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2005年11月30日(水) 23時59分59秒

2005年11月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』

唐突ですが、妻がハワイにいっております。
ということで、この1週間は「短期一人暮らし」ということで、(いろいろな理論を元に)た~んと本を読めると思っていたら、家に待つ人がいないという事情もあって、やたら会社の残業が増えました。
「世の中、うまく行かないね」ということです。

ということで、恒例の今月ランキングから
<<11月の最終ランキング>>
総合ランキング:
6267位/609769人中(1.02%)前月からの比=-0.51%
ジャンルランキング:
118位/4824人中(2.44%)前月からの比=-1.28%


先月は秘策もないまま淡々となどといっておりましたが、秘策 ありました。
いやいや、やっぱり「時事ネタ(というのかどうかは憚りつつ)」は強いですね。
恐るべきネコソギ です。

さて、今月は2004年話題の本であった「よるぴく (?!)」や、今それなりに話題の「戯言最終 」があったりして話題性十分なラインアップでございますが、意外にもあの作品が1位となりました。
(ま、ランキングしている本人にしてみれば、至極当たり前なのですけどね)

第1位;№125 「対話篇」 金城一紀
;エンターテイメント小説;2005年11月15日(火) 21時28分01秒

金城 一紀
対話篇
間違いなく、良い3編でした。生きるということの拘りが、静かに語られていきます。
見ず知らずの二人の対話で成り立つ物語。新作の「SPEED」を抜き堂々1位です。

第2位;№120 「SPEED」 金城一紀
;エンターテイメント小説;2005年11月03日(木) 01時35分27秒

金城 一紀
SPEED
ということで、金城作品の1・2フィニッシュが11月のランキング。
あのゾンビーズだったりするのです。個人的にはあの山下だったりするのです。

第3位;№131 「あの日にドライブ」 荻原浩
;エンターテイメント小説;2005年11月28日(月) 20時43分18秒

荻原 浩
あの日にドライブ
ギリギリに間に合って、戯言を押しのけて第3位。やっぱり荻原氏。現実の厳しさを感じつつ、今ある現状を肯定するという、あの日にドライブなわけです。

第4位;№124 「ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い」 西尾維新
;エンターテイメント小説;2005年11月13日(日) 21時25分45秒

第5位;№121 「僕たちの戦争」 荻原浩
;エンターテイメント小説;2005年11月08日(火) 01時02分06秒

第6位;№128 「金閣寺」 三島由紀夫
;稀代の名作;2005年11月23日(水) 09時24分56秒

第7位;№119 「夜のピクニック」 恩田陸
;エンターテイメント小説;2005年11月02日(水) 01時35分21秒

第8位;№122 「水の迷宮」 石持浅海
;推理小説;2005年11月10日(木) 23時23分48秒

第9位;№126 「天に還る舟」 島田 荘司, 小島 正樹
;推理小説;2005年11月18日(金) 21時35分35秒

第10位;№129 「熱域-ヒートゾーン-」 森真沙子
;エンターテイメント小説;2005年11月24日(木) 22時07分20秒

第11位;№127 「実験小説ぬ」 浅暮三文
;エンターテイメント小説;2005年11月22日(火) 00時34分12秒

第12位;№123 「ワイルド・キッド」 大頭春(ダアトウチュン)
;エンターテイメント小説;2005年11月11日(金) 21時20分46秒

第13位;№130 「ソウ-SAW-」 行川渉
;エンターテイメント小説;2005年11月26日(土) 00時41分01秒

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2005年11月28日(月) 20時43分18秒

№131 「あの日にドライブ」 荻原浩

テーマ:--荻原浩

以下駄文開始。
読前感想の枠 ってのは、読後感想でもこういった形で使用しようと思っています。
携帯から確認すると表の左側の文字が見えなかったので、マイナーチェンジしたものの、なんというか、それなりに整理整頓された風なので、良いな~と自画自賛。
なにやら「書評」という冠もあって極めて個人的な総評点数表示なんかもしてみたりして(極めて個人的な評価ですから、怒らないでくださいね)
以上駄文終了。

