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2006年04月30日(日) 23時59分59秒

2006年4月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』


◆今月のアクセスランキング
総合ランキング:

9610位/1070262人中(0.89%)前月からの比=0.08%
ジャンルランキング:

171位/6919人中(2.47%)前月からの比=0.41%

◆検索ワードTOP10
1 書評 5.4%
2 伊坂幸太郎 3.1%
3 荻原浩 2.9%
4 噂 2.7%
5 砂漠 2.5%
6 ネタバレ 2.2%
7 感想 2.2%
8 イニシエーションラブ 1.8%
9 乾くるみ 1.5%
10 伊坂 1.5%

◆2006年4月のランキング

遂に「名作は月末に読まれる」というジンクスが破れました。
ま、「ジンクスは破られるためにある」って言葉もありますしね。
・・・ないか・・・
ということで、第1位は、3組の父子の物語を描いた「流星ワゴン」に決定です。

第1位;「流星ワゴン」 重松清
;エンターテイメント小説;2006年04月08日(土) 02時38分02秒

重松 清
流星ワゴン

第2位;「厭世フレーバー」 三羽省吾
;エンターテイメント小説;2006年04月19日(水) 02時03分16秒


三羽 省吾
厭世フレーバー

第3位;「フィード」 M.T.アンダーソン 金原瑞人・相山夏奏訳
;エンターテイメント小説;2006年04月16日(日) 08時28分04秒


M.T.アンダーソン, 金原 瑞人, 相山 夏奏
フィード

第4位;「蒲公英草紙 常野物語」 恩田陸
;エンターテイメント小説;2006年04月11日(火) 01時00分19秒

第5位;「今ここにいるぼくらは」 川端裕人
;エンターテイメント小説;2006年04月15日(土) 01時54分03秒

第6位;「小森課長の優雅な日々」 室積光
;エンターテイメント小説;2006年04月29日(土) 22時26分58秒

第7位;「百万の手」 畠中恵
;推理小説;2006年04月26日(水) 00時51分19秒

第8位;「宇宙で一番優しい惑星」 戸梶圭太
;エンターテイメント小説;2006年04月22日(土) 09時07分14秒

第9位;「Twelve Y.O.」 福井晴敏
;エンターテイメント小説;2006年04月02日(日) 08時15分21秒

第10位;「れんげ野原のまんなかで」 森谷明子
;推理小説;2006年04月13日(木) 01時25分04秒

第11位;「誰もわたしを倒せない」 伯方雪日
;推理小説;2006年04月28日(金) 19時03分58秒

第12位;「ナラタージュ」 島本理生
;エンターテイメント小説;2006年04月24日(月) 21時06分53秒

第13位;「日曜日たち」 吉田修一
;エンターテイメント小説;2006年04月05日(水) 01時17分56秒
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2006年04月29日(土) 22時26分58秒

「小森課長の優雅な日々」 室積光 2006-052

テーマ:--室積光
初期荻原作品(オロロあたり)テイストを期待していたら、ソフト”トカジ”でした。
これはこれで、良いのです。
良心の呵責ってのも感じつつ、爽快な感じもあり。
いやいや人って怖いものですね。

amazonリンク
室積 光
小森課長の優雅な日々
出版元
双葉社
初版刊行年月
2004/07
著者/編者
室積光
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
不眠不休で働いて、金はたまらずストレスたまり、行きつく先は家庭不和。こうなったのは部下のせい。だから奴らをコロしたい。「お前ら、みんな死刑!」 『小説推理』連載「シリアル・パパ」を改題して単行本化。 <<Amazonより抜粋>>

