トラウマ日曜洋画劇場

レンタルDVDもインターネットもなかったあの頃。インドア派の少年たちがオタクとかヒキコモリといった言葉で安易に総括されてしまうこともなかったあの時代。昭和キッズは夜な夜なテレビで放送される洋画番組をめちゃくちゃ楽しみにしていた……

新刊 『トラウマ日曜洋画劇場』 よろしくね^^

トラウマ日曜洋画劇場-トラウマ日曜洋画劇場-皿井垂

70年代オカルトブームの影響をもろに受けた人、
大阪万博でアメリカ館の月の石を見そびれた人、
サンスタースパイメモを近所の川に流して溶かした人、
毎週欠かさずトランジスタラジオで
『淀川長治ラジオ名画劇場』を聞いていた人、
ラウラ・アントネッリと聞いてすぐにピンとなる、
じゃなかった、ピンとくる人……
昭和の「あの頃」、テレビ洋画劇場にくぎづけだった
全てのインドア派少年に捧ぐ。


トラウマ日曜洋画劇場-スローターハウス5 テレビ番組欄

日曜は『地獄に堕ちた勇者ども』に顔をしかめ、
月曜は『恋人たちの曲・悲愴』で吐き気を催し、
水曜は『午後の曳航』にモヤモヤハァハァし、
木曜は『絞殺魔』の暗さにどんより落ち込み、
金曜は『パニック・イン・テキサスタワー』に手に汗握る。


トラウマ日曜洋画劇場-No Blade of Glass 最後の脱出パンフ

深夜枠では『センチネル』の放送禁止フリークスにビビり、
週末は地方局が放映する『警視の告白』、『最後の脱出』、
『鏡の国の戦争』など、マイナーB級映画漬け。


トラウマ日曜洋画劇場-警視の告白ポスター

みんなの好きな快作からだれも知らない怪作まで、
毎日テレビの前で盛り上がっていた昭和の「あの頃」を
個人的に振り返りまくりました。


トラウマ日曜洋画劇場-センチネル The Sentinel パンフレット

十代の頃に名画座映画館に通い詰めたお父さんも、
70~80年代の映画に興味がある若い映画ファンも、
昭和のTVトラウマ洋画劇場へレッツラゴー!

『トラウマ日曜洋画劇場』

Amazon内容紹介:

テレビが輝いていた1970年代から80年代…。当時の少年たちをとりこにしたのは、テレビ各局で毎日のように放映される「テレビ洋画劇場」だった。テレビ朝日系列の「日曜洋画劇場」、TBS 系列の「月曜ロードショー」、日本テレビ系列の「水曜ロードショー」、テレビ東京の「木曜洋画劇場」、フジテレビ系列の「ゴールデン洋画劇場」など、各局は競い合うようにして、世界の名作をお茶の間に届けてくれた――だがしかし、ときにはその熱意が暴走し放送コードスレスレの作品が放映されてしまうことも。 強烈な男色シーンにお茶の間が凍りついた『脱出』、変態描写に血の気が引いた『地獄に堕ちた勇者ども』、日米合作の残酷ドキュメンタリーに戦慄した『アメリカン・バイオレンス』、3日前からウキウキで眠れなかった『女囚暴動』などなど、昭和のテレビを彩ったトラウマ級の映画を振り返る!

著者について:

昭和37年生まれ。テレビ洋画劇場にどっぷりの十代を経て、荻昌弘さんと同じ大学に進み、小森のおばちゃまにならって渡米。帰国後、後姿が木村奈保子さんに似た女性と結婚したが、その後、淀川長治さんや水野晴郎さんみたいな人がいっぱいいるタイのバンコクに移住。皿井タレー名義のアジア関係の著書多数。





テーマ:

DVシェルターの女
友人女性がPTSDと闘いながら2年がかりで書き上げたトラウマ体験告白本です。ふだん表に出てくることがないDVシェルター内部の裏事情が、なまなましく語られています。バイオレンスな映画ばかり見ていると神経がマヒしがち。現実に起こっている暴力の実態を知っておくことも大切かも。


『DVシェルターの女たち』 春日野晴子(著) 

彩図社文庫 (発売日2016/8/17)  ¥669

<Amazon内容紹介>
DVシェルターとは、配偶者や恋人などによる暴力(ドメスティック・バイオレンス=DV)を受けた女性が身を寄せる、現代の駆け込み寺のような場所だ。DVが世間で認知されるようになり、シェルターの存在も知られるようになってきたが、その内部がどのようになっているのかは、ほとんど明かされていない。本書は憧れの結婚生活から一転、夫による激しい暴力に苦しめられたひとりの女性が、夫から逃れ、DVシェルターに入所し、DV被害から再生をする過程を描いたノンフィクションである。

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30年以上前、名古屋に住んでいた僕が『ドラキュラ・ゾルタン』『処刑軍団ザップ』『溶解人間』という知的な3本立てを見た映画館は、大須東洋劇場だった。当時の色あせたビラもちゃんと手元に残っている。

トラウマ日曜洋画劇場-大須東洋劇場 名古屋

東洋劇場は、かつて名古屋の大須という場所にあった名画座。今でこそ大須は下北沢と秋葉原と浅草を足して3で割ったような活気のある街になっているが、昔はワンカップの似合うとっつぁんが昼間から道端でヨガの眠りに入っているような、しょぼくれたエリアだった。劇場自体も気の滅入るボロさで、伏見にある名宝シネマ、白川公園そばのシネマA、栄・松坂屋前のロマン座などと比べても、明らかに見劣りした。

トラウマ日曜洋画劇場-名古屋の名画座・大須東洋劇場

とはいえ、大須東洋劇場でもらってきたビラは、うなるほど力強く、ムダに迫力満点だ。支配人が趣味でつくったようなガリ版刷り(?)のチラシなのだが、ともかくグイグイきている。

トラウマ日曜洋画劇場-名古屋の名画座チラシ

たとえば、上映予定作品の紹介はこんな感じ(原文ママ)。


客席から恐怖の絶呼があがる!!

