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2007年02月28日(水) 23時59分59秒

2007年2月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』

◆今月のアクセスランキング

総合ランキング:
9491位/1371909人中 (0.69%)前月からの比=-0.19%
ジャンルランキング:
138位/9132人中 (1.51%)前月からの比=-0.52%

◆検索ワードTOP10

1 書評 5.7%
2 感想 4%
3 伊坂幸太郎 3.4%
4 森博嗣 2.5%
5 噂 2.5%
6 ネタバレ 2.4%
7 荻原浩 2.1%
8 フィッシュストーリー 2.1%
9 砂漠 1.9%
10 あらすじ 1.4

◆2007年2月のランキング

ようやく寒くなってきましたね。

さて、伊坂氏の新刊が出た月に、1位を狙える他の作品がでてくるってのがとても濃密な1ヶ月だったりします。
残念ながら、今月「フィッシュストーリー」を超える作品はありませんでしたが、いつかそんな濃密で贅沢な読書生活をして見たいと思ってやみません。

第1位;「フィッシュストーリー」 伊坂幸太郎
;エンターテイメント小説;2007年02月09日(金) 20時48分14秒


伊坂 幸太郎
フィッシュストーリー

第2位;「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦
;エンターテイメント小説;2007年02月21日(水) 21時18分02秒


森見 登美彦
夜は短し歩けよ乙女


第3位;「東京バンドワゴン」 小路幸也
;エンターテイメント小説;2007年02月11日(日) 22時03分07秒


小路 幸也
東京バンドワゴン

第4位;「ぐるぐるまわるすべり台」 中村航
;エンターテイメント小説;2007年02月14日(水) 01時43分01秒

第5位;「町長選挙」 奥田英朗
;エンターテイメント小説;2007年02月16日(金) 00時29分48秒

第6位;「図書館戦争」 有川浩
;エンターテイメント小説;2007年02月23日(金) 00時42分53秒

第7位;「ハリガネムシ」 吉村萬壱
;エンターテイメント小説;2007年02月18日(日) 01時23分29秒

第8位;「悪党たちは千里を走る」 貫井徳郎
;エンターテイメント小説;2007年02月03日(土) 01時02分05秒

第9位;「文学賞メッタ斬り!!リターンズ」 大森望 豊崎由美
;エッセイ;2007年02月24日(土) 01時22分21秒

第10位;「樹霊」 鳥飼否宇
;推理小説;2007年02月16日(金) 01時03分13秒

第11位;「おまかせハウスの人々」 菅浩江
;エンターテイメント小説;2007年02月17日(土) 23時10分34秒

第12位;「EDS 緊急推理解決院」 新世紀「謎」倶楽部
;推理小説;2007年02月10日(土) 19時30分42秒

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2007年02月25日(日) 11時40分54秒

2007/2/24に借りた本(ただし臨時)

テーマ:読前感想
2月ってのは28日(ないしは29日)しかないので、短いという印象ありますが、2月がはじまってからこの時点に至る期間で既に(あっという間だな~)と思うのは何故なんでしょうかね。
ここまでは平等なのですけどね。

ということで、今回は臨時って事で予約本1冊でございます。

題名
化物語 上
読了可能性
★★★★☆
出版元
講談社BOX
初版刊行年月
2006/11
著者/編者
西尾維新
読前感想
予約本。リーダビリティーは群を抜いている西尾氏の最新(でもないか)刊です。バケモノガタリと読みます。この作家さん、この手のタイトル好きなようですね。上巻ということで、純粋な続きものだとあれですが、ま、図書館借り出しってことでしょうがないですね。ちなみに下巻はこの本の確保が決まってから予約手続きした都合上、だいぶ先のような気がします。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10026728236.html