何事にも疲れきったサラリーマンの小森正一(40歳)が、通勤の電車であう「ロバ女」に嫌悪感を抱き、心のギアを入れた瞬間からその後の人生が変わります。

少しずつ人を不幸にしていくような人間(途中から「ニンゲンモドキ」と表現)を殺し続けていく。
ギリギリの表現でいえば「現代版必殺仕事人」。

読み手は大きく二つに分れるように思います。

一つは、「そうはいっても、殺しちゃまずいでしょう」という正義派と、
「いやいや、こういう奴らは殺さなきゃだめでしょう」という正義派。

そう、この二つは両方とも「正義」という枠に入ってしまうわけです。

様々なニンゲンモドキが小森課長の前に現れ、それをじゃんじゃん殺していきます。
で、このニンゲンモドキが、みんなそれぞれ徹底的に嫌な奴であり、特に同じ会社に勤める「辻」のくだりは、(ま、こういう人が近くにいたら、殺しはしないものの、近い状態までには陥れるだろうな)と思うほどで、なかなかの爽快感でした。で、そんな自分にちょっと恐怖してしまったりしちゃうわけです。

中盤以降は、意外な展開が待っています。
小森に同調する仲間達が現れ、小森自体がその中で尊敬の対象となっていきます。
そんな状態に悩み続ける小森ですが、それを救ったのは・・・

よく「この本読んで、スカッとしようぜ」的な宣伝文句がありますが、本書は、それに類するものです。
ただ、別の正義(というか一般的には臆病)が、『この本を、諸手を挙げて、簡単に推薦しても良いのだろうか・・・』と。

・・・ということで、未読の方は、是非一読いただき、本人の責任の中で、きっちり消化ください。
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2006年04月29日(土) 22時04分39秒

2006/04/29に借りた本

テーマ:読前感想
ということで、ゴールデンウィークですね。

今回の借り出しは「待ちに待った予約本シリーズ」でした。
たまにこんなタイミングもあるものです。

ゴールデンウィークには持って来いの展開ですね。
ありがたや。

題名
県庁の星
読了可能性
★★★★☆
出版元
小学館
初版刊行年月
2005/09
著者/編者
桂望実
読前感想
予約本だいぶ待ちました。待ちすぎて映画上映も終わってしまいました。意外に薄いですね。さくっと読めそうです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10011958133.html

題名
東京奇譚集
読了可能性
★★★★☆
出版元
新潮社
初版刊行年月
2005/09
著者/編者
村上春樹
読前感想
これも予約本で、だいぶ待ちました。実は予約本を置いておいてくれる日を超えていましたが、何故か貸してくれました。予想外だったので、ビックリしてしまいました。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10011993113.html

題名
サウスバウンド
読了可能性
★★★★☆
出版元
角川書店
初版刊行年月
2005/07
著者/編者
奥田英朗
読前感想
これまた予約本これもだいぶ待ちましたね。こちらは意外に厚くてビックリです。沖縄の物語のようです。これ読んでまた沖縄行きたくなったりしないか心配です。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10012046736.html

題名
いなかのせんきょ
読了可能性
★★★☆☆
出版元
祥伝社
初版刊行年月
2005/12
著者/編者
藤谷治
読前感想
新刊本コーナーにありました。特に意識せずに借りたのですが、本を開けると、上1/3が空白になっていて、そこに横書きで章タイトルが書かれているといった「本のスタイル」が気に入りました。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10012160592.html

題名
心の壁、愛の歌
読了可能性
★★★☆☆
出版元
角川書店
初版刊行年月
2005/06
著者/編者
蓮見圭一
読前感想
これまた新刊本コーナーにありました。”全国の本屋さんの間で広がる感動の声”と帯にあったので借りてみました。本屋さんがおすすめするという最近の傾向に、なんの思想もなく便乗する私です。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10012160730.html

題名
自分の謎
読了可能性
★★★☆☆
出版元
毎日新聞社
初版刊行年月
2005/11
著者/編者
赤瀬川原平
読前感想
短い本が借りたいなと思ったら、大人の絵本というのがありましたので借りてみました。あっという間に読んでしまいます。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10012160660.html

題名
小森課長の優雅な日々
読了可能性
★★☆☆☆
出版元
双葉社
初版刊行年月
2004/07
著者/編者
室積光
読前感想
実は、読み終わっているのですが、読了が本を返す直前だったので「読後感想」用に借り出してみたということです。
読後感想リンク


