2006年08月26日(土) 00時47分42秒

「いとしのヒナゴン」 重松清 2006-109

テーマ:--重松清
良い本です
是非学校の推薦図書にしていただきた種の作品です。
「信じる」ってことは大事だし、やっぱりイッちゃんはサイコーなのです。

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重松 清
いとしのヒナゴン
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2004/10
著者/編者
重松清
総評
25点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:5点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:5点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
黒い影、獣のにおい、夜の闇に光る二つの目。謎の類人猿「ヒナゴン」の存在を信じる、元ヤン町長イッちゃんが燃えた。市町村合併問題、町長選をめぐって、ヒナゴン騒動はヒートアップ。一年ぶり、待望の長篇小説。<<Amazonより抜粋>>



何が良いって、ストーリですよ。

「片田舎の若者離れ」「過疎化の進む、財政難に苦しむ田舎町の真実」「平成の大合併」「夢を持たなくなった子供たちと夢が語れなくなった大人たち」「一本気な者の愚かさに見える格好良さ」「老いという恐怖」・・・
いろんなテーマが凝縮されているにも関わらず、それでいて「嫌味がない」というか「胸焼け感がない」。
例えば、小鉢の料理がたくさん出て、あれも美味しいこれも美味しい、でも「丁度良い」って感じ。
・・・う~んちょっと変な例えですね。

で、それらのテーマの物語が「比奈町」という舞台の「町長選挙」「ヒナゴン騒動」で語られることで見えてくる、「信じる」という共通したテーマ。
例えば、それでいて、すべて食べ終わった後に、ふと、たくさんの食材に隠された一貫性が見えてくるといった感じ。

・・・

・・・

ますます例えが”くずれた「美味しんぼ」”のようになってしまいましたが、とにかく、ハートウォーミングな作品なわけです。

比奈町出身で、東京での生活に疲れた主人公「石井信子」(通称:ノブ)が、語る物語なのですが、この間、読了したばかりの「定年ゴジラ 」にも増して”語り方”が良いですね。
「定年ゴジラ」では”地文が3人称でも語りかけられている感覚”と表現しましたが、本作はまさに語り手としての役割がしっかり生きていました。
例えば、一人称であるが故の「聞き語り(本人が登場しない場面を誰かに聞いて上で語っている様)」な部分などは、とっても親近感がありました。

なんだか「重松節」というよりは「重松語り」といった感じです。

そんな語り手から語られる様々な物語・・・といってもやっぱりこの辺りは、「よくある物語的な物語」だったりするのですが、この「よくある物語」を十分に引き立てているのは、登場人物のおかげかと思います。

元ヤンキーの町長イッちゃん(五十嵐一郎)をはじめ、その同級生で悪がき仲間のドベさん・カツ・ナバスケ。
ノブの同級生のジュンペや西野君(西野君だけがあだ名で呼ばれいってのも大きなポイント)。
それに、脇を固める数々の登場人物。

きっちりそれぞれの役割をこなしているんです。
で、それに加えて、大きな見所は、これら登場人物の全員が、”間違っていようがなんだろうが、しっかり意思を持っている人々”なんですよね。

良いことばかりではない閉塞された町で、それなりに一生懸命に頑張っている人々なわけで、なんだか叱咤激励されている感覚になるのです。

いろいろと語りたいところですが、何はともわれ、ちょっと疲れ気味って人は、是非一読いただきたい作品です。
本書は、この書評ではめずらしく(ほぼ)万人にオススメできる良書です。

P・S:
ちなみに元ヤンキーの町長イッちゃん。それとそのイッちゃんの奥さんの理恵さん(もちろん元ヤンキー)。
このお二方の夫婦っぷりは見ものです。
流石奇屋「本の大賞」本年度助演男優賞ならびに女優賞の最有力候補がでてしまいました。

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