葛山麓

そして引っ越した!


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 ちょっと待て、a-haのこと書いてそれっきり更新していないなんて、歌謡曲スタンダード野郎の自分としてどうなのか、ギタリストとしてどうなのか!? と反省したので更新したいと思いました。歌謡曲スタンダード野郎って一体なんなんだ、という問いかけを自分にしながら。
 あと、ギターは、まともに持ったことすらありません。

 えー、先日、道の真ん中でバッタリ、遠い昔の知り合いらしき人と鉢合わせしました。
 問題は、僕がその相手をまるで覚えていないことであります。
「山麓くん!? 山麓くんよね!?」
 と、お相手はいささか上気した顔で述べて下さるのですが、僕にはサッパリ、その人が誰か判りません。
「はあ、そうですが……」
 元々間抜けな顔ですが、このときの僕は大層間抜けな表情をしておったと思います。相手は女性なのですが、記憶にない人でした。いささか年上のように見えました。
「私のこと覚えてる?」
 いまどき漫画でももうちっと気の利いた台詞口にするだろう、といった調子で謎の女性はおっしゃりました。
「覚えてない」
 断言して僕はダッシュで逃げました。
 すると彼女は、「こおらあああああああああああああああああああああああ!」と鬼の形相で追いかけて……なんて話はもちろん嘘で、気の弱い私は「どなたでしたっけ……?」と弱々しい声で訊き返すのが精一杯でした。


 四月になれば彼女は(サイモン&ガーファンクル)
 
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 昨日の続きです。

 なんでa-haが一発屋なんだよ耳腐ってんのか! 噴飯やるかたないですわい。
 それって、PRINCESS PRINCESSを「Diamondsだけの一発屋」って言うようなもんです。
 The POLICEを「Every Breath You Takeだけの一発屋」って言うようなもんです。
 Boyz II Menを「End of the Roadだけの……」って、もういいか。
 ともかく、最も有名な一曲だけをとらえて一発屋呼ばわりしだしたら、世の中のバンドのほとんどは一発屋になってしまいます。どんな寝ぼけかたをしたら「a-haは一発屋」なんていう妄言が吐けるのか。こればっかりはムチャクチャな暴論です。
 と……別にa-haのすごいファンというわけでもないのですが、世界常識として突っ込んでおきたい山麓です。こんばんは。

 どこのバカが選曲した「一発屋特集」なんだ頭に来るぜ、と、今、思い出して改めてイラっとしながら調べてみましたら、アメリカ基準のチョイスであったことが判明しました。
 ああ、そうですか。


 とりあえず2006年のヒット曲を。僕はこれが一番好きです。動画がないのが残念……

 a-haについて、アメリカは世界の潮流から外れています。a-haらは80年代からずっと、21世紀に至るまで、多少の浮き沈みはありつつもヨーロッパでも南米でももちろん日本でも人気を保っていました。
 一事が万事そうだというつもりはまったくないのですが、アメリカの人は自国でヒットしなかった曲は世界中でヒットしていないと思い込む傾向があるような気がします。昔、METALLICAがカバー曲集を出したときに、「THIN LIZZYのこんなマイナーな曲をカバーしちゃうって俺たちのセンス、格好いいだろ」みたいなことをものすごく得意そうな顔でラーズ・ウルリッヒが言っていたのを思い出しました。カバーしたその曲"Whiskey in the Jar"って、THIN LIZZYの最初のインターナショナルヒットなんですが……(英国チャート6位)。

 なんか、怒って損した。耳腐ってるのはアメリカでした。星条旗よ永遠なれ。
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 こんな時期にブログしている場合じゃないという気も、まだまだするのではあります。ですが、いつまでも自粛という名の開店休業を、日に二人くるかどうか怪しい程度のこんな零細ブログで続けたところで果たして復興が早まるのか、と問われればなんとも答に窮す(結論はわかりきってますが)わけです。ですので、微々たる額ながら地道に募金で復興支援に協力しつつ、僕は僕のできること……つまり、ブログ世界の片隅で陶芸のたしなみについての記事を地道に書いていきたいと思うのです。いつ陶芸が趣味になったんだ貴様。