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2007年02月24日(土) 01時22分21秒

「文学賞メッタ斬り!!リターンズ」 大森望 豊崎由美 2007-028

テーマ:★読後感想:作家別【その他】

「文学賞メッタ斬り!!リターンズ」読了しました。
前作「文学賞メッタ斬り!」 の読後感想でも述べているとおり、この著者のお2人、個人的には相当信頼できる書評をしています。
ということで、いろんなことを勉強させてもらいました。

amazonリンク

大森 望, 豊崎 由美
文学賞メッタ斬り!リターンズ
出版元
PARCO出版
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
大森望 豊崎由美
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:1点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:5点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
2004年刊の第2弾。メッタ斬りコンビが帰ってきた! 文学賞に喝! さらに賑わう文学賞界隈を、ますます冴えた刃で徹底論破。第1回メッタ斬り!大賞の発表や最新受賞作全採点「文学賞の値うち」付き。<<Amazonより抜粋>>



数多ある文学賞の選評を書評していたり、文学賞受賞の作品を改めて著者の観点で再評価している本です。
ちなみにそんな本を図書館で借りた上に、読後感想なんぞ書き連ねる、わたしって何でしょうかね?

ま、いいか・・・

今回も面白かったのはROUND2「’04~’06、三年分の選評、選考委員を斬る!」。
相変わらず、適当な選評ですね。
まともに読んでないので、支離滅裂な選評になっています。
その辺りを、タイトルの通り「メッタ斬り」するわけでして、ホント、この本は面白いです。
(特に常連となった渡辺淳一氏への斬り方は秀逸)

また、そんな選考委員が選んだ賞を受賞することが、作家自身のステータスになったりするという不思議な文壇の世界もあり、それで潤う出版界があったりするので、普通に考えると(この本、よく出版できるよな~)と、「表現の自由」を尊敬しちゃったりしました。

その他の章(ROUND)も面白どころ満載で、積読されている方は、一喜一憂しちゃってください。
「アノ愛する本が、メッタ斬りにされる」とかあったら、メッケものです。
ちなみに、私は本多氏の「真夜中の5分前」が酷評されているのを読んで、その酷さにちょっと引きつつ、あまりにも的を得ているのでちょっとほくそえんでしまいました

巻末にある「作品や作家別の索引一覧から、お気に入りの作家さんや作品を探し出して、なんて書いてあるか読んでみる」という楽しみ方がオススメです。
大体的を得ているのにはビックリでした。

ということで、そんな流れの中、個人的に、本書を借り出す目的のもう一つにあるのが、掘り出し物を見つけることです。
前述しましたが、お2人(特に豊崎氏)が高い評価をした作品を知ることで、より良い作品にめぐり合おうという魂胆です。

巻末にある点数表で、豊崎氏が比較的点数を高くしていた作品群はこちら。
「ららら科学の子」矢作俊彦
「半島」松浦寿輝
「雪沼とその周辺」堀江敏幸
「シンセミア(上・下)」阿部和重
「金毘羅」笙野頼子

あと、中原昌也さんも逆の意味で注目の作家さんです。

この辺りは借り出し候補ですね。

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2007年02月23日(金) 00時42分53秒

「図書館戦争」 有川浩 2007-027

テーマ:--有川浩

引き続き本屋大賞ノミネート作品「図書館戦争」読了しました。

すでに続編が登場している当シリーズの1作目ですね。

amazonリンク

有川 浩
図書館戦争
出版元
メディアワークス
初版刊行年月
2006/03
著者/編者
有川浩
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
正義の味方、図書館を駆ける!―公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ。 <<Amazonより抜粋>>


未来小説と言うよりは、異世界の世界です。
ここでは、図書館を守る図書隊なるものが存在し、図書館員はもちろん悪法「メディア良化法」から守るべく防衛隊なるものが編成されております。

本書はそこに新人として赴任してきた笠原郁を物語の中心にそえ、ある意味では「成長小説」であり、ある意味では「SF」であり、ある意味では「アクション小説(なんじゃそりゃ)」なわけです。

ま、この世界観は、圧倒的にフィクションで、この1冊は、その世界観を説明するための1冊といっても良いでしょう。
オリジナルDVD作品としてアニメ化されるくらいのフィクションであり、その手が好みの方にはそれなりに楽しめる作品となっております。

