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2006年03月31日(金) 23時59分59秒

2006年3月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』

◆今月のアクセスランキング
総合ランキング:
8292位/1026075人中(0.81%)前月からの比=-0.32%
ジャンルランキング:
139位/6738人中(2.06%)前月からの比=-0.72%

◆検索ワードTOP10
1 書評 6.5%
2 噂 5.6%
3 荻原浩 4.5%
4 感想 3.4%
5 砂漠 3.1%
6 ネタバレ 2.8%
7 伊坂幸太郎 2.6%
8 荻原 1.4%
9 伊坂 1.2%
10 コールドゲーム 1.1%

◆2006年3月のランキング
今月は、お休み中の「読書の春」で、14冊。
1位の作品は、前々月・前月同様、やはり月末かけこみ読了の一冊でした。
「名作は月末に読まれる」という定石が確立しちゃいました。

第1位;「終末のフール」 伊坂幸太郎
;エンターテイメント小説;2006年03月30日(木) 21時09分31秒

伊坂 幸太郎
終末のフール


第2位;「月に繭 地には果実」 福井晴敏
;エンターテイメント小説;2006年03月22日(水) 22時23分20秒


福井 晴敏
月に繭地には果実―From called “∀”Gundam


第3位;「火の粉」 雫井脩介
;エンターテイメント小説;2006年03月10日(金) 00時38分45秒


雫井 脩介
火の粉


第4位;「GOTH 夜の章」 乙一
;エンターテイメント小説;2006年03月04日(土) 01時37分46秒

第5位;「ブルータワー」 石田衣良
;エンターテイメント小説;2006年03月21日(火) 09時22分13秒

第6位;「俺が近所の公園でリフティングしていたら」 矢田容生
;エンターテイメント小説;2006年03月17日(金) 21時36分48秒

第7位;「海の底」 有川浩
;エンターテイメント小説;2006年03月08日(水) 22時39分59秒

第8位;「アフターダーク」 村上春樹
;エンターテイメント小説;2006年03月19日(日) 21時05分46秒

第9位;「太陽がイッパイいっぱい」 三羽省吾
;エンターテイメント小説;2006年03月16日(木) 12時38分57秒

第10位;「アクアポリスQ」 津原泰水
;エンターテイメント小説;2006年03月27日(月) 21時15分21秒

第11位;「秘密。 私と私のあいだの十二話」 ダ・ヴィンチ編集部
;エンターテイメント小説;2006年03月18日(土) 13時58分47秒

第12位;「CHEAP TRIBE ベイビー、日本の戦後は安かった」 戸梶圭太
;エンターテイメント小説;2006年03月25日(土) 00時59分55秒

第13位;「逆さに咲いた薔薇」 氷川透
;推理小説;2006年03月06日(月) 21時31分55秒

第14位;「ハナとウミ」 大道珠貴
;エンターテイメント小説;2006年03月20日(月) 02時16分46秒
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2006年03月30日(木) 21時09分31秒

「終末のフール」 伊坂幸太郎 2006-039

テーマ:--伊坂幸太郎
はい、読前感想なき読後感想。すなわち購入本です。

もちろん伊坂氏の最新刊「終末のフール」読了しました。
フルオーダーのスーツに袖を通した様なフィット感と、このシチュエーションという着想に改めて脱帽した連作短編集です。
amazonリンク
伊坂 幸太郎
終末のフール
出版元
集英社
初版刊行年月
2006/03
著者/編者
伊坂幸太郎
総評
24点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:5点 
ぐいぐい:5点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
あと3年で世界が終わるなら、何をしますか。2xxx年。「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表されて5年後。犯罪がはびこり、秩序は崩壊した混乱の中、仙台市北部の団地に住む人々は、いかにそれぞれの人生を送るのか? 傑作連作短編集。<<Amazonより抜粋>>


本書は、小説「すばる」に04年2月~05年11月に発表された、タイトルが
「終末のフール」
「太陽のシール」
「篭城のビール」
「冬眠のガール」
「鋼鉄のウール」
「天体のヨール」
「演劇のオール」
「深海のポール」

