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2006年05月31日(水) 23時59分59秒

2006年5月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』


◆今月のアクセスランキング
総合ランキング:
8635位/1122210人中(0.76%)前月からの比=-0.13%
ジャンルランキング:
155位/7089人中(2.18%)前月からの比=-0.29%


◆検索ワードTOP10
1 書評 7.8%
2 噂 3.9%
3 荻原浩 3.7%
4 感想 3.6%
5 伊坂幸太郎 2.3%
6 砂漠 1.9%
7 ネタバレ 1.8%
8 重力ピエロ 1.6%
9 荻原 1.3%
10 金城一紀 1.2%

◆2006年4月のランキング

さて、(多分初の)堂々15冊を読了した5月のランキングですが、悩んだ挙句、今月は2冊1位とします。
実は得点的には「陽気なギャングの・・・」が1位だったのですが、「サウスバウンド」も捨て難いってことです。


第1位;「サウスバウンド」 奥田英朗
;エンターテイメント小説;2006年05月05日(金) 21時19分07秒


奥田 英朗
サウス・バウンド

第1位;「陽気なギャングの日常と襲撃」 伊坂幸太郎
;エンターテイメント小説;2006年05月14日(日) 15時38分28秒


伊坂 幸太郎
陽気なギャングの日常と襲撃

第3位;「真夜中の五分前 side-B」 本多孝好
;エンターテイメント小説;2006年05月21日(日) 03時02分20秒


本多 孝好
真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B

第4位;「失はれる物語」 乙一
;エンターテイメント小説;2006年05月29日(月) 21時53分54秒

第5位;「真夜中の五分前 side-A」 本多孝好
;エンターテイメント小説;2006年05月19日(金) 00時15分16秒

第6位;「四日間の奇跡」 浅倉卓弥
;エンターテイメント小説;2006年05月27日(土) 01時24分47秒

第7位;「GOTH 僕の章」 乙一
;エンターテイメント小説;2006年05月28日(日) 21時03分22秒

第8位;「東京奇譚集」 村上春樹
;エンターテイメント小説;2006年05月03日(水) 11時13分21秒

第9位;「県庁の星」 桂望実
;エンターテイメント小説;2006年05月01日(月) 20時56分36秒

第10位;「スパイ大作戦」 室積光
;エンターテイメント小説;2006年05月11日(木) 22時01分17秒

第11位;「天才パイレーツ」 戸梶圭太
;エンターテイメント小説;2006年05月13日(土) 11時18分07秒

第12位;「いなかのせんきょ」 藤谷治
;エンターテイメント小説;2006年05月06日(土) 20時53分09秒

第13位;「消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿」 翔田寛
;推理小説;2006年05月18日(木) 21時23分40秒

第14位;「心の壁、愛の歌」 蓮見圭一
;エンターテイメント小説;2006年05月07日(日) 01時49分16秒

第15位;「自分の謎」 赤瀬川原平
;詩集;2006年05月07日(日) 01時48分30秒
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2006年05月29日(月) 21時53分54秒

「失はれる物語」 乙一 2006-067

テーマ:--乙一
立て続けに「乙一シリーズ」
角川スニーカー文庫に所収の5編に書き下ろし1編を加えた全6編の短編集です。
「GOTH」の猟奇的・浦賀的(というか安藤的?)からは、やや違った印象です。

いやいや、分っていましたけど、この作家さんは相当の筆致がありますですね。

amazonリンク

乙一
失はれる物語
出版元
角川書店
初版刊行年月
2003/11
著者/編者
乙一
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
大切な人とわかちあいたくなる、暖かい涙を誘うピュアストーリーズ。少年や少女だった日のひりひりするような魂を上質の文章力と定評あるストーリーテリングで描く乙一の傑作短編集。04年1月配信のBB映画「手を握る泥棒の物語」原作<<Web KADOKAWAより抜粋>>


なんというか、全体的に読みやすいです。
6つの短編それぞれカラーが違うんですけど、すんなり読めちゃいますね。
”すんなり読めちゃった”ということで、それぞれの物語をあっさり解説。

「Calling You」
頭の中に携帯電話が生まれて、時間のずれた人と会話ができちゃう物語。
ラストはちょっとしたサプライズがあったりして、なかなか凝った展開です。