『処刑軍団ザップ』
腕が・足が・首が……すさまじい悲鳴と血しぶきを、あげて、ブッ飛ぶ!ニュージャージー州の北部で実際に起った、集団殺人事件をナマナマしく再現した。ドギモ抜く物凄い殺人行為のプロセス!<ザップ>とは「殺人」「殺人行為」の隠語!

『溶解人間』
あッ!人間が溶ける……身の毛もよだつドロドロの顔が暗闇の中から迫ってくる!心臓がとまるか!劇場から逃げ出すか!秒刻みのこの恐怖!

『ドラキュラ・ゾルタン』
世にも恐ろしい奇怪な事件が起った!静けさが闇をつつむ真夜中突然!獣が群れをなして、人々を襲う……今よみがえる、ドラキュラと忠犬ゾルタン!来るところまで来た極限の恐怖映画!

『コンボイ』
警察も軍隊も敵じゃない!相手はデッカイほどおもしろい!もう誰にも俺たちを止められない!

『スウォーム』
凶暴な異常体に変性した蜜蜂がアメリカ全土を地獄のるつぼと化す!メンバーは殺人蜂防衛撃滅作戦に立ち上がった!



叫び


開場時間―――朝九時五十分頃
とあるのも、アバウトでいい感じだが、さらに注目すべきは、このチラシの隅っこに並ぶ渋い広告たちだ。

安くておいしい大衆食堂 一ぜんめし大盛
赤門温泉西横入 朝7時より夜8時迄営業


楊貴妃の晩酌 (極秘)白乾児
大須モンテ街今池店 百老亭

喫茶軽食 パーラー・ムーミン
モーニングサービス11時迄
コーヒー・トースト・卵付き


連日オールナイト営業 サウナ・おーす
当劇場西え徒歩3分

喫茶&スナック デヅカ
カラーテレビ受像中


なんといっても、「一ぜんめし大盛」という直球ど真ん中の店名が圧巻!

名古屋の喫茶店文化、特にモーニングセットの過激なサービスは全国的に有名になったが、「モーニングサービス11時迄 コーヒー・トースト・卵付き」なんて書いてる広告もあるから、昭和50年代にはもうやっていたんだね。

「カラーテレビ受像中」と、なんだか得意げなスナックもすごい。いくらなんでもレトロすぎる。三丁目の夕日じゃないんだから……。これって、街頭テレビで力道山見てた我々の親の世代のノリだろ!


プレゼント

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ビジュアル・ホラー・マガジン VZONE(ヴイゾーン)
1986年1月創刊号 980円


トラウマ日曜洋画劇場-VZONEヴイゾーン-発行人・末井昭

表紙には「日本で初めてのホラー・マガジン創刊」とありますが、編集ノートのページで、発行人の末井昭さんが、「実は創刊号(写真右)は第2号だ」と説明しています。本当の創刊第1号は、アニメなどを扱った別種の雑誌だったんですね。

末井昭さんといえば、 『素敵なダイナマイトスキャンダル』、何度も読み返しました。実のおかあさんが隣の家の息子とダイナマイト心中しちゃった末井少年の半生記です。町工場へ集団就職し、キャバレーの看板描きやイラストレーターを経て、伝説のエロ本編集長となり……。白夜書房とかウィークエンドスーパーとか写真時代とかパチンコ必勝ガイドとか荒木経惟とか南伸坊とか赤瀬川原平とか……そういう名前を全然聞いたことがない人にもぜひ読んでほしいオモシロ本です。

さて、肝心の『VZONE』の内容ですが、細かい映画情報やビデオデータを並べて得意そうにする気などさらさらなく、『
死霊のしたたり』や『ゴアゴアガールズ』などが脚光を浴びた当時のホラーブームに乗っかり、「みんなで楽しもうぜ!」といったテキトーなノリが誌面にあふれています。

創刊号には、「思わず眼球に突き刺さるシーン・ワースト10」というふれこみで、「凄絶無比、超ド級大出血グロシーン・恐怖の袋とじ」なるものまで付いています。ワクワクして袋とじを破ると、中身はなんてことない『ジャンク』の猿の脳みそスプーン場面だったり、ハーシェル・ゴードン・ルイスの『カラー・ミー・ブラッド・レッド』のワンシーンだったりして、袋とじ企画の醍醐味である「なんだよもう」というガッカリ感を存分に味わえます。

トラウマ日曜洋画劇場-にっかつガイラ美女のはらわた

日野日出志さんの『ギニーピッグ2 血肉の華』の製作現場レポートなどもあり、基本的に、当時うじゃうじゃ発売されたスプラッタービデオの宣伝記事が多いです。オレンジビデオハウスとかそのてのやつ。ガイラ(小水一男)監督のにっかつ作品『処女のはらわた』『GUZOO』『美女のはらわた』なども登場しています。

