2006年07月20日(木) 22時07分08秒

「女王様と私」 歌野晶午 2006-091

テーマ:--歌野晶午
当書評では「世界の終わり、あるいは始まり 」がそれなりに評価の高かった歌野氏。
で、その「世界の終わり・・・」に近いテイストを持つ本作「女王様と私」を読了しました。

これはこれで良かったです。
でも、やっぱりこの感想自体がネタバレになるんですよね~

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歌野 晶午
女王様と私
出版元
角川書店
初版刊行年月
2005/08
著者/編者
歌野晶午
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
真藤数馬は冴えないオタクだ。無職でもちろん独身。でも「引きこもり」ってやつじゃない。週1でビデオ屋にも行くし、秋葉原にも月1で出かけてる。今日も可愛い妹と楽しいデートの予定だったんだ。あの「女王様」に出逢うまでは。彼女との出逢いが、めくるめく悪夢への第一歩だった……。戦慄的リーダビリティがあなたの脳を刺激する、超絶エンタテインメント!!<<Amazonより抜粋>>


あらすじにあるとおり、44歳(!)の”オタク(私)”真藤数馬が、12歳(!!)の”女王様”来未と出会うところから始まります。
このシチュエーション自体で、エンターテイメント性に(やられた!!(もちろん良い意味で))と思い、加えてその世界で起こる、連続殺人事件に(おぉぉ!!(これまた良い意味で))と思ったわけです。
まさか、このシチュエーションで連続殺人事件が起こるなど思いもよらなかったので。

で、物語の中盤以降は、この連続殺人事件の犯人探しを、素人探偵となった数馬が追うわけですが、この辺りからストーリは大きく揺らいできます。(正しい意味で「揺らいできます」)
そして、ラストはそれなりの意外性をもって、収束します。

前述したとおり、既読の「世界の終わり、あるいは始まり」に近い作品なのですが、この物語世界は、ある意味で、「世界の終わり・・・」を超越したモノであるかもしれません。
「犯罪の若年化」が「世界の終わり・・・」のテーマであるとしたら、この「女王様と私」は、それに加えて「大人の若年精神化」をテーマとなっております。
随所に現れる真藤数馬の、やや危険とも思われる現実逃避癖と世間に対する無責任な思想。また来未が見せる、当たり前のような人権無視・軽視の思想
いやいや、これは重いテーマですね。

リアリティーという観点においても、どうしようもない事件ばかりが続くこの時代(現実)では、決して絵空事ではありません。
こういう時代(現実)だからこそ、読み手の心に何かが残る作品となっています。

12歳の女王様「来未(クルミ)」は、「未来」を逆にした文字配列であり、このあたりにも著者の何かしらのメッセージがあるのでしょうか?

PS1:
本表紙裏・裏表紙裏に書かれた物語も、読了後に読むと「なるほど」と唸らせるようなのですが、なんせ図書館で借りており、ぴっちりカバーがされているため、読めません。
ので、申し訳ないな~と思いつつ、ちょっと本屋まで行って読んで見ました。
・・・なるほど、こういうことですね。これは唸る。

PS2:
各章のタイトルも、読了後のお楽しみとして、読んでいる最中はあまり意識されないことをオススメします。

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