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2005年04月30日(土) 23時59分59秒

2005年4月の読後感想アーカイブ

テーマ:月刊『後感』

4月も終わりました。今月は11冊。
いやいや読書熱は冷めておりませんこと。ほっほっほ(と変なキャラとなってしまいました)。

まずは恒例の月締め最終ランキング報告からです。

<<4月の最終ランキング>>

総合ランキング:
4779位/220756人中(2.02%):前月からの比=-1.88%

ジャンルランキング:
152位/2346人中(6.5%):前月からの比=-4.7
%


いつも拙い書評(もはや書評ってものでもないのもあり)ご覧いただき、ありがとうございます。

では、早速4月のランキング。
毎度のことですが個人的な相対ランキングなのでご容赦ください。

第1位;「グラスホッパー」 伊坂幸太郎
;エンターテイメント小説;2005年04月18日(月)00時16分37秒

著者: 伊坂 幸太郎
タイトル: グラスホッパー
伊坂氏、3ヶ月連続第一位。
「ヤングマン-YMCA」あたりの西条秀樹バリです(古い)。とはいえ、良いものは良いわけ(訳)で、それがわけ(理由)なわけ(ワケ)です。登場人物にちゃんと顔があるというか、それがリアル過ぎるほどだったりするのです。

第2位;「象の棲む街」 渡辺球
;ファンタジー小説;2005年04月23日(土)18時27分55秒

著者: 渡辺 球
タイトル: 象の棲む街
サッカメッケ本から見つけたファンタジーもの。猥雑・陰湿な近未来の日本をどこまで書ききるかというテーマに対して、連携短編で挑んだ意欲作です。

第3位;「世界は密室でできている。」 舞城王太郎
;エンターテイメント小説;2005年04月21日(木)21時31分27秒
 
著者: 舞城 王太郎
タイトル: 世界は密室でできている。
新しい青春小説。最近文庫本化されたようで、Web上でもちらほら書評が上がってまいりました。舞城氏って、この後どんな方向に行ってしまうのか非常に楽しみです。

第4位;「太陽と戦慄」 鳥飼否宇
;推理小説;2005年04月29日(金)22時20分05秒

第5位;「暗闇の中で子供」 舞城王太郎
;エンターテイメント小説;2005年04月08日(金)01時57分48秒

第6位;「エソラ VOL.1 2004.12」
;物語雑誌;2005年04月09日(土)10時15分22秒

第7位;「龍臥亭幻想 上・下」 島田荘司
;推理小説;2005年04月01日(金)21時41分43秒

第8位;「松浦純菜の静かな世界」 浦賀和宏
;推理小説;2005年04月27日(水)21時33分23秒

第9位;「LAST」 石田衣良
;エンターテイメント小説;2005年04月19日(火)23時48分30秒

第10位;「平家物語第四巻【義仲対義経】」 森村誠一
;歴史小説;2005年04月02日(土)01時34分11秒

第11位;「Puzzle」 恩田陸;推理小説
;2005年04月05日(火)20時55分20秒

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2005年04月29日(金) 22時20分05秒

「太陽と戦慄」 鳥飼否宇

テーマ:★読後感想:作家別【さ・た行】
著者: 鳥飼 否宇
タイトル: 太陽と戦慄

4月最後の読後感想です(たぶん)。
今回はミステリ・フロンティア 第8回配本の鳥飼否宇(とりかい・ひう)氏の「太陽と戦慄」。

〈導師〉と名乗る男に拾われ、共同生活を送りながらロックバンドを結成したストリート・キッズたち。
〈導師〉の危険思想に影響を受けつつバンドの練習に精を出す彼らが初のライヴを敢行したとき、楽屋で惨劇が勃発する。――そして10年後。列車脱線事故、百貨店炎上、ホテル爆破など大規模な惨事の現場に残される、かつてのメンバーの死体と動物の玩具。玩具には何の意味があるのか?そして犯人は誰なのか?横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞の鬼才が放つ、狂熱の本格ミステリ!<<東京創元社HPより>>

普通に読後感想する前に、この本の『そのもの』について。
このレーベルの本サイズ。『四六判仮フランス装』というようなのですが、いいですね。ちょっと気に入ってしまいました。それと材質。単行本ですが、やや軽め。これも良いです。
意外に(そして極めて個人的に)この辺りの好き嫌いって重要だったりする訳です。