4章で構成されていますが、基本的に1話完結型です。
それなりに1話1話がきっちり収束しますので、その辺りは好印象です。
あとがきで作者自身が「月9連ドラ風」と述べていますが、その真意はさておき、ドラマ仕立てであることは間違いないでしょうね。(ま、「西遊記」とかやってましたし)

物語の背景自身が、世界観自身の理解からはじまるので、正直「どうして本で、人が銃撃戦をするのだろう?」と、比較的「本」そのものに恩恵をいただいているにもかかわらず冷たい反応をしてしまいました。
ただ、図書隊が守ろうとしているものには、共感しますし、仮にそんな世界に放り込まれたら、とんでもない活動家になっていたりする可能性もあります。

物語自体のまとめ方は前述のとおり、良い感じでしたが、残念だったのは視点変更
氏の作品には、こういう印象を前々から受けていましたが、3人称表現で地の文の担当が替わっていく。
中心にいる笠原目線があり、教官堂上目線、同僚手塚目線と、カメラワークのように変化していくのですが、どうしてもこの手法に違和感を受けました。
ただただ、丁寧に読んでいない、わたし自身の問題といえばそれまでなのですけどね。
比較するつもりはないのですが、前回ご紹介した「夜は短し歩けよ乙女」の視点変更は地の文の文体そのものが変化しており、それだけでもだいぶ分り易いという印象があったので、裏を返せば、同じ文体で目線だけが変わるのは、ちょっと辛い(読み勧めていくと、(あ、この地文は誰々のだったのね)という気づきがあるといった感じ)のでしょうかね。
これは勝手な都合ですが、私のような、空いている時間にちょびちょび読み進めるような読書スタイルの場合は、向いていない構成かも知れません。

ま、その辺りを差し引いけば、この小説世界自体はとても魅力的なので、続編を読んでみたいと思います。
個人的には、郁の両親がどんな登場をしてくるか?とか手塚が徐々に人間になっていく(?)ところとか読んでみたいですね。
あと、純粋な勧善懲悪・痛快モノとしての期待もありますし。
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2007年02月21日(水) 21時18分02秒

「夜は短し歩けよ乙女」 森見登美彦 2007-026

テーマ:--森見登美彦
2007年本屋大賞のノミネート作品「夜は短し歩けよ乙女」読了いたしました。
相変わらずの森見テイストではありますが、これは一皮むけた感もありますね。

amazonリンク

森見 登美彦
夜は短し歩けよ乙女
出版元
角川書店
初版刊行年月
2006/11
著者/編者
森見登美彦
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
鬼才モリミが放つ、キュートでポップな片想いストーリー!「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受けるのは奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった! <<Amazonより抜粋>>



春夏秋冬の4編の連作中編を所収。
一見してうだつのあがらない大学生の「私」と、クラブの後輩であり黒髪の乙女である「私」が、同じ時間軸・同じ物語を正しい意味で語ります。

「太陽の塔」の読後感想 では、「日本語の好きな作家さん」だとか「BGMを聞くように読むことがオススメ」などと、比較的批判的に評しており、「四畳半神話大系」の読後感想 では、”「限りなく下世話な大学時代を高尚な文体で表現する」ことに磨きがかかり、加えて章立て・構成に実験的工夫が見られ、意外に面白かったです。(文中をそのまま引用)”と評した森見氏ですが、本作も漏らさず、「日本語の好きな作家さん」であり「限りなく下世話な大学時代を高尚な文体で表現している」という印象です。

しかし、本屋大賞ノミネートという相当の評価をもらっているのはそれなりにわけがあって、勝手に推察するに、結局のところ前作までにはなかったクラブの後輩であり黒髪の乙女である「私」視点の物語が、際立っているという点だと感じました。