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2006年04月28日(金) 19時03分58秒

「誰もわたしを倒せない」 伯方雪日 2006-051

テーマ:★読後感想:作家別【な・は行】
続けてまいります。ミステリフロンティア第5回配本の「誰も私を倒せない」。
他のミステリフロンティアより薄いです。
内容は、「プロレス」業界をモチーフにしたミステリでございます。

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伯方 雪日
誰もわたしを倒せない
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2004/05
著者/編者
伯方雪日
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
後楽園のゴミ捨て場に刃物で胸を一突きされて捨てられていた死体は、襟足から後頭部にかけての髪が、乱雑に、地肌が見えるほど切られていた。事件を担当するのは富坂署の三瓶と城島のコンビ。格闘技ファンの城島の指摘で、被害者がカタナというマスクマンではないか、という可能性が浮かび上がる。プロレスも格闘技も両方こなすという新しいスターだった。そして、さらに殺人が……。格闘技を真っ向から取り上げた初の本格ミステリ。<<東京創元社HPより>>

同じ登場人物ですが4話+エピソード構成で、それぞれに結末があります。
舞台が、「プロレス業界」ということで、ちょっと昔の私だったら相当食いつくシチュエーションでした。

作者の「プロレス愛」が、詰め込まれており、ミステリそのものよりもそのストーリー性が目立っております。が、ちゃんとミステリ部分も正統な謎ときであり、どちらにしても十分楽しめる作品です。

キーパーソンとなる犬飼は、この4話を通じて、「新東京革命プロレスリング」のレスラーから「サード・レボリューション」という団体を立ち上げ、事件を通じて懇意となった刑事の城島とともに成長していきます。
この「サード・レボリューション」のポリシーってのが、きっとプロレス最強論を持つ多くのファンに、それなりに認められるものになっており、そのあたりが作者の「プロレス愛」なのです。

やっぱりプロレスには、「アングル(簡単に言うと、ストーリー性)」ってのは必要だし、そのアングルよりも上位には「強さ」ってのものがないとダメなんですよね。と、極めて個人的な「プロレス論」でございました。

やや無理やり感があったのは、ミステリそのものだったりするので、ミステリなく単純に「団体創造」みたいな小説でもよかったのかなと思いました。
ま、ミステリフロンティアからは出せないでしょうけど。

あと、特筆すべきは笹川吉晴氏の解説であり、この方も相当プロレス好きのミステリ好き。ミステリとプロレスの相似点を論じ、ミステリ作家(作品)とプロレスラー(もしくは団体)を紐つけて解説していたりして、これはこれで結構楽しめました。



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2006年04月26日(水) 00時51分19秒

「百万の手」 畠中恵 2006-050

テーマ:★読後感想:作家別【な・は行】
記念すべき2006年の読了50冊目は、ミステリフロンティアシリーズ「百万の手」です。
本書とはまったく関係ないですけど、4月で50冊ってのは、このペースを続ければ、年間150冊いけちゃうってことに気がつきました。
ただ小心者なので目標は「100冊、できれば150冊」程度にしておきます。

amazonリンク
畠中 恵
百万の手
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2004/04
著者/編者
畠中恵
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
音村夏貴は時々過呼吸の発作に見舞われる中学生。親友正哉の家が火事になり、彼が焼死した。両親を助けようと夏貴の目の前で燃えさかる火のなかに飛び込んでいったのだ。不審火だった。嘆き悲しむ夏貴の耳に親友の声が聞こえてきた。彼の遺した携帯から。そして画面には死んだはずの彼の顔が…。不審火の真相を調べてほしいと彼は言う。家のなかに火の気はなかったし、消火活動も終盤に近づいて、なお激しく燃え上がった不可解な火事だった。放火なのか?なぜ正哉と彼の両親は死ななければならなかったのか?携帯から語りかける友人との二人三脚で、夏貴が探り出した驚愕の真相は…?<<Amazonより抜粋>>



