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2005年10月31日(月) 23時59分59秒

2005年10月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』
あっという間に10月が終わりました。
仕事も忙しくなり、(そろそろ、この「書評の間」もフェードアウトかしらん?)などと思っていましたが、よくよく考えてみると、忙しい時ほど、無理やりでも本を読んでしまうのが私のサガでした。

今、思い出しました。

ということで、10月の月刊『後感』でございます。

まずは恒例の今月の最終ランキング

<<10月の最終ランキング>
総合ランキング:
8713位/566154人中(1.53%)前月からの比=0.20%
ジャンルランキング:
162位/4348人中 (3.72%)前月からの比=0.40%

着実にランクダウン。秘策もないままこれまた淡々と「書評の間」は続きます。

ということで、今月は13冊。
ルーキー荻原氏は初1位ゲットなるか?


第1位;「神様からひと言」 荻原浩
;エンターテイメント小説;2005年10月21日(金) 01時21分08秒

荻原 浩
神様からひと言
やっぱり不条理だったり理不尽だったりする社会に対する奮闘記ってことで、1位です。
荻原氏。この2ヶ月で合計9冊読んでおりますけど、初1位です。

第2位;「さつき断景」 重松清
;エンターテイメント小説;2005年10月14日(金) 01時50分53秒


重松 清
さつき断景
これは自分自身も意外でしたが、2位は「さつき断景」。
世代の違う3人の6年間を「5月1日」の6日間で語る日記形式の本作。
6年もあればいろいろとあるんだなぁと小説ながらに実感してしまいました。
ちなみに私の95年~00年の5月あたりは大したことはありませんでした。


第3位;「世界の終わり、あるいは始まり」 歌野晶午
;推理小説;2005年10月28日(金) 01時43分31秒
歌野 晶午
世界の終わり、あるいは始まり
「怖い」という意味で上位にランクインです。小説どうのこうのよりも、こういった内容のものが決してフィクションではないという「現代」に怖かったりするわけです。
犯罪の低年齢化といえば、それまでですが、我々大人が反省すべきなのですよね。

第4位;「MORNING GIRL」 鯨統一郎
;推理小説;2005年10月22日(土) 01時30分00秒

第5位;「メリーゴーランド」 荻原浩
;エンターテイメント小説;2005年10月26日(水) 21時27分40秒

第6位;「誘拐ラプソディー」 荻原浩
;エンターテイメント小説;2005年10月04日(火) 22時52分49秒

第7位;「コールドゲーム」 荻原浩
;エンターテイメント小説;2005年10月08日(土) 17時29分45秒

第8位;「上陸」 五條瑛
;エンターテイメント小説;2005年10月07日(金) 01時28分16秒

第9位;「クロノス・ジョウンターの伝説」 梶尾真治
;エンターテイメント小説;2005年10月17日(月) 22時34分30秒

第10位;「空のレンズ」 片山恭一
;エンターテイメント小説;2005年10月15日(土) 08時18分56秒

第11位;「シェルター 終末の殺人」 三津田信三
;推理小説;2005年10月03日(月) 22時26分18秒

第12位;「ツール&ストール」 大倉崇裕
;推理小説;2005年10月29日(土) 08時12分27秒

第13位;「清水義範のほめ言葉大事典」 清水義範
;分析本;2005年10月19日(水) 00時24分09秒

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2005年10月30日(日) 21時00分45秒

2005/10/29に借りた本

テーマ:読前感想

すっかり寒くなってまいりました。
車で図書館に向かおうとエンジンをかけたら外気温が18度でビックリしてしまった流石奇屋ヒットです。
すっかり秋ですな~。
で、あっという間に冬なんですよね。

で、今回は「読書の秋」らしく待望の予約待ち本が2冊も借り出せました。
なんとなく興奮しちゃいますよね。ささやかな興奮です。ふんふん。

題名:夜のピクニック
,読了可能性:★★★★★
,出版元:新潮社
,著者/編者:恩田陸
,読前感想:キマシタ。5月の予約エントリーから5ヶ月経って入手した予約本「本の雑誌」が選ぶ2004年度ベスト10の第1位 であり、第26回吉川英治文学新人賞 受賞であり、第2回本屋大賞受賞 の本作。よっぽど凄い作品なのでしょうと、よからぬプレッシャーを与えつつ読んでみたと思います。

題名:SPEED
,読了可能性:★★★★★
,出版元:角川書店
,著者/編者:金城一紀
,読前感想:これまたキマシタ。7月予約エントリーから3ヶ月で入手の予約本。あのゾンビーズシリーズ最新作でございます。文量はあさっり短め。

