2006年09月14日(木) 23時59分23秒

「押入れのちよ」 萩原浩 2006-117

テーマ:--荻原浩
荻原氏の現時点での最新刊である「押入れのちよ」を読了しました。
(やっぱり荻原氏は、「短編」より「長編」だよな~)と認識できた短編集でございます。
のっけからネガティブな感じですが、ま、そういうことです。

amazonリンク

荻原 浩
押入れのちよ
出版元
新潮社
初版刊行年月
2006/05
著者/編者
荻原浩
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた表題作ほか、「木下闇」「殺意のレシピ」「介護の鬼」など全9話を収録した、ぞくりと切ない傑作短編集。<<Amazonより抜粋>>


雑誌初出が、1999年のものから書き下ろしまでの9作の短編が所収されています。
要するに7年間に書かれた荻原氏の短編集なわけですが、あまり初出年毎の差異はございません。

テイスト的には「コールドゲーム」「噂」あたりに近い、やや怖い感じの物語群ですが、”ホラー作品集”と言い切れるものでもないですね。
作品にもよりますが、どちらかといえば、ちゃんとした短編にスパイスとして「ホラー要素」を加えたといった感じでしょうか?

せっかくなので2文節くらいの概要をざっと・・・

「お母さまのロシアのスープ」
どうやらロシアに住む娘二人と母の話。
と思いきや、思い切りストレートなオチがついて、最初からビックリさせてもらいました。

「コール」
男2・女1の大学の同級生3人の話。
ちょっとした叙述トリックもあって、なかなか趣き深いです。

「押入れのちよ」
安く借りることの出来たアパートには娘の幽霊「ちよ」がいたという話。
主人公と「ちよ」のやりとり。ちよのキャラクターは秀逸です。

「老猫」
叔父から遺産で譲り受けた家には飼い猫が住んでいたという話。
じわじわと異様な世界へと変貌していく様は、どこかで読んだこともあるようなないような・・・

「殺意のレシピ」
お互いを殺そうと思っている夫婦の夕食の風景。
ドタバタコメディーなのですが、テーマとしては、単純に笑っていられない話ですね。

「介護の鬼」
義父の介護をする苑子は、まさに悪い意味で「介護の鬼」。
これまたドタバタコメディーのようですけど、じっとりした感じを受けました。

「予期せぬ訪問者」
愛人を殺害した現場にやってくる訪問者。なんとかその場を切り抜けようとするが・・・
殺人者と訪問者のやりとりが面白いです。

「木下闇」
15年前に、妹が、行方不明になった現場に戻ってきた姉。不思議な気配に誘われて巨大なくすの木を登ってみると・・・
静かな作風です。ぞくぞくっときますね。

「しんちゃんの自転車」
真夜中に遊びに来たしんちゃんと私の冒険の物語。
なんとなく最初からオチはわかっちゃったのですが、一人称で軽やかに語ることで、別の趣きが生まれています。


ちゃんとした短編なので、全体としては悪くはないのです。
なのですが、結局のところ、荻原節に必要なのは、登場人物のキャラクター設定であり、それを補完するためには長編が良いのですね。
背景とか会話とか、やっぱり短編となると十分補完することもできず、どうしても、そのあたりの弱さ(浅さ)が目立ってしまったわけです。
裏を返せば、私が荻原作品を追っているのは、「キャラ押し」だったりするということを再認識できたりもしました。
(ま、知ってましたけどね)

表題作に登場する「ちよ」なんかは、このモチーフで長編ならば、十分助演女優賞を狙えるキャラクターなのですが、なんだかもったいない感じがしました。

ということで、しつこいようですが、極めて個人的には「荻原氏はやっぱり長編!!」ということで、おしまい。

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