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2006年10月31日(火) 23時59分59秒

2006年10月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』

◆今月のアクセスランキング

総合ランキング:
10674位/1243868人中 (0.85%)前月からの比=-0.27%
ジャンルランキング:
152位/8109人中(1.87%)前月からの比=-0.69%

◆検索ワードTOP10

1 書評 4%
2 感想 3.7%
3 伊坂幸太郎 3.6%
4 噂 3%
5 砂漠 2.8%
6 イニシエーション・ラブ 2.7%
7 荻原浩 2.6%
8 乾くるみ 2.3%
9 死神の精度 2.2%
10 イニシエーションラブ 1.9%

◆2006年10月のランキング
前月、書評立ち上げ以来の「怒涛の17冊」でございましたが、負けじと今月も16冊の読了でございます。
結構仕事も忙しくなってきましたが、意外に「気軽にできる気分転換」ということで、そっちの方が読書時間があったりするかもしれませんね。
ということで10月のランキングです。

”新星”山本幸久氏の1・2フィニッシュです。
前月の「笑う招き猫」が10位だったので、堂々の躍進でございます。


第1位;「凸凹デイズ」 山本幸久
;エンターテイメント小説;2006年10月12日(木) 17時21分37秒


山本 幸久
凸凹デイズ

第2位;「はなうた日和」 山本幸久
;エンターテイメント小説;2006年10月27日(金) 01時25分10秒


山本 幸久
はなうた日和

第3位;「空中ブランコ」 奥田英朗
;エンターテイメント小説;2006年10月21日(土) 00時51分25秒


奥田 英朗
空中ブランコ

第4位;「少女は踊る暗い腹の中踊る」 岡崎隼人
;エンターテイメント小説;2006年10月15日(日) 01時19分21秒

第5位;「八木剛士 史上最大の事件」 浦賀 和宏
;エンターテイメント小説;2006年10月07日(土) 12時45分31秒

第6位;「顔のない敵」 石持浅海
;推理小説;2006年10月24日(火) 20時58分32秒

第7位;「イン・ザ・プール」 奥田英朗
;エンターテイメント小説;2006年10月09日(月) 21時33分20秒

第8位;「精霊探偵」 梶尾真治
;エンターテイメント小説;2006年10月13日(金) 23時38分12秒

第9位;「予告探偵 西郷家の謎」 太田忠司
;推理小説;2006年10月23日(月) 20時46分16秒

第10位;「死日記」 桂望実
;エンターテイメント小説;2006年10月01日(日) 17時51分36秒

第11位;「そして名探偵は生まれた」 歌野晶午
;推理小説;2006年10月11日(水) 22時48分36秒

第12位;「神狩り2 リッパー」 山田正紀
;エンターテイメント小説;2006年10月10日(火) 21時26分20秒

第13位;「エンド・ゲーム」 恩田陸
;エンターテイメント小説;2006年10月04日(水) 02時21分55秒

第14位;「インディゴの夜」 加藤実秋
;エンターテイメント小説;2006年10月17日(火) 00時21分38秒

第15位;「風林火山」 井上靖
;歴史小説;2006年10月25日(水) 22時05分49秒

第16位;「文章探偵」 草上仁
;推理小説;2006年10月22日(日) 21時27分43秒
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2006年10月28日(土) 21時24分45秒

2006/10/28に借りた本

テーマ:読前感想

今日は良い天気でした。
気温も20度強くらいで大変過ごしやすいですよね。
そんな勢いもあって、9冊を借り出してみました。

題名
扉は閉ざされたまま
読了可能性
★★★★☆
出版元
祥伝社ノンノベル
初版刊行年月
2005/05
著者/編者
石持浅海
読前感想
予約本です。06年このミスの2位受賞作です。で、予約してみました。意外に早く借り出せてしまいましたね。石持氏、前回に続いての借り出しです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10019187800.html