『悪魔のしたたり/ブラッドサッキング・フリークス』ファンにはたまらない「ロイド・カフマンが語るトロマ史」や、喰始の「ファンタスティックムービー対談」といった記事の間に、島本慶なめだるま親方が活躍する「手作り死体写真ギャラリー」や「東京キモダメシ・ルポ」などが混ざっているサービス精神もなんだかすごい。

個人的には、創刊号の「日本のナツホラ特集」が気になりました。70年代に東宝が製作した特撮怪奇映画『呪いの館 血を吸う眼』、『血を吸う薔薇』などを取り上げているページです。山本迪夫監督の推薦で吸血鬼役をやることになった岸田森さんのスナップ写真は、いま見ても迫力じゅうぶん。新東宝の中川信夫監督作品『東海道四谷怪談』や『地獄』なども熱く紹介しています。

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『DUNWICH ダンウィッチ』 1987年3月ホラーハウス増刊号 880円

トラウマ日曜洋画劇場-大陸書房ホラーハウス増刊-DUNWICHダンウィッチ

ムー大陸と失われた文明、UFO、怪談、異次元の世界など、オカルトブームの頃にスパークしていた出版社・大陸書房は、『ホラーハウス』という月刊漫画雑誌を当時発行していました。日野日出志、古賀新一、千之ナイフ、高橋葉介……執筆陣もその道のプロがずらり。

トラウマ日曜洋画劇場-大陸書房ホラーハウス

そんな『ホラーハウス』が、昭和62年に”ビジュアル・ホラーハウス”と銘打って出版したのが『DUNWICH』です。カラーページのしょっぱい雰囲気は否めませんが、活字記事は盛りだくさん。

スプラッター・ホラー小説のパイオニア、友成純一さんが大活躍していて、恐怖映画座談会を仕切り、「幽霊屋敷は玩具箱」といったコラムなど色々書いています。友成さんは、「血潮の量なら『シャイニング』『ハウス』『処女の生血』『エクソシスト』、肉汁の量なら『死霊のはらわた』『ゾンビ』『デモンズ』『地獄の門』、臓物の量なら『ビデオドローム』『悪魔のはらわた』……」といった具合に、独自の基準でお勧め映画も選んでいます。

『こんなに楽しく面白い世界のファンタスティック映画祭』といった著書がある塩田時敏さんは、「フリークス再考」というコラムを寄せ、フランク・ヘネンロッターの『バスケット・ケース』やブライアン・デ・パルマの『悪魔のシスター』、『ビーイング・ディファレント』という畸形を扱ったドキュメンタリー、日本のSFX映画『キクロプス』などに触れながら、「肉体の変形への怖れこそホラー映画の成立条件だ」と力説しています。

ちなみに、塩田さんの選んだプッツン・キャラクター映画BEST10は、『地獄のモ―テル』『ミミズバーガー』『悪魔のはらわた』『ホラー喰っちまったダ!/やめられない、とまらない人肉バーベキュー』『悪魔のいけにえ』『2000人の狂人』『マニアック』『養鬼』『オクトマン』『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』だとか。


トラウマ日曜洋画劇場-DUNWICHエンパイア・ピクチャーズ特集

『大霊視者エドガー・ケイシー』『大予言の謎は解けた!』『倒錯の都市ベルリン』など、大陸書房の怪しげなタイトルの本の広告も気になりますが、やはり誌面で一番目を引くのは「エンパイア・ピクチャーズ 新作群の全貌」という特集です。

1983年の創立以来、低予算のSFやホラーを作り続けていたエンパイアは、「アメリカの新東宝」とか「80年代のAIP」などと呼ばれるアレな映画製作配給会社ですが、ビデオパッケージやポスターのデザインにグッときます。『ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり』『フロム・ビヨンド』などの超有名作品だけでなく、藤岡弘の出演した『SFソードキル』なんかもエンパイアだったんですね。


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それまでなかなか見る機会のなかった劇場未公開のゲテモノ系ホラー映画が、ビデオで簡単に借りたり買ったりできるようになった80年代。インドア派のよい子たちは、当然のごとくスプラッタービデオに群がり、ぐろんちょホラー映画が大ブームとなりました。

トラウマ日曜洋画劇場-The Horror Movies スクリーン臨時増刊 A4サイズ

映画雑誌『スクリーン』もここぞとばかりに、臨時増刊というかたちで、『ザ・ホラー・ムービーズ』というシリーズを出版。趣味の追求にひたすら貪欲だった私は、リアルタイムで1冊ずつ買い揃え、ぬけめなく全5巻をコンプリートしました。

トラウマ日曜洋画劇場-ザ・ホラー・ムービーズ スクリーン臨時増刊1-5巻

『ザ・ホラー・ムービーズ』の内容は、質量ともに当時としてはピカイチで、まさにホラーのバイブルといった感じ。暇さえあれば、なめるように読み返したものです。このシリーズの素晴らしさをなんとかここで伝えたいと思っていたら、なんのことはない、Amazonに丁寧なレビューを書いてる方がいました。(ただし、オリジナル版ではなく、「スクリーンネオブックス」という小型のダイジェスト版みたいなやつに対するレビュー。)