さて本題です。

この本のユニークさは、語り部となるリトルこと越智啓示自身が、人の死に対して罪悪感がないということ。
これは彼自身が、導師の終末思想に魅了している立場にあり、一般的な物語の探偵役ではありません。
前半の魅了を与えてくれた立場にある導師の密室死についても、さほど悲しみを持たず、後半の連続テロに至っては、高揚感すら感じ、自らもそれに加わるために連続テロの法則性を見つけようとします。

前半の物語で語り部の啓示の誕生日を祝い、導師が作詞した『啓示』を見立てた後半の連続テロ。そのテロに重なる他のメンバーの死についても<使命>として受け取り、先起こされたと感じている訳です。

後半の物語も終盤になっていくと、徐々に謎が解明され始めます。ですが、最終的な解決は、別の人間によって達成されてします。その別の人間とはまったく意外な「真犯人」。
そう、この物語の「真の探偵役」は、すべてを支配する「真犯人」だったりするわけです。

この「真犯人」の意図・思想に語り部の啓示がどのように反応し、どのようにこの物語を終わらせるのか?衝撃的な結末が最終章である「終曲」で待っています。

ミステリとしては、やや語りすぎな部分もありますが、ちゃんとしたロジックがあります。
また前半の登場人物がちゃんと後半にも活きていますので、『使い捨て』のない作品となっております。
パズルのピースがあっていく様な人間関係の収束は、伊坂氏っぽさがありますね。

さすがミステリ・フロンティア配本。ちょっと読み漁ってしまっちゃおうか?などと思います。


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2005年04月27日(水) 21時33分23秒

「松浦純菜の静かな世界」 浦賀和宏

テーマ:--浦賀和宏
著者: 浦賀 和宏
タイトル: 松浦純菜の静かな世界

浦賀氏の最新刊。もしかすると新シリーズの一冊目かも知れません。

大怪我を負い、療養生活をおくっていた松浦純菜(まつうらじゅんな)が2年ぶりに自宅に戻ってくると、親友の貴子が行方不明になっていた。市内では連続女子高生殺人事件が発生。被害者は身体の一部を持ち去られていた!大強運で超不幸な“奇跡の男”八木剛士(やぎたけし)と真相を追ううちに2人の心の闇が少しずつ重なり合う新ミステリ。 (Amazon出版社 / 著者からの内容紹介より)

浦賀氏の既出されている小説を読んでいる人の反応と、初めて読む人の反応はだいぶ違うような気がしました。
前者である私個人の期待は、「まったくもって意外な結末(反則技あり)」だったので、その点ではややオーソドックスな展開だったのは否めません。(もちろん楽しめたことに変わりはないのですが)
ただ後者の方々にとっては、[非常にロジカルなミステリである]と評するのではと思ったりします。
また、猟奇的・狂人的な描写など人の本質にある「どす黒い」部分を、否応なく見せられますので、やや疲れてしまうのかしらとも思います。本質には違いないのですけどね。
で、前者である私個人は、「ここが浦賀氏の真骨頂じゃん。物足りないんじゃないの~」ということになりました。

総じて「期待はずれ」のような書評になってしまっていますが、松浦純菜と八木剛士の屈折した思考であったり、二人の下手なコミュニケーションの描写については、今までの浦賀氏にはない新境地だったのではと思います。また、各プロットの時間軸のずれみたいなものは、読者を混乱させることだけを目的としている訳ではなく、小説としてのテクニックとして評価してしまいます。元々、文体そのものが「ねっとり系」なので、より「ねばねば」するといった感覚なのです。ねばねば。

このような描写・文体の効果は、仮に、この「松浦純菜(もしくは、八木剛士)」がシリーズ化されるとしたら、これからの展開に期待しちゃったりするわけです。で、本筋にはあまり関係のない登場人物が多数登場したり、やたらと過去についての説明があるところなどは、十分新シリーズ化を匂わせたりしています。

で、前者である私個人は、「また読んでしまうのだろうな~」となるわけです。
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2005年04月24日(日) 20時55分38秒

2005/4/24に借りた本

テーマ:読前感想

本当は来週のはずなのですが、先週借りた本が意外に読了してしまったことと、予約していた本が29日(金)までしか確保してくれないことが判明したため、異例の一週間の借り出しとなります。

