2006年07月17日(月) 08時27分35秒

「アルファベット・パズラーズ」 大山誠一郎 2006-088

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
ミステリフロンティアレーベル第九回配本の「アルファベット・パズラーズ」読了しました。
本帯には、”無駄なものが何もない、謎解きの結晶”とありましたが、そのとおりの作品。
久しぶりの(古き良き)「推理小説」という感じです。

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大山 誠一郎
アルファベット・パズラーズ
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2004/10
著者/編者
大山誠一郎
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
東京、三鷹市の井の頭公園の近くに“AHM”という四階建てのマンションがある。その最上階に住むオーナー・峰原卓の部屋に集まるのは、警視庁捜査一課の刑事・後藤慎司、翻訳家・奈良井明世、精神科医・竹野理絵の三人。彼らは紅茶を楽しみながら、慎司が関わった事件の真相を解明すべく推理を競う。毒殺されるという妄想に駆られていた婦人を巡る殺人事件、指紋照合システムに守られた部屋の中で発見された死体、そして三転四転する悪魔的な誘拐爆殺事件―精緻なロジックと鋭利なプロット、そして意外な幕切れ。本格ミステリ界期待の俊英が満を持して放つパズラーの精華。<Amazonより抜粋>



同一の登場人物による、3編の物語が所収されておりますが、はじめの2編が短編、最後の1編が中編といった変則的な構成です。
はじめの2編である「Pの妄想」「Fの告発」においては、短い物語でありながらしっかりとした推理がなされていて好好感触でした。
ただやっぱり短いってこともあり人物描写が浅い印象がありました。
どちらかといえば謎解きをする4人の紹介に近い物語(エピソード)であるものと思われます。

で、最後の1編である「Yの誘拐」が、いわゆる本編だと思われますが、この物語は、なかなか唸らせる作品です。

物語は、死期が近い男の手記からはじまります。
この男、成瀬正雄は息子を誘拐された挙句に殺害され、妻もまた不慮の事故によって亡くなってしまいます。
そのような状況下にあって自分の死期が近いことを知った成瀬は、この未解決事件をWeb上に発表することとなり、先に登場している4人の謎解きメンバーがそれを知り、この未解決事件を解決するといった展開となっています。
複数の容疑者らしき人物がでてきますが、(よくある展開ですが、)どれも確証に至らない中、結果的には、ロジカルな展開を持って、意外な犯人を突き止めます。
と、ここまでは普通の推理小説なのですが、ミステリファンにはたまらない「2段オチ」が待ち構えています。
それは意外な形で告発され、本当の意味で物語が収束するといった趣向です。

この「本当の意味で物語が収束する」ってのがポイントなのですが、作者がそもそもこれをシリーズ化する気がないという意味と解釈してください。
って、大きなネタバレでしたね。
すみません。(とはいえ、読書中に何となく分ってしまいましたが)

とにかく、とかく「本来の推理小説」ってものに最近離れてしまっていたこともあり、ある意味でとても新鮮に読むことができました。
やっぱりミステリ・フロンティアレーベルにははずれがないってことですね。

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