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2007年01月31日(水) 23時59分59秒

2007年1月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』

◆今月のアクセスランキング

総合ランキング:
11813位/1339124人中 (0.88%)前月からの比=0.14%
ジャンルランキング:
180位/8826人中 (2.03%)前月からの比=0.30%

◆検索ワードTOP10

1 書評 8.6%
2 感想 4.5%
3 風林火山 3.1%
4 伊坂幸太郎 2.7%
5 あらすじ 2.6%
6 砂漠 2.3%
7 荻原浩 1.8%
8 噂 1.7%
9 井上靖 1.6%
10 イニシエーション・ラブ 1.6%

◆2007年1月のランキング

2007年初の月刊後感。
そりゃ当たり前かとご指摘いただければ良いのですが、それにしてもこの1ヶ月は何故か長く感じました。
たぶん前半の休みが、あまりにも”休み”らしくて、その後の繁忙が、極めて繁忙だったことからなのですが、なんだかお正月が半年前のようです。

ということで2007年初の1位は「リレキショ」です。
総評では第2位の「零崎・・・」が1位なのですが、ま、なんだかんだあって「リレキショ」が1位なんです。

第1位;「リレキショ」 中村航
;エンターテイメント小説;2007年01月07日(日) 00時39分07秒


中村 航
リレキショ

第2位;「零崎軋識の人間ノック」 西尾維新
;エンターテイメント小説;2007年01月29日(月) 21時45分49秒


西尾 維新, take
零崎軋識の人間ノック

第3位;「夏休み」 中村航
;エンターテイメント小説;2007年01月26日(金) 21時49分10秒


中村 航
夏休み


第4位;「さよなら純菜 そして、不死の怪物」 浦賀和宏
;エンターテイメント小説;2007年01月17日(水) 01時27分20秒

第5位;「ルー=ガルー ― 忌避すべき狼」 京極夏彦
;エンターテイメント小説;2007年01月12日(金) 21時51分57秒

第6位;「スカイ・クロラ」 森博嗣
;エンターテイメント小説;2007年01月15日(月) 21時36分20秒

第7位;「100回泣くこと」 中村航
;エンターテイメント小説;2007年01月13日(土) 22時14分05秒

第8位;「キサトア」 小路幸也
;エンターテイメント小説;2007年01月02日(火) 01時46分52秒

第9位;「ぼくのメジャースプーン」 辻村深月
;エンターテイメント小説;2007年01月25日(木) 00時12分50秒

第10位;「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」 伊藤たかみ
;エンターテイメント小説;2007年01月27日(土) 01時19分45秒

第11位;「ニシノユキヒコの恋と冒険」 川上弘美
;エンターテイメント小説;2007年01月03日(水) 18時07分20秒

第12位;「恋愛の解体と北区の滅亡」 前田司郎
;エンターテイメント小説;2007年01月27日(土) 00時49分50秒

第13位;「石川五右衛門(上)」 赤木駿介
;歴史小説;2007年01月08日(月) 07時57分42秒

第14位;「八月の熱い雨 便利屋<ダブルフォロー>奮闘記」 山之内正文
;エンターテイメント小説;2007年01月21日(日) 09時44分16秒

第15位;「文体とパスの精度」 村上龍、中田英寿
;エッセイ;2007年01月06日(土) 17時05分56秒

第16位;「石川五右衛門(下)」 赤木駿介
;歴史小説;2007年01月08日(月) 07時58分22秒

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2007年01月29日(月) 21時45分49秒

「零崎軋識の人間ノック」 西尾維新 2007-016

テーマ:--西尾維新
戯言シリーズの補完的・外伝的作品「人間シリーズ」の2作目。
西尾維新氏「零崎軋識の人間ノック」読了しました。

相変わらずのリーダビリティーの良さです。
軽~く土日で読めちゃいますね。

amazonリンク

西尾 維新, take
零崎軋識の人間ノック
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/10
著者/編者
西尾維新
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:5点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
「零崎一賊」―それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一族。二つの通り名を持ち、釘バット“愚神礼賛”ことシームレスバイアスの使い手、零崎軋識。次から次へと現れる“殺し名”の精鋭たち。そしてその死闘の行く末にあるものは一体!?新青春エンタの最前線がここにある。<<Amazonより抜粋>>