題名:僕たちの戦争
,読了可能性:★★★★☆
,出版元:双葉社
,著者/編者:荻原浩
,読前感想:予約本。通算11冊目の荻原本。ここまでは普通に予約して、翌週あたりに借り出せましたが、刊行順でいうところ、この次の「明日の記憶」が話題作なもので、たぶん荻原本はしばらくお休みとなるでしょう。

題名:異国伝
,読了可能性:★★★★☆
,出版元:河出書房新社
,著者/編者:佐藤哲也
,読前感想:これまた予約本。あの「熱帯」「妻の帝国」の佐藤哲也氏。見たことも聞いたこともない45の物語。タイトルが「あ」から「ん」の45編を並べるあたりは、「日本語を愛する作家」(と、勝手に命名)ならではです。

題名:【新しい】新しい単位
,読了可能性:★★☆☆☆
,出版元:扶桑社
,著者/編者:世界単位認定協会
,読前感想:愛すべきパラパラ本であり、かつ予約本。この手のTV番組の本は数あれど、普段はあまり手にしません。ちょっと卑屈な学術的解釈に魅力を感じて借りてみました。大抵、読後感想のない本の種類ですが、気が向いたら感想を書いてみますね。

題名:水の迷宮
,読了可能性:★★★☆☆
,出版元:光文社
,著者/編者:石持浅海
,読前感想:新装になったカッパノベルズで、新刊コーナーにありました。とはいえ2004年10月刊行です。「BG、あるいはカニシス」の石持氏。同書がそれなりに楽しめたので、こちらも期待です。

題名:ワイルド・キッド
,読了可能性:★★★☆☆
,出版元:早川書房
,著者/編者:大頭春(ダアトウチュン)
,読前感想:どうしても薄い本を借りたくて、新刊コーナーから借り出しました。”「台湾の村上春樹」と評される当代随一の人気作家”のようです。まったく知りませんでした。すみません。ちなみに早川書房では「翻訳権独占」だそうです。そこまで本帯に書かれてしまうと煽られちゃいますね。

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2005年10月29日(土) 08時12分27秒

№118 「ツール&ストール」 大倉崇裕

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
大倉 崇裕
ツール&ストール

読前感想では、「何となく借りてしまった」と失礼なコメントをしてしまった本作。
「小説推理新人賞受賞作」で、タイトル作を含めた5編の中編が収容されています。
お人好しの主人公白戸修が、お人好しなために巻き込まれてしまう数々の事件の謎を解いていく作品。

ある朝、殺人容疑をかけられた友人が飛び込んできて目が覚め、別の日は友人から突然頼まれた怪しげな深夜のバイトに出かけ…。さまざまな事件に巻き込まれる、日本一運の悪いお人好し、白戸修・23歳の5つの短編集。<<Amazonより抜粋>>

本文の感想というより、「世界の終わり、あるいは始まり」を読み終えてすぐに読み始めたため、とってもライトな感覚が有難かったです。
やっぱりこういう作品もあいだに取り混ぜながら読書することが、精神衛生上とっても良いことだと実感しました。
食い合わせならぬ「読み合わせ」ってのもあるものなのです。

ま、ライトとはいえ、しっかり謎解き要素もありますし、それなりに唸らせる展開もございます。
特に「トラブルシューター」のストーカー対決あたりは、手に汗握る風です。(あくまでも「風」なのですが)

ただ、登場人物が少ないため、消去法で犯人が特定できちゃうのがやや難点。
この傾向は中短編ミステリでは致し方ないことだと思っていたりしてますが・・・

興味深いのは、探偵役である主人公の白戸修が、本当にお人好し=いい人だったりすること。
間違い電話をかけてきた相手が、間違いに気がつかず、「中野駅にすぐ来てくれ」と言って一方的に切られて、間違いであることを正すために、その人に会いに中野駅にいってしまうってくらい、いい人です。
そのくせ、勘所も良く、ちゃんとした推理もできちゃいます。こういう友達がいれば、一生、仲良くするのになと思ったりして。

主人公の人柄も手伝ってか、全体的にほのぼのとした感じの推理小説です。

それ以上でもそれ以下でもないあたりが、今のわたしにはちょうど良いのでしょう。リハビリ終了。
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2005年10月28日(金) 01時43分31秒