 さて本日、録画したっきり存在すら忘れていたMTVの番組を、「あー」とか言いつつ、キャップをいい加減に閉めた罰の下ったコーラを飲みながら僕は観ておりました。
 何ヶ月も前のコマーシャル、何ヶ月も前のヒット曲、観たくてもまず観ることのできない何ヶ月も前の番宣……まさにこの、なんとも意気地のない味のコーラによく似合う光景だわい、と半笑いでおりましたら、噴飯やるかたないコマーシャルに直撃を受けました。コマーシャルといっても番組の宣伝です。
 気に入らないのはまず、その番組タイトルでした。『一発屋特集』なんていいうじゃないですか。一曲だけヒットして世間から消え去ったバンド・アーティストの『その一曲』をかけつづけるという番組構成とのこと。

 僕は『一発屋』という言葉は好みません。第一、小馬鹿にしたような表現が気にくわない。音楽は消費すべき商品に過ぎず、ヒットした曲以外は価値がないという考えが透けて見えます。「ポップミュージックは商業音楽なんだからそれで当然だろ」などという人が同じ口で、ミュージシャンを「アーティスト(芸術家)」と呼ぶことに疑問を感じていない。仮にもアーティストと呼ぶのならアートに敬意を払いなさい! それにいわゆる一発屋と呼ばれる人たちにしたって、大抵は他にヒット曲があるものです。逆に言えば、本当に一曲しかヒットしていない人は珍しい。The KNACKにしたって、もうひとつのヒット曲"Good Girls Don't"のほうが僕は好きです。

 まあ『一発屋』と言うのも、それをオモシロオカシク特集するのも別に良いです。バカにしたテイストがあるのはともかく、大ヒットしただけあっていい曲ばかりなのは確かですし。上掲のThe KNACKやトニー・バジル、最近じゃダニエル・パウターなんかもここに入るのでしょうかね……などと考えつつ番宣を観ておりましたら、この野郎!
 なんでa-haがラインナップに入っとるんじゃあ!


 ……a-haの「一発」と言えばこれのつもりなのでしょうな。

 (スペイン語字幕バージョンでお送りしております)

 しかし! しかしa-haが一発屋のはずはないでしょう。いくらなんでも! あんた!
 これ企画したヤツちょっと来い……と、コーラを煽って無闇にテレビ画面に怒鳴る私なのでした。いやな話だなあ。

 この話、続きます。
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 Beagle Hat解散してたとですか!!
 なんていうか……↓を聴いてあなたも、僕と一緒に涙を流しましょう。


 泣くがいい。声をあげて泣くがいい。 その涙は新しい時代を呼ぶ水晶となって、アルカトラスの許に届くことだろう……って、アルカトラスの元に届いてどうなるってんだ。チクショー!
 と、混乱していることこれ以上ないってくらいガッカリしてます。もうね、こんな顔文字使っちゃうくらいに。
 。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
 ……少し、恥ずかしくなった。

 恥ずかしくなったところで、BEAGLE HATについてダラダラ書きます。
 Beagle Hatというのは日本のバンドでした。
 ものすごく後ろ向きなバンドだったかもしれません。
 どこかで聴いたようなメロディを、どこかで聴いたようなアレンジで奏で、さらにどこかで聴いたようなコーラスなんかも乗せちゃいます。往年のポップバンドPilotから、デイヴィッド・ペイトン(vo)を招聘しちゃって歌わせます。あまつさえ正式メンバーにしちゃいます。はっきりいって、懐古主義のオッサンがニヤニヤしながら「判ってるねぇ」なんて言うバンドです。って、ニヤニヤしてたら悪いのかこの野郎!
 ……冷静に。冷静に。

 ともかく、新しい要素なんかひとつもないバンドです。僕は、いつまでもDeep Purpleとそのファミリーバンドばっかり聴いて偉そうな顔をしているような、いわゆる『パープルオヤジ』が大の苦手でして、「はっきりいってああはなりたくない」と反面教師にしているような人間なのですが、よく考えたらこういうバンドを好んでいるのだから五十歩百歩かもしれません。