題名
砂楼に登りし者たち
読了可能性
★★★★☆
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2005/04
著者/編者
獅子宮敏彦
読前感想
予約本その2です。地味に追い続けている「ミステリフロンティア」レーベルの第14回配本作品です。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10019187697.html

題名
少女には向かない職業
読了可能性
★★★★☆
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2005/09
著者/編者
桜庭一樹
読前感想
予約本その3です。上記と同様に「ミステリフロンティアレーベル」第19回配本作品です。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10019240567.html

題名
ワーホリ任侠伝
読了可能性
★★★★☆
出版元
講談社
初版刊行年月
2006/10
著者/編者
ヴァシィ章絵
読前感想
新刊本コーナーから借り出してみました。本帯に「本年度最強の新人」と銘打たれております。第1回小説現代長編新人賞受賞作ということです。楽しみですね。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10019350390.html

題名
新・異世界分岐点
読了可能性
★★★★☆
出版元
出版芸術社
初版刊行年月
2006/09
著者/編者
眉村卓
読前感想
新刊本コーナーから借り出してみました。の2です。完全に勢いで借りてみました。まったく前提知識は御座いません。こういうのが借り出しの楽しみだったりします。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10019726177.html

題名
出られない五人
読了可能性
★★★☆☆
出版元
祥伝社ノンノベル
初版刊行年月
2006/09
著者/編者
蒼井上鷹
読前感想
新刊本コーナーから借り出してみました。の3です。これまたまったくの知識なし。ノベルズ版なので通勤用に借り出してみました。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10019514650.html

題名
斎藤家の核弾頭
読了可能性
★★★☆☆
出版元
朝日新聞社
初版刊行年月
1997/01
著者/編者
篠田節子
読前感想
タイトルで借りちゃいました。どうやら近未来パニック小説とのことのようです。良さそうな感じがします。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10019404072.html

題名
謀将山本勘助 上
読了可能性
★★★☆☆
出版元
新人物往来社
初版刊行年月
1998/03
著者/編者
南原幹雄
読前感想
前回、ミーハーにも来年の大河ドラマ「風林火山」の原作本を借り出してみましたが、ちょっと山本勘助に対して消化不良なところもあって、別の本を借り出してみました。南原氏の「歴史人物シリーズ」は書評前に結構借りていました。「知る」ということを優先するにはもってこいの著者作品と思っています。
読後感想リンク


題名
謀将山本勘助 下
読了可能性
★★★☆☆
出版元
新人物往来社
初版刊行年月
1998/03
著者/編者
南原幹雄
読前感想
上巻があれば下巻があります。ということであわせて借り出してみました。
読後感想リンク


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2006年10月27日(金) 01時25分10秒

「はなうた日和」 山本幸久 2006-142

テーマ:--山本幸久
極めて個人的に「密かな小ブーム」となっております、山本氏。
「はたうた日和」読了いたしました。

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山本 幸久
はなうた日和
出版元
集英社
初版刊行年月
2005/07
著者/編者
山本幸久
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
こどももおとなも人生はハプニングづくし。東京・世田谷線沿線を舞台に描く、ささやかな変化と希望の物語8編。『笑う招き猫』の著者による、待望の小説すばる新人賞受賞後第一作。 <<Amazonより抜粋>>



世田谷線沿線の短編が8編所収されています。

それぞれの物語の共通点は「普通の生活にちょっとした出来事が起こる→結末の手前で終わる」といった感じです。

そういった意味では収束しきれない物語となり、この書評でやや蔑視の印象で用いられる「雰囲気小説(雰囲気を味わうという目的の小説で、どうにもすっきりしない小説群のことです)」と類似な印象もありますが、これはこれで良いという感じなのです。
というのも、雰囲気小説たる所以は、「ちょっとしたことすら起こらない」ということであり、結果として「結末も何もない」というなのであって、そんな意味でも「ちょっとしたことが起こる」という点が違い、結果的には(まぁ、そんなにはっきり収束しなくっても良いかもね)と思うということです。
「振幅の問題」ってことですね。

