2008-04-20 12:17:44

NHK『クローズアップ現代』2008年2月27日放送に対する抗議文

テーマ:抗議

 先日、2月27日にNHKの番組『クローズアップ現代』で「”退院”と言われたけれど」というタイトルの番組が放送されました。

 私もこの放送を見ましたが、大変ひどい番組だと想いました。NHKという放送局が我々精神病者をどのように見ているのかが良く分かる番組でした。「社会復帰」という美名の下に、精神病者(特に入院している精神病者)を非常に差別的に扱っています。


 この番組に対して、前進友の会の会員であり東京に住んでおられる久郷克己さんが抗議文を書いてくださりました。以下にその全文を公開します。私もこの抗議文に対して同感です。


 久郷さんは、この抗議文をかなり前に書いて、NHKの本局に封書で送りました。しかし、一ヶ月以上経った現在、彼がNHKに問い合わせても無視され、返事が返ってきていません。そのようなNHKの態度に対して私も抗議します。また、このウェブログに抗議文を掲載し公開したことを、NHK本局にメールで通告します。NHKはこの抗議文に対して真摯な態度で応える責任があると、私は考えます。


 それでは以下に、久郷さんの抗議文を全文掲載します。


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拝啓 NHKクローズアップ現代2008年2月27日放送分担当者御中

 

 2月27日 中華料理屋で貴放送を見てましたがはっきり言って不愉快な想いで見てました。いま、貴放送を思い出してみますと、精神障害者のうわべだけを放送してたようにしか感じ取れませんでした。コールセンターに問い合わせましたら、精神障害者は、病院から退院して企業勤めをするものだ。との答えでした。それからにして2月27日のクローズアップ現代に対して強く抗議します。あれは、放送という名の暴力です。私も同じ精神障害者として、意味の通ることは書けませんが、入院も6回しましたし、今でも薬をのんでますし、地域で暮らしてます。放送で社会復帰がテーマで、趣旨は、企業づとめしろということでした。精神障害者に働け、という事は視力障害者に対して本を読めっていうことと同じだということにまだ気付かないのですか。社会的入院が7万人いると放送されましたが、今まで厚生省や医療従事者の生活や財政に都合の良いように、患者が利用されてきたことが、まだわからないのですか。
 

 1950年に精神衛生法が制定され、同時に、社会保障制度が勧告され、公衆衛生に組み込まれたとかどうかとかはどうして放送してくれなかったのですか。これ自体が、良い法律か差別的な悪い法律かということを、なぜ紹介してくれなかったのですか。病院に50年入院していますとか60年入院していますとかだけ放送して、20年前はどうだったとか、30年前はどうだったとか、兄弟が生きているときとかの退院は考えたかどうかはなぜ放送してくれなかったのですか。
 