○○(漢字2文字で読み4文字)(カタカナ1文字)ール」で統一された全8編の連作短編集です。
例えば「南極のプール」とか「祭壇のベール」とかですね。
で、この統一をしてみちゃったりすることから、なかば無理やりとも言える、それらタイトルの意味は、まさに「言葉あそび」の世界です。
個人的に無理やり感があって好きなのは、「天体のヨール」です。
声に出して読めば、そのままなのですが、(長音いらないでしょ!!)と。
(ヨールって、そういうことなの?!)と、一人で突っ込んでしまいました。

以前、「砂漠 」の書評の中で、”(伊坂作品は)『完成された世界』に対して負荷をかけ、その影響で起こる絶妙なズレ感を、シニカルに表現している”などと偉そうに表していたのですが、本書は、まさにそれの究極版。
「小惑星衝突(かもしれない)⇒世界の崩壊」という、これ以上にない負荷をかけております。
世界が崩壊する(かもしれない)という状況は、人から希望と理性を奪い、絶望と不安を与えます。
この負荷の規模ってのが今までの作品との大きな違いです。
ここまでくると、その負荷にどう立ち向かいそして解決しようとするかではなく、どう共存していくかってことになるわけです。

で、この巨大な負荷に対する反動が収まりかけた(いわゆる小康状態)ってところの瞬間を物語りにしているというひねくれたシチュエーションもだいぶ好感触でした。
そんな状況だのに、相変わらずのほのぼのとした文体と、「せっかくなのだから、何かを成し遂げよう」とする人たちの物語なのです。
この「せっかくなのだから」の相手が「小惑星の衝突するから」ってのを忘れてしまうほど、例えば「引越しが決まったから」とかでも十分当てはまるほどのほのぼのさと、この物語の3年後を起こってしまう現実に、「ある種の悲しみ」や、「どうしようもないやるせなさ」があったりするわけです。

8つの物語は、仙台のヒルズタウンという場所を共有していて、いわゆる「短編間連携」が随所にあります。
個人的には、ほぼ全物語に登場するスーパーマーケットを開店しているキャプテンが良かったですね。

P.S
ま、ググルと一発で出てくるので、ご存知のこととは思いますが、プチ情報を2つ。

★プチ情報1:集英社のHPに「終末のフール」の専用ページ が出来上がっています。
演劇のオールの創作秘話だけが今のところ見つかりません。

★プチ情報2:
集英社女性誌ポータルサイトs-woman.netに伊坂幸太郎氏のインタビュー が掲載されています。(全4回らしい)できれば読了後に訪問いただければ良いと思います。

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2006年03月27日(月) 21時15分21秒

「アクアポリスQ」 津原泰水 2006-038

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
最近、マイブームとなっている「未来系SFモノ」でございます。

amazonリンク
津原 泰水
アクアポリスQ
出版元
朝日新聞社
初版刊行年月
2006/01
著者/編者
津原泰水
総評
18点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:3点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
水没都市Q市の沖合いに浮かぶ人工島「アクアポリス」。この水上都市が建造された背後には、国家規模の陰謀を封じる仕掛けが隠されていた。Q市壊滅のため、伝説の牛鬼を召還しようとする政府の要人たち。その計画を阻止するべく、現われた女設計士「J」、自分の故郷を守ろうと立ち上がる少年「タイチ」。異能の鬼才・津原泰水が近未来を舞台にはじめて挑む本格ビルドゥングスロマン。 <<Amazonより抜粋>>


うーん、評価が難しいですね。
しっかりとした小説世界はあるのですが、”この作品は何かの続編?”と悩むくらい、説明がないんです。
個人的には説明されすぎても胸焼けしてしまうたちなのですが、これは、読み進めれば読み進めるほど、小説世界をちゃんと理解したいって気持ちになってきます。

それだけしっかりしているんですが、何か突き放している感があるんですね、地の文に。

キーワードは「牛鬼」「濡女」「空虚」「エンプティー」「ペール」「「マヤライン」などなど色々出てきますが、ガイドラインがあれば楽しめたかも知れません。
もしくは、どこかにあったりするんでしょうかね?