わかりやすい紹介文でしたので、コピペさせてもらいます。トップ1000レビュアーのjunkmanさんという方のレビューです。


これ以前に発売されていたスクリーン臨時増刊「THE HORROR MOVIES」シリーズのPART1とPART2(PART5まで発売されていた)を再編集したものが、このスクリーンネオブックス「THE HORROR MOVIES」です。元となったスクリーン臨時増刊の方はA4サイズ、このネオブックスはB6サイズの手のひらサイズ。情報量としては先に出ていたスクリーン臨時増刊の方が充実していましたが、こちらは現在古本屋でも見つけるのが困難な状況です。それに対してスクリーンネオブックスはまだ見かけることがあります。比べるとやや削られている部分があるものの、それにしてもこの情報量はすごいです。これほどまでにホラー映画を分かりやすく日本語で解説した本は他に見たことがありません。


カラーページが多く、A級からZ級まで様々な作品を網羅。50~80年代まで66作品が紹介されています。1986年に発売された本なのでその時代までですが、紹介作品はバラエティに富んでいて、50年代のB級モンスターもの、ジョージ・A・ロメロ監督のTVシリーズ、「13日の金曜日」以降量産されたスラッシャー映画、80年代にブームとなったスプラッター作品群などなど。DVD化されておらず、今となっては見ることのできない作品の情報は貴重です。1巻目の見所は、何と言ってもハーシェル・ゴードン・ルイス監督とアンディ・ミリガン監督の特集。血まみれでグッチャグチャの写真が満載です。他にもB級映画の帝王ロジャー・コーマンの紹介、ジョージ・A・ロメロ、ブライアン・デ・パルマ、デビッド・クローネンバーグの紹介など、見所がたくさんあります。


70~80年代を中心に70作品ほどが紹介された2巻の見所は、イタリアンホラー特集のダリオ・アルジェント、マリオ・バーバ、ルチオ・フルチの作品紹介や、13日の金曜日シリーズの紹介、トビー・フーパーやジョン・カーペンター監督の紹介など。ホラー映画ファンの方には資料としてお勧めします。

驚いたのは、アマゾンで販売されていたこの雑誌の価格です。B6サイズのダイジェスト版なのに、中古品が4700円からとなっていました。私のオリジナルA4版を全5巻まとめて売ったら、一体いくらで買ってもらえるんでしょう……ほしい人いますか?

トラウマ日曜洋画劇場-『ザ・ホラー・ムービーズ』スクリーン増刊第1巻

第1巻の巻末には「昭和60年7月25日発行 定価1280円」とあります。西暦1985年ですから、JAL123便の御巣鷹山墜落事故があった年ですね。

雑誌の内容についてちょっと付け足すと、1巻では、「全解剖!ブリティッシュ・ホラーの源流、ハマー&アミカスの全て」という記事でドラキュラやフランケンシュタインのシリーズを解説したり、「ユニバーサル怪奇映画を背負った4人」と題してロン・チャニー、ベラ・ルゴシ、ボリス・カーロフ、チャニー・ジュニアを紹介したりもしています。

巻は、「ダン・オバノン直撃インタビュー」に加え、「サイレント期のドイツ表現派の怪奇性」というコラムで、『カリガリ博士』、『吸血鬼ノスフェラトゥ』、『ドクトル・マブゼ』、『妖花アラウネ』、『巨人ゴーレム』などを紹介しています。

3巻は「1986年度アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭の全貌」という記事を目玉に、リック・ベイカー、ディック・スミス、ロブ・ボーティン、スタン・ウィンストン、トム・サビーニら特殊メイクアップアーティストたちの特集があります。

85年度国内版ホラービデオ人気ベスト10も載っていて、「1位:悪魔のいけにえ 2位:ゾンビ 3位:死霊のはらわた 4位:バスケットケース 5位:2000人の狂人 6位:サスぺリアPart2 7位:ビデオドローム 8位:13日の金曜日・完結篇 9位:ビヨンド 10位:マニアック」とのこと。『ビデオドローム』の順位、低すぎです。

4巻は「パリ国際ファンタスティックSF映画祭」レポートの他、『悪魔の毒々モンスター』などで知られるトロマ映画を特集したり、新旧スクリーム・クイーンを紹介。「ホラー・エロティシズム」というくくりで、『血とバラ』『モデル連続殺人』『歓びの毒牙』『4匹の蠅』『処女の生き血』『悪魔のはらわた』『殺しのドレス』『悪魔のいけにえ』『面会時間』『白い肌に狂う鞭』『タランチュラ』『ヘルター・スケルター』『美女連続殺人魔』『影なき淫獣』『夢魔』『デアボリカ』『ナイトメア』『サンタが殺しにやってくる』あたりをおさらいしてます。

5巻は「東京国際ファンタスティック映画祭’86」の記事がメインとなっていて、「ブリュッセル国際ファンタスティックSF映画祭」なども紹介しつつ、「ホラームービー殺しのテクニック・アラカルト」、「異色ホラー・バイプレーヤーたち」といったコラムが並びますが、さすがにスタミナ切れか、誌面からも1巻や2巻のような異様なパッションは感じられず……。