 3月吉日のクローズアップ現代では、高齢者の単身がどうのこうのと放送していたみたいですが、50年60年入院していた患者はどうして社会復帰あつかいなのですか。きっぷの買い方がわからない人がどうして社会復帰(企業づとめ)できるのですか。精神薬は麻薬や覚醒剤からできている医療の商品なのに、働いて生活できるわけないでしょう。住まいも都営住宅や県営住宅をなぜ考えてあげなかったのですか。生活保護や年金はなぜ紹介しなかったのですか。一般人の人でも60才や70才なら仕事は定年じゃないのですか。なぜ50年~60年入院した人は、社会復帰なのですか。薬のできる前の医療はどんなものだったのか、なぜ放送してくれなかったのですか。精神障害者を数字やグラフ、単語だけ並べられても、むかつきます。コールセンターに何回か抗議しましたが、書面で書いてくれと言われたのに、その後、それはお客様の自由意志ですとかの対応でしたが、「人の上に立つNHK」って何を考えているのですか。あまりにも不断から、人のせい、あいつが悪い、こいつが悪い、社会が悪い、国が悪い、そいうものの考え方がつもりつもって、その結果あの放送しかできなかったのではないですか。NHKは、精神障害者の生活を考えた事がありますか。どんな想いをして、毎日を送っているか考えた事がありますか。それでも社会復帰しろというのなら、NHKの職員で精神障害者が何人やとわれているのですか。それこそグラフや数字で表されて欲しいものです。あの放送を見た患者さんは皆、怒っています。私一人が怒っているのではありません。地方の友人も怒っています。NHKも放送の意義があるかもしれません。でも患者にも生かされている意義ももっているのです。放送では、病気が治れば普通に生活できるんだとおっしゃっていましたが、そんな甘いものではありません。実際障害年金の診断書にも病気が治った日を書かなければなりません。つまり、障害が固定された日のことです。つまり身体障害者に置き換えると、腕や脚が一本なくなる時血や肉がにじみ出てきます。手術などして、皮を縫って痛みも止まり、腕や脚が一本なく、車いすや介護の生活になるのです。身体障害は目に見えます。精神障害は目に見えません。同じ「障害」を持っています。NHKは、精神障害は、腕一本ない人と同じだということにまだ気付かないのですか。障害者自立支援法で三障害統合の法律までできているのに。もっと言えば障害者基本法もあるのに、それでも気付かないのですか。もう一度繰り返しますと、精神障害者に企業づとめをしろ。ということは、視覚障害者に本を読め。ということと一緒ということに、まだ気付かないのですか。社会復帰しても、また病気が再発しますし、それは差別だ。とまだ気付かないのですか。私は担当者だけでなく、企画会議・放送会議でこのような放送を承認したということについて、強く抗議します。この想いは私一人だけでなく、全国の地方の友人からの怒りのメッセージを一言ずつ書いておきます。
 
 
    ふざけるな!!NHKなんて抗議したって何の進展性もない!(東京 高山)
    
    実際の生活と、あの放送では全然違うのに、NHKは、精神障害者をなめているのか!!  (愛知 O(オー)君)
    
    社会復帰という名で就労を強要するとはどういうことだ!!見えにくい悪事そのものだ!!!  (京都 皿澤)
    
    自分だって将来したいゆめがある!!自分の生活もある!!貴方たちの本音が「精神障害者、冗談じゃないよ。」って差別しておきながら、無責任な放送をするなら、初めから受診料を取るな!!放送の意義なんか持つな!!  (東京 久郷)
    
    
 みんなどんな想いで毎日をすごしているかわかりますか。貴放送局でも、毎日どんな想いで仕事をしていると思っているのですか。って言いたいでしょう。でも貴方達は人の上に立って一般人から放送法で受信料を徴収しているのですから。他己批判なら、誰だってできます。でも自己批判することの方がどれだけ勇気がいることか!!
 

 薬ができるまでどんな治療法だったのか。発熱療法、インシュリンショック療法、断すいみん療法、電気ショック療法、ロボトミー療法等がありました。いま禁止されているのは、最初の3つだけです。なぜ禁止されたかとか、患者の経過はどうだったのかとかをなぜ放送してくれなかったのですか。もしそれがプライバシーなら、1950年精神衛生法制定の問題点や経過を放送してくれなかったのですか。今の自立支援法の3障害統一の問題点を放送してくれなかったのですか。あまりにもあの放送は、ふざけすぎではないのですか。もちろん薬にも問題があります。日本の多くの精神科医が薬の勉強ができていないことにお気づきですか。私も前の医者のときは、合法的殺人医療とまでの処方をされました。医者もそれに気付いていませんでした。特に関東では処方がひどくて有名です。それでもNHK職員の一人ひとりの本音は、あいつが悪い、こいつが悪い、あの会議が悪い、あの担当が悪い、世の中が悪い、国が悪い。と、他己批判しても番組が伸びるとは思えません。テレビを持たない私も悪いと想っています。考え方もマンネリ化しているのではないかとふりかえることもあります。ITもありません。新聞も今はとってません。2月27日のクローズアップ現代は、たまたま、中華料理屋で見てました。うまい料理がまずくなってしまいました。2月27日の放送に関しまして心を鬼にします。
 

 番組担当者、放送会議、他会議、NHK一人ひとりの職員に対して強く抗議します。
 
                 2008年3月吉日
                          
                   久郷克己
                            
                       敬具
                                  
                                  

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