本作の注目すべきポイントは2つ。

1つは、8編の物語の主人公が、まったく違うキャラクタであるということ。
あらすじにもあるとおり、「こどももおとなも」どころか、不倫をしていた女・定年間際のベテラン社員・離婚した主婦・堪え性のない若者・30歳のグラビアアイドル・冴えない営業マン・老婆と、ありとあらゆるキャラクタを描いています。
で、個人的には、ちょっとだけ「短編小説集冥利につきる作品」だと個人的に思ってしまうわけです。

もう1つが、それぞれの短編が地続きであるという点。
「森林開発研究室」とか、「超絶戦士キャストロフィン」とか、「世田谷もなか」とか「散歩代行のイチニサンポ」とか「狸の置物がある小料理屋」とか、2つ以上の短編でちょこっとずつ登場したりします。
このあたりは読んでいただいてちょっとだけ「にんまりする」といった効果あります。
世田谷線沿線という共通の環境に物語をおくことで、決して連作ではないものの、こういった「小技」が見られるといった趣向です。
洒落たことを言えば、この「世田谷線沿線の風景」そのものが、本作品の本当の主人公だったりするわけです。
(ちなみに、これまたちょっとだけ登場する「未名未コーポレーション」は同著の別作品である「凸凹デイズ」との連携だったりします。)

このあたりの注目ポイントは個人的な嗜好(というか偏愛)の世界なので、同意していただくでもありませんが、ちょこっとだけ普段の短編小説集よりお得な感じがするんですよね。

総じてタイトルの「はなうた日和」の通り、ちょこっとだけ幸せになるような作品でした。

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2006年10月25日(水) 22時05分49秒

「風林火山」 井上靖 2006-141

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
たまになのですが、無性に時代小説を読みたくなったりします。
ということで、2007年の大河ドラマ「風林火山」の原作である、井上靖著「風林火山」読了しました。
大河ドラマ放送を意図して新装の単行本です。

意外にミーハーな私です。

amazonリンク

井上 靖
風林火山
出版元
新潮社
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
井上靖
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
「いかにも、武田の軍師、山本勘助」己が生命を絶たんとする切っ先を突きつけられても、その男は堂々と自らを名乗った―信玄への仇討ちを誓う由布姫と、姫への思慕を胸に川中島の決戦に散りゆく山本勘助。夢半ばにして歴史から過ぎ去っていった人々の果敢な後姿を、華麗な筆致で描いた井上文学の金字塔。<<Amazonより抜粋>>



主人公の山本勘助が仕官して戦死するまでの物語です。

読み終わるまで、なんとなくこの人物を後藤又兵衛 と勘違いをしていており、「大坂夏の陣」まで活躍しちゃうねと思っておりました。(勉強不足といたく反省)
そしたらあっさり逝ってしまいます。
没年1561年といえば織田信長が台頭するきっかけとなった「桶狭間の戦い」の1年前ということで、一般的にいわれる戦国時代のピークよりは早い時代の話なんです。

ということで読み終わったときの率直な感想は、「これで(大河ドラマの)1年持つのかいな?」というあらぬ心配でした。
もっと余計な期待感でいえば「脚本家の魅せ方の勝負よね」ということです。
(3年前の「新選組!」も、史実としてはあっという間の物語ですが、三谷幸喜氏の辣腕で、とても良い作品になりましたよね)


閑話休題


本書の印象は、よくある戦国記より地味といえば地味
言葉をよくすれば「等身大の生き様」そのものだったりするのかなと思います。
山本勘助という男を通じて、戦国の世が俯瞰的に見えたりするかといえば、決してそういうわけでもなく、どちらかといえば「山本勘助個人の心配事」が語られていきます。

やれ「まぁ主君の武田信玄は、女が好きで困ったものだ」とか、
やれ「武田信玄の正妻の息子は生意気で嫌いだ(その後、成長した息子との邂逅により改心)」とか。
どんな時代でも、心配事ってのはそういったものだということを知るわけです。(なんだそりゃ?)