*************************


ということで、新フォーマット1発目は、荻原氏の最新刊「あの日にドライブ」です。
残念ながら「さよならバーディー」「明日の記憶」が未読であり、刊行順に読むというルールを守れませんでしたが、さらに研ぎ澄まされた荻原節、「2005年の荻原節」(と勝手に命名)が味わえます。
個性的な登場人物と、そこにまとわりつく「悲哀感」とか「生き様」とか「閉塞感」とか「いらぬ妄想」とか、いろいろ。まさに、小説世界に見る現代の写し画のような作品です。

amazonリンク
荻原 浩
あの日にドライブ
出版元
光文社
初版刊行年月
2005/10
著者/編者
荻原浩
総評
20点/30点満点中
採点の詳細
ストーリ性:3点 
読了感:4点 
ぐいぐい:4点 
キャラ立ち:3点 
意外性:3点 
装丁:3点

あらすじ
元エリート銀行員だった牧村伸郎は、上司へのたった一言でキャリアを閉ざされ、自ら退社した。いまはタクシー運転手。公認会計士試験を受けるまでの腰掛のつもりだったが、乗車業務に疲れて帰ってくる毎日では参考書にも埃がたまるばかり。営業ノルマに追いかけられ、気づけば娘や息子と会話が成立しなくなっている。ある日、たまたま客を降ろしたのが学生時代に住んでいたアパートの近くだった。あの時違う選択をしていたら…。過去を辿りなおした牧村が見たものとは? <<amazonより抜粋>>


簡単に言うと、中年男の悲哀感たっぷりの前半から、妄想の中盤にかかり、爽快な終盤がやってきます。
タイトルの「あの日」とは、主人公の牧村伸郎が思う、過去の人生の分岐点である「たくさんのあの日」。
その分岐点を、今と違う道筋で歩いていたら自分は、どうなっていただろうと思いめぐらせることが、物語の主題となっています。

出版社への就職という夢を捨て、現実として「堅い」銀行に就職したり、大学時代に付き合っていた恵美と結婚できなかった自分。
売上げのノルマが達成できない牧村は、その過去の産物に会いに行くのですが、そこで起こる様々な出来事が、非常にユーモラスでちょっとだけ悲しいかったです
この辺りのくだりは、非常に「荻原節」。
このテーマ・シチュエーションだったらもっと暗くなっても良いところですが、思わずにやりとしてしまいます。


この小説は、「今まで通ってきた道(あの日に選択した今までの人生が)が、最良の選択か?」という問いに対して、タクシードライバーという職業を通して、答えているのだと思いました。
そういった意味では非常に計算高い物語だったりします。

今までの作品に見られた、物語の動きそのものはあまりなく、やもすれば妄想話に終始し、若干淡々とした感じもあるものの、やっぱり荻原作品は人が生き生きしていて良いです。

で、タクシードライバー仲間の山城や隊長はじめいろんな人の生き様を見せつけられ、自分自身の自尊心のつまらなさや世間への甘さに気がつき、「これはこれでいいんじゃないか?」と思い始めてから、爽快の終盤が訪れます。

家族の修復。
そして銀行時代の上司との邂逅・・・

ふふふ、読了感はバッチリ。胸がす~っとします。

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2005年11月27日(日) 14時52分11秒

本舗1周年記念連動企画:ハンドルネームの候補だったもの

テーマ:ブログ

流石奇屋ヒットです。

駄文ブログであり「モブログ旅行紀 」だけが、それなりに人気企画の「流石奇屋本舗 」が、無事05年11月に「1周年 」を迎えました。(パチパチ)