ちなみに、5巻の巻末を見ると、「昭和61年11月15日発行 定価1800円」とあります。ページ数は変わっていないのに、たった1年でずいぶん値上げしたようです。


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『テラー・オン・テープ』……IMDbには、Terror on Tape (1983) : a compilation of scenes from various horror/exploitation films とありますが、『ホラー・ワールド』(1979)や『ザッツ・ショック』(1984)よりさらにカーストの低いチープな作品ばかり集めたB級ホラーコンピレーションです。タイムマシンに乗って30年前に戻り、12,800円もだしてこんなVHSテープを買っていたあの頃の自分に説教してやりたい……。

トラウマ日曜洋画劇場-テラー・オン・テープ(ホラー映画ベスト1983)

『デッドリー・スポーン』(1983)、『お色気吸血鬼』(1978)、『エーゲ海の伝説』(1983)、『甦る怨霊/魔界少女キャシー』(1977)、『フローズン・スクリーム』(1970)、『悪魔の性キャサリン』(1976)、『魔島』(1984)、『バージン・エクソシスト/甦える悪魔のエクスタシー』(1974)、『ナイトメア・シティ』(1980)、『人喰いエイリアン』(1984)、『スカルプス』(1983)、『ブラックジャガー』(1978)、『過去を呼ぶ予言者』(1979)……ラインナップはかなり悲惨です。

トラウマ日曜洋画劇場-The Eerie Midnight Horror Show

登場するクズ映画の中には、御大ハーシェル・ゴードン・ルイスの『血の祝祭日』(1963)、『カラー・ミー・ブラッド・レッド』(1965)、『2000人の狂人』(1964)なども混ざっていますが、
やはりお勧めは、エロトラウマ殺人鬼ものの怪作『ナイトメア』(1981)でしょうか。一昔前の場末のピープショーのシーンなど、なんだか不気味な負のパワーを感じます。

トラウマ日曜洋画劇場-ナイトメア(映画1981)

間違っても日本版など出そうにない映画も数本取り上げています。マリアンヌ・フェイスフル主演の『MADHOUSE MANSION』(1974)、ドライブインシアターを舞台にした超常復讐劇『Ruby』(1977)……。


トラウマ日曜洋画劇場-ブラッド・ピーセス悪魔のチェーンソー1983

ウォーターベッドのぬるぬる殺人場面が好きだった傑作『ブラッド・ピーセス/悪魔のチェーンソー』(1983)も収録されてると思っていたけど、確かめたら記憶違いでした。あれはレンタルしたんだっけ……。

とりあえず、『ブラッド・ピーセス』や『ナイトメア』や『人喰いエイリアン』がレンタルビデオ屋さんのホラーコーナーに当たり前のように並んでいたあの頃が懐かしい……(遠い目)。

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ユタ州ハリケーン2016
ユタ州の小さな町ハリケーンにやって来ました。快晴、華氏100度って感じ。写真の
半旗は、数日前にオーランドのLGBTが集まるゲイクラブ「パルス」で起こった銃乱射事件への弔意をあらわしているようです。1966年の元海兵隊員チャールズ・ホイットマンによるテキサスタワー乱射事件が死者15名、1999年のトレンチコート・マフィアによるコロンバイン高校虐殺が死者15名、2007年の在米韓国人チョ・スンヒによるバージニア工科大学銃乱射事件が死者33名。今回の事件はテロやヘイト的要素もあるようですが、それらを上回る50名の死者をだし、アメリカ史上最悪の銃乱射事件となりました。

モニュメントバレーViewHotel2016blog
とりあえず、当初の予定どおり、ユタとアリゾナの州境にあるNavajo Nation(ナバホ族居留地)へ移動。モニュメントバレー国立公園内のThe View Hotel(ビューホテル)に宿泊しました。部屋のすぐ目の前に、レフトミトン、ライトミトン、メリックビュートが並んでいて独特の風情があります。

グライド・イン・ブルー
この地を開発したハリー・グールディングが
ジョン・フォードに売りこみ『駅馬車』のロケをさせたことで一躍有名になったモニュメントバレーですが、個人的には、やはり『グライド・イン・ブルー』の鮮烈なラストシーンを思い出します。『トラウマ日曜洋画劇場』 にも書きましたが、子供の頃に観てほんとにショックでした。

モニュメントバレー日の出
『イージー・ライダー』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』、『フォレスト・ガンプ/一期一会』、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』、『テルマ&ルイーズ』、『ウインドトーカーズ』、『トランスフォーマー/ロストエイジ』、『ローン・レンジャー』等々、モニュメントバレーで撮影された映画はたくさんあります。『2001年宇宙の旅』でさえ、こそっと加工したこの地の風景をクライマックスのトリップシーンで使用していたとか。

モニュメントバレー・トーテム2016
上の写真は、少し離れた場所にあるトーテムと呼ばれる奇岩です。『アイガー・サンクション』 で、アイガーを目指すクリント・イーストウッドが登山訓練に使用していました。

レイクパウエル2016 猿の惑星

バレーから車で1時間ちょいのところにある、レイクパウエルにも寄りました。コロラド川をグレンキャニオンダムで堰き止めてできた人工湖です。ミード湖やパウエル湖などの巨大貯水池って、アメリカ人にはよく知られた人気観光スポットですが、外国人にはあまりなじみがないかもしれません。ここでロケした映画といえば、なんといっても『猿の惑星』です。チャールトン・ヘストンが不時着してましたね。『ゼロ・グラビティ』などもロケしたそうですから、SF映画と相性の良い風景みたいです。