№117 「世界の終わり、あるいは始まり」 歌野晶午

テーマ:--歌野晶午

歌野 晶午
世界の終わり、あるいは始まり

ある意味で「既存のミステリの枠を超越した衝撃の問題作!(本帯より)」は間違いではありません。
タイトルは「世界の終わり、あるいは始まり」ですが、正しくは
「世界の終わり、あるいは始まり、あるいは終わり、あるいは始まり・・・・」といった感じです。
圧倒的な小説世界(はたまた、起こりうる現実世界)を堪能することができました。

先にお断りしておきますが、できれば、本書をお読みになってからこの読後感想をご覧いただければ、良いと思います。
なるべくネタバレにならないよう努力しますが、この本の性質上、「感想を述べること自体がネタバレ」だったりしちゃいますので。


小学生ばかりを狙った連続誘拐殺人事件が勃発した。新興住宅地で家族と共に平和に暮らす富樫修は、小学校6年の息子の部屋で、事件にかかわるある物を目にしてしまう。その後、次々と見つかる息子犯人説への物証。「なぜ、我が子が」という戸惑いと、息子の将来だけでなく、自分も家族の未来も破滅するという恐怖。免れようのない悲壮な現実を目の前にしたとき、人はあらゆる知識と想像力を総動員して逃げ道を探す。自分を守るため、そして家族を守るために。<<Amazonより抜粋>>

物語の前半は、自分の息子の無罪を証明するために、主人公である富樫修が付近で起こる連続誘拐殺人事件の犯人探しをするのですが、中盤から後半にかけては、その息子である富樫雄介の部屋から見つけてしまったあるものが、何かを決定づけてしまい、それ以降について、父親視点で物語が描かれていきます。

普通に読んでいると、中盤(もしくは前半の最後)あたりで、犯人が確定してしまい、「?」と思うことでしょう。本書の前提知識がない私は、
(ははぁん。後半はその更正あたりを書いて、結果的に「あるいは、始まり」なのかぁ)などど、浅知恵を働かせてしまいました。

ところが、そうは簡単に終わらないのが本書です。

まさに「世界の終わり」をまざまざと見せつけちゃってくれます。
どうひっくり返っても「更正」しようのない彼と、「救済」しようのない物語が、とてもスピード感をもって展開されます。
このあたり、著者のテクニックはもちろん、(次には一体なにが起こるのか的)「悪意」を持って、嫌な気分で読み進めていきました。
ホントに「世界の終わり」って感じなんです。
・・・どう考えても。


(以降ややネタバレ)


で、それら物語全体が、ある時点における父親の苦悩の上での想像だったりして、ホッとしたりするあたりから、(この小説は一体何なのか?)と思い始めるわけです。

ここまできたら後は一気に読んでしまってください。
ここは眠らなくても一気に読んでいただいた方が良いでしょう。
私自身仕事が猛烈に忙しかったりしましたが、夜中3時過ぎまでかけて、読みきってしまいました。
引き続き(もしくは、より一層の)スピード感で、ぐいぐいいけちゃいます。

重要なテーマは「いつまでも繰り返される世界の終わり」。


そして、読み終わって、とっても「重い気持ち」だけが残りました。

少年犯罪というテーマしかり、加害者家族のあり方しかり、やっぱり、いつになっても救われない物語しかり、いくらラストは、タイトルの通り、「始まり」だったりしても、それ自身が「いつまでも繰り返される世界の終わり」に含まれているのではないのか?という疑いがあったり、これが現実だとしても、存在しない次のページでやっぱり「世界の終わり」が待っているのではないかとかを想像して、読み終わってしばらく大変でした。

綺麗な収束好きなわたくしですが、この収束の仕方もある意味で「綺麗」だと思います。

ここまでの「気持ち」が残る作品は早々見つかりません。
といった意味で十分「問題作」であるわけです。
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2005年10月26日(水) 21時27分40秒

№116 「メリーゴーランド」 荻原浩

テーマ:--荻原浩
荻原 浩
メリーゴーランド

9冊目の荻原氏の秋でございます。
理不尽な社会と戦う「神様からひと言」の奮闘記ものと「オロロ」・「小鳩組」で見せた家族愛ものを足して2で割り、相変わらずの「荻原節」と、ご都合的には終わらない「フィクションの中のリアリズム」をフリカケた作品です。(なんだそりゃ)

この俺が、超赤字テーマパークを立て直す?!たとえ何にもしなくても、毎朝デスクにたどり着きさえすれば満点なのが、正しいお役所ライフのはずなのに…。最愛の妻に可愛い子供と過ごす優雅なアフター5はどうなっちゃうんだ?地方都市の村興しと権力闘争に翻弄される公務員の、可笑しくてやがて哀しき奮闘を描く「宮仕え小説」の傑作。<<紀伊国屋Bookwebより抜粋>>

