予告探偵 西郷家の謎」を読了しました。
古き良き本格ミステリの匂いのする作品で、好感触。
ただ、ラストのサプライズは、心を広くして読まないと、虚脱感に襲われます。

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太田 忠司
予告探偵―西郷家の謎
出版元
中央公論Cノベルズ
初版刊行年月
2005/12
著者/編者
太田忠司
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
大戦の傷跡をまだ深く残しつつも、人々が希望を胸に復興をとげてゆく時代―一九五〇年の十二月。それは三百年以上続く由緒ある旧家、西郷家に届いた一通の手紙から始まった。便箋に書かれた“すべての事件の謎は我が解く”の一文。その意味する「謎」とは?壮麗な旧家の屋敷を舞台に繰り広げられるおぞましき人間関係、次々と起こる奇怪な事件。はたして犯人の正体は?そして、その目的は一体何なのか…!?本格推理の名手が“難攻不落のトリック”をひっさげて読者に挑む、新しいエンターテインメント意欲作。<<Amazonより抜粋>>


摩神尊という名を持つ「予告探偵」が、ある富豪の館で起きる事件を予告通り解決するという話です。
摩神の傍らには、「御手洗潔の石岡」、「中禅寺秋彦の関口」というべき、ワトソン役として物書きの木塚東吾がおり、さながら定石どおり、古き良き推理小説の流れなのです。

聡明で高飛車な摩神と、言いたい時に大事なことが言い出せない木塚のコンビに、本能的に喜んでしまいました。

果たして事件は起きてしまうわけですが、この予告探偵、予告した時刻まで謎を解くことはしません。
そして、極めて論理的に、アリバイトリックの謎を解き、事件は解決します。
また、予告できるんだったら未然に事件を防げばよいのにという読者の疑問にも、それなりに答えてはくれます。
まったくもって予定調和な推理小説であり、これはこれで良いものなのです。

で、なんだかキャラクター的にも続編を期待したりしつつ、好意的に読み進めてきましたが、終章前辺りからきな臭くなってまります。

そして、事件とはまったく関係のない、とんでもない仕掛けが隠されていたわけです。

これはとんでもないです。

これ以上書いてしまうと、ネタバレになってしまうのですが、率直な感想は「もったいない」です。
わざわざ、そう持っていかなくても十分楽しめた作品だったのに、ちょっと色気が出ちゃいましたって感じですかね。

前述の通り、心を広くもって、本書を読み進めていただければ、この驚きは、賞賛に値します。
ただし、どっぷり小説世界にはまり込むと、相当の虚脱感があったのも事実です。

いろいろな意味で、定石どおりの推理小説が好きな方には是非手にとってもらいたい作品でございます。

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