文章構成そのものもちょっと癖があるというか、正直、日本語としておかしい表現があったりします。
これも良い意味で「センスの良い文章」ってことなのでしょうけど、自然に文章が入ってこない感じがあります。
いやいや、まだまだ読み手として努力が足りないのだな~と言ってみたりします。
この辺りは大人の対応って事で・・・

ま、とにかく、少年が水に浮かぶ街「アクアポリス」を救うという、時間としては1時間半くらいの映画のような物語です。
Q龍という街の胡散臭さ・下水臭さの描写は、なかなか良いですね。

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2006年03月26日(日) 21時13分44秒

2006/3/25に借りた本

テーマ:読前感想
ということで、たぶん3月最後の借り出しです。
今回は最近にはめずらしく予約本はございません。
文庫本を中心に、借り出してみました。

題名
新装版 北斗の人(上)
読了可能性
★★★☆☆
出版元
講談社文庫
初版刊行年月
2006/02
著者/編者
司馬遼太郎
読前感想
新刊本コーナーにありました。とはいえ、時代小説御大の司馬遼太郎の作品ですから、本当の刊行年月は相当古いです。で、こちらは文庫でしかも新装版ってことです。時代小説ってのもたまには読みますってことです。
読後感想リンク


題名
新装版 北斗の人(下)
読了可能性
★★★☆☆
出版元
講談社文庫
初版刊行年月
2006/02
著者/編者
司馬遼太郎
読前感想
上の本の下巻です。文庫となると2冊一辺に借りても、何の抵抗もありません。江戸時代末期の剣豪千葉周作が主人公の本でございます。
読後感想リンク


題名
日曜日たち
読了可能性
★★★☆☆
出版元
講談社文庫
初版刊行年月
2006/03
著者/編者
吉田修一
読前感想
これまた新刊本。ヨッシュウーでお馴染み(?)の吉田氏の作品です。これまた文庫で実際の刊行年月は2003年8月だそうです。連作短編集ってことで、これは通勤本になる可能性大です。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10010837165.html

題名
一角獣・多角獣 異色作家短編集3
読了可能性
★★★☆☆
出版元
早川書房
初版刊行年月
2005/11
著者/編者
シオドア・スタージョン 小笠原豊樹/訳
読前感想
これも新刊本。まったくもって前提のないまま、久しぶりに外国作品、しかも「異色作家」などと銘打った作品集です。早川書房創立60周年記念で発刊されている作品集らしく、実際は1964年(!)の作品だそうです。
読後感想リンク


題名
アクアポリスQ
読了可能性
★★★★☆
出版元
朝日新聞社
初版刊行年月
2006/01
著者/編者
津原泰水
読前感想
今回最後の新刊本。最近はまっている「SF」ものですかね。本帯には「ジャンルミックスの鬼才が放つ衝撃のビルドゥングスロマン!」とあります。カタカナ部分が何をいっているか分りません。ちょっと不安です・・・
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10010610626.html

題名
トゥエルブ Y.O.
読了可能性
★★★★☆
出版元
講談社
初版刊行年月
1998/09
著者/編者
福井晴敏
読前感想
前回、好評だった「月に繭・・」の福井氏のデビュー作品であり、第44回江戸川乱歩賞受賞作です。当時の著者解説には、「現在、警備会社に勤務」とありました。警備会社に勤めていらっしゃったのですね。ふむふむ
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10010837084.html

題名
ケンジとマーヤのフラクタル時空
読了可能性
★★★☆☆
出版元
本の森
初版刊行年月
2004/02
著者/編者
御影祐
読前感想
さんざ悩んで借りてみました。前々から書棚にはあったのですが、タイトルからしりごみして借り出せていませんでした。そんな経緯もありながら、結局のところ借り出してみたって事です。
読後感想リンク