「失はれる物語」
後述します

「傷」
人の傷を吸収できる子供の物語。
あとがきにもありましたが、ラストは相当、恥ずかしい感じです。
ありといえばありですが。

「手を握る泥棒の物語」
ちょっとユーモラスな作品。
タイトルの通り「泥棒」の話なのですが、展開は「ローマの休日」風です。
読んでいただければこの微妙なニュアンスは伝わるものと思います。

「しあわせは子猫の形」
殺されてしまった元の住人との奇妙な生活です。
決して怖くなく、かえって暖かい作品です。
これは殺人の謎解き要素があって、いいですね。

「マリアの指」
飛び降り自殺として処理されたマリアを好きだった僕が、ふとしたことで、マリアの指を手にします。
これも謎解きがあります。
こちらの方が容疑者が複数いたりして、本格的でした。

と、あっさり解説できちゃうくらい、読み易い。
いいですね通勤にはもってこいでした。

で、タイトルでもある「失はれる物語」
これは、良いです。
この物語だけを、もうちょっと膨らませて単行本にしていたら、実は評価が上がっちゃったりするかもしれませんでした。
ただ、(文量としては、このくらいがちょうど良かったかも)とも思います。
いやいや、優柔不断ですね・・・

で、この物語は、事故で、植物人間となり、右腕の内側以外の感覚がなくなってしまった人視点の物語であり、永遠に暗闇の世界からの物語です。
妻と娘がいる主人公は、右腕の内側だけで外世界とのコミュニケーションを図るのですが、次第に、その感覚に違和感を感じ始めます。
その事実を理解し、主人公のとった行動とは・・・

なかなか、怖い作品であると同時に、”愛するものへの慈しみ”みたいなものを感じました。

ちょっと2006年後半は、「乙一」氏を追ってみましょうかね?

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2006年05月28日(日) 21時03分22秒

「GOTH 僕の章」 乙一 2006-066

テーマ:--乙一
ようやく読了です「GOTH 僕の章」。
ま、「GOTH 夜の章 」の読了が06年3月4日なので2ヶ月と半月くらい経っちゃいましたね。
これが、たまにある「図書館の借り出しマジック」だったりするわけですね。

ということで、まったく前作との「繋がりを思い出すこともなく読み始めて、だんだんと思い出す」といった特異な読み方をさせていただきました。

ちなみに「GOTH 夜の章」の感想はこちら→

amazonリンク

乙一
GOTH 僕の章
出版元
角川文庫
初版刊行年月
2002/07
著者/編者
乙一
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ―そう自覚する少年、「僕」。殺人鬼の足跡を辿り、その心に想像を巡らせる「GOTH」の本性を隠し、教室に潜んでいた「僕」だったが、あるとき級友の森野夜に見抜かれる。「その笑顔の作り方を私にも教えてくれない?」という言葉で。人形のような夜の貌と傷跡の刻まれた手首が「僕」の中の何かを呼び覚ます。彼女の秘密に忍び寄った彼が目撃するのは…。圧倒的存在感を放ちつつ如何なるジャンルにも着地しない乙一の、跳躍点というべき一作。「僕」に焦点した三篇を収録。<<Amazonより抜粋>>


読後感は、個人的に浦賀和宏氏の安藤シリーズを最初に読んだときのような感覚に近かったです。
これって、「夜の章」とまったく同じ。
そりゃそうですよね、同じ作品なんだし・・・
・・・夜の章の読後から2ヶ月後ってことで、まったく同じ感想をいってしまいました。
すみません。

「リストカット事件」「土」「声」という3つの中編が所収されています。
いずれも「僕」と「森野夜」という固定キャラクターの周りで起こる猟奇的な物語です。
とはいえ、そこは「僕の章」ってことで、「森野夜」はあまり活躍いたしません。
というか、ほとんど声を発していません。