この「書評の間」も、前身は「流石奇屋本舗」の1カテゴリだったわけで、縁もゆかりもあるのです。

ということで、その「流石奇屋本舗」で現在、実施してる「1周年特別企画」の一つである「ハンドルネーム【流石奇屋ヒット】の謎」の連動企画を引き受けました。その名も「ハンドルネームの候補だったもの」です。

まずこちらの記事をご覧ください。

ハンドルネーム【流石奇屋ヒット】の謎 」(流石奇屋本舗)

・・・

で、ようやく本文なのですが、

この「SasugakiyaHit」以外のハンドルネーム候補は、下記のようなものでした。(順序は作成順で、なんとなく選考基準が見え隠れします)

候補其の1

西瓜屋アサイト(Suikaya Asight)
当時京都にはまっており、日本らしく、「○○屋」という屋号のような名前にしようと思って、最初に思いついたのがこちら。
スイカ(西瓜)をキャラクターにして、どうのこうの考えていましたが、なんだか無理やり感があったので不採用。
ちなみにアサイトのサイトを、英語綴り(Sight)にしているのがポイントで、この時のひらめき(のようなもの)が、ヒット(Hit)という名前に繋がっています。


候補其の2

継屋あしか(Tsugiya Ashika)
「西瓜屋」から「継屋」に変更。余った文字の並びを「あしか」としました。
「すいか」とか「あしか」とか、まだキャラクター的発想があったのでしょうか?あしかって早々簡単に書けないのであきらめました。

候補其の3

明日快屋サイト(Asukaiya Sight)

「すいか」だの「あしか」だのやめて、漢字の当て字で勝負し始めています。
「明日が快い」という意味で、なかなかだったのですが、ここへ来て(「Sight」ってどう?)と思い始めました。

候補其の4で、流石奇屋ヒット(Sasugakiya Hit)
其の3とそれほど変わっていないのですが、正直飽きてきたのでしょうね。

ということで、

「正直、飽きてきたので」

この「流石奇屋ヒット」が生まれました。

・・・

で、この無理やり感たっぷりのハンドルネーム「流石奇屋ヒット」なのですが、それなりに良いこともあります。
それはGoogleなどの検索エンジンに「流石奇屋」でヒットするものは、私の記事(もしくはいろいろな方々へTBもしくはコメントしたもの)しかないということ。

これは便利なのですよ。それなりに

ちなみに2005年11月末現在、Googleで「流石奇屋」でヒット(?!)する記事は610件
暇な夜中にそんなことして楽しんでいるということです。

ははは

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2005年11月26日(土) 21時11分05秒

2005/11/26に借りた本(新フォーマットはじまる)

テーマ:読前感想
流石奇屋ヒットです。

唐突ではありますが、この「読前感想」に、〔自前の枠のようなもの〕を用意してみました。
別に今までの感じでもよかったのですが、ちょっとHTMLタグなどにチャレンジしてみたってことです。
で、(個人的に)気に入らなければ、前のに戻しますし、気にならなければこのまま行きたいと思います。

ちなみに、この〔自前の枠のようなもの〕は、エクセル関数(とはいえセル内容の結合だけですけど)を駆使して、コンテンツをセルに入れるだけで枠のようなものが出来上がるといった、そんな感じにしてみました。

題名
あの日にドライブ
読了可能性
★★★★★
出版元
光文社
初版刊行年月
2005/10
著者/編者
荻原浩
読前感想
予約本。「さよならバースデー」「明日の記憶」を飛び越して最新刊が借り出せました。この前2作でメジャー化した荻原氏なので、致し方ないといえば致し方なく、とはいえ最新刊なので、ラッキーといえばラッキーな訳です。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10006511765.html

題名
1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記
読了可能性
★★★☆☆
出版元
幻冬舎文庫
初版刊行年月
1986/02
著者/編者
木藤亜也
読前感想
現在、TVドラマでも放送されている「1リットルの涙」の原作本。で、予約本。実はTV化したから借り出したのではなく、別の番組で紹介されていたので借りてみました。ですので、残念ながらTVドラマそのものは見ておりません。ま、仕事をし始めてからちゃんと見ているドラマって「大河ドラマ(日曜夜)」くらいなもんです。
読後感想リンク