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2006年03月25日(土) 00時59分55秒

「CHEAP TRIBE ベイビー、日本の戦後は安かった」 戸梶圭太 2006-037

テーマ:--戸梶圭太
トカジが語ると、「昭和史」もこうも惨めなものになってしまうんですね。
圧倒的な文圧に、ぐいぐいいってしまいました。
読前感想にある「エログロナンセンス」は、ばっちりでございます。
WBC決勝を見ながら一気読みをしてしまいました。ははは

amazonリンク

戸梶 圭太
CHEAP TRIBE-ベイビー、日本の戦後は安かった
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2003/08
著者/編者
戸梶圭太
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:2点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:4点

あらすじ
東北の零細炭抗に生まれ、偽大学生としてデモに参加、強姦未遂で殺人、ムショを出たらホームレス。時代に流された沼田永吉の人生 。トカジがほじくり出す、ダメ男の爆裂的人生。できればなかったことにしたい昭和史。<<Amazonより抜粋>>


沼田栄吉という一人の男性の一代記です。
episode1から5、それぞれ 「1957」「1969」「1974」「1985」「1995」と西暦がタイトルの章が5つ。
一代記っていうと、なんだか大成しちゃったりする雰囲気がありますが、本書はまったくの逆であり、簡潔に言ってしまえば、”惨めな人生”を画に書いたような生涯の物語です。

炭鉱での人権を無視された生活から始まり、学生運動、ノストラダムス、戸塚ヨットスクール、援助交際とそれぞれの時代のキーワードとなるものに極めて「惨めに」接し続ける沼田栄吉。
犯罪史ってほどの悪でもないわりに、人間の業のようなものが苦味を感じることができます。
特に後半の2章は、これでもかってくらいトカジ節炸裂の暴力的な表現で、昭和(というか沼田栄吉の人生)を語ります。

ちょっとだけ深く考えてみると、各章毎にあるシチュエーションそのものは決してフィクションではないわけで、沼田と同じような人生を送った人々もいるはずなのでは、と考えると意外と感慨深い物語だったりもするんですね。
生まれたときから人生のどん詰まりでありながら、生き続ける沼田に、人の在り様をダブらせちゃったりする自分がいたりして、(少なくともここまで惨めではないわな~)と妙な勇気をもらったりしてしまう自分がいたりするわけです。

ま、(こんな本(決して悪い意味ではなく、文面どおりの「こんな」)に勇気をもらっちゃうほどなのか~)と客観的に冷めた自分もいたりしますが・・・

ちなみに、内容には関係ないのですが、わら半紙風な紙質と1世代前風な文字フォントもなかなか”昭和”っぽさがあってよいですね。

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2006年03月22日(水) 22時23分20秒

「月に繭 地には果実」 福井晴敏 2006-036

テーマ:★読後感想:作家別【な・は行】
良いですね。良い。

大変な文量でしたが、2~3日の朝と晩で読み漁ってしまいました。
石田氏の「ブルータワー」に続く、”しっかりとした歴史観のあるSF”です。
この”しっかりとした歴史観”っていうのが、「ガンダムの世界(宇宙世紀)」だっていうので、ガンプラ欲しさに、おもちゃ屋に並んだガンダム世代としては、たまらないものがありますね。
でも、例えば、この「宇宙世紀」という歴史がなかったとしても、十分物語としてしっかりしています。
戦争反対ってことです。

amazonリンク

福井 晴敏
月に繭地には果実―From called “∀”Gundam
出版元
幻冬舎
初版刊行年月
2005/03
著者/編者
福井晴敏
総評
23点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:5点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
かつて、地球を壊滅寸前にまで追い込んでしまった人類。一部の者は月に逃れて地球の再生を待ち、地球に生き残った人々は、おぞましい滅亡の記憶を封印した…。それから二千年の時を経て、月の民は地球帰還作戦を発動。決行に先駆け、地球に送り込まれた「献体」の中に、少年・ロランがいた。文学と「ガンダム」の歴史的コラボレーション。 <<Amazonより抜粋>>