「狙撃手襲来」「竹取山決戦(前半戦・後半戦)」「請負人伝説」の3編が所収されています。
基本的にはタイトルにあるとおり零崎軋識を主人公とした物語ですが、一方で零崎軋識を媒介にした「戯言シリーズ」のサブキャラの過去の物語とも言えなくもありません。

(あ~、こういう活躍をしていたのね~(萩原子荻))とか、(うぉぉ~、こんなキャラだったのね~(暴君))とか。

「戯言シリーズ」を完全読破された方には、とても面白い作品であろうと思います。
裏を返せば、同シリーズを読まないと、面白さは半減、いや相当落ちてしまうのも事実です。

いわゆる西尾維新氏特有の読み易さに加えて、戯言シリーズのサブキャラ達(簡単にお亡くなりになってしまったキャラクター達を含む)が、過去という時間軸の中で暴れまくります。

この世界観、簡単に言ってしまえば、中後期の戯言シリーズにも見られる「あり得ない状況に対して、あり得ないやり方で応じる、あり得ない世界の物語」なわけですが、この”あり得なさ”がなんとも「週刊ジャンプ」的に面白いのですね。

だって「殺し名」「呪い名」から始まり、1km離れたところから狙撃しようした相手に鉛のバットで応戦とかですからね。

ま、何度も言いますが「戯言シリーズ」を読んでさえいれば、何の抵抗もなく入り込める(そして、相応に楽しめる)世界ですので、良いとは思いますが、いきなり本書を手にした方がいるのであれば、とても同情すらできないくらいに、可哀想だと思ってしまいます。

個人的に面白かったのは「請負人伝説」(あの「請負人」です)

どのようにしてこの指令を完遂するか?、そして
どのようにしてあの危機的状況を回避するか?

「あり得ない」こと満載で、キャラ立ちの凄さに加え、単純に楽しめます
ここまでくると、主人公は、もはや零崎軋識ではなかったりします。

十分に「戯言シリーズ」を補完するに値する作品でありました。

P・S:ちなみに、この書評では紹介していませんが「ザレゴトディクショナル」(購入本)を片手に本書を読むと、より一層補完されます。
(あ~、この娘はあの「○○」でいきなりお亡くなりなったのか~)とか、(うぉぉ~、彼は意外に強キャラだったのね~)とか。
これはオススメ。

西尾 維新
ザレゴトディクショナル 戯言シリーズ用語辞典





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2007年01月28日(日) 21時29分27秒

2007/1/27に借りた本

テーマ:読前感想
仕事が忙しくなってまいりました。
今までの生活であれば、土日はプチ引きこもりのように家の中でグダグダするのですけど、今年は違います。
まず、図書館に行く。
そして、妻と散歩。

ちょっとした遊歩道が近所にあるもんで、秋あたりからほぼ毎週歩いています。
1万歩いくかいかないか位ですかね。
良いですよ、散歩。

ということで、予約本1冊を含めた7冊を借り出しました。

題名
零崎軋識の人間ノック
読了可能性
★★★★★
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/10
著者/編者
西尾維新
読前感想
今回唯一の予約本です。戯言シリーズのサイドストーリである人間シリーズの2作目です。今回は戯言シリーズで活躍した登場人物もそれなりに登場しているようで、期待ですね。なんせ戯言シリーズに至っては、使い捨てに近い扱いの登場人物が多いので。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10024419469.html

題名
EDS 緊急推理解決院
読了可能性
★★★★☆
出版元
光文社
初版刊行年月
2005/11
著者/編者
新世紀「謎」倶楽部
読前感想
この本は何でしょう?まったく解りません。合作長編ということで、本帯には石持浅海氏とか高田崇史氏などこの書評にも良く登場いただいている方々が名を連ねております。で、この本な何でしょうね??
読後感想リンク