本文と微妙に関係していますが、まずは、極めて個人的なことをいきなり書き記します。
・・・観光地のはずれあたりにある、地方のテーマパークっていいですよね。
人込みが嫌いな私にとっては「さびれた、ひと気のない、テーマパーク」って、意外に好きです。
つまらなくっても、そういった静かな場所を用意してくれてありがとうって感じなんですよね。
例えば「るるぶ」などのモノクロページに写真すら付いていない「○○ランド」とか「○○博物館」とか「○○センター」とか「○○屋敷」なんての見ちゃうと、とりあえず営業時間とかみちゃいます。

・・・はい、個人的なこと終了です。

本文。
まったくもってお役所気質ってのには疲れてしまいますが、民間だからって違うってものでないから困りなわけです。
要するに「予算を如何に使い切るか」と「既得権を如何に守りきるか」といった主旨の行動やら発言やら、決して小説内の世界でもないという感じなのです。やれやれ、そういった意味ではこういった不条理・理不尽な世界には、大いに共感してしまいました。
・・・そんなこんななんで、ひと気のないテーマパークで一人ぼっちになりたいのかも知れません。

で、さらに興味深いのは、そういったことに直面した主人公は、決して、そこに対して憤慨して何かをするわけではなく、あくまでも息子の哲平の作文作成(テーマは「お父さんの仕事」)の後押しがあって、頑張ってしまいます。
この微妙なズレ感が、面白かったりします。

結果的に、この「アテネ村」というテーマパークを、(毎度の事ながら、個性的な)いろんな人の協力を得ながら盛り上げていくこととなり、せっかくのやる気みなぎる仕事でありながらも、最後は大きな波にさらわれていくあたりは、今までの荻原氏のこっち系の作品にはあまりなかった「フィクションの中のリアリズム」だったりして、ちょっとしたもの悲しさがあります。

ただ主人公である遠野がそれを受け入れ、家族のために見せるサービスは、圧倒的な「家族愛」であり、ホッとさせていただけるわけです。

人生の中で大切なものはなんでしょうかね?という疑問をちょっとだけ教えてくれる作品です。
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2005年10月23日(日) 23時03分51秒

知らないうちに115冊ですって

テーマ:ブログ

・・・


タイトルの通りなのですが、


鯨統一郎氏の「MORNING GIRL」までで、


この「読後感想」は


115冊目


でした。


・・・


あっけなく年間100冊の読破を達成しており、


しかも15冊も通り過ぎておりました。


で、


なんの記念もないのもあれなので


(というより既に15冊も超えているので記念も何もないんですけど)


最近のマイブームである「荻原浩氏」を


「伊坂幸太郎氏」と同様に


殿堂入りとしました。


(・・・個人名のテーマとしたということですね)


パチパチ。



★読後感想:荻原浩特集


ちなみに


★読後感想:伊坂幸太郎特集


というのもあります。



ま、これからもマイペースで、


こんな感じで、


本を借り出して、


皆様にちょっとでもご紹介できればと思います。


ということで、「流石奇屋~書評の間」。


今後ともよろしくお願いいたします。

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2005年10月22日(土) 01時30分00秒

「MORNING GIRL」 鯨統一郎

テーマ:--鯨統一郎

鯨 統一郎
Morning girl

05年7月刊行。この書評の間では大変珍しい新刊本です。(とはいえ3ヶ月前ですが・・・)
ミステリアス学園 」だとか「九つの殺人メルヘン 」の鯨氏なのですが、前述した2作とは雰囲気が違う作品です。
この小説自体の趣向は個人的にお気に入りです。シチュエーションもそこそこOK。
で、ミステリのテーマが「何故、人は眠るのか」という壮大なもので、これはこれで個人的には好きなのです。


人類の睡眠時間は日ごとに減っていった。地球では放射能汚染が広まり、オゾンホールからは紫外線が容赦なく降り注ぐ。スペースアイランド“飛翔”でも、睡眠時間減少は変わらなかった。そこで科学者たちが集まってその謎を解こうとするのだが…。すべての鍵は「眠り」にあった。

前述した個人的にお気に入りの趣向とは、架空の作家(アーサー・J・クック三世)の作品を、たまたま手にした鯨氏が、日本で出版したいと思い立ち、この無名作家の翻訳をして発表したという点
ちゃんと訳者前書きがあったり、それなりに表紙があって物語が始まります。
たまに見る趣向ではありますが、こういったこだわりって意外につぼなんですよね。