本来は文庫3冊分に相当するものらしいのですが、借り出したのは愛蔵版ってやつでした。
実はアニメーションとなっている「ガンダム」は観ていないのですね。
で、読了後に改めてインターネットで検索してみると、なかなか評価されている作品のようでした。

この物語のテーマは、「人間のエゴ」だったりします。
テクノロジーを放棄して地球に残ったものと、テクノロジーに頼らなければ生きていくことができなかった月への移民達。
それらの民が、邂逅したときに、それぞれに足りないものを補完するかのごとくエゴがむき出しになります。
地球に残ったものは、テクノロジーを欲し、移民達は、自然を欲します。
それが、戦争という形になり、結局、同じ過去を繰り返す(Aに戻る)こととなる人間のエゴなわけです。

時系列としては、「西暦」→「宇宙世紀」→そして、それから2000年後の「正暦」となっており、この「宇宙世紀」に起こったおぞましいほどの歴史を「黒歴史」として、決して連なりではない神話(というより、伝承)としている点も、「人間の考えるの浅はかさ」だったりするので、興味深いものでした。

登場する人物の個々人にある「エゴ」にも注目せざるを得ませんでした。
そこには、勧善懲悪の世界はなく、それぞれがそれぞれの立場・都合で、状況を解釈し、次の瞬間には誰でも敵になりうるという、これまた「人間の弱さ」のようなものが垣間見えて、考えさせられる場面が随所にありました。

SFファンタジーであり、”ニュータイプ”とか”一年戦争”とかの、ガンダムの世界を、十分堪能することもできる本書ですけど、それ以上に何かを感じ入る作品だったと思います。

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2006年03月21日(火) 09時22分13秒

「ブルータワー」 石田衣良 2006-035

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
キマシタネ。
石田衣良の描く200年後の世界。
これは完全なSF。
意外に好きなのですよ、ちゃんとした歴史を持った未来小説。

amazonリンク

石田 衣良
ブルータワー
出版元
徳間書店
初版刊行年月
2004/09
著者/編者
石田衣良
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:4点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:3点

あらすじ
平凡な一人の男が、天を衝く塔を崩壊から救う。高さ2キロメートルの塔が幾多の危機を越え、雲を分け聳え続けるのだ。世界を救うのは、夢みる力!魂の冒険と愛の発見の物語。石田衣良の新たな挑戦―心ゆすぶられるヒューマン・ファンタジー。<<Amazonより抜粋>>


随分前に読んだ、椎名誠氏の「アド・バート」を思い出しました。
あと、やっぱり「マトリックス」ですかね。
で、やっぱり魅力ある未来小説ってのは、退廃しているんですよね。ははは

今回の退廃の原因は、化学兵器として人が作成したインフルエンザウィルスの「黄魔」。
人々はその猛威から逃れるため、高さ2000メートルもある塔を作り、隔離された生活をしている。
そこには「高さ」による圧倒的な差別があり、絶え間ないテロが起きていたりします。

そんな200年後の世界に、悪性の脳腫瘍を持ち、余命わずかの瀬野周司が意識だけタイムスリップをして、どうにかして、「200年後の世界」を救おうとするといった話です。

他のSFとの違いは、この200年後の世界が、瀬野周司の意識の中だけの話であることと、意識が現代と200年後を行き来することができるということ。
そして、現代と200年後の世界には瀬野以外にも、対称となる人物がそれぞれいるということ。
このシチュエーションは、なかなか興味深かったです。
ただ、この対称となる人物の現代と200年後をきっちり対比できていれば唸るほどの作品だったかもしれません。

例えば、200年後の大地の家の副棟梁であるアラクシや、吟遊詩人のカネマツなど、比較的キーパーソンと呼べる登場人物の対称となる人物が登場しなかったりしますんでね。


ラストでは、200年後の世界の退廃の原因である「黄魔」が、現代のとある研究から発していることに気がついた瀬野は、200年後には物質を持ち込めないことから、ある手段に出ます。
この辺り、なかなかにしてファンタージーなラストだったりします。