題名
さよなら妖精
読了可能性
★★★★☆
出版元
東京創元社
初版刊行年月
2004/02
著者/編者
米澤穂信
読前感想
忘れた頃の「ミステリ・フロンティア」レベール。第3回配本の本作。なぜか「ヤングアダルトコーナー」にあったところを借り出しました。全然関係ありませんけど、「ヤングアダルト」って何か変な表現ですよね。「とっちゃん坊や」的印象が前からあります。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10006866414.html

題名
アレルヤ
読了可能性
★★★☆☆
出版元
朝日新聞社
初版刊行年月
2002/10
著者/編者
桜井鈴茂
読前感想
なんとなく借りてみました。たぶんお初にお目にかかり本。第13回朝日新人文学賞受賞作にして、敗残者の青春小説なんだそうです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10006745477.html

題名
サウスポー・キラー
読了可能性
★★★☆☆
出版元
宝島社
初版刊行年月
2005/02
著者/編者
水原秀策
読前感想
これまた普通の書棚から何となく借りてみました。これまた、お初にお目にかかり本。第3回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞受賞作にして、孤高のヒーロー大奮闘なのだそうです。
読後感想リンク
http://ameblo.jp/sasugakiya-hit/entry-10006708641.html

題名
御手洗潔対シャーロック・ホームズ
読了可能性
★★★☆☆
出版元
原書房
初版刊行年月
2004/12
著者/編者
柄刀一
読前感想
これは前々から借り出したかったのです。とはいえ予約すること自体は忘れていたりして、なかなか借り出せませんでした。で、ふと普通の書棚を眺めていると、(あるじゃない!!)ということで借り出したのです。言わずと知れた島田荘司氏の「御手洗潔」と、かの「シャーロック・ホームズ」の対決であり、パスティーシュ作品です。
読後感想リンク


題名
46番目の密室
読了可能性
★★☆☆☆
出版元
講談社文庫
初版刊行年月
1992/02
著者/編者
有栖川有栖
読前感想
もしかしたら随分前(このブログを作るもっと以前)に、講談社ノベルズで借り出したかもしれませんが、記憶が曖昧だったので思い切って文庫版で借り出してみました。本サイズ的には通勤本となる訳です。
読後感想リンク


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2005年11月26日(土) 00時41分01秒

№130 「ソウ-SAW-」 行川渉

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】
行川 渉, James Wan, Leigh Whannell, ジェームズ ワン, リー ワネル
ソウ―SAW

立て続けに「軽めの文庫本」。
これは実読書時間1時間半くらいでした。ちょうど映画と同じくらいのスピードだったのではないのでしょうか?言わずと知れた映画「SAW-ソウ-」のノベルズ版です。

未だかつてない知能犯が仕掛けた、究極のサスペンス・ホラー。地下室で目覚めた二人の男。自分が拉致され監禁されたという事実に気づく。なぜ彼らはそこに監禁されているのか?そこから逃げ出すことはできるのか?生き残るための、壮絶な知恵比べが始まった! <<Amazonより抜粋>>

正直いってこの手の映画は完全にNGなので、小説でお茶を濁したりしてみます。
だいたいにして「驚かせる」・「びっくりさせる」という行為そのものに嫌悪感のある「平和主義者」な私は、「驚く」ことも「びっくりする」ことも好きではありません。
特に視覚・聴覚に影響があるものはまったくダメなわけです。

で、小説の世界では、どうかといえば、これがまったく大丈夫。
ここで初めて「怖がり」ではない自分に気がついたりするわけです。

読了した 「ソウ-SAW-」も基本的には映画が先行され、これは後追いのノベルズ版なわけですが、映画本編と結論は違うらしいです。
本書では、登場人物全員が、謎を残さず、きっちりと終わり、ある意味、映画的結末を迎えます。
登場人物もそんなにいないわけですから、収束の美しさというよりは、「エンドロール」が出ました的結末でした。