この物語は、前述したとおり2人(以下、彼と彼女)の視点で描かれていますが、彼視点は、相変わらずの「森見風大学生」であり「妄想恋愛小説」の体を描き続き、一方で彼女視点は、天真爛漫な彼女自身に降りかかる厄介ごとを解決していくという「冒険活劇」の印象を持ちます。
この本来相容れない、「大いなる二面性」が、読み手に「お得感」を与えているのではと、(勝手に)思いました。

加えて、全体に共通しているジブリ的ファンタジーの要素と、京都という土地柄自体が醸し出す雰囲気。
個人的には京都には相当の思い入れもあって、この雰囲気には楽しませてもらいました。

そして、彼と彼女を取り巻く、奇奇怪怪な登場人物やアイテムの面白さ。
先斗町を進む3階建ての電車のようなものは、画になりますね
ちなみ先斗町ってこんな感じ で、えらく情緒があってそれでいて細すぎるんですけどね。

相変わらずの高尚な文体(加えて今回は、歯がゆくなるほどの彼女サイドの「丁寧語」)には、正直好き嫌いはあるとは思いますが、その辺りを気にしない(もしくは、私のように好意を持って受け入れられる)方には、オススメしちゃいますね。

なんせ、ちゃんとストーリーもありますので、もうBGMを聞くように読むなんてことは言いません。
「やればできるんじゃん、森見氏~」って感じ
です。

願わくは彼らと作者に声援を。

ちなみに本作、四畳半神話大系の登場人物と微妙にオーバーラップしていたりしますので、続けざまに読んでいただけるそれなりに楽しめるかもしれません。(かく言う私は、自分の読後感想を読んで改めて知った次第なのですが)

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2007年02月19日(月) 20時04分06秒

2007/2/17に借りた本

テーマ:読前感想

日が当たっているところは暖かいのですが、まだまだ寒いです。

ということで、予約本2冊、新刊本コーナーからの借り出し3冊、そして「クチュクチュバーン」1冊を借り出しました。
ちなみに、この予約本2冊は、共に本屋大賞ノミネート作品という贅沢なラインアップでございます。

題名
夜は短し歩けよ乙女
読了可能性
★★★★☆
出版元
角川書店
初版刊行年月
2006/11
著者/編者
森見登美彦
読前感想
予約本1冊目にして本屋大賞ノミネート作品です。「四畳半神話大系」の森見氏ということで、正直「本屋大賞」とかには無縁なんじゃないかという失礼な印象があります。それだけに、とても楽しみです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10026104878.html

題名
図書館戦争
読了可能性
★★★★☆
出版元
メディアワークス
初版刊行年月
2006/03
著者/編者
有川浩
読前感想
予約本2冊目にして、こちらも本屋大賞ノミネート作品です。で、こちらも「」「」ウルトラQ並みの空想科学本という印象があり、正直「本屋大賞」にはこれまた無縁なんじゃないのと大変失礼な印象があります。本当にごめんなさい。ということで、こちらももちろん楽しみです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10026347147.html

題名
ナイフ・エッジ
読了可能性
★★★☆☆
出版元
徳間書店
初版刊行年月
2006/06
著者/編者
鳴海章
読前感想
新刊本コーナーにありました。といいつつも刊行年月は去年の6月(!!)。ま、図書館のルールとしてはこれも新刊本です。
読後感想リンク


題名
親不孝通りラプソディー
読了可能性
★★★☆☆
出版元
実業之日本社
初版刊行年月
2006/10
著者/編者
北村鴻
読前感想
こちらも新刊本コーナーから借り出しました。こちらは昨年10月刊行で、ギリギリ新刊ってかんじです。大体にして装丁のよさで借りるので、内容はまったく知りません。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10026907983.html

題名
文学賞メッタ斬り!!リターンズ
読了可能性
★★★☆☆
出版元
PARCO出版
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
大森望 豊崎由美
読前感想
こちらも新刊本コーナーからです。個人的には相当インパクトのあった「文学賞メッタ斬り」の続編(?)です。あぁぁ出ていたのね~と感嘆してしまいました。というよりか、よく出版できるような~といった感じです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10026347476.html