本書の盛り上がるのは、由布姫の死を悲しむ箇所なのですが、来年の大河ドラマで、どのようなシーンとなるかが見ものですね。

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2006年10月24日(火) 20時58分32秒

「顔のない敵」 石持浅海 2006-140

テーマ:--石持浅海
最近、石持氏の作品を読んでおります。
「顔のない敵」読了しました。
初の短編集ですかね。
著者には、短編を書くという印象はありませんでしたが、それなりに楽しめました。

amazonリンク

石持 浅海
顔のない敵
出版元
光文社カッパノベルズ
初版刊行年月
2006/08
著者/編者
石持浅海
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
1993年、夏。カンボジア。NGOのスタッフたちが地雷除去を続ける中、突然の地雷の爆発音が轟いた。これは、純然たる事故なのか? 表題作を含め、「対人地雷」をテーマにしたミステリー6編と、処女作短編を収録。<<Amazonより抜粋>>



石持氏の短編集で、「対人地雷」をテーマにした作品5編とデビュー作1編の計6編が所収されております。

「対人地雷」という難しい題材を、色々な形で小説の中に取り込んでおります。
これは石持氏自身の素晴らしい構成力の賜物です。

デビュー作を除く、この5編を、純粋に推理小説と読むか、一貫した「対人地雷」、もしくは「対人地雷」に関わる人々の物語と読むかによって評価が変わるのですが、私自身は後者の印象が強く、そのような意味では、非常によくできた作品です。
ついでに言ってしまえば、後者のような感覚で読み進め、プラスアルファの要素として「推理」があると考えると、なんだかお得な感じがしますね。

また、この5編は、物語並び順とその時系列は、バラバラなのですが、登場人物に関連性があり、風変わりな連作短編とも読み取れます。
例えば、1編目の「地雷源突破」で、デモストレーション中に爆死してしまったサイモンは、5編目の「銃声ではなく、音楽を」で、再登場(時系列としては逆順)しますし、その他にも連携しております。
短編が、「地続き」となっていることを印象付けることによって、短編以上の世界の広がりを感じることができたことは、とても好感触でした。
(個人的にこの「地続き連作短編」手法は、好きなのです)

ただ、惜しかったのは、それぞれの作品で起こる殺人に関して、犯人が、ほとんどが法的な処置がとられないまま収束してしまっている点。
単に犯人が捕まる(法的な処置がとられる)といった展開を、期待しているわけではありませんが、どうにも、もやもやとしたものが残ってしまいました。

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2006年10月23日(月) 20時46分16秒

「予告探偵 西郷家の謎」 太田忠司 2006-139

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
たぶんお初にお目にかかる太田氏の「予告探偵 西郷家の謎」を読了しました。
古き良き本格ミステリの匂いのする作品で、好感触。
ただ、ラストのサプライズは、心を広くして読まないと、虚脱感に襲われます。

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太田 忠司
予告探偵―西郷家の謎
出版元
中央公論Cノベルズ
初版刊行年月
2005/12
著者/編者
太田忠司
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
大戦の傷跡をまだ深く残しつつも、人々が希望を胸に復興をとげてゆく時代―一九五〇年の十二月。それは三百年以上続く由緒ある旧家、西郷家に届いた一通の手紙から始まった。便箋に書かれた“すべての事件の謎は我が解く”の一文。その意味する「謎」とは?壮麗な旧家の屋敷を舞台に繰り広げられるおぞましき人間関係、次々と起こる奇怪な事件。はたして犯人の正体は?そして、その目的は一体何なのか…!?本格推理の名手が“難攻不落のトリック”をひっさげて読者に挑む、新しいエンターテインメント意欲作。<<Amazonより抜粋>>


