年金関連のお話しを5月12日の日経朝刊から抜粋します。


年金「75歳から」受給も 厚労相検討、個人が選択

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厚生労働相は11日、公的年金の受け取り開始年齢について、個人の判断で75歳まで延ばせるよう検討する方針を明らかにした。現在は65歳まで開始年齢を引き上げている最中で、個人の判断で70歳まで遅らせることが可能。富裕層の年金受け取りを遅らせることで、社会保障費の膨張を抑える狙いだ。
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先に誤解のないように言っておきますが、年金の支給開始年齢が遅くなるという話ではありませんので…。


年金は、原則65歳から支給されます。あくまでも、原則です。

「繰上げ受給」とか、「繰下げ受給」という言葉をご存知ですか?
原則65歳からの年金を、申出ることよって60歳から70歳までの間で受給を開始することができる制度です。
ただし、いろいろな制約が生じます。


60歳から64歳で受給開始するよう申出ることが、「繰上げ受給」です。
65歳よりも1ヵ月早く受給が開始されるごとに、0.5%の割合で年金額が減ります。
たとえば60歳0ヵ月から受給すると、65歳よりも60ヵ月早いので30%減額の年金額となり、これが一生続きます。

逆に、66歳から70歳で受給するよう申出ることが、「繰下げ受給」です。
65歳よりも1ヵ月遅く受給が開始されるごとに、0.7%の割合で年金額が増えます。
たとえば70歳0ヵ月から受給すると、65歳よりも60ヵ月遅いので42%増額の年金額となり、これが一生続きます。

一度、この繰上げまたは繰下げをすると、一生その減額または増額が続きます。
長生きをする自信がある方は、「繰下げ受給」を申出てもいいかもしれませんね。


その繰下げ受給の開始を70歳までではなく、75歳まで遅らせることを検討しようというのが記事の内容です。
70歳代でも働く高齢者が増えている現状を踏まえての施策だそうです。


長生きする前提で、年金の受給開始を遅らせるとお得ではありますが、どれぐらいの人がその制度を使ってみようと思いますかね。
75歳から受給という人は少ないかもしれませんが、71歳から受給という方はいるかもしれませんね。