本格的な「読書ゴールデンウィーク」な訳です。でも、これまた意外に来週も借りていたりして・・・

それでは、早速

題名:松浦純菜の静かな世界
,読了可能性:★★★★★
,出版元:講談社
,著者/編者:浦賀和弘
,読前感想:予約本。05年2月刊行。新シリーズということでしょうか?。よくわかっていませんが、前のシリーズである「安藤シリーズ」がたいへん面白かったこともあり、借りてみました。講談社ノベルズということで、「通勤本」となります。

題名:名探偵木更津悠也
,読了可能性:★★★★★
,出版元:光文社
,著者/編者:麻耶雄嵩
,読前感想:これまた予約本。04年5月刊行。「本格推理の極北4編」とあります。この「極北」ってのなんでしょう。麻耶氏もミステリ通好みと評判なので、本格ミステリとして期待大です。これまた通勤本。

題名:魔物どもの聖餐
,読了可能性:★★★★☆
,出版元:講談社
,著者/編者:積木鏡介
,読前感想:異色の予約本。積木鏡介氏のノベルズ。98年の作品。もしかしたら再読かも知れませんが、忘れてしまいました。「歪んだ創世記」という小説では、メタミスの異色のシチュエーションでして、結構気に入っておりました。

題名:推理小説年鑑ザ・ベストミステリーズ2004
,読了可能性:★★★☆☆
,出版元:講談社
,著者/編者:日本推理小説協会
,読前感想:今週最後の予約本。伊坂幸太郎氏の第57回日本推理作家協会賞受賞作「死神の精度」収録。先週借りた文藝春秋には「旅路に死神」が収録されており、最近の伊坂氏は「死神シリーズ」だったりするのでしょうか?たぶんこれら短編を集約して「死神」みたいな単行本を出したりするんでしょうね。ちなみにこの本。伊坂氏以外に19名の気鋭の作家の皆様の短編が収録されており、お馴染みの方々も多いのですが、知らない作家さんも多い。ということで、3週連続の「サッカメッケ本」ということです。

題名:太陽と戦慄
,読了可能性:★★★☆☆
,出版元:東京創元社
,著者/編者:鳥飼否宇
,読前感想:「まだまだ話題の本」コーナーにありました。04年10月刊行。「アヒルと鴨のコインロッカー」の予約がまだまだなので、同シリーズのミステリフロンティアから借りてみました。帯には「鬼才が放つアナーキーな本格ミステリ」とあり、興味深々です。しかし帯のコメントって重要ですね。

題名:自殺自由法
,読了可能性:★★★☆☆
,出版元:中央公論新社
,著者/編者:戸梶圭太
,読前感想:トカジ本。これまた「まだまだ話題の本」コーナーにありました。04年8月刊行。実は先週もあったのですが、これはGW用にとっておこうとあえて借りませんでした。しかも予約もしないで本日図書館に行き、無事に借りることができました。そんな賭けのようなことしなくても良いはずなのですが・・・

題名:平家物語第五巻【壇ノ浦の悲歌】
,読了可能性:★★☆☆☆
,出版元:小学館
,著者/編者:森村誠一
,読前感想:すみません。(と、誰に謝っておるのでしょう?)実は、先週からの連続借用ですが、8ページしか進んでおりません。このシリーズは前々から「就寝本」として、この位置を揺ぎ無いものとしておりますが、最近ベッドに入ると即眠ってしまう今日この頃なのです。



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2005年04月23日(土) 18時27分55秒

「象の棲む街」 渡辺球

テーマ:★読後感想:作家別【ら・わ行】
著者: 渡辺 球
タイトル: 象の棲む街

エソラ で見つけた渡辺球氏の小説。
第15回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作なのだそうです。

アメリカと中国が占領する近未来の日本。
ここでは人口のほとんどが東京に集約されている。
この貧しく猥雑な街である東京で、タフに生き抜く人々を描いている。

タイトルの「象」は、アメリカや中国との外交面での重大な要素でありつつ、主人公の一人であるハルにとって「強さの象徴」とされおり、この「象」に出会うことができるかが物語の主軸となっていきます。

連作短編形式であり、それぞれに主人公が違いますが、おおむね、冒頭の章から登場する「英次」と地見屋の「ハル」が中心となって物語が構成されていきます。

「英次」と「ハル」の物語を本流とすると、支流である「この世界観を共有する数々のエピソード」の構成が秀逸でした。

この支流の主人公は、前章以前の登場人物か、登場人物に関連のある人であり、この関連性が、この貧しく猥雑な世界観をより広げてくれているものと思いました。
例えば、「老年期の終わり」という話は、過疎の進む群馬に住んでいる老人の話なのですが、この老人の曾孫が、前章の「狩人の眼」で、登場したユキヤだったりします。
また「鼠のように」では、「饅頭と女と子守唄」の「女」である京子の独白だったりします。