ミステリフロンティアって名のレベールですから、ミステリです。
親友の家の放火犯人を、携帯から語りかける「成仏できない親友正哉」と共に探す、といったファンタジー要素もある素人探偵ものです。

と、ここまでは上記のあらすじの通りですが、中盤から意外な展開&テンポアップします。

しつこいですが、ミステリフロンティアって名のレベールですから、ミステリ(2回目)なので、詳細はネタバレになりますが、この「ファンタジー要素もある素人探偵(これまた2回目)」だったものが、「医学系ミステリ&成長記みたいもの」に大きく様変わりします。

突然、嫌な感じの義父が登場したり、物語全般の秘密を知っているキーとなる登場人物が、突然殺されたり、主人公とペアになって活躍するであろう少女は、唐突に場面から消えたり、あげく親友正哉との連絡がなくなったり・・・

とまぁ、簡潔に言ってしまえば、前半の暗黙のルール(ここでは、「この後、こんな展開になるんだろうな~」という予想のこと)を見事に裏切ってもらえます。

これがミステリに関わる部分の裏切りなら、「これぞミステリの醍醐味!!」などとほくそえむのでしょうけど、あまり本筋にか関係ないところで、「当たり前のように、この義父はちょい役だろう」とか「この人は、最終章で、大活躍するであろう」とか「この少女とは、ちょっとした恋愛的要素もあったりして」とか「正哉は、うまく成仏できるんだろう」とかの予想を大きく逸脱するのです。
その辺りが、新鮮な感覚の裏切りって奴で、意外に好みでした。
(ヘタするとプロットミスってくらいの裏切りもあります)

で、この裏切りを「意外性」と読み替えて、改めて詳細の点数も見てみると、実は3点なのですが、この点数は、本筋の犯人探しそのものに起因しています。
私は○○が犯人だと思ったのですが、案外まっとうな筋書きでした。

ですので、ミステリフロンティアって名のレベールですから、ミステリ(3回目)であることは確かなのですが、あまりミステリそのものに固執せずに、ストーリーの流れを読んでいただけると、面白いと思います。

結構「うっそ~ん」って感じのストーリ展開です。
「ここに行き着くの~」って感じ。

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2006年04月24日(月) 21時06分53秒

「ナラタージュ」 島本理生 2006-049

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
タイトルの「ナラタージュ」とは、『映画などで、主人公が回想の形で、過去の出来事を物語ること』のようです。
ということで、2006年本屋大賞第6位の島本理生「ナラタージュ」読了です。

amazonリンク
島本 理生
ナラタージュ
出版元
角川書店
初版刊行年月
2005/02
著者/編者
島本理生
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
壊れるまでに張りつめた気持ち。そらすこともできない 二十歳の恋。大学二年の春、片思いし続けていた葉山先生から電話がかかってくる。泉はときめくと同時に、卒業前に打ち明けられた先生の過去の秘密を思い出す。今、最も注目を集めている野間文芸新人賞作家・初の書き下ろし長編。<<Amazonより抜粋>>

読前感想でも、『作風は10代・20代の「恋愛」などという、いたって遠く離れたところのようですが、いやいや読んでみせますよ。』などと息巻いてましたが、やっぱり読んでみちゃいました。

・・・で、読後感想も、この「読んでみちゃった」って感じのままなのですのよね。

相当評判が良く、感動作品だったりするので、これ以上コメントするのも怖いのですが、正直「こういう本が好きな人って多そうだよな~」と、極めて客観的に思ってしまいました。

確かに平易な文章で、「恋愛」を物語っているので、「ふんふん、こんな感じもあったよね~」とか、登場人物が、ふとこぼす一言は「あらら、随分洒落たこと言うじゃないの~」とか、映像になったらこれまたぐっと来るような場面(特に後半)も多く、「イメージしやすいじゃないの~」とか、いろいろと思うことあるんですけどね。

