もう一つのマジすか学園 第3章13話 | 指オタクオリティー

もう一つのマジすか学園 第3章13話


ダンスとミソとピースの3人は3年生校舎の廊下を歩いていた。

ミソとピースはダンスの後に続いているだけなのでなぜ3年生校舎を歩いているか意味が

分からないでいた。「ダンスさんドコに行くのですか?」ミソは前を歩くダンスに聞いてみた。

ダンスは振り返って「梅田組に行く」と笑顔で答えた。

これには黙ってついて来たピースも驚き「梅田組?何しに行くんだよ!」

当然の疑問をぶつけてみた。ピースの質問はもっともだった。

いくら校内最大派閥の頭とは言え、たった3人で敵地と言っていい梅田組に何か

理由があるにせよ、3人が、いやダンスが乗り込めば無傷では済まないだろう。

普通はそう考えるのだがダンスは人とは少し違うようだとピースも気付き始めた。

当然、ピースより付き合いが少し長いミソは分かっていた。

そんな2人の心配をよそにダンスは何故だか得意気に

「私達ってさー急激に大きくなっちゃったろ?それはそれで嬉しいけど、やっぱり大人数を

まとめるのにはそれに適した人が必要だと思うんだ。私やお前等は人をまとめるってタイプじゃ

ないだろう?で、ミソの話を聞いてると梅田さんが良さそうだな~と思ってさ。

一応、副長みたいなポジションについてもらえるように今から頼んでみる事にしたんだよ」

「頼むって・・・」それはタイマンを意味しているのはミソもピースも分かっていた。

「うん。頼むよ。で、私が負けたら悪いけど一緒に梅田組に入ってくれよ。そういう

交換条件にするからさ~」(絶対負ける事を考えていない)ミソもピースもそう思った。

ダンスはその人柄からか憎めない人物である。しかも喧嘩は強いときている。

が、物事を深く考えるタイプじゃないのは薄々気付いていた2人であった。

しかし乗りかかってしまったので今更このダンス丸という船から降りれない事も承知していた。

2人は小声で「やるしかないね」と誓い合ったのだ。

そんな2人の決意も知らずダンスは3-Kの教室のドアを開けた。



「あの~梅田さんいますか?」ダンスはかがみながら申し訳無さそうに声を出した。

その姿だけを見ると、とても校内最大派閥の長には見えない。案の定

「何だよ?ここは2年が来るトコじゃねぇぞ」とシヅカに言われてしまった。

しかしそのやり取りを後ろで見ていた梅ちゃんが「現ヤバ女のトップが何の用だ?」と口を開いた。

これにはシヅカも驚き「コイツが!それじゃ~ダンスってコイツなの?」と振り返りながら

梅ちゃんの顔を見た。言われた梅ちゃんは立ち上がり

「人を見た目で判断するんじゃねぇ」と答えた。

ダンスは「梅田さんですか?はじめましてダンスって言います」と言いながら梅ちゃんの前まで

歩いていってしまった。慌ててミソとピースも後に続くとユカとなっつみいも立ち上がった。

ダンス以外は臨戦態勢である。

「梅田さんに今日はお願いがあってきました」

緊張で張り詰めた空気の中、笑顔でダンスが梅ちゃんに話しかけた。

「お願い?トップのあんたが私に何のお願いをするんだ」

「はい。お願いです。タイマン張りましょう。そして仲間になりましょう」

(!!!やっぱり)ミソは頭を抱えた。まさにピース戦の再現フィルムだった。

梅ちゃんはそれでもピースより頭が良いのだろうダンスの言わんとしている事は理解していた。

「私とタイマン張ってあんたが勝ったら下につけってか?私が勝ったらどうすんだい?」

「はい。ダンス一族・・・一派を梅田組に入れてもらいます」

「なるほどね~で、なんで私なんだ?他にも平嶋やカムバックだっていたろ」

梅ちゃんは不思議に思っていた。それはダンスが覇権争いに加わる為にまず最初に狙ったのが

自分達、梅田組だと思っていたが、たった3人で来たのが解せなかった。

