1月下旬より約2ヵ月半ほど旅に出て


初めて気づいた事がある。


それは、日本人の持っているアイデンティティの素晴らしさである。



以前、インド人と中国人の違いについて簡単に書かせてもらったように、


勿論、他の国には他の国の素晴らしいところがあるが、


日本を長期で離れると改めて、日本人である事に誇りを持てるようになった。


まだまだ偏りはあるように思うが、現段階で感じている事を書かせて頂く。



僕自身が今思うのは、日本人に流れる和の精神


つまり、自我を通す事よりも、


和を重んじる事を由とするアイデンティティ


他者を尊重する寛容精神


そこから生まれる、気遣いの心



こういったアイデンティティを持った国は、


僕の少ない経験の中ではあるが、他にないのではないだろうか。



よく日本という国は自己主張がない。自分がない。と言われることが多いと思う。


”色々な物事を謙虚に受け入れ取り入れていく価値観なのである。”


と長所として捉えるべきである。



このアイデンティティの表れの1つが、日本の宗教観だろう。


日本は無宗教と言うより、ミックスであるとした方がより近いかもしれない。


クリスマス、お墓参り、結婚式、健康祈願、


バレンタインなどなど。


お年玉の習慣は、儒教から来ているし、


色々な物事を受け入れる他者寛容精神は、


紛争や争いが絶えない世の中において、


日本が誇るべき国民性であると思う。


(ただ、それぞれのイベントの本来持つ目的、背景を

もっと知った上で受け入れる事が必要だと思うし、

デメリットもあるが)



この旅で、日本人と他のアジアも含めた国民の行動の違いを


感じる事がしばしばあった。


例えば、インターネットカフェ。



欧米人、韓国人もそうだが、周りに人がいても


スカイプやネット電話などで大きな声で会話をしている。


でも、日本人は必ず周りの状況を確認しながら小声で話したりしている。



或いは、ファーストフードやカフェ、電車での出来事。


日本人は、ファーストフードやカフェでは器を必ず下げるが、


他の人は下げない。


電車では、自分の使ったペットボトルを、持ち帰ったり、


或いは、1箇所にまとめておいたりするのが日本人。


それ以外特にインド人などは、どこら中に投げ捨てる。



いずれにしても、自分の事だけではなく、


第3者に対しても、目を向けるアイデンティティで在ると言う事は


素晴らしいことで、これはビジネスで必ず生きる。


ビジネスには必ず相手があると言う事を考えると、


相手のことを考えざるを得ない。



これだけの小さな島国が、


世界第2位の経済大国となり、海外に行けば至る所に日本製品がある。


僕はそこまでになれたのは、日本人のアイデンティティだと思うし、

終身雇用を基盤とした、1億総中流社会であったからこその


経済発展だと考えている。



どの企業の団塊世代の人を見ても、みな昔からもくもくと良く働いてきた。


どんな企業人でも、どんな窓際族でも、世の中に少なからず貢献してきた。


1億人ちょっとの人たちが、総じて和を重んじ、第3者の事を考えるアイデンティティで


あったからこその成功だろう。



だからこそ、


最近の自分の事しか考えない人の増加を見るにつけ


日本の経済発展の危機を最近感じている。


昔から受け継がれる和の精神を今一度日本人は


道徳として学ぶべきであると僕は強く思う。