このような各章の連鎖は、サイドストーリとしての機能を十分に果たしており、本流への収束を期待させるものとなっていますが、残念ながら最終的には収束はされません。(これは本当に惜しかった)
ただこの世界観の整合性やリアリティーは十分感じ取れ、例えば別の物語に繋がっていけるだけの力をもっています。同じ世界観での続編を期待してしまいました。

アメリカと中国に支配される日本ってのが、「非現実という訳でもない」って感じたりするのは、私だけでしょうか?

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2005年04月21日(木) 21時31分27秒

「世界は密室でできている。」 舞城王太郎

テーマ:--舞城王太郎
著者: 舞城 王太郎
タイトル: 世界は密室でできている。

まったくもう「青春小説」なのでした。

相変わらずの「親近感のある文体」。
それに加えて、今回は分り易いストーリ展開。
とはいえ、やっぱり「とんでもない人たち」の「とんでもない物語」ではあります。

「僕」こと西村友紀夫と名探偵「ルンババ12(トゥエルブ)」こと番場潤二郎の十代を駆け抜けた数々の物語。


文章構成は、各章(全9章)がそれぞれ決着がつくので、連作小説っぽさがあります。
ま、ありえないこととは知りながら、あえて冒険していってしまいまえば「一話完結型ドラマ」風です。

とはいえ、「一話完結型ドラマ」によくある登場人物の関連性の変化や成長が描かれており、詳しくは「メインストリームは連続していますが、一話ずつ完結するドラマ」風なわけです。
(ここで「例えば・・」と言っておきたいところですが、あまりドラマ自体を見ないので、良い例えが見つかりません)

なんでこんなことを長々と書いているかというと、「あの文体」で、「この構成」ってのが、妙に馴染んでしまったからで、いわゆる最終回(9章目)は、(一体どうなってしまうのだろう)と「ぐいぐい(久しぶりに登場)」といってしまったからです。

で、そして期待に漏らさず「まったくもう圧倒的に青春的な」大円団だった訳で、読後の爽快感が得られたのでした。
僕とルンババ12の両親との対決。
亡くなってしまった涼ちゃんの本当の死因。
ルンババ12の名前の由来。
僕がとったルンババ12への救済。
ツバキと僕の会話。
そして最後の四コマ漫画を見立てた僕の独白。

まったく、もう「やるじゃん」なのでした。


*ちなみにルンババ12。名探偵なのでいろいろと事件を解決してはくれますが、そちらの内容(いわゆる推理そのもの)については、追求・言及しないほうが良いでしょう。いわゆる清涼院流水風であり、あくまでも小説としてのエッセンスです。(もしくは、「密室本」という企画に対する作者のギフトだったりします)

*全然関係ないですけど、挿絵が作者本人作のようで、絵うまいですね舞城氏。

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2005年04月19日(火) 23時48分30秒

「LAST」 石田衣良

テーマ:★読後感想:作家別【あ・か行】
著者: 石田 衣良
タイトル: LAST

「池袋ウエストゲートパーク」の石田氏。第129回直木三十五賞受賞作「4TEEN」の石田氏。
ということで、巷を賑わす石田衣良氏ですが、この「LAST」が初読了でございます。(パチパチ)

どん底に追い込まれた人々を描く7つの短編。
救われない・救われなさすぎる文字通り「ラスト」で始まる7つの短編。

極めて率直な概略は上記の通りです。確かにその状況に自分の身が置かれたと思うと恐怖します。
ですが、意外とさらりと読ませる文体のため、あまり「切迫感」を感じなかったのも事実。

それに、この感覚は、なんなんでしょう?
最後の短編「ラストバトル」を除く、すべての短編が中途半端に終了してしまった感を持ってしまいました。
それは、たぶん読み終えたばかりの「グラスホッパー」の物語の収束・終了の仕方が十分過ぎる程だったため、その比較をしてしまったのではとも思いました。

いかんいかん。試飲するときは水で一旦、口を潤すべきですね。猛省。

・・・

【猛省中】

・・・

【猛省中】

・・・

【猛省中】

・・・

キマシタ。

改めて思ってみると、この短編のそれぞれの終わり方。これって作者の意図なのだと思いました。
要するにこのラストギリギリでの終了というのは、物語の本当の結論を我々読者に委ねているということなのだと思いました。
例えば「【ラストバトル】を例に、その他短編の結末について、猛烈に想像力を働かせて、ハッピーエンドにしてください。(ただし夢オチ以外)」的な教師的視線での投げかけだったりするわけです。

