子ども手当申請の受け付けが市区町村で始まり、役所の窓口には連日、海外に子供を持つ外国人が詰めかけている。兵庫県尼崎市では韓国人男性が「養子」と称する554人分(年額約8600万円)を申請しようとしていたことが判明。東京都内ではビザ切れの中国人らの姿も目立ち、窓口は混乱状態となっている。「養育関係」の確認作業を国から“丸投げ”された自治体からは「海外の公的機関に確認できない」などと怒りの声が上がっている。

(高久清史、油原聡子)

■「何でもらえないの…」

 「これだけではお子さんの面倒を見ているってわかりませんね」

 外国人登録者数が約1万8千人の東京都豊島区。今月20日朝、区役所2階のカウンターで、申請に訪れた中国人女性(35)は職員の繰り出す言葉にうなだれていた。日本語が苦手な女性は約30分間、筆談を交えて説明を試みたが、最後は「じゃあ、いいです。今は時間がありません」と憤然として席を立った。

 女性は平成18年、夫や14歳の息子、9歳の娘を祖国に残したまま来日。同区池袋に住み、中華料理店で働いてきた。手当の申請に訪れたのは4回目だが、「毎回、担当が違う。言われた書類を持ってきても、『今度はこれが足りない』といわれる。自分の生活が苦しいということはないが、税金など払うべきものは払っている」と、女性は強い口調で話した。

 外国人登録者数約3万5千人の東京都新宿区では、多い日で10人ぐらいが申請に訪れる。ビザが切れた中国人やミャンマー人の女性の姿も目立つ。

 こうした中、「大量申請」の問題も起きた。兵庫県尼崎市では22日、50代とみられる韓国籍の男性が窓口を訪れ、妻の母国・タイで「子供554人と養子縁組している」と説明し、手当を申請しようとした。外国人の申請に必要な送金記録や、面会を証明するためのパスポートも持参していたという。厚生労働省が「孤児50人と養子縁組した外国人には支給しない」と例示していたため、尼崎市はその場で同省に照会、受け付けないことを決めた。

■潜む偽造のリスク

 これまでの児童手当でも外国人の海外の子供分の支給はあった。なぜ子ども手当の申請に外国人が改めて殺到しているのか。新宿区子どもサービス課の職員は「児童手当の申請をせず、手当を受けていなかった外国人らが、子ども手当の存在を口コミで知ったため」とみる。

 自治体関係者が戸惑うのが、「養育関係」の確認作業だ。厚労省は不正受給防止策として外国の公的機関が発行する子供の出生証明書や居住証明書の提出を義務づけている。書類には、日本国内に住む第三者の翻訳書の添付も必要となる。

 新宿区によると居住証明書は、国や地域によってタイプ打ちや手書きなど書式がバラバラ。言語も英語や中国語、ネパール語など多岐にわたる。

 だが区では外国の機関が発行する証明書の様式などについて十分な情報を持っていない。職員は「証明書を発行したとされる機関に事実確認をするチャンネルも持っていない。偽物を見分けるのは難しい」と漏らす。言語によっては翻訳書が正しいかの確認にも手間がかかるという。

 厚労省子ども手当管理室は手当導入の際、「いくつかの自治体から『海外の養育関係の確認は難しい』という声は寄せられていた」と認めたうえで、「外国の証明書について情報収集を行い、今後、自治体に情報提供したい」と、対策には「これから」乗り出すとしている。

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