あまりにもきっちり「エンドロール」が出てきてしまったので、なんだか後味のない作品となってしまったかもしれません。
かる~い感じの本です。

シチュエーションは、大変興味深いので、これがちゃんとした原作があったら、もっといろいろと伏線が入って面白くなったかもしれません。
当たり前ですがあくまでも映画サイズの物語ということです。

で、この「後味のない」読了感は、以前感じたことがあるぞと思って、考えてみたところ、こちら でした。(逆をいえば、こちら が映画のノベルズ版っぽいという事かも知れません)

・・・ということで、良い意味で時間をつぶすには最適です。
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2005年11月24日(木) 22時07分20秒

№129 「熱域-ヒートゾーン-」 森真沙子

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】

森 真沙子
熱域(ヒートゾーン)

本日、たまたま仕事で移動時間が確保できたため、読みきってしまいました。

近未来、メガロポリス東京を覆う炎熱の夏。ヒートアイランド現象下に人体自然発火は起こりうるのか。弟の焼死の謎を追う気象予報士の姉を襲う、天変地異の因果関係は<<本裏表紙より抜粋>>

これはまぁ、ミステリ要素はありながら、サスペンスタッチな作品で、テレビの2時間枠できっちりおさまりそうな雰囲気のある作品でした。
そういった意味では、見せ所は随所にあったりします。いうなれば、コマーシャル直前の盛り上がりってやるですね。

①前半で、可愛がっていた弟が謎の焼死をし、
②中盤以降は、その焼死を疑問に思う主人公が、あれやこれやと能動的に事件に関与していきますが、関係者が「見えない圧力」によって次々の事故死していき、
③能動的な調査やいろいろな人の協力を経て、徐々に見えてきた事件の真相があり、
④この事件が過去のある出来事にリンクすると、後半は一気にハードボイルド的に解決編します。(ま、さすがに断崖絶壁で語るシーンはないものの、似たような高さで物語は収束します)

この①~④までを30分ずつで映像化すると、ぴったり2時間枠ってことです。

中には超常現象として括られている「人体自然発火」についてある仮説をもとに科学的な説明がなされていて、その手の好きな方には、唸る作品かもしれません(その手の好きな方には既に承知済みなのでしょうけどね)。

ということで、文体自体を評価対象とするにはやや抵抗がありますが、ストーリとしては良くできています。
まさしく「たまたま仕事で移動時間が確保できたため、読みきってしまう作品」ということです。
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2005年11月23日(水) 09時24分56秒

№128 「金閣寺」 三島由紀夫

テーマ:★読後感想:作家別【ま・や行】
三島 由紀夫
金閣寺

きちゃいました。
記念すべき「流石奇屋~書評の間」の名作本1冊目は、三島由紀夫氏の「金閣寺」。
(「名作本」の定義は、こちら
この小説を21世紀に読むということ自体に、そしてこの年齢になって読むということ自体に感慨深いものを感じました。

1950年7月2日、「国宝・金閣寺焼失。放火犯人は寺の青年僧」という衝撃のニュースが世人の耳目を驚かせた。この事件の陰に潜められた若い学僧の悩み---ハンディを背負った宿命の子の、生への消しがたい呪いと、それゆえに金閣の美の魔力に魂を奪われ、ついには幻想と心中にいたった悲劇・・・・・・。31歳の鬼才三島が全青春の決算として告白体の名文に綴った不朽の金字塔。<<文庫版裏表紙より>>

金閣寺の放火犯である青年の視点(一人称)で、「何故、金閣寺を放火するに至ったか」までを、崇高な文体・芸術的解釈で物語しています。
言ってみれば「狂人の狂人を形成にいたる心理描写」という陰鬱なものでありますが、あくまでも美しく、あまりにも切ない物語です。