 ただ、新しい要素がひとつもなければ、それはつまり古くさいバンドなのかと言われたら、決してそうではないとだけは言いたい。Beagle Hatの楽曲は、いつの時代でも色あせない質の高さを持っていると思うのです。とりわけ、このセカンドアルバム(デイヴィッド・ペイトン初参加作品)は。

 「Magical Hat」(2006年)
 このアルバムには上掲の"Casgabarl!"はもちろんのこと、ポップで美しく、初聴きでもうお気に入りになっちゃうような曲がたくさん収録されていました。特にフィナーレを飾る"Fairy Land"は再録曲ですが、その涙が新しい時代を呼ぶ水晶となって、彼らの元に届きそうな名曲です。大好きです。

 そんな彼らは2009年に「Orange Groove」というアルバム(こっちはイマイチでした)をリリースしたのち、とんと音沙汰がなくなってしまいます。
 最近どうしているのかな……と、ふと検索して公式サイトにアクセスしたところ、突然の「解散しました」宣言……仰天して私は、
 。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
 と、なったわけでした。

 どうして解散したのか、どなたかご存じでしたら教えて下さい。検索してみましたが情報が全然ないので……。
 コメント欄に書き込むのが面倒なんだよ! という方は、涙を新しい時代を呼ぶ水晶にして届けてくれても結構です。いい加減しつこいね、私も。
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 こんばんは。昨日の続きです。

 大統領選で女性票を獲得するため――ストレートにいうと人気取りですね――に副大統領に担がれた主人公マッケンジー・アレンは、無事選挙に勝利し副大統領に就任していました。どっかで聞いた話っぽいですね、2008年大統領選でマケイン&ペイリンが勝利していたら可能性大のシチュエーションでありますな。(ちなみにドラマは2005年作です)
 さて、その任期の半ばまで来たところで突然、病により現職大統領が危篤状態に陥ってしまいます。これが物語の冒頭です。

 $葛山麓 大統領が任期中に死亡すると副大統領が大統領に就任するのがアメリカ大統領制度のルールです。というわけで「史上初の女性大統領か!?」と期待が高まったかと思いきや、周囲の実力者はこぞって彼女に、副大統領職を辞任するよう圧力をかけてきたのでした。いわく、「お飾りの副大統領と大統領職は違う」「女が米軍の最高司令官だなんて」と言ってくるわけです。挙げ句の果ては、一時回復した大統領自身が辞任を命令してくる始末。自由と平等の国、ウーマンリブ先進国アメリカといいながら存分にありえるシチュエーションです。
 そうこうやっているうちに大統領の病状は急激に悪化、ついに還らぬ人となってしまいました。
 素直に辞任するのか、職務に対する本分を貫こうとするのか、その葛藤、そして、大統領に就任したとして周囲の協力を得られるだろうかという不安……これが第一回で描かれるわけです。アクションもサスペンスも笑いも一切ないシビアな展開ですががこれが抜群に面白い! 無論、現実はここまで単純ではないでしょうが、政治的駆け引きや人々の思惑が複雑にからみあって、なんともスリリングです。爆発のひとつもありませんがハラハラしっぱなしなのです。

 作品タイトルがタイトルですから、彼女はやはり大統領となることを選ぶわけです。すると突然、「女の大統領の下でなんか働けるか!」と辞任する閣僚が出てきたり、政界の実力者の嫌がらせを受けたりと波瀾万丈の展開となります。
 といってもこの作品は、みんなにいじめられる可哀想な女性大統領、といった『おしん』的な感情に訴えてくる世界観ではありません。『周囲が敵だらけながら、手持ちのカードを使ってトラブルをどう制していくか』という、ある種シミュレーションゲーム的な冷徹さがあります。主人公が超能力者でも、どこかから忽然と援軍がやってくるわけでもありません、あくまで現実に即して展開されるのが面白さの要因でしょう。

 ゲラゲラ笑うことはないものの、ユーモラスなところもあります。とりわけ、史上初の大統領夫君(ファースト・レディならぬファースト・ジェントルマン)となる彼女の夫が遭遇する戸惑いや驚きは、視聴者目線というか、厳しい政治バトルの中一服の清涼剤的な要素があって楽しめました。