題名
樹霊
読了可能性
★★★☆☆
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
鳥飼否宇
読前感想
地味に追い続けてるミステリーフロンティアレーベルですが、こちらは新刊本コーナーにありました。最近ミステリフロンティアレーベルが予約せずに借り出せる状況になったということは、それなりに認知されはじめているということなのでしょうか?
読後感想リンク


題名
魔王城殺人事件
読了可能性
★★★☆☆
出版元
講談社
初版刊行年月
2004/09
著者/編者
歌野晶午
読前感想
まず間違いない作品を提供し続ける「信頼できる作家さん」の一人である歌野氏の作品。しかも、あのミステリーランドです。振り仮名がふられているのは丁寧な感じですが、やや読みづらい当シリーズですが、果たしてどうでしょうか
読後感想リンク


題名
ナ・バ・テア
読了可能性
★★★☆☆
出版元
中央公論社
初版刊行年月
2004/06
著者/編者
森博嗣
読前感想
前回借り出した「スカイ・クロア」の続編。とはいえ前作より前の時代の話らしいです。相変わらず表紙がきれいです。
読後感想リンク


題名
間宮兄弟
読了可能性
★★★☆☆
出版元
小学館
初版刊行年月
2004/10
著者/編者
江國香織
読前感想
だいぶ前にちょっとだけ話題になった「間宮兄弟」。普通の書棚にあったので、借り出してみました。映画化までされたと記憶していますが、どんな話かはまったくわかりません。
読後感想リンク


題名
悪党たちは千里を走る
読了可能性
★★★★☆
出版元
光文社
初版刊行年月
2005/09
著者/編者
貫井徳郎
読前感想
前回借り出しており、途中まで読んでいたところ期限が迫ってしまったため、再借り出しです。ちなみにイヌの誘拐をしようと盛り上がっているところです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10024645726.html

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2007年01月27日(土) 01時19分45秒

「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」 伊藤たかみ 2007-015

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
つたなくとも書評ブログをやっているにもかかわらず、著者が昨年の芥川賞(「八月の路上に捨てる」)の作者であることを知りませんでした。
いかんいかん。

ちなみに本作「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」も文藝賞を獲得しているようで、それも知らなかったという事実もあります。
いかんいかん。

で、読了しました。
amazonリンク

伊藤 たかみ
助手席にて、グルグル・ダンスを踊って
出版元
河出文庫
初版刊行年月
1996/01
著者/編者
伊藤たかみ
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
僕たちは若くて子供で、間違いなく生きていた―高三の夏につきあい始めたぼくとミオ。文化祭のミスコン話で学校中が盛り上がる中、ぼくの家には父さんの新しい恋人、シーナさんがやってくる。赤いコンバーチブルに乗って青春をグルグル回りつづけたぼくたちの夏の行方は…。<<Amazonより抜粋>>



「僕」の一人称の物語(最近、「僕」が多いですね)
で、これはもう完全に、アメリカのティーンエイジャー(とあえて、死語のような雰囲気で比喩してみます)の群像を描いたとしか思えない状況です。
○○高校白書とか○○・グラフティの類ですね。

父親から借りた赤いコンバーチブルに、金持ちの家でパーティ。
ミスコン常勝の女の子との、一夜の出来事。
そして地域差別的いざこざに、それを越えた恋愛とその終焉。

なんだか、20年前のレンタルビデオ屋の映画「ポーキーズ」の横に置いてある、名もない吹き替え版のレンタルビデオのような作品で、ここまでくると、かえって心地よいストーリーラインです。

軽さも重さも、なんもかんも「どこかで見たことのあるシーン」の連続なので、安心して読めますし(なんだそりゃ?)、ラストの切なさも、そんなデジャブー現象のおかげで、(10代の頃ってこんな感じもあるよな~)と変に勘違いしちゃいます。