そして、様々な「あんな状態(かなりキワドイ状態)」からのハッピーエンドが想像できた読者の勝ちなのです。たぶん。
そういった意味では極めて「挑戦的な作品」とも呼べるのでしょう。

よし、まとめた!!。

ま、この書評自体が、ホントの「キワドイ状態」からのハッピーエンドだったりして
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2005年04月18日(月) 00時16分37秒

「グラスホッパー」 伊坂幸太郎

テーマ:--伊坂幸太郎

著者: 伊坂 幸太郎
タイトル: グラスホッパー

読みました。
面白かった。疾走感のあるストーリーライン。そして圧倒的な伏線・仕掛けにもう脱帽です。
これは一般的にミステリと呼ばれる種の小説よりもミステリです。このミステリの解決すべき問題は「この物語がどのように収束し、どのように小説が終了するのか?」なのです。そして見事に収束され終了します。

この小説は3つの話が同時進行します。「鈴木」と「鯨」と「蝉」の物語。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【鈴木の話】
殺人まがいの交通事故でなくなった妻の復讐をするために、「フロイライン《令嬢》」に就職した元教師の「鈴木」。
1ヶ月の試用期間を経て、用意された社員になるための試験。それは、「見ず知らずのカップルを殺害する」こと。その現場に現れる、妻を殺したとされるバカ息子の「寺原」。しかしこの寺原は、ふいに車道に飛び出し車に轢かれる。目の前で起きてしまったことの理解もほどほどに、現場から離れていった男を尾行する。

【鯨の話】
依頼人の指定した人物を確実に自殺させるという仕事を持つ「鯨」。
自殺させられた亡霊達が鯨を追い詰めていく。ある時、人生を清算するべきだといわれ、関連性を持つすべての人物を片端から清算することを思い立つ。

【蝉の話】
ナイフを巧みに使い、淡々と人を殺し続ける「蝉」。
ある仕事を失敗した時、その焦燥感から、自分が依頼人である「岩西」の人形であることに怒りを覚え、とある企みを考える。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

テクニックだけでは解決しない物語の交差。
既に読了した「ラッシュライフ」を思わせる、各々の物語の【交差】ではありますが、交差の仕方が「ラッシュライフ」より丁寧な感じがしました。徐々に近づく感じ。そして交差してからの映画の場面展開に近い、地の文の変換(例:鯨→蝉→鈴木)あたりが、最もスピードに乗っています。もうノリノリです。

全体に漂う、裏社会の【べっとり】とした感じを、思い切り払拭する文体。
このあたりは、もう完成してます。3人称表現でありながら、時に思いっきり地の文に一人称の思いがあったりします。この辺りの苦悩はグラスホッパーの公式HP で著者が自ら語っています。これだけの小説を生み出すのも大変な様です。

そして、いつもながら唸らせるユーモラスとしての会話。
「鈴木」と「亡き妻」、「鈴木」と「槿一家」、「鯨」と「亡霊達」、そして「蝉」と「岩西」の会話にあるジャック・クリスピンの引用。それぞれの会話がリアルなほどに生きています。この生きた会話が、車輪となって疾走するわけです。やっぱりノリノリ(2回目)。

さて、冒頭のミステリ論議に戻りますが、この物語の収束そして終了。
ここでは、本当の意味での読了感を味わうことができるでしょう。
物理的な本の終了は、おのずとその残りページ数で語られますが、最後の最後まで(本当にこの小説は終わるのだろうか?)と思ってしまいます。でも、きっちり終わらせてくれるのです。
「鈴木」や「鯨」や「蝉」のほか、この書評で「」で括られたすべての登場人物が収束し、終了します(だからといって、決して、核爆弾が投下されてドッカ~ンってわけではないです)。

そして、ラストの「鈴木」の章の3行は、大いなる伏線・仕掛けの「本当の終わり」なのだと思うわけです。



・・・


【駄文】
そういえば「槿一家」の二人の息子である健太郎と孝二郎のキャラクタが、私のところのかわいい甥っ子(兄弟)とだぶってしまい、ちょっと参ってしまいました。この間の「重力ピエロ」の兄弟話もあったりして、なんだかこちらの家族構成やら心理状態やらを見透かされているようで怖いです。
伊坂氏とは同い年なので、はっきり言っておきます。「おい伊坂!他に私の何を知っているのだ?」