いくら梅田組と言っても人数に任せて攻められたら、おそらく敗北するだろ。

なぜそうしないのかを不思議に思っていた。

「はい。梅田さんだからです」とダンスは答えたが、みかねたミソが代わりに口を開いた。

「いまウチは、ご存知の通り人数が膨れ上がっています。ダンスさんや私達では正直、この

大所帯をまとめられません。今は校内だけの戦いなのでそれでも良いですが今後、他校から

攻められる事を考えた場合、この大所帯をまとめられる人は梅田さんだとダンスさんは判断

したのです。なのでタイマンを張って負けた方が勝った方の言う事をきくってルールで

タイマン張ってください。まさか梅田さんは逃げませんよね?」

そこまで言い終わったミソにダンスは笑顔で親指を立てた。

「なるほどな。言いたい事は分かったがタイマンって選択肢じゃなく今ここでフクロになるって

選択肢は無かったのか?」梅ちゃんはニヤリとした。

その言葉を聞いたユカ・なっつみい・シヅカが一歩前に出た。

ピースは構えながら(こうなる事は想像出来なかったのか?ウチの頭はよ~)

ところがダンスは笑いながら「フクロですか?有り得ませんよ。もしそうなったら梅田組の

人達は私一人で今すぐ全員潰します。でも梅田さんは、そういうタイプじゃないですよね?

どちらかと言えば平嶋さんがそういうタイプだと思っていましたが。違うんですか?」

ミソは背筋に寒気を覚えた。ダンスはたったいま梅田組全員を一人で潰すと言ってのけたのだ。

そして本気を出したダンスなら確実にそうするだろうと想像出来ていた。

「あんた・・・ダンス、いい度胸だね。分かったよタイマン張るよ。ユカ達もそれでいいね」

梅ちゃんも笑顔で答えた。その一言でダンスと梅ちゃん以外は戦闘態勢を解いて真ん中にいる

2人を無言で見つめていた。



ダンスが前に出て蹴りを放った。

梅ちゃんはしっかりとガードしたが予想以上の重さだったのか後ろによろけてしまった。

その隙をダンスは見逃さずに追撃した。梅ちゃんは他校まで名の知れた猛者であるが

ダンスの速くキレのある攻撃に防戦一方だった。

それでも意地をみせ何発かダンスに当てたが倒すまでに至らなかった。

やがて最後の一撃をもらい床に崩れ落ちた。

その様子をみてユカ・なっつみい・シヅカが梅ちゃんのそばに駆け寄り、ユカが振り向き

「次は私の番や。勝負せい」とダンスを睨んだ。

それを聞いたミソとピースが「アンタ等は私達が相手するよ」と答えたがダンスは2人を

右手で制し「梅田さんとタイマン張ったのは、これからの仲間を殴りたくないからです。

私達はここに喧嘩しに来ている訳じゃないのです。それにここで喧嘩したら梅田さんの顔に

泥を塗る事になりますがいいのですか?」きっぱり言い切った。

言われたユカが何か言い返そうとしたが梅ちゃんに肘を掴まれ「やめろ。コイツ等が3人で

ここに来た意味を考えれば分かるだろう。そして私は負けたんだ。私は約束通りダンス一派に

入る。私を見限ってくれても構わないが、おそらくダンスが1番ヤバ女の事を考えているかも

しれない。私達は自分等がここのトップになる事だけしか考えていなかった。でもコイツは

ダンスは先の事まで考えているんだよ。そんな後輩との約束は破れねぇ。ダンスは信用出来る

奴だ。ユカ達も力を貸してやってくれ」と言った。

自分達の頭にそこまで言われたユカ達は梅ちゃんを起しダンスの前にいって

「これから宜しくな。総長」と言った。

つづく

ドラマ『マジすか2』での役で話を進めていきますが各個人(キャラ)の呼び名が

ひらがなかカタカナ表記でしか違わないのです。

これだとややこしいので通常時(AKB48)でのあだ名に変更しています。

詳しくキャラブックを参照してください。キャラブックはコチラ

もう一つのマジすか学園 第3章14話

マジすか学園スピンオフ まとめ