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『キック・アス』のヒットガール役で、ちまたのロリオタ衆のハートをわしづかみにしたクロエ・グレース・モレッツ主演の最新SF大作(?)『フィフス・ウェイブ』。今年の1月にはもう観ていたんだけど、映画の評価など特にアップしたいとも思わず、観たことすっかり忘れてました。

クロエ・グレース・モレッツ主演フィフス・ウェイブ
「地球外生命体の攻撃により人類が滅亡の危機に瀕した世界で、見えない敵と戦う孤独なヒロイン!」みたいな日本人好みの宣伝コピーもあるようですが、実際のストーリーは上のポスターイメージに近く、「ふつうの女子高生が幼い弟を救うためサバイバルの旅に出る」ぐらいの感じです。


原作はベストセラーになったSF小説、といっても、ヤングアダルト・ライトノベルみたいなやつなので、映画は『メイズ・ランナー』や『ハンガー・ゲーム』あたりが好きなお子たちにウケそうな感じに仕上がってます。『宇宙戦争』や『インデペンデンス・デイ』のようなスケール感、スペクタクル感はほとんどありません。

フィフス・ウェイブ―感染
突如地球へ飛来した「アザーズ」と呼ばれるエイリアン。彼らは問答無用で人類に波状攻撃を仕掛けます。第1の攻撃ですべての電子機器がブラックアウトし、第2の攻撃により巨大な津波が引き起こされ、第3の攻撃が人々の間に感染症を広め……侵略という第4の攻撃波が始まると、ついに世界は崩壊、人類の99%が死滅します。あらすじだけ紹介すると、なんだか妙にかっこいいですね。

フィフス・ウェイブ―津波
エイリアンの攻撃で世界中を津波が襲う場面があるのですが、このカタストロフ・シークエンスには 私のホームグラウンド、タイのバンコクらしき街も登場します。 Siam Securityと書かれたビルの前を人々が逃げ惑い、やがて大津波がビルを飲みこんで……。

フィフス・ウェイブ―タイバンコクのビル街
水浸しになって壊滅したバンコクと思われる街。画面左のビルは、シーロム・ラマ4のAbdulrahim Placeにちょっと似てますね。ロンドンのタワーブリッジはともかく、なんでここでストーリーに無関係なタイがフィーチャーされるのか、不思議でしかたありません。

クロエ・グレース・モレッツ2016
物語は細かい説明など何もないままザクザク展開するのですが、そんなきっつい状況の中、なんとなく生き残った主人公の女子高生キャシー(クロエ・グレース・モレッツ)は、混乱の中で離れ離れになった弟サミーを探す旅に出ます。

フィフスウェイブDVDレンタル
で、かんじんの弟はどこに行っちゃったのかというと、軍人さんたちにオハイオ州のライト・パターソン空軍基地に連行されていました。エイリアンがボディースナッチャーのように人間の体を乗っ取るのを知った軍は、子供十字軍みたいな特殊部隊を組織して対抗しようと考え、生き残った少年少女を強引に集めて訓練を開始したのです。

リーヴ・シュレイバーFifthWave
軍の指揮官役はリーヴ・シュライバー。引っ張りだこの人気バイプレイヤーです。この人を見ると、私はなぜかデヴィッド・モースを思い出します。顔の輪郭が似てるからかな? キャリアの最初は穏和な善人役が多かったけど、売れっ子になったら冷酷な悪役ばかりこなすようになり……そういうとこも似てますね。


というわけで、いきなり結末のオチをあれするのもなんですが、大方の予想通り、この人こそ、実はエイリアンの最終攻撃フィフスウェイブの司令塔なのでした。純粋な少年兵士らを洗脳し、人類抹殺の道具に仕立てようとしていたのです。(映画の途中で睡魔に襲われたため、内容の解説まちがってたらスマン)

The 5th WAVE クロエ
そんな物騒なことになっているとはつゆ知らず、キャシーは誰が敵で誰が味方かもわからない廃墟の街を進みます。突然何者かに銃撃されてうめいたり、テキトーに太もも見せたり、謎めいた青年とチョメチョメしたりしながら、弟がいる空軍基地を目指します。

FifthWaveクロエ・グレース・モレッツ
アメリカ人のねーちゃんって、20歳過ぎたあたりで一気に「くる」のがふつうだから、あと何年かするとクロエちゃんもドリュー・バリモアのように近所のおばさん化してしまうと思われます。『キック・アス』でクロエたんハァハァしたヲタの皆さんは、そうなる前にこの映画を観て、彼女の10代最後のいたいけな姿を網膜に焼きつけておきましょう。というか、彼女が出演していなかったら、この映画、日本じゃDVDスルーになってたような気もします。

エイリアンもサイコキラーもどんとこい!ちょっとアレな映画が大好物だという人はコチラもどうぞ click!!