そんな話の中でのアクセントは、父親の恋人であるシーナさんの存在。
シーナさんは主要登場人物の中で唯一の大人であり、大人としての役割を持って登場します。
謎も多きシーナさんは、物語を牽引することは決してなく、ただ一人の大人の傍観者として「僕」と接触するわけですが、この距離感は良い感じでしたね。(といいつつ、そんな感じのキャラクターもやっぱり群像ものには定石だったりして)

それなりの経験を積まれた方は、自分の過去の思い出と意味もなくオーバーラップして勘違いし、レンタルビデオ時代に良い悪いに関わらず映画を借りまくった方には、ノスタルジックな感傷を得られる作品なのでしょうかね。

かくいう私は、どちらも当てはまったので、なんとも良い時間を過ごさせていただきました。

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2007年01月27日(土) 00時49分50秒

「恋愛の解体と北区の滅亡」 前田司郎 2007-014

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】
意外な方面で評判の「恋愛の解体と北区の滅亡」を読了しました。
このタイトル、何か暗喩があるのかしらんと読みすすめておりましたが、ストレートに「恋愛の解体」と「北区の滅亡」の話で御座いました。

潔い!!

amazonリンク

前田 司郎
恋愛の解体と北区の滅亡
出版元
講談社
初版刊行年月
2006/06
著者/編者
前田司郎
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:2点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
僕らの青春の行き場のない言葉が小説化された。言葉は嘘で身体も嘘。僕らは何か限界に近いことを考え続けるだけで何もしない。何もしないことが共感を呼ぶ。<<Amazonより抜粋>>


決して評点は良くならない種の作品がまた登場いたしました。

佐藤哲也氏の全般に見られる「日本語の世界」と、
舞城王太郎
氏の全般に見られる「息継ぎのない世界」と、
森見登美彦
氏のデビュー作辺りに見られる「脱力の世界」と、
浦賀和宏氏
の現シリーズに見られる「妄想の世界」を、

足して4で割った上に、宇宙人を加えたような(なんだそりゃ?)作品
です。

冒頭からはじまるコンビニでのレジ待ちエピソードでも解るとおり、相当筆致レベルは高いはずなのですが、それに思い上がることなく、ただただ、思いの中で「恋愛を解体」しつづける「僕」の物語がはじまり、なんとも情けない宇宙人が「北区を滅亡」させて、物語が終わります。

”あれから2年が過ぎた。期限は1年後に迫っている”
書き出しにもあるこのシチュエーションは、「終末のフール」にも近いものがありますが、それでもなお「僕」は愛だの恋だのを一生懸命語り、そして行動します。
このシチュエーションの世界では、ある種のあきらめにも似た厭世的で惰性的な日々を過ごすものなのだと思いますが、あまりにも宇宙人の印象が薄いのと、あまりにも「僕」が、目の前にあって手にとることのできない愛やら恋やらサディストやらマゾヒストやらに固執するので、一瞬にして普段の日常と勘違いしてしまいます。

ただ、(じゃ、このシチュエーションでもなくても良いのでは)と思ってしまいがちですが、やっぱり北区が滅亡すること(=UFOからはしごを使って降りてくる宇宙人の存在そのもの)は、なんというかこの小説世界では必然だったりもするのです。

シュールと呼ぶには、タイトルが潔すぎますし、かといって恋愛小説でもなく、雰囲気小説でもない。
そんな不思議な作品でした。
だからといって、難しく考えずに、ストレートに読んでいただければ、良いかと思います。

ちなみにこの表紙、読んだ方しかわかりませんが、女性が手にしているのは、例の「ファナモ」ですね。
・・・
これまた潔い!!(2回目)

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2007年01月26日(金) 21時49分10秒

「夏休み」 中村航 2007-013

テーマ:--中村航
注目の作家さんである中村氏の読書数でいうところの3冊目、著者の本としてはデビュー作「リレキショ」につづく2作目である「夏休み」を読了しました。

