本書は「起業バカ」の第二弾である。

「起業バカ」で失敗事例を挙げて安易な起業に警鐘を鳴らした著者は、本書ではさらに踏み込んで「地獄」を力説している。

まずはお得意のフランチャイズ地獄から。
今回はフランチャイズ詐欺ということで、実名入りで告発している。
そのほかにも、様々な生々しいワナの数々を、実際の証言を元に解き明かしている。

ドキュメンタリーとしてはとても面白い読み物だし、ハンパな気持ちで起業する人々への戒めとなっている。
ただ、ここで取り上げている「起業家」たちは、いずれも自信過剰で将来への見透しといえば手前勝手な夢物語程度。
おそらくこの人たちには「起業しない」という選択肢を用意していなかったんだろうなぁ、と。
そのため目の前に儲けられそうな話があれば飛びつき、ビジョンを持たずに企業してしまうことにより、本書にあるような地獄を見てしまうのである。

僕も起業を志しているが、何のために起業をするのかを考えた場合、単なる「お金儲け」という理由だけでは、あまりにリスクに対する見返りが小さすぎると思う。
では、何のために起業するのか。
誇大妄想と言われかねないが、僕の場合、自分の判断・責任でどこまでやれるのかを実験してみたい、という思いと、社会にとって自分が必要な存在でありたい、という2点によって動機付けされている。
その2点を、時間がかかったとしても実現できそうなビジョンがイメージできるまで、起業はしないつもりでいる。「なにがなんでも起業」ではないし「なんとなく起業」でもない。

著者はあとがきで、起業しようという人々に対して、非常に強烈な挑発をしている。
起業なんてのは、一部の優れた人のためのものなのだと。


上等じゃねぇか。やってやるよ。
(ちゃんとしたビジョンが出来てからね)

(怖いけど、負けないよ度:★★★★★)

渡辺 仁
起業バカ 2 やってみたら地獄だった! Idiot Entrepreneurs

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