作品として印象的だったのは、「土」です。
この話は、どうしても人を土の中に埋めたくなってしまう人の話なのですが、実行に至る心理描写が絶妙だったのと、想定しうる、最も救われない終わり方ってところですね。
この「GOTH」は一貫して、死への興味と対称にある生への執着みたいなところが見え隠れする作品群だったのですが、この「土」の終わり方は、相当「あちらの世界」の終わり方でございました。
この一編の終わり方があって、作品世界の広がりが出てきたって感じです。
(正直、やられた!)って感じでした。

残りの2編も、思い切り殺人鬼(という言葉が正確かどうか不明ですが)の心理とそれを興味の対象としか扱えない「心の所在なき僕」の対峙がメインであり、どんな作品カテゴリにも入りませんが、きっちり作品全体としてカテゴライズされておりました。

注目の作家さんですね。

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2006年05月27日(土) 01時24分47秒

「四日間の奇跡」 浅倉卓弥 2006-065

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】

映画化 もされた「四日間の奇跡」。
すみません。まったく知りませんでした。
この本を借り出した理由は「第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作」だったってことですが、見事に良い意味で裏切られました。

amazonリンク

浅倉 卓弥
四日間の奇蹟
出版元
宝島社文庫
初版刊行年月
2004/01
著者/編者
浅倉卓弥
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:5点 
読了感:4点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作として、「描写力抜群、正統派の魅力」「新人離れしたうまさが光る!」「張り巡らされた伏線がラストで感動へと結実する」「ここ十年の新人賞ベスト1」と絶賛された感涙のベストセラーを待望の文庫化。脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>


ミステリというよりは、ファンタジーなわけです。

タイトルの通り、中盤に「奇跡」が起こります。
正直に言ってしまえば、そんな奇跡もそれが起きてから以降も、ファンタジーとしては、「ありきたり」な展開なのですが、ストーリが5点という高得点なのは、物語の終わり方にあったりします。
決して、登場人物全員が、幸せになるわけではありませんが、それでもあの状況においては最大級の救われ方をしています。

それから、診療所というシチュエーションや、著者の才能と呼べるべき筆致もあり、終始和やかな雰囲気に包まれて物語が進んでいく辺りは、良いな~と思いました。

ただ、今一歩点数がよろしくなかったのは、前半の冗長感にあります。
これが著者のこだわりだったこと(と解説者が解説しているの)をあとがきで知りましたが、状況説明がやや長かったように思います。
これが、圧倒的にぐいぐい度を弱めてしまいました。

また、前半にある岩村真理子の「話し好きの話し過ぎ」と如月敬輔の「聞き下手」の会話には、疲弊してしまったのも事実です。
もちろん、せっぱつまってからの二人の会話は、す~っと心に響いてきたんですけどね。

ということで、総じてストーリーは良かったのですが、前半は惜しかった
ということです。

もちろん好みは人それぞれなので、一読いただいても損をする作品ではありません。
「奇跡」が起こる中盤以降は相当のぐいぐいですので、そこまで我慢いただければ良いと思います。

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2006年05月22日(月) 20時56分58秒

WOWOWで「チルドレン」

テーマ:ブログ

本読みのしがない書評ブログなわけですが、これは触れておきましょう。

昨日観ましたよ「チルドレン 」!!

こちらの書評 で大絶賛であり、第1回流石奇屋「本の大賞」で見事「主演男優賞」を獲得 した陣内を軸とした伊坂作品の映像化です。

ストーリーは、多少脚色されておりましたが、十分「The破天荒」陣内節炸裂!!でございました。
ちゃんと書評でもご紹介した、飲み屋でのシーンがあってよかったです。

ちなみにご覧になっていない方は、以下ネタバレなので要注意。




・・・



■物語自体は、小説内の「バンク」→「チルドレン」といった展開で、残念ながらバンクでの友人「鴨居」が後輩「武藤」に変わっています。
■それから、盲目の美少年「永瀬」も冒頭のバンクのシーンと何故かエンディングロールでの登場のみ。
■永瀬の彼女である「優子」も登場しません。
■変わりに万引きを見逃す本屋の娘「美晴」が登場します。
■ということで、小説は「陣内」を軸に「チルドレン」という章が所収されている感じですが、ドラマは、その中の「チルドレン」を映像化したので、内容自体も、救われない少年達=「チルドレン」って感じのドラマ内容です。
■ま、でも、あんな感じで、一話完結のドラマがあったらいいですね。