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2005年04月17日(日) 09時51分45秒

2005/4/16に借りた本

テーマ:読前感想

キマシタ。
予約本オンパレード。2週早い『読書ゴールデンウィーク(ス)』が始まりそうです。普通に月~金は仕事だったりしますので、頑張って読まないといけません。

ま、頑張ります。

題名:グラスホッパー
,読了可能性:★★★★★
,出版元:角川書店
,著者/編者:伊坂幸太郎
,読前感想:予約本1冊目つながい★かすみさん曰く「面白いってもんじゃない」と絶賛の伊坂本。なかなか借りれませんでした。待望の一冊。意外に薄かったのですぐに読了するでしょう。

題名:象の棲む街
,読了可能性:★★★★★
,出版元:新潮社
,著者/編者:渡辺球
,読前感想:予約本2冊目前回のサッカメッケ本で見つけた渡辺球氏の単行本。意外にすぐ確保できました。帯とか読むと個人的に好きな感じです。

題名:LAST
,読了可能性:★★★★☆
,出版元:講談社
,著者/編者:石田衣良
,読前感想:予約本3冊目。池袋ウエストゲートパークで有名な石田氏のやや異種な短編集。とはいえ、この作者お初です。なんせ行きつけの小さい図書館なんかには、(街で)人気の石田氏の本なんて一冊もありません。アマゾンでなんだか評判良かったので予約して借りてみました。

題名:世界は密室でできている。
,読了可能性:★★★★☆
,出版元:講談社
,著者/編者:舞城王太郎
,読前感想:予約本4冊目。これまた前回の読前感想のコメントにてつながい★かすみさんからお勧めいただいたので思わず予約しました。借りてみて気がついたのですが、講談社ノベルズの密室本シリーズだったのですね。奈津川サーガにもちょいちょいでてくるルンババ登場。


題名:平家物語第五巻【壇ノ浦の悲歌】
,読了可能性:★★★☆☆
,出版元:小学館
,著者/編者:森村誠一
,読前感想:来ましたライフワーク(大袈裟)。ホントにこの辺りの歴史には疎いので、意外に楽しみです。一人波乱万丈の行家の行動に要チェックです。(しかし、平家物語をこういった読み方している人も他にいないでしょうね)

題名:別冊文藝春秋2005年1月号
,読了可能性:★★☆☆☆
,出版元:文藝春秋
,著者/編者:物語雑誌
,読前感想:これは偶然なのですが、あまり立ち寄らない雑誌コーナーにあった文藝春秋。背表紙を何気なく眺めていると、そこになんと「伊坂幸太郎」氏の名前が・・・ということで借りてみました。
伊坂幸太郎氏の(たぶん)最新中編「旅路を死神」が掲載されています。
「文藝春秋」なんて、サッカメッケ本の王道なのですが、さすがに全編感想は難しいので、適当に読了したら感想を掲載します。

題名:早わかり日本史
,読了可能性:★★☆☆☆
,出版元:日本実業出版社
,著者/編者:河合敦
,読前感想:パラパラ本です。平家物語の時代の前後をそれとなく知っておこうなどと、へたに知識めいた発言をしてみますが、そんなにたいした意味はありません。

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2005年04月14日(木) 22時04分08秒

ちょっとだけCSS編集とHTML編集

テーマ:ブログ

(やっぱり本の登場人物は日本人だよなぁぁぁ)

 

『エリックとかエリザベスとかが、急激に読書スピードを急落させること』にようやく気がついた、
流石奇屋ヒットです。

・・・さて

来訪者数がじりじりと増えており、大変うれしい今日この頃ですが、
検索エンジンから当ブログにいらっしゃる方々の意外多い検索文字が'MS UI Gothic'。

アメブロさんが4月からCSS編集可能となったことから、同ブログサービスをご利用の方々のご来訪であるのではと思い、せっかくなので、ちょこっとだけいじったCSSを公開します。

もっとまじめにカスタマイズしたい方は、先駆者的方々のブログを参考にいただき、頑張ってみてください。


では、追加行は青字です。結構適当にコピペしてますので、適宜見直してください。

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}

 



それから、上のスクロール表示は、こちらを参考にしてみてください。
HTMLタグも利用可能になったりするので、結構うれしいです。

あんまり使わないとは思いますけど・・・

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