The 5th Wave (2016)
Release Dates : (USA) 22 January 2016
PG-13 | 1h 52min | Action, Adventure, Sci-Fi
Director :

J Blakeson
Cast :

Chloë Grace Moretz
Liev Schreiber
Nick Robinson
Alex Roe


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クエンティン・タランティーノ監督の8作目となる最新作は、真冬のワイオミングを舞台にした西部劇。といっても、あえて『ジャンゴ 繋がれざる者』的な盛り上がりを排した、『レザボア・ドッグス』風の「誰かが何かを企んでいる」といった内容の「へんてこサスペンス」です。

ヘイトフル・エイト日本語版

あらすじはわりとシンプルで、吹雪で「ミニーの店」に閉じ込められたクセ者たちが、互いの腹を探りつつ、やがて殺し合いを始めるといったストーリー。とにかくずっと「ミニーの店」という閉鎖空間でコトが進むため、ほとんど会話劇の趣があり、映画じゃなく舞台でやってもよかった気がします。

時代背景として南北戦争がそこそこ重要な要素になっているため、北軍と南軍、それぞれに参加した元軍人の立場や、黒人に対する意識などをある程度知っていないと、ピンとこないセリフもあるかもしれません。

タランティーノ監督ヘイトフル・エイトねたばれ注意

期せずしてブリザードで立ち往生する面々は、偽物のリンカーンレターを持ち歩く賞金稼ぎ(サミュエル・L・ジャクソン)、レッドロックという町で絞首刑になるはずの死刑囚の女(ジェニファー・ジェイソン・リー)、賞金目当てで彼女をレッドロックまで連行しようとしている賞金稼ぎ(カート・ラッセル)、新任の保安官だと言い張るならず者一家の息子(ウォルトン・ゴギンズ)、英国風アクセントでしゃべる胡散臭い死刑執行人(ティム・ロス)、凶悪な雰囲気を漂わせつつ「ママとクリスマスを過ごすため故郷に帰る途中だ」とぬかすカウボーイ(マイケル・マドセン)など。役者もキャラも、タランティーノファンならおおいにそそられることでしょう。

タランティーノ新作ヘイトフル・エイト

なぜ店のドアは壊れていたのか? 床に落ちていたゼリービーンは何を意味するのか? あったかシチューは誰がいつ作ったのか? どうしてブルース・ダーン演じる老兵は借りてきた猫のように大人しいのか?

謎解きミステリーめいた小道具や伏線も多少用意されているのですが、うなるようなオチや種明かしがあるわけでもなく、事件前にさかのぼった「チャプター5」で、あっさり裏事情が明かされます。

The Hateful 8-日本公開

「チャプター4」で唐突な「毒物混入ナレーション」が入り、それだけでもキョトンとしていたのに、次の「チャプター5」では、いきなり、それまで画面に登場していなかった男が床下から登場するなんて・・・・・・まるで子供の思いつきみたいな過激なシナリオに唖然。女死刑囚の兄貴が床下から突然発砲するというあんまりな展開に、爆笑です。

これって、正統派ミステリーファンがいちばん嫌うパターンだと知ってか知らずか・・・・・・。『そして誰もいなくなった』みたいに、黒幕は最初からちゃんと密室メンバーの中に入っていないと、密室ミステリーにならんでしょーが。

「どうしてキルビルのユマ・サーマンは日本刀を持って飛行機に乗れたんですか?」 とインタビューで訊かれたタラちゃんが、「細かいこと気にすんな、ワッハッハ」と答えていたのを思い出しました。「なんで突然、床下から?」なんて、訊くだけ野暮ってものかもしれません。

そんでもって、最終チャプターは血みどろの「説得合戦」になるのですが、これもなんだかしっくりきませんでした。前半のサスペンスモードと後半のバイオレンスモードがかみあわず、お互いを損ない合っている感じです。推理+アクションという一粒で二度美味しい作品になるはずが、ウンコ味のカレーというかカレー味のウンコみたいなことになってます(意味不明)。

パーソナルな映画原体験を軸に、ノリと勢いで突っ走るのがタラちゃんの魅力なのに、今回の新作では変にアタマ使っちゃったのが裏目に出た感が・・・・・・。アタマでっかちになるぐらいなら、このお祭りみたいにチンコでっかち になった方がよかったと思います。

ラストシーン、毒殺されたカート・ラッセルが望んだとおり、女を絞り首にするサミュエル・L・ジャクソンとウォルトン・ゴギンズの2人。しかし、なんとか生き残った彼らも、既に銃で撃たれ瀕死の状態であり、やっぱり結末はタランティーノらしく、全員悪人、全員憤死・・・・・・。

この設定と展開で3時間も引っ張るというのは、正直きつい。とりあえず、『デス・プルーフ in グラインドハウス』の延々続くかったるいセリフのやり取りが大好きだという人に、お勧めの作品です。


いかれたシナリオ上等!ちゃらんぽらんな演出も歓迎!おもしろけりゃ、なんでもいいぜ!という人はコチラもどうぞ click!!



The Hateful Eight (187 min)
Chapter One: "Last Stage to Red Rock"
Chapter Two: "Son of a Gun"
Chapter Three: "Minnie's Haberdashery"
Chapter Four: "Domergue's Got a Secret"
Chapter Five: "The Four Passengers"
Chapter Six: "Black Man, White Hell"

Release Dates in USA

 25 December 2015 (limited) (70mm version)
 30 December 2015

第73回(2016年)ゴールデングローブ賞受賞
 作曲賞:エンニオ・モリコーネ「ヘイトフル8」
第88回(2016年)アカデミー賞ノミネート
 助演女優賞:ジェニファー・ジェイソン・リー
 撮影賞:ロバート・リチャードソン
 作曲賞:エンニオ・モリコーネ