題名
クチュクチュパーン
読了可能性
★★☆☆☆
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2002/02
著者/編者
吉村萬壱
読前感想
前回借り出した「ハリガネムシ」が、個人的にアリだったので、今回も借り出して見ました吉村萬壱作品。タイトルいいですね。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10026972732.html

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2007年02月18日(日) 01時23分29秒

「ハリガネムシ」 吉村萬壱 2007-025

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】
図書館の普通の書棚に鎮座していて、前々から気にはなっていた吉村作品。
第129回芥川賞受賞作「ハリガネムシ」読了しました。

なるほどこれは唸りますね~

amazonリンク

吉村 萬壱
ハリガネムシ
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2003/08
著者/編者
吉村萬壱
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:2点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
第129回芥川賞受賞作。客として知った風俗嬢と再会した時から高校教師「私」は<異界>に踏み込んで行く……驚愕、衝撃、センセーショナルな中に不思議なユーモアとモラリストの眼差しが光る傑作小説。<<Amazonより抜粋>>


ネット上の評価は賛否両論ですが、大層は否定的なものが多いようです。
そんななかで、私個人の評価は「これはこれでアリ(肯定)」といった感じです。

この「流石奇屋~書評の間」でも、たまに評価しずらい作品をご紹介しています。
それは例えば佐藤哲也氏の作品 だったり、最近で言えば「恋愛の解体と北区の滅亡」 だったり、いわゆる「読み手を選ぶ作品」って奴ですね。

で、この「ハリガネムシ」ですが、そんな作品群に含まれつつ、一方でオリジナリティがあります。

「舞城王太郎氏の作品に見られる、たたみかけるような文体と、戸梶圭太氏の作品に見られる、痛いほどの暴力性と、町田康氏の作品に見られる現代社会固有の怠惰な雰囲気と、前述した「読み手を選ぶ作品」を足し合わせたような作品だ」と文字にするとそんな感じなのですが、それだけでもこの作品の印象は語られていないような気もします。
で、これはたぶん「吉村作品」というオリジナルな作品なのだと思いました。

さらに、「芥川賞って奥が深いね~」と思ったりもしました。

高校教師と元ソープ嬢の夏休みの物語。
特徴的な一人称の呼称がない一人称表現であり、そこに描かれるのは、愛だったり、怠惰だったり、暴力だったりします。
テーマは、「人間の尊厳」だったり、「根源に潜む陰」であったりして、読み進めると、同化・共感を圧倒的に否定しつつ、一方で、どこかエグラレルような感覚になります。
この感覚を得られるだけで、小説としては「アリ」なのですよね。

キャラクターとしてのサチコも個人的には非情に印象的でした。
また、このキャラクターをどう自分自身の中でとらまえるかで、この作品の印象もだいぶ違うような気がします。

ということで、「評価しずらい=感想しずらい」作品、作家さんにまた出会ってしまいました。
こういった出会いがあるから、図書館借りはやめられません。

吉村萬一氏、ちょっと追っていきたいと思います。
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2007年02月17日(土) 23時10分34秒

「おまかせハウスの人々」 菅浩江 2007-024

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
ふいに手にとった菅浩江氏「おまかせハウスの人々」読了しました。
この作品、SFだったのね~と読みはじめ気がつくくらいの「ふいに手にとった」加減でした。

amazonリンク

菅 浩江
おまかせハウスの人々
出版元
講談社
初版刊行年月
2005/11
著者/編者
菅浩江
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
あるのだろうか??理想の家族、心安らぐ家。私たちは、「家族の肖像」を、どんな色に染めようとしているのか。近未来の日常を描く待望の作品集。「純也の事例」里親制度でやってきた純也は従順で賢く、夕香は親子ごっこに溺れてしまった。純也は、ユニバーサライズ分科会の早期返還の対象となり、別れの日は意外に早くやってきた…。「ナノマシン・ソリチュード」小枝子は、モニタに左手の小指を突っ込んでナノマシンのチェックをする。必死で働いてくれるものがある限り、孤独じゃない。サビシクナイ。「おまかせハウスの人々」掃除、洗濯、買い物まで目配りのきいた全自動住宅に住むモニターたち。あとは「おまかせ」で幸せを手にいれることができる。多少邪魔くさくても設定をいじり直せば……。ほか、菅マジックが冴えわたる6編収録。<<Amazonより抜粋>>