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2006年05月22日(月) 20時03分09秒

2005/05/21に借りた本

テーマ:読前感想
6月の特別館内整理期間のため、貸し出し延長されております。
ということで、大量9冊の借り出しです。
とはいえ、そのうち2冊は旅のガイド本なんですけどね。

題名
GOTH 僕の章
読了可能性
★★★★☆
出版元
角川文庫
初版刊行年月
2002/07
著者/編者
乙一
読前感想
予約本。「夜の章」の借り出しが2月末ということで、すっかり忘れてしまいました。でも文庫化されて、2分冊になって、同時に予約したのに借り出し時期が3ヶ月ずれるってどういうことでしょうね。たぶん延長しまくった輩がいらっしゃったのでしょうね。まったく・・・
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10012938141.html

題名
KAIKETSU! 赤頭巾侍
読了可能性
★★★★☆
出版元
徳間書店
初版刊行年月
2006/02
著者/編者
鯨統一郎
読前感想
新刊コーナーにございました。週刊ジャンプの単行本のような表紙で御座います。いろんな作風を出している著者の比較的新しい作品ですね。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10013470961.html

題名
失はれる物語
読了可能性
★★★★☆
出版元
角川書店
初版刊行年月
2003/11
著者/編者
乙一
読前感想
図書館の書棚中央あたりにひっそりとある「ここにある本は、返してもらったので、他の図書館へ行きますよ~という棚」。「元々他の図書館の本で、予約されたり返却だけに使われたりして、一旦、そこの図書館に来てしまった本たちが、自分の故郷へ戻るために用意された棚」。で、長いですけど、結構掘り出し物があったりします。ということでそんな「他館所持コーナー」に鎮座してた、本作でございます。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10012971545.html

題名
ALWAYS 三丁目の夕日
読了可能性
★★★☆☆
出版元
小学館文庫
初版刊行年月
2005/11
著者/編者
山本甲士
読前感想
これも「他館所持コーナー」にございました。もうすぐDVDも発売される「ALWAYS」の小説版って奴ですね。ね、意外に掘り出し物があるでしょ、「他館所持本」。予約本クラスの本があったりして、これから、注目しちゃいます。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10013112526.html

題名
ALONE TOGETHER
読了可能性
★★★☆☆
出版元
双葉社
初版刊行年月
2000/10
著者/編者
本田孝好
読前感想
前回の借り出しだった「真夜中の五分前」が、意外に良かったので、借り出してみました。こうやって気軽に作者カテゴリを増やしていくってのが図書館での喜びの一つだったりしますね
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10013048361.html

題名
ドスコイ警備保障
読了可能性
★★★☆☆
出版元
角川書店
初版刊行年月
2003/07
著者/編者
室積光
読前感想
これまた最近借り出しブームとなっている室積氏。まだまだ「伊坂」「荻原」ラインには届きませんが、こうやって著者単位で読み続けると、読後感想に著者別特集が組まれるということでございます。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10013308061.html

題名
四日間の奇跡
読了可能性
★★★★☆
出版元
宝島社文庫
初版刊行年月
2004/01
著者/編者
浅倉卓弥
読前感想
読書中だったということで、前回からの引き続きで借り出してみました。サヴァン症候群の女の子の話のようですね。
読後感想リンク


題名
るるぶ 十勝帯広
読了可能性
★★☆☆☆
出版元
JTB
初版刊行年月
2002/01
著者/編者
JTB
読前感想
前回辺りから、旅行先について模索中のためこのような旅ガイド本を借り出してますが、もう場所は「北海道・道央」と決まって、予約も終了しております。ということで、観光地探しに借り出してみました。
読後感想リンク


題名
ブルーガイドニッポン3 富良野・釧路・知床
読了可能性
★★☆☆☆
出版元
実業之日本社
初版刊行年月
2002/03
著者/編者
ブルーガイド編集部
読前感想
上のるるぶと同様、やや重複感ありますが、同じような情報を得ようと思い借りて見ました。
読後感想リンク