あるコンプレックスに端を発し、世間と自分との距離感を痛切に感じます。
そして、信じるべき人物(それは母親や寺の老師)への減滅や、同世代の友人達や思いを寄せる女性達とのコミュニケーションを通じて、「破壊欲望」を自分の中に見出していきます。
美の象徴・世界の象徴であり、すべての呪いの元凶である「金閣寺」を放火するということで、自己の開放をはかろうとするわけです。

戦後間もないという時代の差はありながらも、「青年の苦悩」自体は、現代にも十分通用するでしょう。

そして、「金閣寺を焼失させる行為」にある、「人に潜む狂気性」とその「具体化」いうレベルにおいては、21世紀の現代のほうがよっぽど陰惨だなぁと切に思いました。
国宝・金閣寺を焼失させる行為自体はとてもセンセーショナルではありますが、一方で、現実社会で日夜起こる、思わず目をふさぎたくなる事件に麻痺されている我々にとっては、数ある事件の一つという印象でしかありません。

このあたりのギャップ感を読了後に感じ、ちょっとへこんだりしてしまいました。

・・・

文体は結構アリでした。
特に柏木との哲学的やりとりは、新鮮なものも感じました。
難しいこといっているんですけど、そういえば若い頃の私自身も「難しく話す」という行為が、自己存在の一つだったような気がして、恥ずかしくなったりもしちゃいました。

で、この手の小説をこの歳で読むってことの重要性を知りました。
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2005年11月22日(火) 00時34分12秒

№127 「実験小説ぬ」 浅暮三文

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
浅暮 三文
実験小説 ぬ

いいですね。表紙。まさに「実験小説ぬ」でございます。
『ダブ(エ)ストン街道』で第8回メフィスト賞を受賞しデビューした浅暮三文氏の文庫書き下ろし&オリジナル/傑作短編集の「実験小説ぬ」。

「実験小説ぬ」でございます。

このセンス。これだけでご飯が3杯食べれちゃいます。

交通標識で見慣れたあの男の秘められた、そして恐ろしい私生活とは?(「帽子の男」)。東京の荻窪にラーメンを食べに出かけた哲人プラトンを待っていた悲劇(「箴言」)。本の世界に迷い込み、生け贄となったあなたを襲う恐怖(「カヴス・カヴス」)。奇想天外、空前絶後の企みに満ちた作品の数々。読む者を目も眩む異世界へと引きずり込む、魔術的傑作27編。<<裏表紙より>>

ま、タイトルの通り「実験小説」ということで、あらゆる実験的なそして前衛的な手法で短編を構成しています。

前半部の「実験短編集」では、元来「文字の集合」でしかない小説というものに対して、絵、写真、そして得体の知れない記号群で、視覚的に表現しています。
ポイントはこの表現のサイズ。
やっぱり単行本では冗長的になると判断して、あえてこの「実験小説ぬ」は「文庫書き下ろし&オリジナル」なのだろう
と思います。

後半部は「異色掌編集」と銘打ち、村上以前(*1)によく読んだ星新一編の「ショートショート広場」を彷彿させる掌編ばかりが揃っています。
あぁぁ懐かしいなぁぁ「ショートショートの広場」。
で、やや実験的要素は薄れますが、ちょっとブラックな作品もあるので、思わずにやりとしてしまいます。

この本は書評するものではなく、是非手にとって「感じて欲しい本」です。
ある意味で最先端の小説であり、一方で、どこか懐かしい感じのする短編集でした。

ちなみに、本文とはまったく関係ありませんが、裏表紙の著者近影もなかなか良い
です。
失礼かもしれませんがマッドサイエンティスト風です。

(*1)村上以前:
私自身が
、本格的に文学を意識した村上春樹氏の小説を読むまでの時期をさす。
概ね小・中学校時代のこと。村上時代については、こちら とかこちら を参照のこと。