ただただ、感情移入ができなかった。それだけなのです。

これは、明らかに読み手(私)の勝手な思いなのですが、「恋愛」の要素ってのが、当初、物語の端っこの方にあって、ラストに向かうにつれて、だんだん盛り上がってくるなんて展開なら、許せるのですけど、はじめっからど真ん中に鎮座されると、それ以上の話の展開がないような錯覚に陥ります(この物語は、ちゃんとした展開はありますけど、結局のところ錯覚に溺れる私でした)。

加えて、登場人物が、それぞれ日本人らしい「謙虚さ」を持ちつつ、結局、自分勝手な感じがあるのも、なんですよね~。
「だったら、最初っからどうにかしてくださいよ!!」って感じなのですね。

後半に、物語の大きな転換となるある事件が起こり、それをきっかけにして感情を抑えきれなくなった主人公だったりするのですが、じゃあこの事件がなかったらどうなっていたかというと、結果は同じような気がしました。

で、結局のところ、飲み会の席で、気の合わない女性の上司の昔話を聞いてしまったという印象です。

・・・大変不躾な意見でございました。大変申し訳ございません。
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2006年04月22日(土) 09時07分14秒

「宇宙で一番優しい惑星」 戸梶圭太 2006-048

テーマ:--戸梶圭太

なんだかんだいって、刊行すれば借りてしまうトカジ本。
今回は、設定がSFでしたが、内容はいたって現実のなぞらえています。

なるほど、こういうやり方があったか~と、変に関心してしまいました。

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戸梶 圭太
宇宙で一番優しい惑星
出版元
中央公論社
初版刊行年月
2006/03
著者/編者
戸梶圭太
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
遠い遥か彼方の惑星上にある三つの国。この国々舞台に、繰り広げられる戦争、テロ……。人間のエゴと、その心理の奥底に存在する「暗部」を、独自の文体で抉り出す! 書き下ろし長篇小説! <<Amazonより抜粋>>


相変わらずグロ要素満点です。
個人的に、グロ表現が好きなわけではないのですが、「トカジは仕方ね~か」というスタンスなのです。

今回は惑星「オルヘゴ」を舞台とした、3つの国家間の紛争の物語です。
この3つの国の国境は、大陸の中心にある山を中心に同心円にひかれており、
中央に位置するのが、知的ではあるが高圧的な「クイーグ」。
次の輪は、無責任で事なかれの「ボボリ」。
一番外側は、ずる賢いのに単純で、暴力的な「ダスーン」です。

ま、こんな紹介をしてみて、感の良い方は気がついたのだと思いますが、まさにこの3国、現代にある「とある国」を模倣し、「よく聞く紛争」をテーマにしています。

「紛争」などという表現をしてますが、そこはトカジ本、簡潔に言ってしまえば、人殺しがず~っと、何のためらいもなくず~っと続きます。無差別だし。

この本に無理やりでも意味をつけるのであれば、

”第三者的な視点で物語を進めることで見えてくる、現実に起きていることの馬鹿馬鹿しさ。”
といったところでしょうか?

人は何のためらいもなく殺されていくし、表現は、ある意味狂ったような筆力なのですけど、よっぽどストレートな戦争反対論よりは、感じ入るものは多かったりします。
トカジ流の「NO MORE WAR」なのです。

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2006年04月19日(水) 02時03分16秒

「厭世フレーバー」 三羽省吾 2006-047

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】

掘り出し物でございました

みんな失踪した父親のことを「変な奴だ」とか「むかつく」とか言いながらも、結局愛しちゃっているという家庭愛の物語です。
最近、「家庭愛」ブームの私にとってはちょっとしたつぼでございました。

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三羽 省吾
厭世フレーバー
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2005/08
著者/編者
三羽省吾
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:4点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
俺がかわりに殺してやろうか。父親が失踪。全力疾走のはてに少年は血の味を知った―家族の崩壊と再生をポップに描いた快作誕生。<<本帯より抜粋>>