著者の表現する物語の”温度感”というものにマッチしてる自分を見つけました。

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中村 航
夏休み
出版元
河出書房新社
初版刊行年月
2003/06
著者/編者
中村航
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
「十日間ほど留守にします。必ず戻ります」。吉田くんの家出がきっかけで訪れた二組のカップルの危機?!ユキと舞子さんの書き置きに導かれて、僕と吉田くんのひと夏の不思議な旅が辿り着く場所は―キュートで爽やか、心にじんわりしみるとびっきりの物語。 <<Amazonより抜粋>>



(20年も昔の話ですが、)村上春樹氏が読書デビューであった私にとっては、この文体は、”ばっちり”でございます。
ストーリー性とか、その展開とか、盛り上がりとか、いろいろと評されていたりするようですが、ま、文体というか温度感だけで、「これはこれで、いいんじゃない」という作品があったりするのです。
個人的に。

(ここからは、村上氏の小説を読了されているかたのみに伝わる表現なのですが)
具体的には、初期から中期のころの村上春樹氏の短編に近い温度感があります。
例えば、それは「カンガルー日和」の一編だったりしますし、羊男が出てきちゃうシリーズだったりします。

物語はとてもシンプルで、
”妻の友人の旦那が無断で家出をしたので、それを残された3人で探しに行ってみよう。”
ということなのですが、物語全体は、決してあたふたせず、暖かい春の日差しのような「ぽかぽか気分」で進みます。
それぞれがそれなりに個性の強い登場人物であり、それぞれが接触することで、起こるささいな摩擦のような会話があるのですが、それがまたとても機転の利いた会話だったりして、しつこいようですが、村上春樹氏の小説を読まれている方にとっては、「そうそう、この温度感よね」と思うわけです。

『この温度感ではじまり、(実はいろいろあるんですが、)この温度感をキープして終わる。』

『(個人的には)上質の雰囲気小説』。

これで良いと思います。

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2007年01月25日(木) 00時12分50秒

「ぼくのメジャースプーン」 辻村深月 2006-012

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
12月の読後感想アーカイブ では「凍りのくじら」が見事1位となった辻村氏の作品、「ぼくのメジャースプーン」読了しました。

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辻村 深月
ぼくのメジャースプーン
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/04
著者/編者
辻村深月
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
「ぼく」は小学四年生。不思議な力を持っている。忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された……。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは!?<<Amazonより抜粋>>


小学4年生の「ぼく」の一人称で物語が進みます。

相手に「○○(条件)をしろ、そうしなければ□□(罰)が起こる」という言葉(文章中は、否定的に「呪い」と表現されていたりします)を放つと、それが現実となってしまう「条件ゲーム提示能力」。
で、そんな能力を持っている「ぼく」が、学校で飼っていたうさぎを殺した犯人と対峙するといったストーリです。

小学4年生の「ぼく」が語る物語なので、ジュブナイル的な作品(個人的なイメージとしては、冒険と友情と成長というキーワードで括られる感じ)を想像しちゃいそうですが、いやいや、とっても意外でした。
意外(そして新鮮)だったというのは、物語の大半は、その能力の使い方、強いては罪の重さのようなものを、同じ力を持つ「先生」とのディスカッションをすることに費消している点です。

ジュブナイル的展開であるならば、「復讐」という理由をもって、絶対的な敵と、どんな風に戦っていくかというところが重点になりがちなストーリなのですが、その戦いまでの準備に重きにおいております。

加えて、そのテーマが「罪の重さ」という、人間としての不変の未解決部分だったりするので、更に驚いてしまいます。

飼っていたうさぎを惨殺するということが、果たして人間の罪として、どこまでの罰を受けるべきか。
本書を読んでいてふと思ったのは、「殺人事件の犯人」と「戦争を起こす政治家」の違いとか。

ま~、この辺りは、深く考えれば考えるほど、主体者(例えば登場人物)のそれぞれの解釈があり、その解釈自体は、傍観者(例えば読者)が批判することはできないとは思いますが、それはそれで、めずらしく考えてしまいました。

もし私に「条件ゲーム提示能力」があるとして、そのシチュエーションだったら、どんな言葉(呪い)をかけるか?
その力を本当に使うのか?使うことが正しいことなのか?云々。