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2006年05月21日(日) 03時02分20秒

「真夜中の五分前 side-B」 本多孝好 2006-064

テーマ:--本多孝好
ということで、Side-A に引き続き、Side-Bでございます。
Side-Aからの展開上、
(こりゃまったりするんだろうね。でもページ数も短いから、まぁいいね)
と思って見たりしてみましたが、いやいやちゃんと物語してました。

amazonリンク

本多 孝好
真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B
出版元
新潮社
初版刊行年月
2004/10
著者/編者
本田孝好
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
「砂漠で毛布を売らないか」IT企業の社長・野毛さんに誘われるまま会社を移った僕は、バイトと二人きりの職場で新しく働き始める。仕事は、客入りの悪い飲食店を生まれ変わらせること。単なる偶然か実力か、僕の仕事はすぐに軌道に乗り、業界では隠れた有名人となる。ある日、本当に久しぶりに尾崎さんから電話が入った。もう二度と会うまいと決めていたのに―。再会した尾崎さんは、「頼みがあるんだ」と、信じられない話を切りだした。<<Amazonより抜粋>>


「起承転結」ときっちり収束した(はずの)Side-Aから約2年後の物語。

相変わらずの「僕」キャラ満開ですが、開始早々に、この物語を大きく展開させる事実が知らされます。
決定的な出来事がSide-AからこのSide-Bまでの2年間の間に起こっていることを知らされてしまうわけです。
「起承転結」の後の「転結」がSide-Bでございます。
「雰囲気本」などと括ってしまったことを後悔するくらいの「転」でございました。

で、この2年後からの物語は、その決定的な出来事を通過した、僕を含めた登場人物がSide-Aのいくつかの伏線を持たせつつ、進行していきます。
本書は、ミステリでも何でもないのですが、この辺りの展開は、あえて「ネタバレ」にならないように伏せておきます。
いやいや、是非、お手にとって読んでみてください。
私は正直、この展開を想定しておりませんでした。
やっぱり「雰囲気本」などと、簡単に括ってしまったことを後悔するくらいの「展開」でございました。(2回目)

それでもって読了してみると、「あえてSide-AとSide-Bを分けた理由」とか「装丁のコントラストの違い」とかが理解してみちゃったりしたのでした。
ややネタバレ的な表現を使わせてもらうと、「あえてSide-AとSide-Bを分けた理由」なんてのは、結局のところ「僕」の周りには何も残らないのであって、実は、そのままレコードのように、もう一度Side-Aを読み始めても、良いような構成になっているなぁぁとか。

ただ、「僕」自身は大きく変化(これを「成長」といえるか否かは不明ですが)し、本当の意味で「喪失からの復活」を遂げていたりします。

ふむふむ、ちょっといい感じの本書でございました。

もし、お読みになる方がいらっしゃれば、是非、立て続けに「Side-A」「Side-B」をお読みください。

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2006年05月19日(金) 00時15分16秒

「真夜中の五分前 side-A」 本多孝好 2006-063

テーマ:--本多孝好
以前の記事 で「春樹チルドレン」と紹介された本多氏の作品。
Side-AとSide-Bを連続して読了しましたが、あえて別々に読後感想して見たいと思います。
いわゆる「雰囲気本」ではありますが、正統派の春樹チルドレン(なんだそりゃ?)って感じで、意外にも好感触でした。

amazonリンク
本多 孝好
真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A
出版元
新潮社
初版刊行年月
2004/10
著者/編者
本田孝好
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
小さな広告代理店に勤める僕は、大学生の頃に恋人・水穂を交通事故で失い、以来きちんとした恋愛が出来ないでいる。死んだ彼女は、常に時計を五分遅らせる癖があり、それに慣れていた僕は、今もなんとなく五分遅れの時計を使っていた。最近別れた彼女から、「あなたは五分ぶん狂っている」と言われたように、僕は社会や他人と、少しだけずれて生きているようだ。そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。「かすみ」と「ゆかり」は、子供の頃、親を騙すためによく入れ替わって遊んでいた。しかし、それを続けるうち、互いに互いの区別がつかなくなってしまったという。かすみは、双子であるが故の悩みと失恋の痛手を抱えてていることを、僕に打ち明ける。そんな「かすみ」を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋めあうように、僕とかすみは次第に親密になっていく――。<<Amazonより抜粋>>