 現在、二話目まで見たところです。他国にあきらかな内政干渉をしていたり、多少疑問に思わない部分もないではないですが、それはそれでリアリティに満ちたアメリカらしさ、ということで理解しつつ、今後の物語を楽しみにしたいと思います。
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 木村拓哉が総理大臣になってる場合じゃないだろ!
 ……とは、これを観た日本人の八十パーセントが思ったことではないかと推測します。(推測しただけ)

$葛山麓-Commander in Chief
『マダム・プレジデント~星条旗をまとった女神(原題:Commander in Chief)』


 まあ別にキムタク総理はどうでもいいのですが、こちらはもっとずっと真面目なお話です。
 米国史上初の女性大統領、マッケンジー・アレンの戦いを描く政治ドラマ、開始前からチェックしていたわけでもなく、たまたま第一回をやっていたのでなんとなく観た、その程度の認識で観始めました。(FOXライフ)
 ところがこれが個人的には「大当たり!」だったもので、ちと紹介してみたいと思います。

 アメリカのドラマというと、『24』や『プリズン・ブレイク』、『HEROES』に代表されるようなアクション満載、スリルとサスペンスてんこ盛り、火薬がどっかんどっかん……というようなイメージを抱く人が少なくないと思います。もちろんそういうのもあります。たくさんあります。そもそも僕自身、最初は『プリズン・ブレイク』や『HEROES』が観たくてFOXチャンネルやスーパードラマTVに加入したのです。
 けれど実際は、そういうドラマのみにとどまらないんですね。現在、アメリカのドラマを観るのなら、医療ドラマやコメディ、ヒューマンストーリーにこそ観るべきものが多いと思うし、実際、むしろ僕はそういったドラマの数々にこそ魅せられています。

 それでは本作の紹介ですが、まずは「原題が邦題と全然ちがうぜ!」という指摘からはじめましょう。
 原題が『最高司令官(Commander in Chief)』であり、「大統領というのは米国軍の最高司令官ですよ」という意味を内包しているのに対し、邦題はもっと内容に対してストレートです。
 『バス男』(原題:Napoleon Dynamite)や『26世紀青年(原題:Idiocracy)』に烈しく熱く怒りまくっている僕としては、この全方位転換みたいな邦題にも怒るべきなのかもしれませんが、これはもう仕方がない! あえていうなら必要悪です。「アメリカの政治形態に無知だからこんな邦題つけるんじゃ」と揶揄されるかもしれませんが、たとえば直訳して『最高司令官』だったら人々はこの作品を観るだろうかと考えてみれば結論は出ます。いい作品はたくさんの人に観てもらいたい、だからこのような邦題が必要だったのです。逆に言うと、僕が怒っている邦題は、このタイトルのせいで観たくなくなる人が多い(自分含む)と想像できるから噴飯ものなのです。……それにしても『星条旗をまとった女神』というサブタイトルは必要なかった気がします。

 話がずれてきましたが邦題といえば、『Dr.HOUSE』も原題は『HOUSE』なのになんで「ドクター」が付いとるんじゃコラー! という意見もあるかと思います。しかれどこれも、そのまんまでやると日本の場合、「家」どころか「ハウス食品?」と思われる可能性があるから仕方がないのではないかと。あげくのはては「名作劇場?」とか言われてしまうと色々と大変です。ネロとパトラッシュが出てきたりしてもう本当に大変だ!

 というわけで話のとっかかりにタイトルのことを書いたら、それだけでえらく時間がかかってしまいました。もう寝る時間なので寝ます。誰も期待してないと思いますが続きはまた明日!

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 山麓です。
 なんか昨日、珍しくゴチャゴチャ映画感想を書いたりしたのでジンマシンがでたかもしれません。
 いま思いついたのですが『ジンマシン』って『神マシン』って誤変換できそうですね。「アレルギー反応で神のマシンが生まれた! やった!」みたいな展開が楽しめそうです。楽しくないよ! それにそもそもなによ、神のマシーンって!
 