で、さらなるこだわりは、文体そのものにも現れていて、舞台の台本のように会話部分にちゃんと登場人物が書かれている点
ですので、本を何気なく開くと、何かの脚本と勘違いしちゃいます。
その架空作家であるアーサー・J・クック三世氏曰く「未来に書かれた作品の現代語訳」となっておりますが、この文体はなかなか面白かったです。
意外にすらすらと読めますね。

さて、そんなこんなで物語そのものですが、概略にもあるとおり宇宙空間で生活をするようになっている未来の話であり、原因が見つからないまま、人の睡眠が徐々に短くなっていく(でも体調は普通)というシチュエーションです。
この原因を究明し、解決しようとプロジェクトチームが発足されますが、そのリーダーはあることをきっかけにリーダーの職を解任され、独自のチームを結成し、原因をあれやこれやと検討していきますが、この検討過程において、眠るという行為そのものの正体や眠る間に見る夢の正体などの仮説があるときは科学的にあるときは精神論として、繰り広げられます。
ごくごく当たり前のように「眠る」我々にとって、この謎は、もしかしたら最も身近にある、最も大いなる謎なのかもしれません。
そういった謎を解いていくという大胆な話なわけです。

で、ラストにはこの物語としてのきっちりとした結論を出しているところに好感が持てました。
だいたいにして裏切られがちなこの手の謎ですが、この小説内では、本当にきっちり解決しています。内容そのものは(そうきたか~)って感じではありますが、曖昧になるよりはよっぽどよいですね。

ちなみに冒頭の架空作家の翻訳というシチュエーションを裏付けるのは、巻末の参考文献欄です。
見落としがちですが、ちゃんと英語(というかローマ字)を読み取れば、それが日本の文献であることは知り、
”にやり”としてしまいました
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2005年10月21日(金) 01時21分08秒

「神様からひと言」 荻原浩

テーマ:--荻原浩

荻原 浩
神様からひと言

なんだか荻原氏ばっかりの「流石奇屋~書評の間」。
お友達であるつながい★かすみ さんが浦賀和宏ワールドにつかるのであれば、わたくし流石奇屋ヒットは、先行して「荻原浩ワールド」にどっぷりつかっておるわけです。なははは。

で、「神様からひと言」。

やっぱりぐっと進化しています。
思わずニヤッとさせる文体。特徴がはっきりしている登場人物達。そしてやや短編的な物語のつなぎ合わせ的ではありながらも、全体として主人公の成長を見せてくれるそのストーリ性。ふむふむ。
刊行順に読んでみて正解と思いました。

大手広告代理店を辞め、「珠川食品」に再就職した佐倉凉平。入社早々、販売会議でトラブルを起こし、リストラ要員収容所と恐れられる「お客様相談室」へ異動となった。クレーム処理に奔走する凉平。実は、プライベートでも半年前に女に逃げられていた。ハードな日々を生きる彼の奮闘を、神様は見てくれているやいなや…。サラリーマンに元気をくれる傑作長編小説。<<紀伊国屋書店Bookwebより抜粋>>

主人公である涼平が、とあることから、お客様相談室に異動となってからの奮闘記と並行して、理由が分らないまま失踪してしまった恋人であるリンコの捜索をするというのが、本編の主な流れです。

前者の奮闘記は、理不尽な会社体質であったり、言われもないクレーム処理だったり、日ごろ我々も抱えているストレスを、真正面から受け止めます。

で、受け止めておいて、さらっとかわす謝罪歴10年の篠原に師事し、数々の問題を解決していきます。
この爽快感は、ストレス発散となって読者にも十分共有できちゃいます。

上司である篠原さんは、個人的に気に入ってしまいました。大変魅力的な登場人物です。
よくよく考えてみると、伊坂幸太郎氏の「チルドレン」に登場する「陣内」に近い存在です。
世間一般的には稀有なキャラクターでありながら、人や世情の裏を知る感覚に優れて、いざとなれば十分頼りになってしまう存在。

そういった存在にきっと私自身もなりたいのでしょうね。うんうん。

後半に向けて物語は大きく展開し、あるチャンスをつかんだ涼平が、理不尽な状況に対して我慢しきれず、結果的には、珠川食品の存亡に関わるところまで行き着きます。
このあたりの涼平の気持ちの変遷は、「辛いし苦しいのも我慢することはできるけれど、それにも限界があるのですよ」と言っているようで、やっぱり個人的には大変共感を得てしまいます。