6編の短編が所収されています。

近未来の極めて日常的なシーンで登場する、近未来的なツールやワード、そのもの自体もしくはそれを間接的に受け止める人間模様を描いています。

以下、(これでもかっ!!)てくらいに簡単に紹介すると、

「純也の事例」
一般家庭での幼児型ロボットとのふれあいの話

「麦笛西行」
相手の気持ちを形に表すツールを持った男の話

「ナノマシン・ソリチュード」
血液内で自己増殖し続ける人工物を使ったダイエット治療をしている女性の話

「フード病」
食品に潜む病原体を異様なまでに恐れる女性の話

「鮮やかなあの色を」
鬱状態になった女性が友人から勧められたクスリの話

「おまかせハウスの人々」
ハウスメーカーが提供する「家事がすべて自動の家」にモニターとして参加した3家族と、それをヒアリングするメーカー勤めの男の話


読み始めた時の最初の印象は、「風刺が効いた大人向けのドラえもん」。(もちろん、八頭身の青いネコ型ロボットは登場しません)
近未来小説としては、やや凡庸なのですが、なんと言うか、例えば30年前があって、今があって、そしてその2点の延長線上にあるような近未来の世界です。
例えば、それは少子化問題であり、健康食ブームであり、コミュニケーションができない人々であったりします。
そして、この作品にみる6編を共通した未来像というのが、「人間がより孤独になっていく」=「より周りとのかかわりを求めていく」といった点でしょうか?

この世界をフィクションとして読めているうちは、まだ救われているだろうな~と思いました。

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2007年02月16日(金) 01時03分13秒

「樹霊」 鳥飼否宇 2007-023

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
地味にそして地道に追い続けている東京創元社ミステリーフロンティアレーベルの第25回配本「樹霊」読了しました。
どうやらこの「観察者 鳶山」はシリーズ化されているようですね。

amazonリンク

鳥飼 否宇
樹霊
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
鳥飼否宇
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
植物写真家の猫田夏海は北海道の撮影旅行の最中、「神の森で、激しい土砂崩れにより巨木が数十メートル移動した」という話を聞き、日高地方最奥部の古冠村へ向かう。役場の青年の案内で夏海が目にしたのは、テーマパークのために乱開発された森だった。その建設に反対していたアイヌ代表の道議会議員が失踪する。折しも村では、街路樹のナナカマドが謎の移動をするという怪事が複数起きていた。三十メートルもの高さの巨樹までもが移動し、ついには墜落死体が発見されたとき、夏海は旧知の“観察者”に助けを求めた!“観察者”探偵・鳶山が鮮やかな推理を開陳する、謎とトリック満載の本格ミステリ。<<Amazonより抜粋>>


<<いきなり蛇足。>>

東京創元社ミステリーフロンティアレーベルは装丁(というより本サイズとか表紙の厚さ)が気に入っているので、追い続けているのですが、もう一つ良いところを(今更ながら)見つけてしまいました。
それは、あらすじがとても丁寧ということ。
この「あらすじ」、とりあえずAmazonより抜粋しておりますけど、これ自身は本の表紙裏に記載されているんですね。
これは丁寧です。

もう言うことないです。



<<といいつつも、感想は書きますが。>>

物語は、植物写真家である猫田夏海、「わたし」の一人称で進みます。
あらすじにもあるとおり、ミステリそのものは「動きそうもない木が勝手に動いたのは何故か?」と、「それと同時に発生する殺人事件の犯人は?」です。

