2006年07月24日(月) 22時14分40秒

「となり町戦争」 三崎亜記 2006-094

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】


こんなところ にもHPがあったりして、それなりに話題となったらしい本書。
本帯には、でかでかと「発売たちまち大反響!」とあります。

第17回小説すばる新人賞受賞作「となり町戦争」読了しました。

amazonリンク

三崎 亜記
となり町戦争
出版元
集英社
初版刊行年月
2005/01
著者/編者
三崎亜記
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。それでも戦争は着実に進んでいた―。シュールかつ繊細に、「私たち」が本当に戦争を否定できるかを問う衝撃作。第17回小説すばる新人賞受賞作。 <<Amazonより抜粋>>


とにかく設定が良いですね。
これだけで、ご飯が3杯いけそうな設定です。(もちろん比喩ですが)

主人公の北原修路、「僕」ではじまる一人称の物語なのですが、あらすじにあるとおり、僕の住む舞坂町ととなり町との「戦争」が淡々と始まります。

開戦されても日常とまったく変わらない生活が続き、戦時中の唯一の戦争らしき情報は、町報の人の動きの死亡欄にある(うち戦死者○名)という情報だけです。

主人公である「僕」は、舞坂町からとなり町の偵察業務を任命され、物語は「ただの一般市民」から「戦争に従事する青年」の視点で進みます。
だけど、やっぱり「僕」のイメージしていた戦争は、目の前でまったく起こらず、この戦争の目的は相変わらず分らないという状況なわけです。

この物語のテーマは、まさしく「戦争」そのものなのですが、ストレートな「反対」だとか「擁護」とかそんなスタンスではありません。
表現するのが難しいのですが、強いて言えば「このような状況において、戦争を感じることができるか?」であり、突き詰めていけば「イメージできない(感じることのできない)戦争を否定することができるか?」ということだと思います。
よくよく考えてみれば、結構重いテーマなのですよね。

町の行政の一環として、それは道路工事のような感覚で、「おらが町が、となり町と戦争をする」という状況。
敵対心もないまま「となり町」との長い期間の協議を経て、言うなれば協力することで始めることのできた戦争。

・・・それを、やみくもに「反対」と言えるか否か。

・・・

そして、淡々とはじまった戦争は、約束の期日どおり淡々と終了します。
このあたりの「淡々さ」が、ユニークである反面、怖くなってしまいました。

残念だったのは、ラストが、この戦争をきっかけにして知り合うこととなった、町の職員である「香西さん」とのロマンスのようなもので収束してしまった点。
物語自体が、もっと「淡々」と終わってくれれば、逆に心に残るものも大きかったような気がしました。

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