2006年09月23日(土) 02時34分08秒

「犬はどこだ」 米澤穂信 2006-122

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】
読了後に気がつきましたが、本書、2005年このミステリーがすごいの8位受賞作だったのですね。
ということで、何かと検索上位にある米澤氏の「犬はどこだ」読了しました。

まず、タイトルが良いですね。

amazonリンク

米澤 穂信
犬はどこだ
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2005/07
著者/編者
米澤穂信
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
犬捜し専門の仕事を始めたはずなのに、依頼は失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、ふたつはなぜか微妙にクロスして-。いったいこの事件の全体像は? 犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵・紺屋、最初の事件。<<Amazonより抜粋>>


主人公である紺屋長一郎と、探偵に憧れて歩合でもよいからと仕事を手伝うこととなったハンペー(半田平吉)の一人称が交互に挟まれています。

物語りも、それぞれの仕事(失踪人探しと古文書解読)の調査過程が、一昔前のRPG並みの展開の速さで進み、後半に合流するといった感じです。
Chapterの冒頭に日付がふられているのですが、2004年8月12日(木)~8月19日(木)のたった一週間の出来事であることに気がついたときは、物語の世界であるにも関わらず、せわしない話だったんだなと思ってしまいました。

この本の魅力の一つは、登場人物のキャラクター設定だったりします。
主人公の紺屋長一郎は、大手銀行員になったものの、とある事情で退社を余儀なくされ、犬専門の調査会社「紺屋S&R」を開業することとなります。
この開業までの背景が、「あまりやる気のない探偵」というキャラクター設定と、「犬専門」というやや消極的な業務内容につながります。
一方で、探偵に憧れ、たまたま高校の先輩だった紺屋を頼って仕事を無心するハンペーは、明らかに小説内世界にある探偵業を地で行きたいタイプであり、そのやる気に見合わず、なにか頼りない印象を受けます。
この2人の対比が、よくあるシチュエーションではありますが、非常に興味深かったです。

また、紺屋の妹夫婦が経営している喫茶店「D&G」があり、物語中盤で登場する謎の男がいたりと、そのような観点においても、キャラクター設定は申し分のないものだと思いました。

このようなキャラクター設定があるから、後半の紺屋自身の真相を見出した後の今までにない積極的な行動が生きて、覆いかぶさるような結論の反転の驚きと共に、ある意味、達成感を感じることも出来る訳です。
(ま、物語自体の読後感は、これとはちょっと違うんですけどね。)

ただ、強いて言わせてもらえば、ちょっと文体が真面目かな~と。
もっとキャラクターを前面に出した文体(例えば、紺屋パートはもっと「低いテンション」で、ハンペーパートはもっと「高いテンション」)であれば、相当良い作品だったかな~と思いました。

とにかく、このキャラクター設定とシチュエーションなら続編にも十分期待できそうですし、期待ちゃいます。
個人的には紺屋義弟となる「D&G」のマスター河村友春の活躍に期待大ですね。

PS:タイトルの「犬はどこだ」の意味は、「犬専門の調査会社なのに犬の仕事がないじゃないか?」という突っ込みの以外にもあります。最後まで読むと解る仕掛けになっていて、この辺りのセンスは良いですね。

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