個人的には200年後の世界に登場した「ライブラリアン【ココ】」が欲しいですね。
アレはいいですよ。なにかと・・・

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2006年03月20日(月) 02時16分46秒

「ハナとウミ」 大道珠貴 2006-034

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
さっぱりとした表紙の「ハナとウミ」。
読み始めてもさっぱりした感じが続き、読み終わっても「さっぱり」といった読了感でした。
会話や独り語りを中心にした独特の文体は、好感触です。

amazonリンク

大道 珠貴
ハナとウミ
出版元
双葉社
初版刊行年月
2005/09
著者/編者
大道珠貴
総評
19点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:2点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:4点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
なんか、この世界あきたね。ハナ16歳、ウミ15歳。父親違いの姉弟。青春を満喫中の母を訪ねて沖縄へ。ふたりなのにひとり。ただ漂う、南の島で…。「成長」をテーマに綴る物語。『小説推理』連載に加筆、訂正して単行本化。<<Amazonより抜粋>>

まず、これがどうして「小説推理」に連載されていたのか?という疑問が浮かびます。
まったくもって「推理」という要素がありません。
それはそれで良いのですけどね。

天真爛漫な母親から生まれた異父姉弟のハナとウミは、そんな複雑な家庭環境に見事に従順し、ハンパな少女・少年となります。
物語はそんなハナとウミの視点で交互に語られていきます。

あらすじだけを読めば、現代版「母を訪ねて・・・」に類似してそうですが、決してそんなことありません。
母を訪ねるどころか、沖縄に来ても母を逢おうとせず、サヤカという女の子と付き合い始めるウミと、母を訪ねて生まれたばかりの異父兄弟を育てていくハナ。
そんな生活の中で、この二人がどのような人生を歩んでいくかというのが、物語の主題なわけです。

で、この母親ってのが意外に魅力的です。
「お前の子供が欲しい」と男に言われたら、子供を産むといった極めて原始的な感覚の持ち主で、ハナがた訪ねてきてしばらくすると、いろいろあっていなくなります。
実の子供が訪ねてきても、その実の子供を置いて、どっかいっちゃうってことです。
ね、天真爛漫でしょ・・・

ラストは、ま、この姉弟の行く先がある程度提示されて終わります。
読み終わって気がつきましたが、極々自然な流れに沿ってこの二人が成長します。
急ぐわけでもなく、かといって停滞しているわけでもない、10代の多感な時期には極々自然な成長なわけです(そりゃ、小説だけに、いろんなことはありますけどね)。
等身大の物語ってことで、「さっぱり」した感じを受けました。
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2006年03月19日(日) 21時05分46秒

「アフターダーク」 村上春樹 2006-033

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】
私自身を「本読み」にしてくださった作家さんの「村上春樹」氏。(詳しくはこちら
そんな村上氏のアフターダーク。
遅ればせながら読了いたしました。

amazonリンク

村上 春樹
アフターダーク
出版元
講談社
初版刊行年月
2004/09
著者/編者
村上春樹
総評
21点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:3点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:4点 
装丁:4点

あらすじ
真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹書下ろし長編小説<<Amazonより抜粋>>


・・・やっぱり何か、かしこまってしまいますね。
なんといっても「村上春樹」というブランドとか村上作品とかに感想を述べるなんてのは、おこがましい限り。ちなみに村上さんも相当、この手の書評のようなものを毛嫌いされているようで、ますますかしこまります。

さて、本題。

春樹ワールド全開ってとこでしょうか。
やっぱり「こちらの世界」と「あちらの世界」が大きく作品世界に横たわっておりました。
なんだか懐かしい感じがいたします。
古くは僕3部作の続編にあたる「ダンス・ダンス・ダンス」で、最近では「ねじまき鳥クロニクル」で、「あちらの世界」が登場します。