 ……まさかこれ?
マシーナ/ザ・マシーン・オブ・ゴッド/スマッシング・パンプキンズ


 このバンド、リンク先のレビューにもありますがこのアルバムばかりやたら中古盤で見かけます。250円とかで投げ売りされてます。
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 ある日、予告もなく失明したとする。
 それも、自分一人ではなく、多数の人々が同時に!
 ジャンル分けなんて無意味かもしれないが、あえてジャンル分けするならばホラー映画となるだろうか。いや、別に怪物が出てくるわけでもないしパニック映画というべきか、中盤に主眼を据えるならサスペンス映画と呼んでもいいし、社会実験ドキュメンタリー風映画とみなせるかもしれない。
 いずれのジャンルに分類するにせよ、その下に付け加えるべき一文は同じだ。
 ――観る価値なし。

$葛山麓-ブラインドネス  おそらく現代、アメリカっぽいどこかの国、自動車を運転していた日本人らしき男性が、突然「目が見えない」と言って車を停止させる。奇病の発生だった。この男性と接触を持った人間がつぎつぎと、同様の症状に襲われていった。感染者数は日増しに増加するものの、まるで治療法は見いだせない。政府は盲目者の隔離施設を設立し、ここに彼らを強制収容した。秩序が、音を立てて崩れはじめる。
 作品の主人公は『眼科医の妻』だ。周囲の人間がバタバタと失明する中、彼女は唯一、感染者と接触しても視力を失わない。そこに至る過程は割愛するけれど、彼女は自分も感染者だと偽って隔離施設に収容されることになった。

 冒頭のスピーディな展開は、映画ならではの面白さに満ちている。主人公たる『眼科医の妻』が隔離施設に入るまでの流れでは、足音を忍ばせながら恐怖が、じわりじわりと背中から迫ってくるような感覚がつきまとう。この映画、傑作になりえるんじゃないか――と、このあたりまでなら思うかもしれない。
 ところが、そこからがどうも居心地が悪い。

 盲目者ばかりの収容施設なのだから、外見や肩書きといったものはまるで意味がなくなる。食事や排便といった基本的な生活すら不自由この上なくなり、散らかったゴミを片付けようにもうまく行かず、衛生環境はどんどん悪化する。見えないから羞恥心もなくなっていくわけで、平気で裸で歩く人も増えていくし、怪我をしても治療などできない。しかもそんな状況なのに、毎日のように収容者が増えていくのだ。

 日常が崩壊するというこの手の映画では、主人公への感情移入が強くなるのが当然だろう。それなのに、本作ではほとんど感情移入できない。それどころか感じるのは苛立ちばかりだ。
 これは、主人公の描き方に欠陥があるからではないか。『妻』のキャラクター描写がやたらと浅い。言い換えれば、どういう人なのかよくわからないのだ。
 彼女は、自分以外がすべて盲目という世界で、夫を守り、視力があるという秘密も守りながら生活するという特殊すぎる立場のはずだ。それなのに困惑や苦悩があまり出ておらず、『なんとなくそこにいる人』のようになってしまっている。
 いくら隠していたって視力があるのだから、この環境下では絶対的に有利だ。実際、彼女はリーダー的役割を担っているようでもある。なのに、そう思わせる描写が全然ないのはどういうことだろう。

 ここで、ネタバレというものではないが映画の秘密を一つ明かそう。
 上掲部ポスターのあたりの文章をお読みになって、すぐ疑問に感じられたと思う。本稿は『おそらく現代』『アメリカっぽいどこかの国』『日本人らしき男性』といった不確定な表現を連発している。主人公にしたって『眼科医の妻』だ。
 これはわざとやっているのではなく、本作の特殊な事情に従って書いたものだ。本作には固有名詞らしい固有名詞が一切出てこない。どこの国なのか20世紀末なのか21世紀初頭なのか近未来なのかも明らかにされない。『アメリカっぽい』のは言語が英語で、自動車が右側通行だったことから推測しただけのことだ。
 原作小説(未読)に従った表現らしいが、これが映画という媒体に相容れなかったのではないか。
 名前をつけない、舞台も時代も明らかにしない、という技法で客観性を演出しようとしたものの、それが過剰になりすぎて、血肉の通ったドラマではなく、コマを並べたシミュレーションゲームのようになってしまった……そんな印象を受けた。