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撮影快調!の噂ばかりが先行し、なかなか全貌がつかめなかったトム・シックス監督・2015年の最新作『ムカデ人間3』 - The Human Centipede III (Final Sequence) 。102分バージョンをやっと観ることができたので、内容やあらすじなど軽く紹介させてもらいます。ストーリーにはオチというほどのものもないのですが、まあネタバレっちゃネタバレしてますので、ご注意を。



オープニングは、例によって、前作の「ムカデ」映像を見て感銘を受けている主人公の姿から始まります。ポイントは第1作のDoctorハイター(ディーター・ラーザー)と第2作のRetardedマーティン(ローレンス・R・ハーベイ)が仲良く一緒に登場することでしょうか。


前作では、有刺鉄線やサンドペーパーで人間業とは思えない快感テクニックを披露してくれたマーティンですが、今回は総統風のちょびヒゲを生やした地味な刑務所の経理担当者役です。ハイター博士演じる刑務所所長の腰ぎんちゃくで、いたってノーマルな役どころ。


一方、スキンヘッドの刑務所所長は、キ印全開、異常性格の独裁者です。血圧の高さを気にしつつも、アフリカからのお取り寄せグルメ、ドライフルーツならぬドライクリ○○スを強壮剤がわりにほおばって、反抗的な囚人をこれでもかといたぶります。



「このニガー猿はどちらの手でオ○ニーするんだ? そうか右手か、じゃあ右腕をへし折ってやる」



「熱湯責めをくらえ! きさまら囚人には、目には目をの拷問が一番だ!」


超真剣。ナイフ片手にものすごい真顔です。文字通り、囚人の玉をくり抜き、自らのエナジーフードに……。白石晃士監督『グロテスク』の五寸釘シーンを思い出しました。


所長は、ムスリムだろうとユダヤだろうとヒスパニックだろうと、人種や民族に関係なく片っ端から痛めつけますが、囚人の中には日本人の北村昭博さんの姿も見られました。1作目で活躍した彼のことは、『映画の中の奇妙なニッポン』日本人の受難 で触れましたが、今回は出番少なめ。残念ながら、あの関西弁も聞けません。


そんなこんなで、拷問&リンチ大好き所長に対する囚人たちの怒りは爆発寸前となり、所内は一触即発状態です。選挙前でピリピリしている知事が、たまらず飛んできます。



「知事が来るだと? 秘書のお前が奴にケツでも触らせとけ。うまくすりゃセクハラで訴えられる。いひひひ」


刑務所を訪れた知事(ロジャー・ウォーターズ似)は、野蛮なだけで管理能力ゼロのガイキチ所長に、「このまま所内の状況が改善されなければ、お前はクビだ!」と宣告します。


ここで、いよいよ経理の腰ぎんちゃくが提案します。


『ムカデ人間1』と『ムカデ人間2』のDVDを握りしめた彼は、澄んだ瞳をキラキラさせながら、こう進言するのでした。「ショチョー! この刑務所の諸問題を解決する最高の方法がムカデニンゲンです!」


なんでそうなるのかよくわかりませんが、まあ数百人の囚人をマウスtoエイナスでつなげちゃえば確かにおとなしくなりそうだし、彼らの食費もうきそうな気はします。


というわけで、前半はひたすらイカレ所長の残虐非道ぶりを見せつけ、後半は人間ムカデができるまでのドキュメンタリーみたいになるわけですが……。


巨大ムカデプロジェクト始動で、ついに実現する巨頭会談。なんと、トム・シックス監督自身(写真・左下)が本人役で登場し、刑務所の医師にアドバイスします。このパターン、またまた白石晃士監督を思い出します。『オカルト』あたりのスタイルですね。



ムカデ人間ー手術 医師
つなぐ人間の数が多いだけに、手術室も医師団も、いつになく本格的です。この場面だけ見てると、なんか正統派の医療ドラマみたいです。



あっという間にできあがり。人工肛門や慢性下痢症など、囚人の中には数珠つなぎオペの障害になる者もいましたが、そういう連中は問答無用でホイホイ射殺し、強引に完成させちゃいました。ぐずぐず言ってた知事も、最後は2人を絶賛! 「君達は天才だ!アメリカの誇りだ!」


ムカデ人間3 刑務所所長

うれしくて、思わず踊りだす所長。完成した四つん這い行列の中に、うっかり、セクシー女性秘書も混ぜこんでしまったのですが、全然反省してません。さらに、Human CentipedeじゃなくてHuman Caterpillarのオマケもあったりして、困ったものです(イモムシ人間の写真はあえて貼らないので、良い子のお友達はどんなか想像してね)。


前作・パート2の異様な負のパワーを超える衝撃を期待すると肩すかしを食いますが、B級グロんちょコメディだと思って観れば、普通に楽しめます。一昔前のトロマ映画みたいに、鼻で笑いながらテキトーに観るのが吉。


主役2人(特に所長)の過剰な演技と逝っちゃってるキャラに頼りすぎのような気もしましたが、トム・シックス監督、たぶん今回は、1作目と2作目を支持してくれたファンへのお礼、軽いサービスぐらいの気持ちで作ったんでしょうね。前作ほど攻めてないです。それなりのエグみを随所でばらまいてはいますが……。


この映画、アメリカでは2015年5月22日に限定公開・動画配信されましたが、日本でいつ劇場公開するのか、ツタヤやゲオでDVDを借りられるようになるのか、よく知りません。正直、旧作扱いで100円レンタルできるようになってから観ればいいかなって気も……。



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