摩神尊という名を持つ「予告探偵」が、ある富豪の館で起きる事件を予告通り解決するという話です。
摩神の傍らには、「御手洗潔の石岡」、「中禅寺秋彦の関口」というべき、ワトソン役として物書きの木塚東吾がおり、さながら定石どおり、古き良き推理小説の流れなのです。

聡明で高飛車な摩神と、言いたい時に大事なことが言い出せない木塚のコンビに、本能的に喜んでしまいました。

果たして事件は起きてしまうわけですが、この予告探偵、予告した時刻まで謎を解くことはしません。
そして、極めて論理的に、アリバイトリックの謎を解き、事件は解決します。
また、予告できるんだったら未然に事件を防げばよいのにという読者の疑問にも、それなりに答えてはくれます。
まったくもって予定調和な推理小説であり、これはこれで良いものなのです。

で、なんだかキャラクター的にも続編を期待したりしつつ、好意的に読み進めてきましたが、終章前辺りからきな臭くなってまります。

そして、事件とはまったく関係のない、とんでもない仕掛けが隠されていたわけです。

これはとんでもないです。

これ以上書いてしまうと、ネタバレになってしまうのですが、率直な感想は「もったいない」です。
わざわざ、そう持っていかなくても十分楽しめた作品だったのに、ちょっと色気が出ちゃいましたって感じですかね。

前述の通り、心を広くもって、本書を読み進めていただければ、この驚きは、賞賛に値します。
ただし、どっぷり小説世界にはまり込むと、相当の虚脱感があったのも事実です。

いろいろな意味で、定石どおりの推理小説が好きな方には是非手にとってもらいたい作品でございます。

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2006年10月22日(日) 21時27分43秒

「文章探偵」 草上仁 2006-138

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
ハヤカワ・ミステリワールドシリーズの作品です。
そういえば、あまりこのシリーズは攻めていませんね。

ということで(どういうことかは分りませんが)、草上氏の「文章探偵」読了しました。
・・・う~ん、どうでしょね・・・

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草上 仁
文章探偵
出版元
早川書房
初版刊行年月
2006/05
著者/編者
草上仁
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
中堅ミステリ作家・左創作は、文章からそれを書いた人間をプロファイルする文章探偵である。彼は、審査を務める新人賞に応募された作品の中に、自分が講師をしている創作講座の生徒のものらしき作品を発見する。しかしその作品内容に酷似した殺人事件が起こり、左は文章プロファイリングを開始する。真実を述べているのは誰なのか?<<Amazonより抜粋>>


タイトルからは想像しなかったストーリ展開です。
主人公の中堅ミステリ作家である左創作の一人称で物語が進みます。

この左は、「ザ・ノベル講座」という講座の講師をしているのですが、その中で受講生の誰が書いたか分らない作品から、癖を読み取り、作者(受講生)を当てるという「技」を見せます。

例えば「専門用語を使用してる」とか、「誤字がローマ字入力によるものである」とか、「オノマトペを多用する」とか、そういった区から作者を当てるという「技」なのですが、ここで、いきなりの違和感を感じてしまいました。

正直、この「ザ・ノベル講座」と講義中というシチュエーションで、この「技」を見せる必然性のようなものがないんですね。
本人はプロファイリングといっていますが、あまり実利のないシチュエーションであり、(それがなんなの?)ってことです。

タイトルから想像していたのは、正しく事件解決をする「プロファイル」だったので、困っちゃいました。

物語は、受講生の謎の死があったり、その死の描写が応募されてきた小説に記述されていたり、左への脅迫があったりして、事件性帯びてきます。
が、素人探偵の左は、あくまでも「文章探偵」であって、徹底したプロファイリング(正しい意味ではなく、前述した「技」の方ですね)で、犯人探し
をするわけです。