語り手である「僕」の一人称で語られる物語です。
この「僕」ってのが、現代に生きる「村上春樹初期3部作(あるいは4部作)」の僕のようでした。

この「僕」に関しては、読み手の感想が両極端になるんじゃないかって思いました。
文中でも先輩から「俺はお前がきらいだ」って告白されちゃうくらいの「僕」であり、冷静でそつのない「僕」。
「好き」・「嫌い」という二極もあれば、「立派」・「かわいそう」っていう二極や、「えらい」・「えらくない」とかもありそうです。

ちなみに上の例で言えば、私自身は「好き」で「かわいそう」で「えらい」といったところでしょうか?

そういった意味で、ちゃんとキャラがしっかりしているという点で、まず、評価しちゃいます。

そんな「僕」の輪郭をはっきりさせる、いくつかのエピソードがあるのですが、特に「仕事ぶり」ってところは興味がありました。
直属の上司である「小金井さん」との関係などは、(これくらい、さっぱりできれば仕事もらくだね)と変に感心してしまったわけです。

メインストリームである一卵性双生児のかすみとの出会いからはじまる物語は、「僕」自身の「喪失と再生」がテーマであり、Side-Aでは一旦の帰結を見ることができます。

冷静でそつのない「僕」が吐露する、どうしようもない過去。
その過去からの呪縛を解き放たんとするカスミとのラストの掛け合いは、それなりにきっちり描けているように思いました。

そんなこんなで、このSide-Aを読了後、その2年後の物語とされているSide-Bを、すぐに読み始めたのは言うまでもありません。

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2006年05月18日(木) 21時23分40秒

「消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿」 翔田寛 2006-062

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
着々とミステリ・フロンティアレーベルを読破しております。
今回は第7回配本の「消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿」。
久しぶりに正統派ミステリという感じで、個人的には「懐かしい感じ」がいたしました。

・・・そういえば、ちゃんとしたミステリを読んでいないなぁと思う今日この頃。

amazonリンク

翔田 寛
消えた山高帽子 チャールズ・ワーグマンの事件簿

出版元
東京創元社
初版刊行年月
2004/06
著者/編者
翔田寛
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
西洋幽霊と日本の幽霊が連続して目撃された怪異。白装束を纏って剣を腹に突き立てていた吝嗇な英国人。歌舞伎役者を巻き込んだ山高帽子盗難の謎。鉄道開通に沸く観衆の中で叫び声を上げた女の悲しい過去。教会堂内で起きた密室状況下の怪死事件。―明治六年、横浜居留地に英国人名探偵、颯爽と登場。愛すべき医師ウィリスをワトスン役に、西洋と日本の文化が交錯する不可思議な事件の数々を鮮やかに解決へと導く新聞記者ワーグマンの活躍を描いた、小説推理新人賞受賞作家初の連作ミステリ。<<Amazonより抜粋>>



明治初頭の横浜が舞台です。いわゆる文明開化って奴ですね。
5つの中編からなる、正統ミステリでございます。

新聞記者であるワーグマンが、謎を解いていくといった極めて正統なストーリーなのですが、その構成にリズム感があります。

最終話を除くと、その構成は
Ⅰ事件が起こる→
Ⅱ事件の手がかりを知る→
Ⅲ(事件を解く)→
Ⅳその事件の真相が、新聞記事となる→
Ⅴ本当の真相を語る

で、このⅣとⅤってのが、流れを作っている訳です。
Ⅴがあるってことは、当然2種類の真相があるわけでして、また、Ⅳを記事としておかなけでばならなかった理由があるというわけです。
この辺りの構成が、物語に深みを与えていて、単なる謎解きとは一線を化した形となっているんじゃないかって思いました。

この手の手法はよくあるわけですが、中編を「とんとん」と読み進めるには、十分なリズムであり、そういった点でも興味深い作品(集)なのかもしれません。

「明治初頭」という時代背景も、うまく利用しておりますね。

ちょっとだけ残念だったのは、動機がピンと来なかったものが多かったという点
こればっかりは、読み手(私自身)の感性の問題だったりするのでしょうけど、もっとはっきりしていても良いのかなと思いました。