この粛々と横たわっている双方の世界のなかで、今回のテーマは「デコミットメント(関与しないということ)」だと感じました。

まずは、こちらの世界。
真夜中のデニーズにいた浅井マリのタカハシテツヤに対する態度。
その姉である浅井エリと浅井マリの関係性。
同じ職場で働くコムギとコオロギ。
白川と中国人の女。
白川が捨てた中国人の女の携帯電話とタカハシテツヤ。
・・・
それぞれが、明らかに関与をしないことで、物語が繋がっていきます。
とある真夜中の半日程度の出来事の中で、登場人物が、あたかも関与しないことを目的とするような行動をしていきます。
この「こちらの世界」で唯一、様々なことに積極的に関わっていこうとするのは、元女子プロレスラーで、ラヴホテルのオーナーである「カオル」。
この「カオル」が物語の牽引役をかってくれますが、勝手に散在する物語は収束しません。
そう、「こちらの世界」は、収束しないことが当たり前という、リアルな世界を見せてくれます。

そして、あちらの世界。
ここで、著者の新しい表現方法が見られます。
それは、地の文を「わたしたち」として、文中に「関与することはできない」と明言している点。
この「わたしたち」は、いわば物語を傍観する視点であり、傍観以上の役割を求められておりません。
そして「わたしたち」には読み手(読者)と書き手(作家)を含まれているということが容易に理解できます。
目の前で起こる、不可思議な現象(例えば、こちらの世界にいた「浅井エリ」が、目を離した瞬間にあちらの世界に移動してしまうといった現象)にも、ただただ傍観するだけなわけです。
そんな、物語に関与してはいけないという、読者の当たり前のルールを明文化することで、この物語がより近く感じることができたのは私だけではないかもしれません。

村上さんは、近年「絶対的な悪」というものを、モチーフに作品を作成していると、聞いておりますが、この「絶対的な悪」に立ち向かう資格のようなものは、物語にコミットメントできる登場人物以外に存在しないという「極めて当たり前」のことを突きつけられたような気がします。

(そうだよな。小説の登場人物に感情移入できることって、要するに関与しないことが前提にあるからなのですよな。)と、深く深く思ってしまうそんな作品でした。

う~ん奥深い!!

P・S
ついさっき、久しぶりに「デニーズ 」にいってきました。
価格帯が高めに設定されており、他のファミリーレストランとはちょっと違った感じがして好感触でした(意外に空いていて、これまた好感触)。
スープセットを頼むなら、「オニオングラタンスープ」と「焼きたてドライトマトとオーリブのパン」がオススメですよ。

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2006年03月18日(土) 14時10分33秒

2006/03/18に借りた本(ただし臨時)

テーマ:読前感想
予約本3冊借り出してみました。
最近は「個人的な読書の春」ってことで、がんがん読み漁っております。
ま、1週間のお休みをいただいているので当然と言えば当然なのですけどね。

題名
月に繭地には果実
読了可能性
★★★★☆
出版元
幻冬舎
初版刊行年月
2005/03
著者/編者
福井晴敏
読前感想
予約本です。本書は01年8月にされた刊行された文庫(全3巻)を単行本にする際、改めて1冊にしたようです。もうちょっと説明すると、「∀ガンダム」の世界の福井版ってことです。前々回に借り出した「終戦のローレライ」が未読のままですが、福井氏の本を借りてみたりしました。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10010422671.html

題名
CHEAP TRIIBE ベイビー、日本の戦後は安かった
読了可能性
★★★☆☆
出版元
文藝春秋
初版刊行年月
2003/08
著者/編者
戸梶圭太
読前感想
予約本。トカジ本です。本帯には「トカジがほじくりだす、できればなかったことにしたい昭和史」とあります。またエログロナンセンスの世界が繰り広げられるのでしょうか?期待します。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10010422754.html

題名
摩天楼の怪人
読了可能性
★★★☆☆
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2005/10
著者/編者
島田荘司
読前感想
これまた(ま、当然ですが)予約本。巨匠島田氏の御手洗シリーズの最新刊です(たぶん)。結構分厚いですね。頑張ります。
読後感想リンク


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