・・・う~ん、どうでしょ・・・

結末も、ある程度、推理小説を読まれている方であれば、何となく中盤あたりに分ってしまいそうなものでした。

・・・

ま、言い方をかえれば、本書の謎ときのツールとなる「技」自体は、面白い題材だと思いましたが、やっぱり、シチュエーションとの違和感が相当あったので、とてももったいないと思いました。

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2006年10月21日(土) 00時51分25秒

「空中ブランコ」 奥田英朗 2006-137

テーマ:--奥田英朗
奥田氏の「空中ブランコ」読了しました。
伊良部の”良さ”ってのに気がつき始めました。

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奥田 英朗
空中ブランコ
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2004/04
著者/編者
奥田英朗
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。ここはどこ?なんでこうなるの?怪作『イン・ザ・プール』から二年。トンデモ精神科医・伊良部が再び暴れ出す。<<Amazonより抜粋>>



正直、ついこの間読んだ「イン・ザ・プール 」では、あまり気に入らなかったのですね、伊良部。
なんていうか、やっぱり”患者の悩み”ってのが先にあって、それを真摯に対峙するべき医者という立場でありながら、(あまりにもふざけすぎているなぁ)といった印象を持っていたのです。

この「空中ブランコ」は、そんな伊良部な話が5編収録されております。

で、この5編を通じて、今度は伊良部が羨ましくなってきました。
前作でも行動が先んじる「ただの好奇心医者」の伊良部ですが、本作ではその辺りに拍車がかかります。
あまりにも自由奔放で、子供のような振る舞いばかりする伊良部。
そんな伊良部の姿が、患者の心を癒していくという「伊良部そのものがヒーリング」という構図なのだということです。

患者の悩みを、ストレートに治療するのでなく、共に楽しみ、結果救済してしまうというストーリ展開を、嫌味なく読むことができました。(ま、こちらが読み慣れてきたってのも当然あるとは思いますけどね)

5編の中で、オススメは「義父のヅラ」。
次々と実行される他愛のないいたずらの数々。
この衝動って、なんとなく共感できちゃいます。
楽しそうですよね。

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2006年10月17日(火) 00時21分38秒

「インディゴの夜」 加藤実秋 2006-136

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
この「流石奇屋~書評の間」では継続的に追い続けている東京創元社のミステリフロンティアレーベル。
そのミステリフロンティアレーベルの第12回配本の「インディゴの夜」、読了しました。
ちなみに本書所収で表題作の「インディゴの夜」は、第10回創元推理短編賞を受賞作品のようですね。

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加藤 実秋
インディゴの夜
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2005/02
著者/編者
加藤実秋
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」―すべては女性ライター・高原晶が、大手出版社の編集者・塩谷に漏らした何気ない一言から始まった。謎めいた美形の敏腕マネージャー・憂夜の助力を得て、二人は一風変わったホストクラブ“club indigo”を渋谷の片隅に開いたが、順調な経営とはうらはらに常連の客が殺され、店のナンバーワンに疑いがかかる。晶は個性豊かなホストの面々とともににわか探偵団を結成、真犯人捜しに奔走する!第十回創元推理短編賞受賞の表題作がシリーズ化。スタイリッシュでウイットあふれる新世代探偵小説、ここに登場。 <<Amazonより抜粋>>



表題作を含む4つの中編が所収されております。

個人的には、まったく経験外であまり近寄りたくない渋谷の夜の物語です。
喧騒とか軽いノリには、できる限り、出会いたくないという性格上、この手の話はあんまり好きではありません。(いきなりですみません)

読み終わって率直に思ったのは、とてもテレビドラマっぽい作品だということ。
「日本テレビで土曜日の夜9時からのドラマ枠」もしくは、「テレビ朝日で金曜の夜中にやっているドラマ枠」にとってもお似合いな感じを受けました。

4つの話それぞれが、一話完結であり、ちゃんとドラマ的にテンポの良い起承転結で、1時間あたりできっちり見せてくれるドラマになってくれるでしょう。
これからブレイクします的美男子たちをクラブ・インディゴのホストとして出演(これが最大のポイントだったりします)させ、ちょっとしたミステリ要素もあり、加えて”夜の街の怖さ”のようなものも醸し出して、教育上の配慮もしつつ・・・、(こりゃドラマ化するしかないな)と思ったものです。