前半は、ミスリードを含めた、ミステリを構成する要素を提供しつづける場面であり、幕間という章をはさんで、後半は、遅れて現場に登場する「観察者 鳶山」の謎解きがメインです。
ま、この辺りは、超絶的な探偵役が登場するミステリものの定石というんでしょうか、なんと言うんでしょうか、ある意味でとても安心できる構成でした。
ただ、ちょっとこの観察者鳶山のキャラクターは、普通過ぎましたかね。
サブキャラ(マスターの神野、イラストレイターのジンペー)を含めたキャラクター評価は、シリーズ化されている他の作品で再度レビューしてみたいとも思いました。(ま、登場していればですが)

「木が動く」というミステリ自体は、きっちり論理的に解決します。
「殺人事件」も、「どのように」と言う観点は、それなりに論理的でした。
犯人も消去法で言えば、まぁこの人かな~といった感じです。

で、ちょっと感慨深かったのは、その「犯人の動機」。
昨今の地球規模の問題をテーマとして採用したうえで、犯人の動機は、ある意味では、突拍子な発想でありつつ、同時に共感を得ることも、それなりにできるものでした。

正直、(そうきたか~)とまでは思いませんでしたが、なるほど(ふむふむ)と妙に感心してしまいました。
自分自身の問題として、どのように受け止めるかは、読み手自身に委ねられているのです。

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2007年02月16日(金) 00時29分48秒

「町長選挙」 奥田英朗 2007-022

テーマ:--奥田英朗
伊良部シリーズ(と勝手に命名)の3作目、「町長選挙」読了しました。
どうしてもヤンキースにいたあの「伊良部」がイメージされちゃうのは私だけでしょうか?

amazonリンク

奥田 英朗
町長選挙
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2006/04
著者/編者
奥田英朗
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
離島に赴任した精神科医の伊良部。そこは、島を二分して争われる町長選挙の真っ最中だった。伊良部もその騒動に巻き込まれてしまい…。「空中ブランコ」「イン・ザ・プール」でお馴染みの、トンデモ精神科医の暴走ぶり健在! <<Amazonより抜粋>>


4つの中編が所収されています。
イン・ザ・プール 」では”キャラクターが気に入らない”と思っていて、「空中ブランコ 」では、ちょっとだけ伊良部のことが許せてきて、そしてこの「町長選挙」なのですが、本作は、シリーズの中でも一番「伊良部キャラ」として好印象だったと思いました。

なぜそう思ったかを、勝手に自己分析にしてみると、どうやら相対の患者のキャラクターが大きく影響しているのではと思います。
常に、この「伊良部シリーズ」は、「伊良部と患者」という構図があって、この2名のやりとりで物語が進行していくのですが、前々作、前作は、患者のキャラが弱かった(というより、本当に患者だった)という印象があります。
で、今回の患者は、タイトル作「町長選挙」を除けば、相当アクが強く、正直「嫌われキャラ」だったことが、逆に伊良部キャラに良い印象を持たせたのだとわかりました。

医者と患者という構図という、ある意味で主従関係が保たれる状態に、患者に”嫌悪”の要素を加えると、(もっと突っ込め伊良部!!)となってしまうというわけです。
私自身が、単純だといってしまえばそれまでですけどね。

また、今回は現実世界をパロデイー化しており、「オーナー」は読○新聞のナ○ツネ、「アンポンマン」はラ○ブドアのホリ○モン。「カリスマ稼業」は○木瞳をそれぞれモチーフにしております。(ちなみに「町長選挙」は「ドクター○トー診療所」のシチュエーションを模したと思われます。)
そんなにゴシップ通でなくとも、耳にはしている著名人ばかりなので、ストーリが入りやすかったというのが分り易さに繋がったのかも知れません。

今後も続くであろう「伊良部シリーズ」ですが、「水戸黄門」並みの定石ストーリで、現実世界のあれやこれやをバッタバッタと薙ぎ倒してもらいたいと思います。
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