ささのブログ

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2月5日の福島でのコンサートの実験の話に戻そう。福島には今年で4年になる雅楽会「雅の会ふくしま」があり、私は創設から龍笛・篳篥の指導を担当させていただいている。現在、龍笛と篳篥の受講者は約20名。(今年度は新たに笙教室が加わった) その生徒さんに実験に協力してもらった。


 「コンサートはなるべく後ろの席で聞いてください、そこで正倉院尺八の音量を確かめてください。」という課題だ。特に、篳篥と一緒に吹く「敦煌曲」の際の篳篥との音量差を確かめたかった。


確信はあった。7~8年前だろうか。私は茨城県日立市にある実家の2階で正倉院尺八の練習をしていた。確か、「さとうきび畑」を吹いていた。翌日、母から「○○さんの奥さんから、いい音聞こえましたよ、って言われたよ」と聞いた。この○○さん宅、実家から直線距離で70~80メートルくらい離れている。同じ2階で龍笛や尺八、排簫をよく吹いていたが、「音が聞こえた」と言われたことはない。


今回のみ「いい音聞こえた」と言われた理由について考えてみた。


 ①たまたま練習しているときに近くを通った。
   ○○さんの奥さん、家で聞いたらしいのでこれは却下。


 ②今までの練習の際に外出していて、今回の正倉院尺八のときのみ偶然家にいた。
   これは確率的にありえない。なぜなら、実家で龍笛や排簫を練習するときは、かなり切羽詰まった状態なので一日中吹いている。それが2~3日に渡る。今回の正倉院尺八はちょっとした遊びで1時間ほどしか吹いていない。さらに、○○さんの奥さん、専業主婦で基本的に在宅している。


 ③音の到達度が違う。
   可能性としてはもうこれしかない。「音の到達度」、つまり「遠鳴り」である。近くで聞いたらさほど大きな音でもないのに、遠くで聞いても音量が減らない、これが遠鳴りである。私の吹く正倉院尺八が、まさに遠鳴りしているのではないか。 ちなみにレッスン場などで聞いた場合の音量の順位(つまり近鳴り)は、龍笛→排簫→正倉院尺八となる。 

  

もう一つ、別な例で今度は龍笛と篳篥の音量の違いを考察したい。
 私が龍笛の指導を担当している武蔵野楽器の雅楽教室。龍笛のレッスンのときは2ブロックくらい手前から龍笛の音が聞こえてくるが、篳篥のレッスンのときは直前まで近づかないと聞こえない、ということを複数の人から聞いた。また、ホールの練習室で、篳篥はドアを閉めればほとんど聞こえないが、龍笛は聞こえてくる。この差は何か?単に音色の差ではあるまい。


 雅楽の楽器の説明のときに「篳篥は一番大きな音のする楽器です。」というのをよく耳にする。がこれは大事な一言が抜けている。正鵠には「篳篥は近くで聞けば一番大きな音のする楽器です」というのが正しい。そう、篳篥は遠鳴りしないのだ。


 さて、話を福島のコンサートに戻そう。1曲目の敦煌曲。私はほんの一部分だけ排簫を用い、それ以外のほとんどは正倉院尺八を吹いた。コンサート終了後の、演奏者とお客さんが一緒のパーティー。後ろの方の席で聞いた雅の会の皆さんから次々と感想が述べられた。篳篥と正倉院尺八が同時に吹くと、正倉院尺八の音量に消されて
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篳篥の音がほとんど聞こえなくなったそうだ。確信が事実に変わった瞬間だった。


 ボディーボックス奏法で吹く正倉院尺八は、遠鳴り度が抜群に高い。また、先日のワシントン・フリーア美術館のホールでのリハーサルのとき、私が排簫を吹くと、メンバーが一様に「排簫の響きがすごい」と言っていたが、理由は簡単だ。身体で響かしているからだ。音の響きは掛け算だ。楽器と身体と建物。この3つの掛け算。ボディーボックス奏法は、この「身体」の数値を飛躍的に高める。だから私の音は遠くに届く。


演奏力のない人に限って、竹製じゃないとだめだ、と言う。今回、私がアメリカに持っていった排簫はすべて塩ビ管・アクリル管・プラスチック管を組み合わせた、いわゆる合成樹脂製。竹製の排簫ももちろん持っているが、乾燥で割れる危険性を考慮して合成樹脂のものだけにした。だが、音色に関して不満を述べられた方は皆無。もともと排簫は「エアーリード」に属する楽器だ。楽器自体が鳴るのではなく、周りの空気を鳴らす、これがエアーリード。さらに、私は楽器に頼らず身体で響かせているから、楽器の素材の影響は極端に少なくなる。


 ボディーボックス奏法の可能性は広い。自分のボディーボックス奏法はまだ完成したとは思っていない。おそらく一生研究・実践して行くことだろう。そして、このボディーボックス奏法で、私は昨年3月のニューヨーク・コロンビア大学のコンサートで命拾いをした。この内容は次回のボディーボックス奏法4(番外編)で詳しくお伝えする。

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