ま、それだけ映像化されやすい描写だったりするわけですな。

で、小説自体の評価なのですが、ちゃんとしたミステリは表題作の「インディゴの夜」のみで、他の3作は、どちらかといえばキャラクターを押し出した作品になっています。

警察に向かって「この子(ホストの子)達の行動力を、甘く見るじゃない!!」と啖呵を切るオーナーが大奮闘!!って感じ
です。

「やれやれ」・・・

・・・たぶん、こういったのが好きな方は多いんじゃないかとも思います。
確かにそれなりに予約も待たされましたし。
ただ、個人的には、この雰囲気だけで引っ張っていくというのは、ちょっと辛かったです。

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2006年10月15日(日) 01時19分21秒

「少女は踊る暗い腹の中踊る」 岡崎隼人 2006-135

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
第34回メフィスト賞受賞作「少女は踊る暗い腹の中踊る」読了しました。
なんだか久しぶりのメフィスト賞受賞作です。

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岡崎 隼人
少女は踊る暗い腹の中踊る
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/06
著者/編者
岡崎隼人
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
連続乳児誘拐事件に震撼する岡山市内で、コインランドリー管理の仕事をしながら、無為な日々を消化する北原結平・19歳。自らが犯した過去の“罪”に囚われ続け、後悔に塗れていた。だが、深夜のコンビニで出会ったセーラー服の少女・蒼以によって、孤独な日常が一変する。正体不明のシリアルキラー“ウサガワ”の出現。過去の出来事のフラッシュバック。暴走する感情。溢れ出す抑圧。一連の事件の奥に潜む更なる闇。結平も蒼以もあなたも、もう後戻りはできない!!第34回メフィスト賞受賞!子供たちのダークサイドを抉る青春ノワールの進化型デビュー。 <<Amazonより抜粋>>


北原結平の一人称で物語が進行していきます。
一人称のルールの一つに「語り手自身の過去の秘密をわざわざ露見しなくても良い」というものがありますが、まさに謎に包まれた登場人物であり、そんな謎がまったく開示されないまま、謎の出来事がいろいろと起き、結平自身の謎も徐々に語られつつ、謎解きのようなものもあり、それなりに結末を迎えるといった感じです。

で、読了直後の率直な感想は、「これは、舞城王太郎氏の物語を、普通の文体で描いたもののようだ。」というものでした。

佐藤友哉氏やら浦賀和宏氏やら、要するに内的ノワール系の作家さんはそれなりに多く、それなりに飽和なカテゴリーと個人的に思っていたのですが、(そうですか・・・ど真ん中にきちゃいましたか)といった感じですね。
ま、これからそのカテゴリの中でどれだけ個性を出すことができるかってところが勝負のような気がします。
個人的に嫌いな領域ではないので頑張ってもらいたいです。

この話は、誘拐されちゃう赤ちゃん以外、”100%まともな人”が登場しないし、主要な登場人物は、大体犯罪者なので、なんだか、もやもやしちゃう方もいると思います。
が、要するに極めて悪い・・・というか、この陰惨な物語の始まりを作ったのは、死んでしまった徳永銀蔵であり、そこから始まる徳永銀蔵以外の登場人物は全員、被害者であると思えば話が、それなりすっきりしちゃいます。

ということで、これも(*1)広い意味で”救済の物語”ということなのですね。

(*1)救済の物語という節は、これ以前に舞城王太郎氏の「暗闇の中で子供 」の感想で使用してます。
ただ、あちらは物語のテーマは救済でも、読み手にはまったく救済されない、それでいて圧倒的な文体でぐいぐい読ませちゃう作品なんですね。
あちらのほうが、一枚も二枚も上手ってことです。

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