あらすじが極めて淡白なので、補足をすると、残された5人の年の若い順番(次男⇒長女⇒長男⇒妻⇒祖父)に章が構成され、それぞれの一人称形式となっています。

で、章が進むと同時に時間も経過しているので、前章のその後が、読めるといった感じでしょうか。
そして、ちょっとずつですが、この家族の秘密のようなものが語られていきます。
この「別の視点で前章のその後がわかるようになっている」とか「ちょっと出し大作戦(ま、「大」がつくほどの作戦ではないですが)」は、作者の技巧の賜物だと思います。

それぞれの章でそれなりに個別の物語がありますが、帰結するところは「失踪した父」だったりします。
で、そんな父への思いが、それぞれのキャラクタの言葉で語られます。
表現上は、決してこの「失踪した父親」という存在を肯定してはいないのですが、否定もしていない。
これまた「ちょっとした素振り」や「何気ないひと言」が、「今現在の父親」を暗に肯定してしまっている、やさしい家族としての愛のようなものを感じるわけです。

で、この問題の「父親」なのですが、なかなかにして良いキャラクターで、きっと何か画策しながら、元気に暮らしているんだろうと思ってしまいます。

例えば、続編として、同じ時系列にいる失踪した父親の物語(それはきっと「冒険」になるだろうと想定しています)があったら面白いだろうと思ってしまうほどでした。

最後の「祖父」の章は、今までの章とは違って「祖父自身の過去」が多く語られており、読了後は、そこで語られた内容が、実はこの物語を収束させるために必要であったことを知ります。

ということで、この「厭世フレーバー」。
改めて作者の技巧の賜物(今回2回目)なわけです。

う~ん、別の作品が読みたいところです。

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2006年04月17日(月) 21時35分15秒

2006/4/16に借りた本

テーマ:読前感想
すっかり暖かくなってまいりましたね。
桜はそろそろと見ごろを終えましたが、ちょい遅め咲きはまだまだ咲いておりますね。きれいきれい
ということで、予約本パレードの4冊。

題名
ナラタージュ
読了可能性
★★★☆☆
出版元
角川書店
初版刊行年月
2005/02
著者/編者
島本理生
読前感想
予約本1冊目。本屋大賞のエントリー作品。作風は10代・20代の恋愛などといういたって遠く離れたところのようですが、いやいや読んで見せますよ。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10011655034.html

題名
厭世フレーバー
読了可能性
★★★★☆
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2005/08
著者/編者
三羽省吾
読前感想
予約本2冊目。「太陽がイッパイいっぱい」の三羽氏の作品。これもネット上でそれなりに評判がよかったってことで借り出してみました。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10011495667.html

題名
百万の手
読了可能性
★★★☆☆
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2004/04
著者/編者
畠中恵
読前感想
予約本3冊目にしてミステリーフロンティア第4回配本の作品。「そうだ、ミステリフロンティアを予約しよう」と古いJRの宣伝のように思いついたので借りてみました。ここから未読の当シリーズを配本の古い順に借り出してみたいと思います。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10011788573.html

題名
誰も私を倒せない
読了可能性
★★★★☆
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2004/05
著者/編者
伯方雪日
読前感想
予約本4冊目にしてミステリーフロンティア第5回配本の作品。ということで、ミステリフロンティアレーベルコンプリートを目指し、未読の本を配本の古い順に借り出してみたりするのです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10011831158.html

題名
宇宙で一番優しい惑星
読了可能性
★★★★☆
出版元
中央公論社
初版刊行年月
2006/03
著者/編者
戸梶圭太
読前感想
最新刊コーナーにひときわ目立っていたトカジ本の最新刊(たぶん)。今回、表紙はいたってシンプル。出会い本であった「the TWELVE FORCES ~海と大地をてなずけた偉大なる俺たちの優雅な暮らしぶりに嫉妬しろ!~」(・・・長い)に似た感じで好感触です。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10011634633.html