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2006年05月14日(日) 15時38分28秒

「陽気なギャングの日常と襲撃」 伊坂幸太郎 2006-061

テーマ:--伊坂幸太郎

もうお馴染みですけど、読前感想なき読後感想
すなわち、購入本でございます。

昨年12月に実施した、極めて個人的な2005年第1回「流石奇屋」本の大賞 「最優秀作品賞」受賞作であり、昨年7月に実施した、極めて個人的な「伊坂ランキング」 で、堂々3位をおさめ、そして何より、私が初めて出会った「伊坂本」である近日映画公開 で話題集中の「陽気なギャングが世界を回す」 の続編でございます。

・・・

前作の長い前フリも終わりまして、早速「日常と襲撃」を読了いたしました。
いやいや、やっぱりこの陽気な4人のことを愛している自分を再認識しました。

”おもしろかったです。キャラクターOK!。展開OK!。そして何より「会話」がOK!。”
とは、前作の書評でのコメントですが、加えて今回は、
”連鎖OK!!”ってことです。

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伊坂 幸太郎
陽気なギャングの日常と襲撃―長編サスペンス
出版元
祥伝社
初版刊行年月
2006/05
著者/編者
伊坂幸太郎
総評
25点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:5点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
人間嘘発見器成瀬(なるせ)が遭遇した刃物男騒動、演説の達人響野(きょうの)は「幻の女」を探し、正確無比な“体内時計”の持ち主雪子(ゆきこ)は謎の招待券(チケット)の真意を追う。そして天才スリの久遠(くおん)は殴打される中年男に――史上最強の天才強盗(ギャング)4人組が巻き込まれたバラバラな事件(トラブル)。だが、華麗なる銀行襲撃の裏に突如浮上した「社長令嬢誘拐事件」と奇妙な 連鎖を始め…。絶品のプロット、会話、伏線が織りなす軽快サスペンス! <<本背表紙より抜粋>>


■伊坂氏真骨頂の「連鎖」連発!!

本書のあとがきにもございますが、元々、本作は、4人の銀行強盗を中心に、毎回主人公を変えた短編だったようですが、刊行にあたって大きく改稿し、長編の一部としたようです。
よくよく思ってみれば、この”連鎖大作戦”(といって良いのでしょうか?)は、伊坂氏にとっては真骨頂であり、当然ながら、4つの短編らしきものと、後半の「社長令嬢誘拐事件」は、無駄なくきっちり連鎖しております。
「ラッシュライフ」で顕著に見せた、各々の物語をつなぐ、伏線の数々。
加えて、前作との連鎖も忘れず盛り込まれており、さながら、これは、緻密に仕組まれた「らくごの語」のような世界だったりします。
この辺り、決して推理小説ではないのですが、前作の読み手としては、「次は、どんな話と連鎖するんだろう」という物語の展開とは別の楽しみ方が得られるので、なんだかお得な感じがいたします。

■魅力はやっぱり「キャラ」ですかね

前作同様、テンポの良い軽快な会話や、4人の絶妙なバランス、それからちょっと抜けた悪役に、強烈なサブキャラ達。登場人物一人一人が、もれなく魅力的です。

■忘れてはならない「広辞苑」引用

各章の冒頭にある「広辞苑」引用。
これは、前作と同様ですが、パワーダウンしておりません。
私は特に「訪問」・「検討」・「念の為」・「人間」が気に入りました。

■実は、ちょっと強引な展開だったりするけども

ちょっと、物語の展開自体が、やや強引なところもありますが、その辺は、主人公達が、「陽気なギャング」という、言わば「元々、ルール違反な存在」なわけでして、許してしまいましょう。
その方が楽しめますしね。

■最後に、これをきっかけに伊坂本を読もうと思われている方々へ

きっと、前作も映画になったりして、読者が増えることとは思います。
映画化され、それぞれの配役が、固定のイメージとして読んでしまうのは、ご愛嬌とは思いますが、本書を読む前は、必ず原作「陽気なギャングが世界を回す」を読んでいただきたいと思います。
そして、「おぉぉ」と思った方は、その他伊坂氏作品にどっぷりはまっていただきたいと思います。

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