 フィクションなんだからもちろん話は嘘だけど、それでもリアリティがあるから映画は説得力を持つものではないのか。感情を揺り動かすのではないか。序盤の快調さはどこへやら、途中からずっと、本作は嘘っぽくて仕方がない。
 そのせいで、鑑賞する目が冷める。作り手の傲慢さが鼻につくようになる。人間のエゴが剥き出しになるような展開にも、「ほらこういうのが観たいんだろう?」という作り手からの得意げな声が聞こえてくるようだ。その結果、「そんな風になるはずないだろ」と反発心を抱くばかりとなる。

 結局、冷めてしまった感覚が最後まで温まることはなかった。安っぽいゾンビ映画のパロディみたいなシーンにも冷笑が浮かぶだけだし、終盤は希望に満ちた展開となるにもかかわらず、いつの間にか一刻も早く映画が終わることを願うばかりとなった。

 結論。残念な映画だ。面白そうな題材なだけに、本当に残念だ。
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 ファミリーなんだからファミリーレストランに行くわな、ということでファミリー(含実家の両親)でファミレスに行ったのだった。大事件だ。どこがだ。
 ところでこのファミレス、入口で「お煙草はお吸いになられますか?」と二重敬語で訊かれるのが常なので、僕は最初に「禁煙席で」と述べることにした。うちの一行は誰も煙草を吸わない。そして、吸わない人としては煙草の煙は嫌なのだ。しかし、この日は対応が違った。
「先日からランチタイム・土日祝日は全面禁煙になりました~」
 マネージャーらしきスーツ姿の女性店員が答えた。おやまあ。
 というわけで快適に窓際の席に移ったりして、我々はしばし悠々と過ごしたのだった。ちっちゃいハンバーグ食べたりしてね。

 煙草を吸う人が気の毒ではあった。とはいえ、こういった店は子どもの多い環境(ベビーフードもある)なのだから、この変化を個人的には歓迎したい。事実、以前来店したときも「喫煙席ならお席はありますが……」状態で、空いている禁煙席を尻目に何分か待機した記憶がある。
 などと回想していたとき、今度こそ本当に事件が起こった。

「なんでタバコ吸われへんのやぁ!!」


 入り口付近から怒鳴り声が聞こえた。
 不機嫌な男性の声だった。まあ、怒鳴っている人が上機嫌なはずはないわな。
 店内一斉に振り返った。
 店の「変化」を知らない客のようである。そして、あまりお上品ではない客のようである。
 例のマネージャーが飛んでいくのが見えた。女性マネージャーはなにやら説明しているようだったが、不機嫌な男性のほうはおさまらないようだった。直後、

「うっさいわ! 不細工な顔して!!


 これまたはっきりと聞こえた。
 
 ここで僕は喫煙者バッシングをすつるもりはない。世の中にはジェントルな喫煙者もいることを知っているし、無礼千万な嫌煙者がいることも知っている。しかし間違いなく、彼は無礼千万な喫煙者だ。
 こういう人は自分が、喫煙者に対する世間の風当たりを悪くしているのだという自覚はないだろう。
 このやりとりが聞こえる範囲の人々は息を潜め、「どうするの……?」という顔をしていたと思う。少なくとも僕はそうしていた。
 すると毅然とした声で、不細工呼ばわりされたマネージャーが答えるのが聞こえた。

「そのような言動をなさる方は、当店に来ていただかなくて結構ですから」

 さすがに頭に来ていたようだが、それでも慇懃な口調なのはさすがだった。
 思わず拍手しようかと思ったが、そのとき、小さな子どもがぐずるのが聞こえた。
「おなかすいた~」
 3歳くらいの男の子らしかった。無礼者のオッサンの子どものようである。その子の姉らしき女の子が唱和する声も聞こえてきた。
「ならもう禁煙席でええわ!」
 不機嫌な無礼者はやはり不機嫌な様子で、案内も受けずにずかずかと店内に入ってきた。二人の子どもと、その妻、および両親らしいのを連れた結構な大人数であった。
 まず、マネージャーさんにはナイス対応と言いたい。追い返してやればよかったのに。
 ていうかオッサン、子どもいるんだったら煙草は控えろよ。

 実話なのでオチはない。
 同じレストランでもこちらはイタリアン。

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