・・・

作者の意図がそこにあるのなら、”がっちり”はまってしまったということなのですね。

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2007年01月21日(日) 09時44分16秒

「八月の熱い雨 便利屋<ダブルフォロー>奮闘記」 山之内正文 2007-011

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】
個人的に仕事が忙しくなってきており、おかげで読書スピードも停滞気味でございます。
前にも記事にしてましたが、忙しいときだからこそ、読書時間って凄く重要なのですが・・・
どうにかしてこの「忙殺期間」に「読書時間」を組み込んで行きたい今日この頃です。

さてさて、ミステリ・フロンティア第24回配本「八月の熱い雨 便利屋<ダブルフォロー>奮闘記」読了しました。

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山之内 正文
八月の熱い雨 <便利屋<ダブルフォロー>奮闘記>
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
山之内正文
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:2点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
24時間迅速対応、どのような依頼も相談可能な便利屋「ダブルフォロー」を、ひとりで営む青年・皆瀬泉水。彼が出会う奇妙な謎と、依頼人たちの悲喜交々の物語をつづった、ハートウォーミングな連作集。 <<Amazonより抜粋>>


便利屋・皆瀬泉水目線の三人称で物語が進みます。
5つの連作短編集。

先に述べたとおり、個人的に忙しく、飛び飛びで読んでしまったことも多分に影響しますが、それを差し引いてもいまいちピンときませんでした。

可もなく不可もなく。

ミステリ要素もあるし、人情要素もあるので、かっちりはまると、相当ぐいぐいいけちゃう設定なのですが、これといったインパクトがないんですね。
インパクトがあるからといって、一概に良い本って訳ではないし、同時にインパクトなんてなくても良い本は良い本なのですが、中途半端ってのがよろしくないのでしょうかね。

この辺りを、もうちょっと分析してみると、どうやら個人的に便利屋皆瀬に共感ができないところがあるんじゃないかと思いました。この便利屋、結構勝手に気をまわすタイプで、第四話「片づけられない女」では、依頼されたこと以上のことをしちゃうのです。
要するに公私混同というか、感情が先に立つというか。
結果、私のような「非情で邪悪な」読み手が取り残されてしまうわけですね。

それから、この便利屋が、初対面の依頼人に対して自分のことを「俺」と称しているところにもやや不愉快だったりします。
生業として便利屋をやっているわけで、依頼人=顧客に失礼なんじゃない??とか。

ま、それもこれも、私自身がストレスフルな生活をしているからの小言なわけでして、「いかんいかん」と、しっかり反省したりするのわけです。

度の超した忙殺は読書の最大の敵ってことです。

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2007年01月17日(水) 01時27分20秒

「さよなら純菜 そして、不死の怪物」 浦賀和宏 2007-010

テーマ:--浦賀和宏
着々と刊行される浦賀氏の「八木剛士シリーズ」の第5作目「さよなら純菜 そして、不死の怪物」読了しました。

”5作目にして遂に始動か~”
そして
”そうきたか~”
といった感じでしょうか。

amazonリンク

浦賀 和宏
さよなら純菜 そして、不死の怪物
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/11
著者/編者
浦賀和宏
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
不死身の男、ついに屈辱のリベンジへ! 自らの身体に傷を負わない<力>の増大を自覚し始めた八木剛士。心の支えを得、これまでの恨みをはらすべく、遂に学校に矛先を向けた剛士に難事件が降りかかる。 <<Amazonより抜粋>>



”妄想粘着小説”(と勝手に命名)の名を欲しいままとしている(と勝手に妄想している)「八木剛士シリーズ」の第5作目です。

4作目からの純粋な続きであり、6作目へのエピローグ的作品。
ということで、中継ぎ的作品と思いがちですが、いやいや、相変わらずの妄想しまくり、粘着しまくりそして”劇的な変化あり”でございます。