題名
聖域の殺戮
読了可能性
★★★☆☆
出版元
講談社ノベルズ
初版刊行年月
2006/02
著者/編者
二階堂黎人
読前感想
これも最新刊コーナーにありました。久しぶりの講談社ノベルズです。人気の西尾氏以外、最近、お目にかかからなかったですが、やっぱり講談社ノベルズ!!って感じです。なんせ軽くて通勤本に最適です。
読後感想リンク


題名
小森課長の優雅な日々
読了可能性
★★★☆☆
出版元
双葉社
初版刊行年月
2004/07
著者/編者
室積光
読前感想
初期荻原作品あたりで似たような本がないかと書棚を探索していたところ、表紙とタイトルで「これは近いかも」ってことで借り出してみました。こういった出会いが良いですね。でも内容についてはさっぱり分りません。お初にお目にかかり本です。賭けです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10011925392.html

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2006年04月16日(日) 08時28分04秒

「フィード」 M.T.アンダーソン 金原瑞人・相山夏奏訳 2006-046

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
タイトルにある「フィード」。
こんなものは欲しくないな~と思いつつ、パソコン持ち歩くのも面倒だな~と思う今日この頃。
こんな未来にはなるわけないわな~と思いつつ、でも100%否定できないかもねと思う今日この頃。

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M.T.アンダーソン, 金原 瑞人, 相山 夏奏
フィード
出版元
ランダムハウス講談社
初版刊行年月
2005/02
著者/編者
M.T.アンダーソン 金原瑞人・相山夏奏訳
総評
22点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
最新のファッション、新作のゲーム、今の気分にぴったりのBGM・・・・・・。欲しいものはみんな、脳の中に埋め込んだコンピューター「フィード」が運んできてくれる。そんな世界に暮らす主人公タイタスは、友だちとつるんで出かけた月のクラブで、不思議な女の子ヴァイオレットに出会った。1週間ごとに変わる流行にキャーキャー群がる同級生の女の子たちとはちがって、ヴァイオレットはいつもいろんなことを自分の頭で“考えて”いる子だった。おたがいに魅かれあう二人。だけど、ある事件をきっかけに、ヴァイオレットのフィードの調子がおかしくなっていく…・・・。あふれるモノと情報の中で、どこか退屈な日常を生きる高校生たちの、せつない恋とささやかな反抗。<<Amazonより抜粋>>


未来の世界の若者達の物語なのですが、そこではタイトルにある「フィード」を頭に埋め込み人はその情報で生きています。
この「フィード」はいわば、今の世界のパソコンのようなもので、持ち歩くことから身につけることに移行しているわけです。
もちろん通信機能があるので、人はそこで辞書を開いたり、ショッピングをしたり、チャットをしたりします。
で、この「フィード」を身につけた人類は、当然ながら考えることをやめ、フィードに依存した生活をしていきます。
ついでにいってしまうと、実は、この「フィード」は「企業」(文中もこのように表現)が管理しており、購買履歴を記憶し、また脳内意識を感知し、絶妙なタイミングで絶妙な商品の「広告(バーナー)」を表示したりします。究極のマーケティングツールなわけです。こりゃすごい。

今でもインターネットに依存する人たちは増え続けており、だったら、こんなものあったら楽だし便利だろうねという発想から、作者はこの作品を作ったのではないかと推測したりしますが、きっちりその代償を払うところまでを物語にしています。

主人公のタイタスは友人と遊びにいった「月」で、バイオレットという少女に出会い、付き合いはじめるのですが、徐々にこの「フィード」に依存した生活に対して、疑問を持ち始めるバイオレットに違和感を感じます。
そう、この世界では、「物事を考えること」や「疑問を持つこと」の方が、異様なわけで「(バイオレットは)どうして、そんなに考えるんだ」とタイタスが諭すというストーリなのです。
この異様な世界観は、それなりに印象的であり、どう考えてもありえない世界なのですが、かといって完全に否定できない世界だったりします。

ラストはそんな世界の中でのたった一組の失恋の話なのですが、世界が崩壊するかのうような残酷な終わり方でした。
今の時代への警笛とも読み取れる、ショッキングな作品なのかもしれません。
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