限界ってあるのよね。うんうん
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2005年10月19日(水) 00時24分09秒

「清水義範のほめ言葉大事典」 清水義範

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】

清水 義範
清水義範のほめ言葉大事典

いかんいかん。
「下書き」にしたまま、ほうっておいてしまいました。
実際の読了は先週の金曜日あたりだったので、だいぶ放置しておりました。

で、本文。

10代前半に読ませてもらっていた清水氏。04年10月刊行の作品。

古今東西、人モノ問わず、様々なほめ言葉を集め、そのほめ言葉一つ一つに、面白おかしい清水氏の解説を付記。結果的には、「このほめ言葉は、すごい!!」と褒めている、二重構造の作品。

ま、いろいろとありますよね。ほめ言葉って。
直接的なものもあれば、比喩・暗喩を使ったもの、けなしながら褒めるもの、逆に褒めているように見えて実は皮肉めいたもの。

ま、それが嘘でも(露骨でなければ)ほめられれば人はうれしくなって、楽しくなって、頑張っちゃう。
ってのは私自身の持論
であったりするので、「あぁこういったほめ言葉もあるのだなぁ」と感心したり、「こんな風にほめられたらがんばちゃうな~」と思いながら読んでみました。
また、『ほめられた』人と『ほめた』人の意外な結びつきにも興味がありました。例えばアインシュタインがガンジーをほめてみたり、シューマンがショパンをほめたり。

見開き1枚に1つのほめ言葉+解説といった構造なので、どこからでも読めますが、最終章である「第九室 まにうけてはいけないほめ言葉」が個人的には好きでした。基本的に、ヒネクレものなので。

例えば『ほめられた』のは「海に近いリゾート物件」で、『ほめた』のが「不動産屋」で、『ほめ言葉』が「海一望」・・・分り易すぎますね。
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2005年10月17日(月) 22時34分30秒

「クロノス・ジョウンターの伝説」 梶尾真治

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
梶尾 真治
クロノス・ジョウンターの伝説

映画「「この胸いっぱいの愛を 」の原作である「クロノス・ジョウンターの伝説」です。
このクロノス・ジョウンターとは、物質過去射出機。簡単に言えばタイムマシーンです。そのクロノス・ジョウンターをめぐる二つの物語が収容されています。
・・・ちなみにこの「クロノス・ジョウンターの伝説」は何度か改編されていて、まず外伝がつき、またこの映画公開にあわせて著者自身の作品解説を載せた「新編」があるそうですが、今回読了したのは、94年12月初版のオリジナルです。

至上の愛が時の壁を越えたとき、ふたりが迎えるのは、幸せなゴールか悲しい結末か。ここに、二通りの実験結果をご報告する。時を超えた愛と、涙とスリルとともに描く、タイムラグ・ラブストーリー。

映画を見ていないのでなんともいえませんが、映画の方は、あくまでも原作をモチーフにした別の話のようです。小説の主人公である「吹原和彦」(「吹原和彦の軌跡」)は登場しないようですし、「布川輝良」(「布川輝良の軌跡」)は、19歳の無鉄砲なヤクザとなっております。

で、小説の方は、それぞれにクロノス・ジョウンターという機械を作っているP・フレックという会社の社員で、「吹原和彦」は、道すがらに出会った花屋の女性に一目ぼれしたばっかりに、クロノス・ジョウンターに無断で乗り込み、「布川輝良」は、会社の命令で5年前の世界にタイムスリップし、いずれ現代に戻ってしまうものの、そこで出会ってしまった女性と恋に落ちるといった話です。

それぞれに、文量も含めて、あっさりした感じなのですが、なかなか一捻りある
わけです。

それは、このクロノス・ジョウンターという機械を利用した時間旅行そのものの制約。

①一度過去に戻った時点より、二度目は、さらに過去には戻れない。
②過去へ飛んだ反動で、戻ってくる時は更に未来に戻ってきてしまう。


特に②については、ある数式を持って表現されますが、2回・3回と繰り返すととんでもない数字となってしまいます。

で、この制約があることで、短いながらもこの物語を面白くしています。
犠牲を払ってでも、成し遂げたいものがある。それが「伝説」となっている訳です。

ということで、映画化された(?)本作ですが、この原作のままでも十分映像化できるものと思いました。ただ映画ではなく、物語の長さから言えば「世にも奇妙な物語」あたりでしょうか?
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