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2005年11月18日(金) 21時35分35秒

№126 「天に還る舟」 島田 荘司, 小島 正樹 

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
島田 荘司, 小島 正樹
天に還る舟

05年7月刊行の巨匠島田氏と”気鋭の継承者”である小嶋氏のコラボレート作品。
このコラボレートについては、後述するとして、この作品。
最近の私個人の傾向なのでしょうけど、あんまり「ぐいぐい」いきませんでした。
もっと正直に言うと、途中でやめてしまうかもしれませんでした。
あくまでも個人の傾向だとは思いますが、物語の性質そのものに、やや息切れ感があったりしました。

昭和58年12月。『火刑都市』事件の捜査を終えた中村は休暇を取り、妻の実家・埼玉県秩父市に帰省していた。そこで中村は一つの事件に遭遇する。地元警察は自殺と判断した死体。これに不審を抱いた中村は捜査を開始する。その直後に発生する第二の殺人!!そして事件は連続殺人事件へと発展していく!!多くの遺留品、意味的な殺害方法。多くの謎の裏に隠された真相に中村が挑む!!<<南雲堂HPより抜粋>>

島田作品は「御手洗シリーズ」しか読んでいなかったもんで、御手洗以外の島田作品は、初めてでした。
で、秩父の渓谷を舞台にした連続殺人事件が起きるのですが、わけありな登場人物がいたり、聞き分けのない刑事がでてきたりして、作品世界としては上々です。
ちょっと無理はあるけども一般人の海老原と共に、休暇中の刑事中村が事件の真相に迫ります。

なんといってもこの作品の一番の見せ場は、殺人の状況そのもの。
明らかに何かに見立てられている状況に、主人公達は、あらゆる視点から真相解明に力を注ぐ訳ですが、甲斐もなく、連続殺人事件が起こります。

そういった構図、作品世界が物語中盤まで続きます。
で、そこまで来て、個人的には息切れをしてしまいました。

あまりにもハウダニット(どのようにして)にこだわっているであろう、説明として冗長な殺人状況(もしくは証言者の発言)に対し、結果的に解決をして見せて、これまた同じくらい説明が続くのか~と。
これが、作者が読者に対する挑戦であるのなら、まずはその状況を如何にイメージできるかが読者としての礼儀なわけですが、まったくもってちゃんとイメージできませんでした。

いやいやすみません

で、自分自身のイメージできる力を超えてしまっている感を感じてしまったので、「息切れ」なわけです。

ただ、救いなのは、きっちり最後にホワイダニット(何故)を、犯人からの手紙として紹介しており、どうにか辻褄があいました。
ここは「島田挿話」の真骨頂
ここまで読んで、ちゃんと読了できてよかったと思いました。
結構、この挿話自体の内容はヘコみますけどね。

ちなみに前述した「コラボレート」についてはWS刊島田荘司 の中の「南雲堂刊、『天に還る舟』のできるまで 」に記載されています。
これはなかなか面白い。コラボレートってのはこういう感じなのね~と純粋に勉強になりました。
そして、島田氏、巨匠節が炸裂でございます。
ちなみに完全なネタバレなので、読了後にお読みください。
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2005年11月16日(水) 01時47分09秒

カウンタのバグかと思いました。【追記】

テーマ:ブログ

え~結局ですね。

11月15日(火)は最終的に191アクセスを記録しました。

ということで、5倍ではなく8倍弱だったということを追記しておきます。
(そうそう、滅多にないことですのでね。記念です、記念)


051116


しかし、なんでしょ、このバブリーな遷移グラフは。

「レアル計画」直前のブラジルのインフレを見ているようです。

ちなみに日が変わって1時間半だけど、すでに16日(水)も23アクセスって・・・

一昨昨日までの一日のアクセス数じゃないですかね

・・・

こりゃこりゃ。。。

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