ま、きっと1作目から本作品の”あらすじ”を書けと言われたら3行くらいで済んでしまうかもしれないくらいの進行の遅さ(=妄想の多さ)ですので、”中継ぎ”だろうが”先発”だろうが”抑え”だろうが、なんだろうが、”八木剛士シリーズ”には変わりありません。
非常に面倒くさい性格の八木剛士の「ぼやき」ともとれる妄想話がこれでもかというくらいに連呼されていきます。
慣れるまでが大変ですが、ここまで妄想に付き合わされると、なんだか可愛いものです。

で、なんら変わらないといいつつ、5作目後半にしてようやく八木剛士自身に変化が訪れます。
ま、正直、まともに受けてしまえば、”訪れる”なんて可愛い表現ではなく、タイトルの通りの展開となってしまうわけです。

ということで、冒頭の通り
”5作目にして遂に始動か~”
そして
”そうきたか~”
ってことです。

前作から見え隠れしている小説世界全体を包む謎(こちら では「八木剛士の出生の秘密」とか「強力な敵」などと述べてましたが)に関しては、どうやらある登場人物が、その謎に関与しているといったことがわかる程度で、あまり進展はなく、次作以降の流れに大きく影響してくるであろうと思われます。

・八木剛士の出生の秘密は何か?
・怪物となってしまった八木剛士の結末は?
・謎の敵(組織)と八木剛士の関係は?
・松浦純菜と八木剛士の今後の展開は?
ところで、怪物あたりも妄想だったりしないのか?

ということで、次回作が楽しみになってまいりました。

余談:ちなみにシリーズ初期の頃は、多少ミステリー(フーダニット)もあったような気もしていましたが、「戯言シリーズ」よろしく、当シリーズで完全なエンターテイメント小説となってしまいましたね。
(本作にも、どうやってスナイパーが自宅から忽然と消えたかという謎はありますが、論理的な決着は見ないじゃないかなと想像しています。)

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2007年01月15日(月) 21時36分20秒

「スカイ・クロラ」 森博嗣 2007-009

テーマ:--森博嗣
森博嗣氏「スカイ・クロラ」読了しました。
随分と昔の刊行で、随分と前から、気にはなっていたのですがようやくの読了です。
装丁は非常に良いです。

amazonリンク
森 博嗣
スカイ・クロラ
出版元
中央公論社
初版刊行年月
2001/06
著者/編者
森博嗣
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:5点

あらすじ
僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。<<Amazonより抜粋>>


すでにシリーズ化されていることが分っているので、なんとなく「次作アリ」で構えて読んでしまいます。
物語は、カンナミ・ユーヒチの一人称である「僕」で語られていきます。

至ってシンプルな戦争の物語という印象です。
文体も極めてシンプルで、ある意味では「無駄のない詩」のような印象を受けます。

ついこの間、「ルー=ガルー 」を読了したばかりで、その読後感想で「近未来や異世界などの小説の持つ世界観を、登場人物に説明させてしまうと、ちょっと冷めちゃうな~」的コメントをしたのですが、本作は、これ以上なく「何も語りません」。
一体、この物語がどの世界のものなのか?どんな状況なのか?は、誰の口からも語られません。
まず「世界」があって、そこに含まれた登場人物が存在し、物語を紡いでいます。
当たり前ですが、その世界に含まれている以上、登場人物からは、第3者の我々に対して、説明はないということです。

これはこれで、読み手にとっては、ある意味ですごく不便であり、人によっては「不親切」だと感じるかもしれませんが、個人的にはとても好感触です。

このスタイルは読み手にその小説世界を勝手に想像させてしまうものであり、書き手にとっては多少なりともリスクのある手法なのでしょうけど、同時に読み手には、勝手に想像をする権利を得ることが出来るので、物語以上の広がりを感じることができるわけです。

「キル・ドレ」という単語が登場してきますが、この件についてもまったくといってほど触れることはありません。
(そりゃ、物語の流れ上、必要最低限の説明はありますが、それ以上はまったくありません)

きっとこのスカイ・クロアシリーズの全体の世界観と密接に関係するワードであると思われるので、勝手に想像を膨らませてみたいと思います。

ということで、また一つ、シリーズを追うこととなったのでした。
めでたしめでたし。
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